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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X38
管理番号 1261666 
異議申立番号 異議2012-900041 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-02-20 
確定日 2012-08-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5450751号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5450751号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5450751号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成23年3月31日に登録出願、第38類「全地球測位システム(GPS)を用いた測位測定結果データのインターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用したデータ通信」を指定役務として、同年9月20日に登録査定され、同年11月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録第5188811号商標(以下「引用商標1」という。)は、「TWITTER」の欧文字を標準文字で表してなり、2007年4月26日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成19年10月26日に登録出願、第38類「コンピュータ・携帯型コンピュータ及び有線又は無線の通信機器を利用したユーザー間のリアルタイムで且つ双方向のオンラインによる通信,電子メール・インターネット上のインスタントメッセージ又はインターネット上のウェブサイトによりメッセージを交換するための通信,チャットルーム形式の電子掲示板通信,その他の電子掲示板による通信,コンピュータを利用したメッセージ及び映像による通信,ウェブログ上の電子掲示板通信,携帯電話による通信,グローバルコンピュータネットワークを利用した電子計算機端末による通信,その他の電気通信,放送」の役務を含む、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年12月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5327291号商標(以下「引用商標2」という。)は、「TWEET」の欧文字を標準文字で表してなり、2009年4月16日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年6月11日に登録出願、第38類「コンピュータ・携帯型コンピュータ及び有線又は無線の通信機器を利用したユーザー間のリアルタイムで且つ双方向のオンラインによる通信,電子メール・インターネット上のインスタントメッセージ又はインターネット上のウェブサイトによりメッセージを交換するための通信,メッセージの送信のための通信,チャットルーム形式の電子掲示板通信及びこれに関する情報の提供,ウェブログ上の電子掲示板通信及びこれに関する情報の提供,その他の電子掲示板による通信及びこれに関する情報の提供,コンピュータを利用したメッセージ及び映像による通信,携帯電話による通信,グローバルコンピュータネットワークを利用した電子計算機端末による通信,その他の電気通信,放送」の役務を含む、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同22年6月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第5332541号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ツイート」の片仮名を標準文字で表してなり、平成21年7月16日に登録出願、指定役務を引用商標2のそれと同一にて、同22年6月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第5278420号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ついったー」の平仮名を標準文字で表してなり、平成21年6月9日に登録出願、第38類「コンピュータ・携帯型コンピュータ及び有線又は無線の通信機器を利用したユーザー間のリアルタイムで且つ双方向のオンラインによる通信,電子メール・インターネット上のインスタントメッセージ又はインターネット上のウェブサイトによりメッセージを交換するための通信,チャットルーム形式の電子掲示板通信,その他の電子掲示板による通信,コンピュータを利用したメッセージ及び映像による通信,ウェブログ上の電子掲示板通信,携帯電話による通信,グローバルコンピュータネットワークを利用した電子計算機端末による通信,その他の電気通信,放送」の役務を含む、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、上記の引用商標をまとめていうときは、「引用各商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、その登録出願時及び登録時においても、引用各商標が登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標として広く一般に知られていたものであるから、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
ア 申立人及び同人の業務に係るサービス(役務)について
申立人は、平成18年(2006年)3月からインターネット上で「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と呼ばれるサービスをウェブサイト「Twitter」を介して提供している(甲6、甲7)。
日本では、同年7月16日から前記サービスを開始した。日本での前記サービスの開始から、申立人の運営するウェブサイト「Twitter」の登録ユーザー数は増加の一途をたどり、申立人の集計によると同19年12月31日時点での日本国内の登録ユーザー数は約4.7万人であった(甲8)。また、「週刊ダイヤモンド」によれば、同22年(2010年)1月には、日本国内の登録ユーザー数は、およそ100倍の500万人を超えたとの推計が発表されている。
