• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X1621
審判 査定不服 観念類似 登録しない X1621
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X1621
管理番号 1255154 
審判番号 不服2011-3846 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-02-21 
確定日 2012-03-14 
事件の表示 商願2009-57582拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「フレッシュ箸」の文字を普通に用いられる方法で表してなり、第16類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年7月16日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同22年7月16日付け手続補正書により第16類「紙製箸袋」及び第21類「箸,割り箸,箸置き,箸箱,箸立て」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録商標は、以下(1)ないし(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第901409号商標は、「FRESH」の欧文字を横書きしてなり、昭和37年9月15日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同46年6月12日に設定登録され、その後、同56年8月31日、平成3年8月29日及び同13年2月27日の3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同15年11月19日に指定商品の書換登録がなされた後、同23年4月12日に第8類「エッグスライサー(電気式のものを除く。),かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器(貴金属製のものを除く。),スプーン,チーズスライサー(電気式のものを除く。),ピザカッター(電気式のものを除く。),フォーク,手動式野菜皮むき器,野菜用スライサー,アイロン(電気式のものを除く。),糸通し器,チャコ削り器,五徳,十能,火消しつぼ,火ばし,殺虫剤用噴霧器(手持ち工具に当たるものに限る。)」、第11類「あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,アイスボックス,氷冷蔵庫,浴槽類,家庭用浄水器,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,家庭用ごみ焼却炉,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,化学物質を充てんした保温保冷具」及び第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),アイスペール,泡立て器,こし器 ,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),お玉,ターナー,茶こし,かす揚げ,ぎょうざ成形器,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,アイロン台,霧吹き,こて台,へら台,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,家庭用燃え殻ふるい,石炭入れ,紙タオル取り出し用金属製箱,靴脱ぎ器,せっけん用ディスペンサー,寝室用簡易便器,トイレットペーパーホルダー,貯金箱(金属製のものを除く。),ねずみ取り器,はえたたき,湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。)」について商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4254684号商標は、「FRESH」の欧文字を横書きしてなり、平成9年1月10日に登録出願、第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜き,大根卸し,タルト取分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,まな板,麺棒,焼き網,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),魚ぐし,アイロン台,霧吹き,植木鉢」を指定商品として同11年3月26日に設定登録され、その後、同21年1月27日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
以下、これらをまとめて「引用各商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「フレッシュ箸」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、本願商標は、我が国において広く親しまれた外来語「フレッシュ」及び「箸」の語からなるものと容易に看取される。しかして、その構成中「箸」の文字は、前記1のとおりの本願の指定商品との関係において、その普通名称ないし商品の用途等を表したものであると極めて容易に認識されるものであるから、当該「箸」の部分からは商品の出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる。
また、前記「フレッシュ」の語は、前記1のとおりの本願の指定商品との関係において、十分に商品の出所識別標識としての機能を果たしうるものである。
そうすると、本願商標の構成中、「フレッシュ」の語は、需要者に対して、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである上に、「箸」の語は、商品の出所識別標識としての称呼、観念が生じないものであるから、前記「フレッシュ」の語を本願商標から抽出して、引用各商標と比較して商標そのものの類否を判断することも確立された商標法第4条第1項第11号に係る判例(昭和37年(オ)第953号 昭和38年12月5日最高裁第一小法廷判決、平成3年(行ツ)第103号 平成5年9月10日最高裁第二小法廷判決、平成19年(行ヒ)第223号 平成20年9月8日最高裁第二小法廷判決)に照らし、許されるというべきである。
してみれば、本願商標はその構成中の「フレッシュ」の部分(以下、「本願商標の要部」という。)に相応して、商品の出所識別標識として「フレッシュ」の称呼及び「新鮮、清新」の観念を生ずるものである。
(2)引用各商標について
