ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X04 審判 査定不服 商3条1項4号 ありふれた氏、名称 取り消して登録 X04 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 X04 |
---|---|
管理番号 | 1259706 |
審判番号 | 不服2011-18129 |
総通号数 | 152 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-08-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-08-22 |
確定日 | 2012-07-06 |
事件の表示 | 商願2010- 52211拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、別掲のとおり「Kawasaki」の欧文字を横書きしてなり、第4類に属する出願時の願書に記載のとおりの商品を指定商品として平成22年7月1日に登録出願され、その後、指定商品については、同24年5月31日受付けの手続補正書をもって、第4類「エンジンオイル,ギアオイル,チェーンオイル,フォークオイル,サスペンションオイル,防錆効果を有する潤滑油,フィルターオイル」と補正されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、次のとおり判断し、本願を拒絶したものである。 1 本願商標は、東京湾に臨む日本有数の工業都市である川崎市に通じる「Kawasaki」の文字を書してなるから、商品の産地・販売地を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 本願商標は、ありふれた氏の一つと認められる「川崎」に通じる「Kawasaki」の文字を書してなるから、ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。 3 また、本願商標は、その指定商品に使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものとは認められない。 第3 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号及び同第4号該当性について 本願商標は、別掲のとおり「Kawasaki」の欧文字を横書きしてなるものである。そして、該文字は、神奈川県北東部の市である「川崎」及び姓氏の一つである「川崎」に通じるものであるから、商品の産地、販売地及びありふれた氏を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号及び同第4号に該当する。 2 商標法第3条第2項該当性について (1)請求人提出の証拠、同人の主張及び職権調査によれば、次の事実が認められる。 ア 請求人は、1896年に設立され、国内外の100に及ぶ関連企業と「川崎重工グループ」を形成し、「航空宇宙」「鉄道車両」「造船」「エネルギー設備」「産業機械」「環境・リサイクル」「インフラ整備」「レジャー製品」の分野に事業を展開している。そして、請求人は、本願商標と外観において同視される商標(以下「使用商標」という。)を請求人のホームページ及び会社案内において使用している(甲第1号証ないし甲第3号証)。 なお、請求人は、本願商標の使用を1970年代に開始したと主張している。 イ 請求人は、使用商標を使用した企業広告及び二輪自動車の広告を、遅くとも2000年から継続して各種新聞、雑誌、チラシ等に掲載し(甲第35号証ないし甲第220号証)、また、駅、空港等の公共スペースに使用商標を使用した企業広告を掲示している(甲第221号証及び甲第222号証)。 ウ 請求人は、使用商標を本願の補正後の指定商品に遅くとも1990年から使用し、該商品をカワサキ正規取扱店、バイク用品店、インターネット販売を通じて、全国で販売している。また、二輪自動車に関連するウェア等の多くの商品にも使用商標を使用している。(甲第4号証ないし甲第24号証、甲第29号証ないし甲第31号証) エ 使用商標は、商品「二輪自動車」について、請求人により使用をされた結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものとなっている(甲第28号証)。 オ 請求人を含む二輪自動車メーカーは、一般的に純正商品として、自社のハウスマークを付したオイル製品を販売している(甲第29号証及び甲第30号証)。 カ 本願の補正後の指定商品と二輪自動車とは、その取引者、需要者が重なるものである。 キ 当審における職権調査によっては、「Kawasaki」など「川崎」に通じる文字を他者が本願の補正後の指定商品について使用している事実は発見できなかった。 (2)上記(1)の本願商標の使用の状況、本願の補正後の指定商品に係る取引の実情等からすれば、本願商標は、その補正後の指定商品「エンジンオイル,ギアオイル,チェーンオイル,フォークオイル,サスペンションオイル,防錆効果を有する潤滑油,フィルターオイル」について、請求人により使用をされた結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものとなっていると判断するのが相当である。 してみれば、本願商標は商標法第3条第2項に該当するものというべきである。 3 むすび 以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同第4号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標) |
審決日 | 2012-06-26 |
出願番号 | 商願2010-52211(T2010-52211) |
審決分類 |
T
1
8・
17-
WY
(X04)
T 1 8・ 14- WY (X04) T 1 8・ 13- WY (X04) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 田中 幸一 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
高野 和行 梶原 良子 |
商標の称呼 | カワサキ |
代理人 | 特許業務法人 有古特許事務所 |