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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X09
審判 一部申立て  登録を維持 X09
審判 一部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1255325 
異議申立番号 異議2011-900428 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-12-02 
確定日 2012-04-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5435736号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5435736号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5435736号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成23年1月19日に登録出願、第9類「電力計,その他の電気磁気測定器,車載用情報端末,電気通信用データ送信装置,その他の電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,その他のダウンロード可能な音楽,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,その他のダウンロード可能な画像・映像・映画,録画済みDVD・ビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第42類「電気自動車の消費電力・充電量・走行データの分析及び助言,電子計算機等を用いて行う情報処理,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネット等の通信ネットワークにおけるホームページの設計・作成又は保守,インターネット等の通信ネットワークにおけるホームページの設計・作成又は保守に関するコンサルティング,インターネットにおける検索エンジンの提供,電子計算機端末通信における検索エンジンの提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,コンピュータプログラムの変換及びコンピュータデータの変換(媒体からの変換でないもの),電子計算機システムの設計又は作成に関するコンサルティング,電子計算機システムの遠隔監視,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機及び電子計算機用プログラムに関する試験又は研究,電子計算機システムの試験・検査及び研究,機械器具に関する試験又は研究,サーバの記憶領域の貸与,電子計算機の貸与,その他の電子応用機械器具(ワードプロセッサ・電子応用静電複写機を除く。)の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、同23年7月15日に登録査定、同年9月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、次の商標を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである旨主張し、その理由として要旨、次のように主張するとともに証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)引用商標
申立人が引用する登録第4816271号商標(以下「引用商標」という。)は、「電費」の漢字を標準文字で表してなり、平成16年4月13日に登録出願、第7類「動力機械器具(陸上の乗物用のもの及び「水車・風車」を除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」及び第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同年11月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)理由の要旨
ア 本件商標
(ア)本件商標は、三段により構成される。まず、最上段にデザインした英文字「e」を大きく表記し、その右側に引用商標と同じ漢字を使用した「電費」を表記している。二段目には、デザインした英文字「e」を大きく表記し、その右側に「-(ハイフン)」、デザインした英文字で「denpi」、普通に表記した英文字で「.com」と記載している。最下段には、最上段及び二段目と比較してかなり小さなカタカナで「イーデンピ」と記載している。
(イ)本件商標の最上段「e電費」については、英文字と漢字とで表記されていることから、また、英文字「e」はデザインした上で大きく表記した一方で、特にデザインを施さず表記した漢字「電費」をその隣に配置していることから、本件商標に接する需要者は「e」と「電費」を分離して把握する。加えて、英文字「e」自体はアルファベット一文字から成り、「electronic」等の意味合いの頭文字として電気通信機械分野では一般に広く浸透していると考えられるから、識別力のある部分ではなく、最上段の要部は「電費」である。
(ウ)本件商標の二段目については、デザインした上で大きく表記した英文字「e」と、異なるデザインの用語「denpi」とを「-(ハイフン)」で結合し、その隣に「.com」が特にデザインを施さず表記して配されている。「.com」については、インターネット上で使用されるトップレベルドメインとして一般に広く認識されており、電気通信機械分野では識別力のないものである。また、先述のとおり識別力のない英文字「e」や、同じく識別力のない「.com」を「denpi」と結合することによって、本件商標に接する需要者はより一層「denpi」の部分を英文字「e」及び「.com」と分離したものとして把握する。また、「denpi」については、最上段の「電費」に対応するものであるため、需要者は二段目についても、「denpi」の部分を商標の要部であると捉えて商品の出所を識別する。
したがって、本件商標の二段目からも、「denpi」の部分に対応して「デンピ」という称呼が十分に生じ得る。
(エ)本件商標の三段目は、カタカナで「イーデンピ」と表記されているが、最上段及び二段目と比較して極端に小さな文字で表記されている。また、最上段と三段目の間には「e-電費.com」が配置されているから、本件商標に接する需要者が、最上段及び二段目の一部をもって、本件商標から必ずしも「イーデンピ」の称呼が発生するとは捉えない。
(オ)以上から、本件商標から「デンピ」単独の称呼が生じ得る。
また、本件商標の称呼については、「イーデンピ」、「イイデンピ」、「イイデンピドットコム」、「イイデンピコム」に加え、「デンピ」が生ずるものとして特許庁においても認識されている(甲1)。
イ 引用商標
引用商標においては、漢字「電費」に対応して「デンピ」という称呼が発生し得る。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とは、前記のとおり、称呼上類似するものである。
