• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X18
審判 一部申立て  登録を維持 X18
審判 一部申立て  登録を維持 X18
管理番号 1261656 
異議申立番号 異議2011-900444 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-12-19 
確定日 2012-08-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5438938号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5438938号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5438938号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROO-pocket」の文字を横書きしてなり、平成23年3月9日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年8月16日に登録査定、同年9月16日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号又は同第15号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 申立人が引用する商標
申立人が引用する登録第4252146号商標(以下「引用商標」という。)は、「KangaROOS」の文字を横書きしてなり、平成6年6月2日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年3月19日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
2 具体的な理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の類似性
(ア)本件商標は、「ROO-pocket」の欧文字からなる。そのうち、「pocket」の部分は、指定商品との関係で見ると「かばん類,袋物」の内部ポケット及び外部ポケットを連想させる。現に商標権者自身もホームページで次のように述べている。「ROOTOTEの由来はカンガルーの“ルー”。カンガルーのような、たっぷり収納できるルーポケットがサイドに必ず付いています。」(甲第2号証の1)。「ROOTOTEオリジナルのサイドポケット - これは、カンガルーのお腹にあるポケットのように収納できることから、“ルーポケット”と名付けました。」(甲第2号証の2)。
したがって、この「pocket」の部分は顕著性のない部分又は顕著性の乏しい部分ということができ、本件商標の要部は「ROO」である。
(イ)上記引用文の中で、商標権者は「ROO」について、これは「カンガルーのルー」であるとも述べている。実際、「ROO」は「カンガルー」の短縮形として一般に使用されている(甲第3号証)。
引用商標は、「KangaROOS」であり、「ROOS」の部分が強調されているが、その観念は「カンガルーの複数形」以外にはあり得ない。
したがって、本件商標と引用商標の有する観念は「カンガルー」という点で一致し、観念類似の商標同士である。
さらに両商標に共通するのは大文字の「ROO」の部分である。小文字の中で大文字表記があればその部分に強く印象づけられるのは誰でも経験することである。両商標を時と所を異にして観察するとき、「ROO」の文字の印象が残像のように脳裏を横切り、両商標が付された商品を同一視したり、関係のあるシリーズ物の商品であるかのような感覚をもったりすることは避けられないことである。
イ 指定商品の同一・類似性
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、表記こそ異なるが実質的に「かばん類,袋物」を指定しており、一致している。
したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似である。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
ア 申立人の商品と商標
申立人は、商品「ポケットのついた履物」について世界的な名声を獲得している。1979年、一人のジョッギング愛好家がジョッギング中に浮かんだアイデア「鍵や小銭を入れるファスナー開閉式の小さなポケットを靴に取り付ける」を基に設立されたのが申立人である。それ以来、申立人は急成長し、今やその製品は世界各国で販売されている。この小さなポケットのことをカンガルーの袋に見立てたのが引用商標「KangaROOS」である。
申立人の商品である「履物」と本件商標の指定商品である「かばん類,袋物」は、我が国の商標審査基準では類似関係にないが、原料として天然・合成皮革を使用する点で共通し、販売店でも両者が並べられていることが珍しくない。
したがって、「履物」と「かばん類,袋物」は出所の混同を引き起こしやすい側面を有している。少なくとも両者の間には何らかの関係があるものと思われやすいといえる。
イ 引用商標の販売額
引用商標は、商品「履物」について世界的に周知著名である。日本に関しては、やや出遅れていたが、2004年以降に代理店を通じて商品の販売をしており、例えば2011年の販売額は1,060万円であった。2004年7月ないし2007年6月の代理店はオカモト株式会社(東京都)であり、2009年以降はカメイ・プロアクト株式会社(東京都)である。現在、申立人の引用商標を付した「履物」は甲第4号証のリストに示す店舗で販売されている。
ウ 引用商標の宣伝広告
申立人の商品は、主として「繊研新聞」「ELLE」「SESAMI」などの雑誌等において宣伝広告されている(甲第5号証の1ないし22)。
エ 世界中における引用商標の商標登録
申立人は、引用商標及び商標「ROOS」を第18類、第25類、第28類において世界94か国で延べ210件登録している(甲第6号証)。
(3)結び
上記したとおり、本件商標は、引用商標と商標が類似で、引用商標の指定商品と同一又は類似である。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
また、本件商標は、申立人が商品「履物」について使用し、周知著名となっている商標「KangaROOS」と類似であって、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標である。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同第15号の商標に該当する。

