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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X36 審判 全部申立て 登録を維持 X36 |
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管理番号 | 1261679 |
異議申立番号 | 異議2012-900077 |
総通号数 | 153 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-03-30 |
確定日 | 2012-08-20 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5459372号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5459372号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5459372号商標(以下「本件商標」という。)は、「ぐるなびお食事券 全国共通グルメ券」の文字を標準文字で表してなり、平成23年6月29日に登録出願、第36類「食事券の発行」を指定役務として同年11月30日に登録査定、同年12月22日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同第16号に該当し、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。 本件商標は、その構成中に「全国共通」の文字が含まれているから、需要者が「全国共通」の語に接したときに期待する程度には利用可能でない「食事券の発行」に用いたときには、不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第1号にいう「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある誇大表示」であって、「指定役務について使用することが社会公共の利益に反し」ているので、商標法第4条第1項第7号に該当する。また、需要者が期待する程度には全国で共通して使用できない役務に使用したときには、役務の質について誤認を生じさせるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 3 当審の判断 (1)本件商標は、上記1のとおり「ぐるなびお食事券 全国共通グルメ券」の文字からなり、その指定役務を「食事券の発行」とするものである。 (2)商標法第4条第1項第7号について ア 商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、a)その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、c)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、d)特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである。(平成17年(行ケ)第10349号) イ これを本件商標についてみると、申立人提出の証拠(いずれも本件商標の登録査定日後にプリントアウトされたウェブページ)及び同人の主張によっては、「全国共通」の語が図書カード、ギフトカード及び食事券などについて使用されていることが認められるものの、本件商標が上記a)ないしe)のいずれかに該当するというべき事情は見いだせず、かつ、他に本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足る証左は発見できない。 そうとすれば、本件商標は公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めることはできないといわなければならない。 ウ なお、申立人は、「全国共通」の語を含む本件商標が登録査定時において使用されていないこと、使用開始されたとしても需要者が納得するには本件商標に係る事業が大規模な成功を収める必要があること、あるいは、もしそうならなかった場合は不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第1号の「商品又は役務の品質、規格その他の内容について、・・・不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」に該当するなどとして、本件商標は公序良俗に反するものである旨主張している。 しかしながら、商標法は、その第3条第1項において「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、・・・商標登録を受けることができる。」と規定し、使用をしていなくとも使用をする意志のあるものについてはその登録を認めていること、商標権者の総加盟店舗数は本件商標の登録査定前である2011年(平成23年)6月末において76,000店を超えていること(株式会社ぐるなび 2012年3月期第1四半期 決算補足説明資料27ページ http://www.gnavi.co.jp/company/ir/2012/gnavi_presentation_2012q1.pdf)及び「全国共通」の語の使用が不当景品類及び不当表示防止法など他の法律で使用等が禁止されているものとは認められないことからすれば、上記のとおり判断するのが相当であるから、申立人の主張は採用できない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものと認めることはできない。 (3)商標法第4条第1項第16号について 申立人提出の証拠によっては、「全国共通」の語は「全国的に共通のもの、全国で利用できる」などの意味合いを想起させるものであるといえるとしても、かかる意味合いは漠然としたものであるし、また、該文字が申立人が述べるように「少なくとも47都道府県の主要都市における、ある程度の規模の店なら使用できるであろう」との役務の質を表示するものとして、一般に使用されていると認めるに足る証左は見いだせず、かつ、「食事券の発行」に係る指定役務との関係において、その需要者をして該語をその役務の質を表示するものと認識させるというべき事情も発見できない。 してみれば、本件商標は、これを本件商標の指定役務について使用しても、その役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものと認めることはできない (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第16号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、その登録は同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2012-08-10 |
出願番号 | 商願2011-45515(T2011-45515) |
審決分類 |
T
1
651・
272-
Y
(X36)
T 1 651・ 22- Y (X36) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大森 健司 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 堀内 仁子 |
登録日 | 2011-12-22 |
登録番号 | 商標登録第5459372号(T5459372) |
権利者 | 株式会社ぐるなび |
商標の称呼 | グルナビオショクジケンゼンコクキョーツーグルメケン、グルナビオショクジケン、ゼンコクキョーツーグルメケン、グルナビ |