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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X0938
審判 全部申立て  登録を維持 X0938
審判 全部申立て  登録を維持 X0938
審判 全部申立て  登録を維持 X0938
管理番号 1250055 
異議申立番号 異議2011-900253 
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-07-19 
確定日 2012-01-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5405052号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5405052号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5405052号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成22年2月22日に登録出願、第9類「携帯電話機,その他の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第38類「電気通信(放送を除く。),通信ネットワークへの接続の提供,放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定商品及び指定役務として、同23年3月17日に登録査定、同年4月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標登録は、別掲2のとおりの構成からなる登録第5253318号商標(以下「引用商標1」という。)及び別掲3のとおりの構成からなる登録第5253319号商標(以下「引用商標2」という。)であって、共に平成21年3月12日に登録出願、第9類「インターネットを通じてダウンロード可能な画像,インターネットを通じてダウンロード可能な音楽,インターネットを通じてダウンロード可能な携帯電話用待受画像,インターネットを通じてダウンロード可能な携帯電話用着信音楽,携帯電話用ストラップ」を指定商品として、同年7月31日に設定登録されたものであり、それらの商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(以下これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、その申立ての理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第29号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の構成について
本件商標は、ソラマメ型の図形に陰影をつけて立体的に表してなり、その左上部に眠そうな表情の人面が描かれ、右端中央のくぼみを尻の割れ目に見立て、ブリーフのごとき濃灰色の図形を右下部3分の1程度に描かれてなるものであって、さらに、該濃灰色の図形上に、「Jelly」及び「Beans」の各欧文字を白抜きで両端を揃えて2段併記し、かつ、該欧文字中の「y」の文字の右線部を「J」の文字の下まで波打つように伸ばして表されたものである。
他方、引用商標1は、ソラマメ型の図形をその両隅に沿って光の反射のごとき白抜きの図形を描き入れて立体的に表してなり、該図形の中央部に、「Jelly」及び「Belly」の各欧文字を白抜きで2段にややずらして併記し、かつ、該文字中の「J」の文字の上横線部を該図形からはみ出て前者の「y」の文字の上まで波打つように伸ばして表すと共に、後者の「y」の文字の右線部を「B」の文字の下まで波打つように伸ばして表されたものである。
また、引用商標2は、ソラマメ型の図形を擬人化して表し、該図形の上部3分の1の位置に陽気な表情の人面を描き、下部3分の2の位置に、引用商標1と同様に図案化してなる「Jelly」及び「Belly」の2段併記のものを配し、さらに、頭部にコック帽を、両手両足にはそれぞれ手袋と靴を着け、左腕を挙げ、右腕は体側に沿って下げ、右足をやや後ろに引いて立った態様で描いてなるものである。
イ 外観における類似性
本件商標と引用商標1とは、いずれもソラマメ型を立体的に表した図形及び図案化した文字からなるものであり、また、文字の図案化においても同様の特徴を有するものであるから、その基本的着想及び構成が極めて近似したものである。
また、本件商標と引用商標2とは、いずれもソラマメ型の図形の一端に人面を描いた上、衣類を着けて擬人化し、該図形の他端に図案化した文字を配してなるものであり、本件商標の構成において引用商標2が有する両手足の図形を欠くだけであるから、その基本的着想が近似しているというべきである。
さらに、後述するように、引用商標が申立人の販売するソラマメ型をした砂糖菓子のジェリービーンズの商標として周知・著名であることに照らせば、本件商標に接する取引者・需要者は、その構成中のソラマメ型の図形及び図案化された文字から申立人の周知・著名な商標を容易に想起・連想することは明らかである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観において類似する商標である。
ウ 称呼における類似性
本件商標は、その構成中の「Jelly Beans」の文字に相応して、「ジェリービーンズ」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標は、その構成中の「Jelly Belly」の文字に相応して、「ジェリーベリー」の称呼を生ずるほか、後述するように、引用商標が申立人の販売するジェリービーンズの商標として周知・著名であることから、「『Jelly Belly』ジェリービーンズ」の称呼をも生ずるものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、「ジェリービーンズ」の称呼を共通にする類似の商標である。