2010年12月度のニールセン調査によると、申立人の利用者は1,290万人であり、同様のサービスを提供している業界大手のmixi、Facebookと比較した場合、群を抜いている(甲8の2)。
イ 商標「TWITTER」等の著名性について
(ア)登録ユーザー数の激増が発表された平成22年1月頃には、ウェブサイト「Twitter」は、一般人のみならず、総理大臣、芸能人、政治家、評論家などに幅広く利用され、新聞・雑誌等のマスコミでも大きな注目を集めるほどになった。
同年1月18日から20日の期間で、株式会社富士通総研が実施した「Twitter(ツイッター)利用状況調査」によれば、調査実施時点において、Twitterの認知度は70.2パーセントにのぼるとの調査結果が報告されている(甲9)。
申立人の提供するサービスが極めてユニークであったこと、また、サービス開始からわずか約3年半で利用者が急増したこともあり、ウェブサイト「Twitter」及び本サイト上で提供されるサービスは、主に「Twitter(TWITTER)」、又は「ツイッター」の表記でインターネットブログサイトや新聞・雑誌・TV等のメディアに連日紹介されるようになった。例えば、同年1月23日発行の「週刊ダイヤモンド」では、「ツイッターの旅」と題する40ページに渡る特集が組まれている(甲10)。
(イ)申立人の提供するミニブログ、コミュニティサイトの提供、SNSは、本件商標の登録出願時点及び登録時点のいずれの時点においても日本国内において広く認識されており、申立人が提供する著名なサービスで使用する商標、「TWEET」、「ツイート」、「TWITTER」、「ついったー」、「つぶやく」も著名性を有していたものである(甲11ないし甲22)。「TWEET」及び「ツイート」は、遅くとも2009年7月28日には使用されてる(甲23)。
また、2010年8月13日からは、Twitterでのリンク共有をより簡単にするために「ツイート」ボタンがリリースされ、「TWEET」及び「ツイート」という言葉は、申立人のサービスを表象するものとして多くの利用者に深く浸透している(甲24)。
(ウ)上述のように、引用各商標は、申立人の業務を表象するものとして広くユーザーに認識されているので、特に引用商標2の「TWEET」を含む本件商標「tweetlocations\ツイロケ」がその指定役務に使用された場合、申立人の提供する役務と出所の混同を生じるおそれが極めて高いものである。
ウ 出所の混同について
本件商標は、別掲のとおりの構成よりなり、申立人の業務を表象する著名な商標「Tweet」を含むものであり、「locations」という英語は「場所」、「位置」などを表すものとして日本人に慣れ親しまれている言葉である。
したがって、本件商標の「locations」の部分は、特段需要者の注意を惹くことがなく、本件商標に接する需要者は、「TWEET」の部分に注目することになる。また、「ツイロケ」のカタカナ部分は、前段の「tweetlocations」とはかなり分離されているので、本件商標から「ツイロケ」の称呼は生じることはない。
そうすると、本件商標は、申立人の業務と何らかの関連性があるものと誤認、混同される可能性が極めて大きいものであるから、商標法第4条第1項第15号に違反して登録を受けたものである。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標は、需要者が申立人の業務に係る役務と出所について混同するおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)申立人に係る商標の著名性について
ア 申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、平成18年(2006年)3月からインターネット上でウェブサイト「Twitter」を介して「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と呼ばれるサービスを提供している(甲6)。本サービスは、140文字以内の短いメッセージの投稿、閲覧、返答が可能なもので、ブログと電子メールの中間的な位置付けがされるものである(甲7、甲9)。
我が国では、本サービスが同年7月16日に開始されて以来、上記ウェブサイトの登録ユーザー数は増加の一途をたどり、同22年1月には500万人を超え(甲8)、一般に広く利用され、新聞、雑誌等のマスコミでも注目されるようになり、その認知度は70.2%に達している。
そして、上記ウェブサイト及びサービスは、「Twitter」又は「ツイッター」の表記でインターネットや雑誌等のメディアに紹介されており(甲9ないし甲22)、また、2009年7月28日に「Twitter」で「Tweet」という語を使い始めたこと(甲23)、そのリンクをより簡単にするために「ツイートボタン」をリリースしたことが認められる。
上記によれば、申立人のウェブサイト及びサービスは、「Twitter」及び「ツイッター」として、その開始以来、短期間で急速に需要者間に浸透し、それと共に少なくとも申立人の業務に係る役務を表示する商標として、本件商標の登録出願時には、既に取引者、需要者の間に広く認識されていたといえるものであって、その状態は、本件商標の登録査定時においても継続していたものである。
イ 引用各商標の周知性について
引用商標1は、「TWITTER」の文字よりなるところ、その綴りは、「Twitter」の文字を全て大文字により表してなるものであるから、「Twitter」商標と同様に申立人のウェブサイト及びサービスを認識させるものとみて差し支えないものといえる。
また、引用商標2及び引用商標3は、「TWEET」及び「ツイート」の文字よりなるところ、提出された証拠によれば、わずかに、雑誌「週刊ダイヤモンド」の「ツイッター用語集」を見出しとする表に、「【Tweet(ツイート=つぶやき)】/ツイッターへの投稿を行うこと、あるいはその内容。字数は140字以内に制限されている。」(41頁、甲10)の記載、及び「Twitterが、ウェブサイトで『Tweet』という単語を使い始めた」(甲23)、「ツイートボタンでリンクを簡単に共有しよう」(甲24)の記載が認められる程度であって、これらの文字が申立人の商標として使用されているものは見あたらない。
