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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X01 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X01 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X01 |
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管理番号 | 1251738 |
審判番号 | 不服2011-12504 |
総通号数 | 147 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-03-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-06-10 |
確定日 | 2012-02-20 |
事件の表示 | 商願2010-30683拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「アクアプラス」の片仮名を標準文字で表してなり、第1類「製菓・製パン用品質改良剤」を指定商品として、平成22年4月16日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第2342002号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和60年10月15日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成3年10月30日に設定登録され、その後、同13年6月26日及び同23年7月19日の二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同13年7月18日に第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」のほか、第5類及び第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、前記1のとおり、「アクアプラス」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成に相応して「アクアプラス」の称呼を生じる。また、本願商標を構成する「アクアプラス」の文字は、成語には見当たらず、当該文字が「水」の意味を有する「アクア」の語と「加えること」の意味を有する「プラス」の語とからなるものであると理解した場合においても、特定の観念を生ずるものとまではいえない。 そうすると、本願商標は、「アクアプラス」の称呼を生ずるが、特定の観念を生ずるものではない。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲のとおり、「Kowa」の欧文字を横長だ円の輪郭内に表したもの(以下、「Kowa商標」という。)の直下に「アクアプラス」の片仮名と「AQUA PLUS」の欧文字とを二段に併記してなるものであるところ、それらの各文字の中心をそろえるように、外観上まとまりよく表されたものである。 また、引用商標を構成する「アクアプラス」の片仮名は、その直下の「AQUA PLUS」の欧文字の読みを特定したものと無理なく理解しうるものであるから、引用商標は全体として「コーワアクアプラス」の称呼を生じるところ、当該称呼は、淀みなく一連に称呼しうるものである。 さらに、引用商標を構成するKowa商標は、引用商標に係る商標権者である興和株式会社(以下、「興和」という。)の代表的な出所識別標識として知られたものであるから、Kowa商標は、引用商標中で出所識別標識として十分に機能する部分である。そうすると、引用商標においては、「アクアプラス/AQUA PLUS」の部分が、Kowa商標に比して需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとまではいえず、もとよりKowa商標が出所識別標識としての称呼、観念を生じないものとは到底いえないから、本件の類否判断において、殊更、引用商標中の「アクアプラス/AQUA PLUS」の部分のみを抽出し、この部分だけを本願商標と比較してその類否を判断することは許されないというべきである。 そうすると、引用商標は、その構成中の強い出所識別標識であるKowa商標から「コーワ」の称呼を生じ、全体としては「コーワアクアプラス」の称呼を生ずるものというのが相当である。 また、引用商標は、本願商標について述べたと同様に「アクアプラス」の部分からは観念を生じない上、「AQUA PLUS」が我が国において広く親しまれた外国語に見当たらず、当該文字が「水」の意味を有する英語「AQUA」と「・・・を加えて」の意味を有する英語「PLUS」とからなるものであるとしても、特定の観念を生ずるものとまではいえないから、結局、引用商標は、その構成中のKowa商標から「興和」の観念を生じ、全体としては「興和に係るアクアプラス(AQUAPLUS)」の観念を生ずるものというのが相当である。 してみれば、引用商標からは、「コーワ」ないし「コーワアクアプラス」の称呼が生じ、また、「興和」ないし「興和に係るアクアプラス(AQUAPLUS)」の観念を生ずるものである。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標は、引用商標中のKowa商標の有無において相違しており、外観において顕著な差異を有するものである。 次に、「アクアプラス」の称呼を生じる本願商標と「コーワ」ないし「コーワアクアプラス」の称呼を生じる引用商標とは、その称呼を構成する音の配列、音数の相違から、明らかに聞き分けることのできるものであって、称呼において相紛れるおそれはない。 さらに、特定の観念を生じない本願商標に対して、引用商標は、「興和」ないし「興和に係るアクアプラス(AQUAPLUS)」の観念を生じるものであるから、両者は観念において明確な差異を有するものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても明らかな差異を有するから、本願商標と引用商標とが出所の混同を生ずるおそれはないというべきであって、類似の商標ということはできない。加えて、ほかに前記の判断を左右するに足りる取引の実情は見当たらない。 してみれば、本願商標と引用商標とが称呼において類似するものであるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(引用商標) |
審決日 | 2012-01-30 |
出願番号 | 商願2010-30683(T2010-30683) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(X01)
T 1 8・ 262- WY (X01) T 1 8・ 263- WY (X01) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 田中 幸一、松田 訓子 |
特許庁審判長 |
水茎 弥 |
特許庁審判官 |
内田 直樹 前山 るり子 |
商標の称呼 | アクアプラス |
代理人 | 松本 久紀 |