また、本件商標の指定商品中、第9類「車載用情報端末,電気通信用データ送信装置,その他の電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」については、引用商標の指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」において、本件商標と引用商標は並存・重複している。
したがって、本件商標は、前記の重複する指定商品について商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
エ むすび
本件商標と引用商標は、「デンピ」の称呼を共通にする類似の商標であり、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と一部抵触するから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであって、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、別掲のとおり、「e電費」、「e-denpi.com」、「イーデンピ」を三段に横書きしてなるものである。しかして、最上段に表された「e電費」は、やや図案化された欧文字「e」と「電費」の漢字を同じ大きさで、等間隔に横書きしてなり、それらの文字の輪郭に沿うように灰色の輪郭線で全体を囲んで表したものであるところ、当該「e電費」の文字にあたかも縁取りをなしたように看取されるものである。次に、二段目に表された「e-denpi.com」の欧文字は、同じ書体、同じ大きさ(先頭の「e」の欧文字は、「d」の欧文字に続く「e」の欧文字よりやや大きく表されている。)、等間隔に表され、かつ、各文字及び記号には灰色の縁取りが施されているものであって、全体としてまとまりよく表されてなるものである。さらに、第三段目に表された「イーデンピ」の片仮名は、二段目に表された欧文字「com」の直下に、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で表されているところ、上2段の文字に比してやや小さく表されているとはいえ、なお、明瞭に看取しうるものである。
加えて、本件商標の構成中で、「電費」、「denpi」ないし「デンピ」が、他の文字に比較して、看者の注意を惹くように表現されているものでもない。
また、本件商標を構成する「e」ないし「e-」が、「電子の、インターネットの」の意味を表すものであること、「電費」の文字が成語に見当たらないものの、最近では、ガソリンエンジン車の「燃費」に対する語として、電気自動車の電力消費率の略称として使用されている例もあること及び「.com」は、ドメインネームで企業を表すものであることを総合的に考慮しても、前記のような本件商標の構成上の一体的なまとまりを踏まえれば、その構成中の「電費」、「denpi」ないし「デンピ」を抽出して引用商標との類否判断をなすことが適切なものとは言い難い。
そうとすれば、本件商標は、その構成中の各文字列全体に相応して称呼を生ずるというべきである。
しかして、「燃費」、「出費」、「実費」という成語が、それぞれ「ネンピ」、「シュッピ」、「ジッピ」と称呼されて広く親しまれていることからすれば、最上段を構成する文字中の「電費」は、それらにならって「デンピ」の称呼を生ずるというのが自然である。
してみれば、本件商標は、本件商標中の最上段の文字に相応して「イーデンピ」の称呼を、第2段目の文字に相応して「イーデンピドットコム」の称呼を、第3段目の片仮名に相応して「イーデンピ」の称呼を生じるが、単なる「デンピ」の称呼を生ずるものではない。
また、本件商標の構成中「電費」の文字が、前記のとおり、電気自動車の電力消費率の略称として使用される例があるとしても、本件商標全体としては、いまだ特定の観念を生ずるものではないというのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、前記2(1)のとおり、「電費」の漢字を標準文字で表してなるところ、前記(1)のとおり、当該文字より「デンピ」の称呼を生じ、「電気自動車の電力消費率」程の観念を生ずるものというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標の類否
ア 外観について
本件商標と引用商標を対比するに、両商標は全体の外観上明らかな差異を有するものであり、本件商標を構成する各文字列と引用商標を対比するとしても同様である。
イ 称呼について
本件商標は、「イーデンピ」ないし「イーデンピドットコム」の称呼を生じ、引用商標は、「デンピ」の称呼を生ずるところ、両者は、それらを構成する音の配列及び音数を明らかに異にするから、明瞭に聞き分けることができるものである。
ウ 観念について
本件商標は、特定の観念を生じないものであるから、観念において、本件商標と引用商標とを類似するものということはできない。
エ まとめ
したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであって、これを左右するような取引の実情も見当たらない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。
(4)申立人の主張について
申立人は、本件商標の称呼として「デンピ」が生ずるものとして特許庁においても認識されている(甲1)旨主張する。
しかしながら、申立人の主張の前提となる特許電子図書館の照会における称呼(データ)は、商標に関する知識が必ずしも十分ではない者の利用の利便性をも踏まえ、商標出願・登録情報としてのデータベースとしての性格上、網羅的に先行の商標の検索ができるように付与されているものであって、審査官(合議体としての審判官)の判断を掲載するものではないから、申立人の主張は、その前提において失当である。
(5)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)


異議決定日 2012-03-29 
出願番号 商願2011-2789(T2011-2789) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (X09)
T 1 652・ 262- Y (X09)
T 1 652・ 263- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 内藤 隆仁佐藤 松江 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 内田 直樹
前山 るり子
登録日 2011-09-02 
登録番号 商標登録第5435736号(T5435736) 
権利者 株式会社イード
商標の称呼 イーデンピ、イイデンピ、イイデンピドットコム、イイデンピコム、デンピ 
代理人 碓氷 裕彦 
代理人 井口 亮祉 
代理人 伊藤 高順 

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