そうすると、引用商標2及び引用商標3が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者、需要者の間に申立人の商標として広く認識されていたものということはできない。
その他、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標2及び引用商標3が、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていことを認めるに足る証拠の提出はない。
加えて、引用商標2及び引用商標3の「TWEET」及び「ツイート」の文字と申立人の著名商標である「Twitter」及び「ツイッター」とは、その構成文字が相違し、また、「Tweet(ツイート)」の文字が「つぶやき。ツイッターへの投稿を行うこと、あるいはその内容。」等の意味合いを理解させるものであるから、互いに別異のものとして認識し、理解されるものというべきである。
引用商標4は、「ついったー」の文字よりなるところ、該文字については、ウェブページ(甲6及び甲7)に記載があるのみであり、他に、該文字が申立人の商標として使用されているものは見あたらないから、これをもって、取引者、需要者の間に広く認識されていると認めるに足る事実ということはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、「tweetlocations」の欧文字と「ツイロケ」の片仮名とをやや間隔を空けて上下二段に書してなるところ、上下の各文字部分は、同書、同大、等間隔に表されてなるものであって、それぞれまとまりよく一連一体に表されているものである。
そして、「Tweet」の文字は、本来「(小鳥の)さえずり声」の意味を有するものであって、前記した「つぶやき。ツイッターへの投稿を行うこと、あるいはその内容。」等の意味合いを理解させる場合があるとしても、その構成中「locations」の文字部分を省略し、「tweet」の文字部分を取り出して、商取引に資さなければならないとする特段の理由は見あたらないものである。
そうすると、かかる構成よりなる本件商標は、その各構成文字に相応して「ツイートロケーションズ」及び「ツイロケ」の称呼が生じ、いずれも特定の意味合いを有しない造語というのが相当である。
イ 引用各商標について
引用各商標は、上記2のとおり、いずれも標準文字で「TWITTER」、「TWEET」、「ツイート」及び「ついったー」の文字を表してなるものであるところ、引用商標1及び引用商標4は、その構成文字に相応して「ツイッター」の称呼が生じ、甲第7号証等によれば「ブログと電子メールの中間的な位置づけのコミュニケーション・ツール」の意味合いを有するものである。
また、引用商標2及び引用商標3は、その構成文字に相応して「ツイート」の称呼が生じ、甲第10号証等によれば「つぶやき。ツイッターへの投稿を行うこと、あるいはその内容。」の意味合いを有するものである。
ウ 本件商標と引用各商標との類似性について
(ア)称呼について
本件商標から生ずる称呼「ツイートロケーション」と引用商標1ないし引用商標4から生ずる「ツイッター」及び「ツイート」の称呼を比較すると、本件商標は9音、引用商標1ないし引用商標4は、5音及び4音であって、その構成音において明らかな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても、音調、音感が明らかに異なり、称呼上十分区別し得るものである。
続いて、本件商標から生ずる称呼「ツイロケ」と引用各商標から生ずる「ツイッター」及び「ツイート」の称呼を比較すると、両者は、いずれも4音若しくは5音という比較的短い構成音よりなるところ、その前半部の「ツイ」の部分のみ共通にしているものの、後半部分は「ロケ」と「ッター」、「ロケ」と「ート」のように、明らかな差異音を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても、称呼上聴き誤るおそれはないものである。
(イ)外観、観念について
本件商標と引用各商標とは、上記のとおりであって、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においては、本件商標がいずれの文字部分よりも特定の観念を有しない造語よりなるものであるから、引用各商標とは類似するところがないものである。
(ウ)以上のとおり、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似しないものであって、明らかに互いに相紛れるおそれのない別異の商標である。
エ 小括
以上のとおり、本件商標は、引用各商標と明らかに非類似の別異の商標というべきであるから、仮に、「twitter」及び「ツイッター」文字が申立人の役務である「電子メール・インターネット上のインスタントメッセージ又はインターネット上のウェブサイトによりメッセージを交換するための通信」(「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と呼ばれるサービス。)に、本件商標の登録出願時及び登録査定時前より使用され、需要者の間で広く認識されていたとしても、これに接する取引者、需要者をして、「twitter」、「ツイッター」を連想又は想起させるとはいえないものであって、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務と混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)




異議決定日 2012-08-08 
出願番号 商願2011-25789(T2011-25789) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X38)
最終処分 維持  
前審関与審査官 保坂 金彦 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 井出 英一郎
渡邉 健司
登録日 2011-11-18 
登録番号 商標登録第5450751号(T5450751) 
権利者 メジャー・アンド・バーン・フィットネス株式会社
商標の称呼 ツイートロケーションツイロケ、ツイートロケーションズツイロケ、ツイートロケーション、ツイートロケーションズ、ツイロケ 
代理人 瀧澤 文 
代理人 小林 浩 
代理人 鈴木 康仁 
代理人 大森 規雄 

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