引用各商標は、前記2のとおり、いずれも我が国で広く親しまれた英語である「FRESH」の欧文字を書してなるものであるから、それらの構成に相応して出所識別標識としての「フレッシュ」の称呼及び「新鮮、清新」の観念を生ずるものである。
(3)本願商標と引用各商標の類否について
ア 外観について
前記(1)のとおり、本願商標の要部と引用各商標とは、外観において差異を有するものである。しかしながら、両者は、いずれも商取引においては、ごく普通に用いられる方法で書してなる文字の商標であることに加えて、「フレッシュ」と「FRESH」とは、いずれも同じ意味で我が国において広く親しまれているものであることからすれば、当該差異が需要者、取引者に与える印象はさほど強いものとはいえない。
イ 称呼について、
前記のとおり、本願商標の要部と引用各商標とは、「フレッシュ」の称呼を共通にするものである。
ウ 観念について
前記のとおり、本願商標の要部と引用各商標とは、「新鮮、清新」の観念を共通にするものである。
類否判断
前記のとおり、本願商標の要部と引用各商標は、外観上の差異を有するとしても、称呼及び観念を共通にするものであり、需要者、取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、外観上の差異が需要者、取引者に与える印象もさほど強くないことからすれば、本願商標は、商品の出所に誤認混同をきたすおそれがあるものと認めるのが相当であり、本願商標と引用各商標とは類似の商標というべきである。しかして、本願商標と引用各商標とが類似するとの前記の判断を左右するに足りる取引の実情は見当たらない。また、本願商標の指定商品と引用各商標の指定商品とは、同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は、要旨、「フレッシュ」の語は、市場において、「新鮮な」「できたての」の意味合いから転じて「新しさ」や「初々しさ」「清潔さ」のある商品等といった商品の良いイメージを暗示させる語としても盛んに用いられている(甲4ないし甲8)。それゆえに「フレッシュ」の語は、本願の指定商品「箸」を含む食卓・キッチン関連商品においては、その識別性は強くない。そして、いずれも識別力が強くない語同士が結合した場合には、分離しては識別機能を発揮し得ないため、結合力が強く、常に一連一体の商標として機能し、取引者、需要者にも認識される。しかも、本願商標は、いわゆるPOP書体で、同書同大で横一連に書してなるものであり、構成全体から生じる称呼「フレッシュバシ」も冗長ではない。加えて、本願商標の構成全体からは、「新鮮な箸」「清潔な箸」といった暗示的な意味合い、観念が生じるものである。してみれば、本願商標に接する取引者や需要者は、本願商標の構成中「フレッシュ」の文字部分のみに着目するものではなく、構成全体から生じる「フレッシュバシ」の称呼、「新鮮な箸」「清潔な箸」といった観念をもって取引に資するのが自然である旨主張する。
しかしながら、それ自体で自他商品の識別標識として機能する本願商標の要部と引用各商標と比較して商標そのものの類否を判断することが適切であるというのは、前記(1)のとおりである。
そうすると、本願商標が同じ書体、同じ大きさで一連に横書きしてなるものであること、本願商標全体から生ずる称呼も冗長ではないこと、本願商標全体から生ずる暗示的な意味合いがありうるとしても、それらの理由によって、本願商標が常に一体のものとして取引に資されるものと断ずることはできない。
イ 請求人は、本願商標と引用各商標が抵触する商品について、「フレッシュ」ないし「Fresh」の語を含む商標が登録されている(甲9ないし甲12)ほか、「フレッシュ」ないし「fresh」の文字をその構成中に含む商標が多数、引用各商標と非類似と判断され、登録されている(甲13)ことを根拠に、本願商標は構成全体の「フレッシュ箸」のみで商標として機能するものであり、本願商標からは「フレッシュバシ」の称呼のみが生じる旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する両商標の具体的な構成態様及びその指定商品との関係から個別かつ具体的に判断をすべきものである。
しかして、請求人主張のように「フレッシュ」、「Fresh」及び「fresh」の語を含む商標が類似する商品に併存して登録されている事実があるとしても、商標の類否判断が、個別かつ具体的になされるべきものであることに照らせば、それらの商標登録の存在によって、前記(3)エの本件の判断が左右されるものでない。
ウ 請求人は、本願商標を現在、必ず一連一体の態様で使用し、称呼においても「フレッシュバシ」の一連の称呼をもって取引に当たっている(甲14)。このように、常に本願商標を一連一体と認識・把握できる態様で使用してきている取引の実情よりすれば、本件商標に接する取引者や需要者において、「フレッシュ」の略称において取引に資することはありえない。むしろ、構成全体から生じる「フレッシュバシ」の称呼をもって取引に資するのが自然である旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮すべき取引の実情は、当該商標が現に、当該指定商品に使用されている特殊的、限定的な実情に限定して理解されるべきではなく、当該指定商品についてのより一般的、恒常的な実情を指すものである(昭和47年(行ツ)第33号 昭和49年4月25日最高裁判所第一小法廷判決)。
そうすると、請求人の主張のとおり、本願商標が現在、一体として使用されているとしても、その事情は、商標の類否判断に考慮すべき一般的、恒常的なものということはできないから、前記(3)エの本件の判断が左右されるものではない。
よって、前記の請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(5)まとめ
以上からすれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとし
て、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-01-11 
結審通知日 2012-01-16 
審決日 2012-01-30 
出願番号 商願2009-57582(T2009-57582) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X1621)
T 1 8・ 261- Z (X1621)
T 1 8・ 263- Z (X1621)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 正樹半田 正人 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 内田 直樹
前山 るり子
商標の称呼 フレッシュバシ、フレッシュ 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 黒川 朋也 
代理人 工藤 莞司 
代理人 浜田 廣士 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