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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09373942
審判 全部申立て  登録を維持 X09373942
審判 全部申立て  登録を維持 X09373942
管理番号 1263150 
異議申立番号 異議2012-900109 
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-05-01 
確定日 2012-09-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5466634号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5466634号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5466634号商標(以下「本件商標」という。)は、「Advanced Solar」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年8月4日に登録出願、第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」、第37類「建設工事,建築工事に関する助言,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守」、第39類「電気の供給」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,機械器具に関する試験又は研究」を指定商品及び指定役務として、同年12月16日に登録査定、同24年1月27日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5504513号商標(以下「引用商標」という。)は、「SOLAR」の欧文字を書してなり、平成21年12月1日に登録出願、第37類「内燃機関又はガスタービンの修理又は保守,ガスコンプレッサーの修理又は保守」を指定役務として、同24年6月29日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由
申立人は、「本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから,取り消されるべきものである。」として、その理由を要旨次のように主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標からは、その構成から「ソーラー」の称呼が自然に生じる。
けだし、第37類においては語頭に「Advanced」を有する登録商標は、13も併存しており、よって、該役務区分の役務との関係で該「Advanced」は、識別力が弱い記述的なものであり、本件商標の要部である「Solar」の部分から「ソーラー」の称呼が全体から生じる称呼とは別に生じると考えられるからである。
一方、引用商標は、その構成から「ソーラー」の称呼が生じる。
してみれば、本件商標と引用商標とは称呼において同一であり、類似するものと言わざるを得ない。
また、商品役務においても、本件商標の第37類の「発電機の修理又は保守」は引用商標の指定役務である「ガスタービンの修理又は保守」と類似するものと考える。確かに、両役務の類似群コードは異なるが、発電機にはガスタービンが必須であり、前者の修理保守と後者の修理保守とは密接に関連しており、その役務の提供者、需要者も共通にするものである。
したがって、本件商標は、引用商標と類似するものであり、その指定役務も引用商標のそれと抵触するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の周知著名性
申立人であるソーラー タービンズ インコーポレーテッドは、1927年に米国で設立され、現在では全世界で7000人の従業員を有し、1940年代からガスタービンを製造してきている(甲第3号証)。
同社は、産業用ガスタービンのリーディングカンパニーであり、世界中に該製品を輸出している。この点は、甲第4号証として提出する顧客リストの一部からも明らかである。
引用商標は、かかる申立人のメインの商標であり、殆んど全ての製品に使用されているものである。
したがって、引用商標は、顧客である韓国のSAMSUNG ENGINEERING及びHYUNDAIからのRecognition Letterからも明らかなように、国際的に周知となっている(甲第5号証)。
この点は、さらに、欧州共同体商標制度を運用するOHIMが、本件申立人による欧州での異議事件の決定において、引用商標が欧州において名声を有するものである旨を認定していることからも、より一層明白と言える。(甲第6号証)。
以上より、引用商標が、国際的に周知著名商標であることは明らかである。
イ 本件商標と引用商標との類似性
次に、本件商標と引用商標の類似性について考えると、本件商標と引用商標とは称呼において同一であり、類似するものと言わざるを得ない。
したがって、本件商標は、周知著名である引用商標と称呼において類似するものであり、本件商標が周知著名である引用商標と類似していることから、混同のおそれが生じるものであることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
さらに、本件商標に接した需要者は、引用商標の著名性故に、引用商標を想起するものであり、本件商標権者は明らかに申立人会社所有の著名引用商標の顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する目的で使用するものであるといえる。かかる不正の目的は、本件商標が、申立人会社所有の周知著名の引用商標と類似する構成から成ることからも明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)引用商標の周知、著名性について
申立人は、引用商標が本件商標の登録出願前より周知、著名である旨主張している。
甲第3号証は、申立人のウェブサイトであるところ、左上に「Solar Turbines」(Solarの文字中、「r」の文字の上に丸の中に「R」の文字が記載されている。)の記載がある。
甲第4号証は、申立人の顧客リストである。
甲第5号証の1及び2は、HYUNDAI及びSAMSUNGからのRecognition Letterである。
甲第6号証は、申立人が欧州において申し立てた異議事件のOHIMによる異議決定書である。
以上によれば、本件商標の登録出願時及び査定時において、「SOLAR」の文字が単独で申立人を表示するものとして使用されている例は、ほとんどない。
また、申立人は、本件商標の登録出願時及び査定時における、引用商標を使用した役務の取扱い数、販売高(販売金額)等を明らかにしていない。
そうすると、引用商標は、上記甲各号証によっては、本件商標の登録出願時及び査定時において、我が国における需要者の間に広く認識され、周知、著名性を獲得するに至っていたとは認められないものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 商標の類否について
本件商標は、「Advanced Solar」の欧文字を標準文字で表してなるものであるところ、各構成文字の先頭の文字が大文字で表されているとしても、同じ書体で外観上まとまりよく表されているものである。
そして、本件商標中の「Advanced」の文字が、「進歩した」という意味を表す英語であるとしても、かかる本件商標の構成においては、該文字が、特定の商品の品質又は役務の質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものではないから、後半に位置する「Solar」の文字部分を、ことさら分離して抽出すべき理由はない。
そうとすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「アドバンスドソーラー」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じない造語よりなるものといわなければならない。
一方、引用商標は、「SOLAR」の欧文字からなるものであるから、構成文字に相応して、「ソーラー」の称呼を生じ、「太陽の」の観念を生じるものである。
してみれば、本件商標から単に「ソーラー」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は見出せない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
イ 指定商品及び指定役務の類否について
本件商標の指定商品及び指定役務は、上記1のとおり、第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」、第37類「建設工事,建築工事に関する助言,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守」、第39類「電気の供給」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,機械器具に関する試験又は研究」である。
一方、引用商標の指定役務は、上記2のとおり、第37類「内燃機関又はガスタービンの修理又は保守,ガスコンプレッサーの修理又は保守」である。
本件商標の指定商品と引用商標の指定役務は、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるとはいえないものであり、また、「商品と役務の用途」、「商品の販売場所と役務の提供場所」及び「需要者の範囲」が一致するとはいえないから、非類似の指定商品及び指定役務といわなければならない。
本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は、「提供の手段、目的又は場所」、「提供に関連する物品」及び「需要者の範囲」が一致しないものであり、また、「業種」及び「当該役務に関する業務や事業者を規制する法律」が同じではなく、「同一の事業者」が提供するものではないから、非類似の指定役務といわなければならない。
ウ 小活
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、上記(2)アのとおり、引用商標に類似しない別異の商標である。
また、引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び査定時において、我が国における需要者の間に広く認識されている商標とは認められない。
してみれば、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、これから引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品及び役務が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(4)商標法第4条第1項第19号について
仮に、引用商標が欧州において需要者の間に広く認識されていることがあるとしても、本件商標と引用商標とは、上記(2)アのとおり、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
さらに、本件商標が、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって使用するものであることを認めるに足る具体的な証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものではない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-09-13 
出願番号 商願2011-55489(T2011-55489) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X09373942)
T 1 651・ 222- Y (X09373942)
T 1 651・ 271- Y (X09373942)
最終処分 維持  
前審関与審査官 西田 芳子 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 渡邉 健司
井出 英一郎
登録日 2012-01-27 
登録番号 商標登録第5466634号(T5466634) 
権利者 株式会社NTTファシリティーズ
商標の称呼 アドバンストソーラー、アドバンスト 
代理人 高橋 詔男 
代理人 中山 健一 
代理人 志賀 正武 

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