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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1248150 
異議申立番号 異議2011-900107 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-03-24 
確定日 2011-11-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5377842号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5377842号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5377842号商標(以下「本件商標」という。)は、「revionnet」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年8月27日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年12月2日に登録査定、同年12月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次の(1)及び(2)のとおりであり、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。
(1)登録第5152728号商標(以下「引用商標1」という。)は、「VIONNET」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年5月11日に登録出願、第35類「新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,職業のあっせん,衣服・帽子・履物・ショールの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同20年7月18日に設定登録されたものである。
(2)登録第5197885号商標(以下「引用商標2」という。)は、「MADELEINE VIONNET」の欧文字を標準文字で表してなり、平成20年6月9日に登録出願、第25類「被服,スカーフ,履物,帽子,ショール,ベルト」を指定商品として、同21年1月16日に設定登録されたものである。

3 申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、標準文字で「revionnet」と書してなるものであり、本件商標の指定商品が被服等であることから、フランス語風に「ルヴィオネ」の称呼が生じ、また、辞書等に記載のない造語であることから、英語風に「レヴァイオネット」の称呼も生じる。
引用商標1は、標準文字で「VIONNET」と書してなるものであり、当該文字は申立人の著名な服飾ブランド名であることから、そのフランス語読みである「ヴィオネ」、英語読みである「バイオネット」の称呼が生じる。
引用商標2は、標準文字で「MADELEINE VIONNET」と書してなるものであり、当該商標は、構成全体から生じる称呼が冗長であること及び「MADELEINE」の文字部分と「VIONNET」の文字部分との間にスペースを有することから、各文字部分がそれぞれに独立して識別標識として看取され、構成全体から生じる称呼のほか、その構成中の「VIONNET」の文学部分から、「ヴィオネ」「バイオネット」の称呼をも生じる。
本件商標から生じる称呼「ルヴィオネ」と引用商標から生じる称呼「ヴィオネ」は、「ル」の音の有無における相違にすぎず、該相違音の有無が称呼全体に及ぼす影響は小さいもので、両称呼を一連に称呼するときは、全体の語感が近似し、これを互いに聞き誤るおそれがあり、両商標は称呼上類似する。
本件商標は、引用商標1とは、9文字中7文字を同一の綴りの欧文字よりなるものであるから、外観においても顕著な差異はなく、外観において類似する。
してみれば、本件商標は、引用商標1とは、称呼及び外観において類似し、指定商品「被服,履物」について類似する。また、引用商標2とは、称呼において類似し、指定商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」について類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 「VIONNET」商標の著名性について
申立人の使用商標「VIONNET」(以下「使用商標」という。)は、世界的に周知著名な申立人のファッションブランドである。
マドレーヌ・ヴィオネは、1876年フランス生まれのファッションデザイナーであって、1912年「VIONNET」のメゾンを開店し、体にフィットした美しいシルエットを出す手法であるバイアスカットを考案し、フランスの最高名誉であるレジオンドヌール勲章を受賞するなどした「バイアスカットの女王」と呼ばれる20世紀初頭を代表する国際的なデザイナーの一人である(甲4ないし甲6)。
第二次世界大戦後メゾンは一時閉鎖していたが、2006年にブランドを再開し、このことは、世界的ファッション雑誌のほか、一般紙や経済紙でも取り上げ報道された(甲7ないし甲9)。これ以降、申立人は「ヴィオネ」商標の下に、パリやニューヨークにおいてコレクションを発表し、その都度世界的ファッション雑誌を始め、多くの雑誌や新聞に掲載され(甲10の1ないし23)、また、「ヴィオネ」の服飾は、世界のセレブリティーにも愛されていることに加え、世界36か国、128店舗を展開しており(甲12)、世界中で登録商標を保有している(甲13)。
このように、使用商標は、メゾンの復活後6年ではあるが、創始者であるマドレーヌ・ヴィオネや元々化体していた「VIONNET」ブランドの信用力に加えて、復活後も洗練されたファッションを世に送り出してきたとともに、世界的な報道によって、本件商標の登録出願時及び査定時において、世界的に周知著名に至っていたものである。
申立人の商品が、日本のファッション誌においても、多数掲載されてきている(甲14の1ないし10)。また、日本においても、新作コレクションの発表や展示会も行われている(甲15、甲16)。
このように、使用商標は、我が国を含む世界的に広く認識されるに至っているファッションブランドであり、本件商標の出願・登録時点において、その著名性は取引者及び需要者間で持続・発展していたものである。
イ 出所の混同について
本件商標は、使用商標を含むものである。そして、共通する文字部分は、造語である。相違部分「re」は、接頭語として一般に広く知られている文字である。また、「re」の文学部分から生じる称呼「ル」は、フランス語の定冠詞「le」を想起させる。使用商標は、若い女性からキャリア志向の女性、セレブリティーにまで支持されているファッションブランドである。
しかも、本件商標の指定商品は、使用商標にかかる商品と、同一か若しくは極めて近いものである。加えて、ファッション業界においては、「ディフュージョン」や「セカンドライン」と呼ばれる若者向けに、ブランドの感性やテイストを残しながら、買いやすい価格帯に設定したブランド展開が行われている実情があり(甲18)、これらの「ディフュージョン」「セカンドライン」には、本来のブランド名とは異なるものの、本来のブラントをイメージさせる、想起させるブランド(商標)名が採択されている事実がある(甲19)。
