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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X05
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X05
審判 査定不服 外観類似 登録しない X05
管理番号 1258297 
審判番号 不服2011-20620 
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-09-26 
確定日 2012-05-30 
事件の表示 商願2010- 58101拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SYLVERA」のローマ字を標準文字で表してなり、第5類「人間用の薬剤」を指定商品として平成22年7月23日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
(1)原査定は、「本願商標は、次の(2)の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
(2)登録第2309472号商標(以下「引用商標」という。)
引用商標は、「シルベラン」の片仮名を横書きしてなり、昭和63年7月1日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成3年5月31日に設定登録され、その後、平成13年4月11日に指定商品を第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」とする指定商品の書換登録がなされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「SYLVERA」のローマ字を標準文字で表してなるものであって、該文字に相応して「シルベラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、前記2(2)のとおり、「シルベラン」の片仮名を横書きしてなるものであって、該文字に相応して「シルベラン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両者は外観においては文字の種類が異なり区別し得るものである。
次に称呼においては、本願商標から生じる「シルベラ」と引用商標から生じる「シルベラン」とを比較すると、両者は、商標の識別において重要な語頭からの4音「シルベラ」を共通にし、異なるところは語尾における「ン」の有無のみである。
そして、該差異音「ン」は、それ自体鼻音で弱い音であって、比較的聴取され難い語尾に位置することから、該差異音の有無が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼する場合には、語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
さらに、両者はいずれも特定の観念を有しないものであるから、観念において区別することができない。
ところで、商標の構成文字を平仮名、片仮名及びローマ字の相互に変更することが一般に行われていることからすれば、特定の観念を有しない文字商標においては、観念において商標を記憶することができないため、称呼を記憶し、その称呼を頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当であるから、そのような商標の類否判断においては称呼が重要な役割を果たすといわなければならない。
そうとすると、本願商標と引用商標の外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、取引の実情を考慮すれば、両者の外観が相違するとしても、観念において区別できず、取引上重要な役割を果たす称呼において相紛らわしい両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標というべきである。
また、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品中「薬剤」の範ちゅうに含まれるものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
なお、請求人は、短い音数構成からなる商標については、各構成音は1音ずつ明瞭に発音されるのが通常であり、また、本願商標の称呼「シルベラ」は全体の音調が比較的固くて抑揚がないのに対し、引用商標の称呼「シルベラン」は全体の音調が軽やかでリズミカルなものとなり、両者は音調音感が相違し容易に聴別し得るとし、また、語尾音「ン」の有無のみ相違する商標の登録例を挙げ、本願商標と引用商標は非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、商標の類否は、各商標の構成態様等に基づいて査定時、審決時において個別具体的に判断されるものであって、商標の外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、特定の観念を有しない本願商標と引用商標の比較においてはその称呼が重要な役割を果たすとの取引の実情を考慮すれば、前述のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-01-04 
結審通知日 2012-01-06 
審決日 2012-01-19 
出願番号 商願2010-58101(T2010-58101) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X05)
T 1 8・ 262- Z (X05)
T 1 8・ 263- Z (X05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀内 真一 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 高野 和行
小畑 恵一
商標の称呼 シルベラ 
代理人 小林 十四雄 
代理人 岡村 信一 

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