エ 観念における類似性
本件商標は、ソラマメ型の図形及び「Jelly Beans」の文字から、ジェリービーンズから着想を得たものとして容易に認識できるから、「ジェリービーンズ」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、後述するように、引用商標が申立人の販売するジェリービーンズの商標として周知・著名であることから、「ジェリービーンズ」の観念を生ずるものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念において類似する商標である。
オ 商品の類似性
本件商標の指定商品中の第9類「携帯電話機,その他の電気通信機械器具」と、引用商標の指定商品中の第9類「携帯電話用ストラップ」とは、同一又は類似の商品である。
カ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において類似する商標であり、かつ、その指定商品においても抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人商標の著名性について
申立人は、米国カリフォルニア州に本拠を置く菓子メーカーである。「Jelly Belly」は、申立人の名称の略称であって、いわゆるハウスマークであり、申立人により独自に創造された標章である。
「Jelly Belly」ジェリービーンズは、1976年に8種類のオリジナルフレーバーで誕生し、今日では、50種類ものバラエティーに富んだフレーバーを取りそろえている(甲第5号証及び甲第6号証)。
申立人は、欧州・中南米・アジア・中近東・オセアニアなど世界各国に輸入代理店を擁し、「Jelly Belly」ジェリービーンズを始めとする「Jelly Belly」ブランド商品を世界的に販売しており(甲第8号証)、我が国においては、1983年からブルー・オーシャン株式会社(東京都港区)を通じて継続的に販売し、2010年4月からは、株式会社リョーカジャパン(東京都大田区)を新たな輸入販売代理店として、積極的に販売及び宣伝広告活動を行っている。
申立人商標を付した商品は、申立人の日本語によるウェブサイト及び複数の新聞・雑誌・インターネット記事において紹介されており(甲第9号証ないし甲第12号証、甲第14号証及び甲第18号証)、また、申立人は、平成22年度以降、駅広告・試食販売イベント開催・見本市等への出展といった宣伝広告活動を行っている(甲第13号証ないし甲第18号証)。
我が国における「Jelly Belly」ブランド商品に関する売上高及び宣伝広告費用は、2008年度が約3,114万円及び約229万円、2009年度が約2,103万円及び約221万円、2010年度が約4,227万円及び約1,212万円である。
申立人は、平成17年7月から、英国ロンドンに本拠を置く「The Licensing Company」を通じて、アパレルを始め、オーディオ用・コンピュータ用の附属品、文房具等の菓子以外の様々な商品についてライセンス事業を展開している(甲第9号証及び甲第19号証の2ないし4)。
以上のことから、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても、菓子を始め、被服、オーディオ用・コンピュータ用の附属品、文房具等の様々な商品分野において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国において周知・著名となっていたことは明らかである。
イ 出所の混同を生ずるおそれについて
申立人商標は、上記アのとおり、菓子を始め、被服、オーディオ用・コンピュータ用の附属品、文房具等についても使用されてきたことにより、申立人を指標するものとして,周知著名性を確立している。
また、本件商標の指定商品の需要者層と申立人の業務に係る商品の需要者層は共通しているから、本件商標の指定商品・指定役務の取引者・需要者が申立人商標及びそれを付した商品を知っている可能性は高い。
さらに、本件商標は、上記(1)のとおり、取引者・需要者において、申立人商標を容易に想起・連想させる類似の商標である。
してみれば、本件商標がその指定商品・指定役務に使用された場合、これに接する取引者・需要者は、申立人商標を容易に想起し、申立人又はこれと関連する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同して認識する可能性は高い。
ウ 小括
以上のとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても周知・著名なものとなっていたから、本件商標をその指定商品・指定役務について使用された場合、該商品・役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品・役務であるかのごとく誤認され、その出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)結語
上記(1)及び(2)のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、本件商標の登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、上方に凹部を有するソラマメ状の輪郭からなる図形を右に約45度傾け、該図形の左端部に眉、目及び口と思しき図形を配し、かつ、該図形の右方に全体の3分の1程度を占める大きさからなる黒色のブリーフ様の図形を描き、さらに、該ブリーフ様の図形中に、図案化してなる「Jelly」の欧文字及び「Beans」の欧文字を白抜きで2段に書してなるものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、別掲2のとおり、上方に凹部を有するソラマメ状の輪郭からなる図形と、該図形の左右内側に、該図形の輪郭線に沿うように2辺を湾曲させてなる三角形を配し、さらに、該図形の中央部に、図案化してなる「Jelly」及び「Belly」の各欧文字を2段に、その上方及び下方の一部が該図形の輪郭線からわずかにはみ出るように書してなるものである。