このような具体的な取引状況に基づけば、本件商標をその指定商品に使用した場合には、取引者や需要者が、本件商標と使用商標との間に、「セカンドライン」のような営業上の関係性や資本的な関係性を有するといった出所の誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標及び使用商標は、日本はもとより世界的に著名なファッションブランドであり、本件商標と引用商標とは類似するものである。そして、本件商標権者は、女性向けの被服を取り扱う者である。そうすると、同人は、申立人と共に婦人服を扱う同業者といえるから、辞書等に記載のない造語であり、周知著名となっている使用商標と同一の文字を構成中に含み、引用商標と類似する本件商標を偶然に採択したものとはいえない。
してみれば、本件商標は、周知著名な引用商標に化体した名声、信用等にただ乗りし、不正の利益を得る目的、他人たる申立人に損害を加える目的等の不正の目的をもって使用するものといわざるを得ない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「revionnet」の欧文字よりなるところ、該文字は、特定の意味合いや読みを有しない造語である。このような場合、我が国における外国語の普及度を考慮すると、一般にローマ字読み又は英語風の読みが行われるものである。
そして、語頭において、「re」ではじまる英単語の多くが「レ」又は「リ」と発音されていることから、その構成文字に相応して「レビオンネット」及び「リビオンネット」の称呼を生ずるというのが相当であって、観念は生じないものである。
引用商標1は、「VIONNET」の欧文字よりなるところ、該文字は、特定の意味合いをもって知られた語ではないが、フランスのデザイナーの「マドレーヌ・ヴィオネ(Madeleine Vionnet)」の名前に照らせば、「ヴィオネ」の称呼を生じ、観念は生じないものである。
引用商標2は、「MADELEINE VIONNET」の欧文字よりなるところ、該文字は、上記デザイナーの名前に照らせば、「マドレーヌヴィオネ」の称呼を生じ、デザイナーの名前である「マドレーヌ・ヴィオネ」程の観念を生じるものである。
そこで、本件商標の称呼「レビオンネット」及び「リビオンネット」と引用商標1の称呼「ヴィオネ」とを比較すると、両者は、称呼の類否を判断する上で重要な位置を占める語頭において「レ」又は「リ」の音の有無、中間音における撥音「ン」の有無及び語尾において「ット」の音の有無の差異を有するものであるから、その構成音数及び調音によって、これらをそれぞれ一連に称呼するときは、相紛れることなく明確に区別し得るものである。
そして、本件商標と引用商標1とは、外観において、明らかな相違があるから、外観上相紛れるおそれはなく、また、観念において、本件商標と引用商標1とは、共に観念が生じないことから比較することができないものである。
次に、本件商標の称呼「レビオンネット」及び「リビオンネット」と引用商標2の称呼「マドレーヌヴィオネ」とを比較すると、両者は、構成音数が7音と8音と相違する上、構成音に明らかな差異を有するから、これらをそれぞれ一連に称呼するときには、相紛れることなく明確に区別し得るものである。
そして、本件商標と引用商標2は、外観において、明らかな相違があるから、外観上相紛れるおそれはなく、また、観念において、引用商標2は、本願商標から観念が生じないものであるから、観念上類似するところはないものである。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標ということはできないものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
申立人の提出した証拠によれば、「マドレーヌ・ヴィオネ(Madeleine Vionnet)」(以下「ヴィオネ」という。)は、1920年代から1930年代にかけて活躍したデザイナーであり、スカートなどでバイアスを使って美しドレープを出す方法である「バイアス・カット」を考案した者である(甲6)。また、ヴィオネは、1912年にパリにオートクチュールのメゾンを設立し、1940年にメゾンを閉じたが、その後の再開はない(甲4、甲5)。
そして、使用商標である「VIONNET」の文字については、甲各号証のみによっては、1940年以降にヴィオネ自身が使用することはなかったことが認められ、ヴィオネが1975年に死亡した後、使用商標については、権利者の変動及びデザイナーの採用、変更があったようではあるが、その経緯は明らかでない。
また、申立人は、本件商標の登録出願時及び査定時以前の使用商標の使用について、広告、宣伝の期間、方法、地域、その費用及び使用商標を使用した商品の販売額、販売数などの使用実績をほとんど明らかにしていない。
そうとすれば、ヴィオネが1940年にメゾンを閉じてから、申立人が2006年に使用商標の使用を再開するまで65年以上もの不使用の期間があり、ヴィオネが既に死亡していることも併せ考慮すると、本件商標の登録出願時及び査定時において、「マドレーヌ・ヴィオネ」の氏名がデザイナー名として周知性を残していたとしても、使用商標が申立人の業務に係る商品の出所を表示する商標として、取引者、需要者において、国際的にも、また、我が国においても周知、著名な商標となっていたとは認めるに足りないものである。
さらに、本件商標は、前記(1)のとおり引用商標1及び2とは別異の商標であるから、引用商標1と略同一の使用商標とも別異の商標というべきものである。
そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして使用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第19号の該当性について
本件商標は、引用商標及び使用商標とは別異の商標であって、使用商標の著名性が認められないことは、前記(1)及び(2)に記載したとおりである。
そして、本件商標は、申立人の創作に係る造語でもなく、また、申立人提出の甲各号証によるも、本件商標が引用商標及び使用商標に依拠し、不正の目的をもって使用するものであることを認めるに足る証拠も見出し得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものとはいえない。
(4)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-11-18 
出願番号 商願2010-67764(T2010-67764) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (X25)
T 1 651・ 271- Y (X25)
T 1 651・ 262- Y (X25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 渡邉 健司
井出 英一郎
登録日 2010-12-17 
登録番号 商標登録第5377842号(T5377842) 
権利者 株式会社 PEACE MADE
商標の称呼 レビオンネット、リビオンネット 
代理人 本多 敬子 
代理人 佐藤 英二 
代理人 本多 一郎 
代理人 黒川 朋也 
代理人 脇田 真希 
代理人 長谷川 芳樹 
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