3 当審の判断
(1)引用商標の周知性
申立人提出の証拠、同人の主張及び職権調査によれば、米国のシューズブランド「カンガルーズ」が1979年に誕生したこと、及び我が国において2010年ころから靴の広告にカンガルーの図形と「KangaROOS」の標章や「カンガルーズ」「KangaROOS」「SAYEGUSA by ROOS kids」「ROOS kids」の標章が使用されていたことが認められる。
しかしながら、広告の事実を証する若干のコピー例として提出された甲第5号証によれば、その約3分の1が申立人と協業して子供靴を発売したとする「サエグサ」に係るカタログ(甲第5号証の3、10、11、14、15、19、21)であって、その配布範囲等広告の規摸、回数は明らかでない。さらに、甲第5号証の2と7、4と6、5と9の各雑誌は、同じ記事を重複して証拠として採用しているものである。
そうとすれば、雑誌の広告として「KangaROOS」「カンガルーズ」の標章と靴とが掲載されているものは、それほど多いとはいえず、単発的に掲載されたものであり、申立人提出の証拠により継続して広告掲載を行ってきたと認めることはできない。さらに、「KangaROOS」「カンガルーズ」「ROOS」の標章(以下、これらをまとめて「申立人標章」ということがある。)を使用した靴(以下「申立人商品」という。)の販売額を裏付ける証拠はなく、「2011年の販売額は1,060万円であった」との申立人の主張が事実だとしても、その程度の販売額では、「KangaROOS」を含む申立人標章が申立人の業務に係る商品(又は役務)を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国の需要者の間に広く認識されているとは到底認めることはできない。
なお、ある商標(標章)の我が国における周知性と海外での商標登録の事実とは別異のことであるから、申立人が申立人標章を世界94か国で延べ210件商標登録しているとしても、そのことによって上記判断が影響されるものではない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、上記第1のとおり「ROO-pocket」の文字からなるものであり、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で一体に表されており、該文字から生じる「ルーポケット」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中「ROO」の文字がオーストラリア英語の口語で「カンガルー」の意味を有し、「pocket」の文字が本件商標の指定商品との関係において自他商品識別力がないか弱いとしても、本件商標は、我が国における英語の認識の程度及び本件商標の上記のとおりの構成並びに称呼を考慮すれば、「ROO-pocket」の構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識されるとみるのが自然である。
また、本件商標は、その構成中「ROO」の文字部分のみを分離抽出し他の商標と比較すべきものとする事情は見いだせない。
してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ルーポケット」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものといわなければならない。
イ 引用商標は、上記第2の1のとおり「KangaROOS」の文字からなるものであり、その構成文字に相応し「カンガルーズ」の称呼、「カンガルー(の複数形)」の観念を生じるものである。
ウ そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観においては両者の各構成文字から明らかに区別でき、称呼においてはそれぞれから生じる「ルーポケット」と「カンガルーズ」との音構成の差異により明瞭に聴別できるものである。さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないものであるから相紛れるおそれはない。
なお、申立人は、本件商標と引用商標とは、「カンガルー」の観念を共通にし、さらに、両者に共通する「ROO」の文字部分に強く印象づけられシリーズものであるかのような感覚を持たせるので、類似の商標である旨主張しているが、本件商標が特定の観念を生じないものであること上述のとおりであり、また、両商標の外観、称呼及び観念において、需要者が殊更「ROO」文字部分に強く印象づけられるというべき事情は見あたらないから、申立人の主張は採用することができない。
エ してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり、かつ、他に両者が類似するというべき理由は見いだせないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
上記(1)のとおり、「KangaROOS」を含む申立人標章は、申立人の業務に係る商品(又は役務)を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されているとは認めることはできないものであり、また、本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そうとすれば、「履物」と「かばん類,袋物」が、原料として皮革を使用すること及び並べて販売されることがあるとしても、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして申立人標章を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-07-26 
出願番号 商願2011-17235(T2011-17235) 
審決分類 T 1 652・ 25- Y (X18)
T 1 652・ 271- Y (X18)
T 1 652・ 26- Y (X18)
最終処分 維持 
前審関与審査官 渡辺 潤 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 堀内 仁子
高野 和行
登録日 2011-09-16 
登録番号 商標登録第5438938号(T5438938) 
権利者 株式会社スーパープランニング
商標の称呼 ルーポケット、ルー、アアルオオオオ、ポケット 
代理人 岩堀 邦男 
代理人 岡本 昭二 
代理人 大沼 加寿子 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