(イ)引用商標2は、別掲3のとおり、上方に比して下方をやや太くしてなるナス状の輪郭からなる図形に、コック帽、目、口並びに手袋及び靴を着用してなる腕及び脚と思しき図形を付し、さらに、該ナス状の輪郭からなる図形の下方に、引用商標2と同様の図案化してなる「Jelly」及び「Belly」の各欧文字を2段に書してなるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標1及び2とは、各々、上記ア及びイのとおりの構成からなるものであるから、外観上、容易に区別し得るものである。
また、本件商標は、その構成中の2段書きにしてなる「Jelly」及び「Beans」の各欧文字に相応して「ジェリービーンズ」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標1及び2は、いずれもその構成中の2段書きにしてなる「Jelly」及び「Belly」の各欧文字に相応して「ジェリーベリー」の称呼を生ずるものであるところ、両称呼は、その後半部において「ビーンズ」と「ベリー」という明らかな音の差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼した場合、語調、語感を異にし、互いに聴別し得るものである。
さらに、本件商標は、その構成全体から直ちに特定の意味合いを想起させるとはいい難いものの、その構成中の2段書きにしてなる「Jelly」及び「Beans」の各欧文字部分が菓子の一種である「ジェリービーンズ」の英語表記として看取、理解されるといえるものであるから、該欧文字部分に相応する「(菓子の)ジェリービーンズ」の観念を生ずるのに対し、引用商標1及び2は、いずれもその構成全体はもとより、その構成中の「Jelly Belly」の文字部分についても、直ちに特定の意味合いを想起させることのない一種の造語からなるものと認められるから、両商標は、観念上、互いに紛れるおそれはないものである。
なお、申立人は、申立人商標が申立人の販売するジェリービーンズの商標として周知・著名であることを前提として、引用商標から「ジェリービーンズ」の称呼及び観念をも生ずる旨主張しているが、後述するとおり、申立人商標が、本件商標の登録出願時既に、我が国の取引者、需要者間において広く認識されていたと認めることはできないから、この点についての申立人の主張を採用することはできない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
また、申立人の提出に係る証拠のうち、本件商標の登録出願日(平成22年2月22日)前に係るものであることを確認できるものは、わずかに甲第9号証ないし甲第11号証にとどまり、かつ、これらをみても、引用商標1(ただし、赤色及び黄色で彩色されたもの。)と共に、引用商標2(ただし、全体姿形や細部を異にし、赤色や黄色等で彩色されたもの。)が「ミスター・ジェリーベリー」と称するマスコットキャラクターとして、他社のキャラクターと同様に紹介されているもの(甲第9号証)、「ビーンブーズル」と称するジェリービーンズ(菓子)をその包装箱(引用商標1(ただし、赤色及び黄色で彩色されたもの。)を付したもの。)の写真と共に紹介する新聞記事(平成20年4月9日付け「日経流通新聞」、甲第10号証)及び「ポメグランテ(ザクロ味)」と称するジェリービーンズ(菓子)をその包装袋(引用商標1(ただし、赤色及び黄色で彩色されたもの。)を付したもの。)の写真と共に紹介する新聞記事(平成20年9月3日付け「日経流通新聞」、甲第11号証)にとどまるものであるから、これらをもって、申立人商標が、申立人の業務に係る商品(ジェリービーンズ)について使用され、本件商標の登録出願時既に需要者の間に広く認識されていたと認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠も見いだせない。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 本件商標(登録第5405052号商標)


2 引用商標1(登録第5253318商標)


3 引用商標2(登録第5253319号商標)


異議決定日 2011-12-28 
出願番号 商願2010-12778(T2010-12778) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X0938)
T 1 651・ 262- Y (X0938)
T 1 651・ 261- Y (X0938)
T 1 651・ 263- Y (X0938)
最終処分 維持  
前審関与審査官 豊田 緋呂子高橋 幸志 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 酒井 福造
田中 敬規
登録日 2011-04-08 
登録番号 商標登録第5405052号(T5405052) 
権利者 ソフトバンクモバイル株式会社
商標の称呼 ジェリービーンズ、ゼリービーンズ、ジェリー、ゼリー、ビーンズ 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 辻居 幸一 
代理人 中村 稔 
代理人 加藤 ちあき 
代理人 松尾 和子 
代理人 藤倉 大作 
代理人 田中 伸一郎 

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