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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X43
管理番号 1246359 
審判番号 不服2011-4134 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-02-24 
確定日 2011-10-14 
事件の表示 商願2010-14196拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ポモドーラ」の片仮名と「Pomodora」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、第29類、第30類、第35及び第43類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年2月25日に登録出願されたものである。
そして、その指定商品及び指定役務については、当審における平成23年2月24日付け手続補正書によって、第43類「飲食物の提供,料理のレシピに関する情報の提供」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3223999号商標(以下「引用商標」という。)は、「POMODORO」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月29日に登録出願、第42類「茶・コーヒー・清涼飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同8年11月29日に特例商標として設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本願商標と引用商標との類否
本願商標は、前記1のとおり、「ポモドーラ」の片仮名と「Pomodora」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、該各文字は、辞書等に掲載されていない文字であり、親しまれた意味を有するとみるべき特段の事情も見いだしえないから、特定の意味を有しない造語として理解されるものである。
そして、本願商標の構成中の上段の「ポモドーラ」の文字は、下段の「Pomodora」の欧文字から生ずる読みの表音を書したものと無理なく認められるものであるから、本願商標は、その構成文字に相応して「ポモドーラ」の称呼を生ずるものであり、観念は生じないものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「POMODORO」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「トマト」を意味するイタリア語であり(「伊和中辞典第2版」株式会社小学館 2008年2月4日発行)、「ポモドーロ」と発音されるものである(「改訂調理用語辞典」社団法人全国調理師養成施設協会 平成10年12月25日発行)。
そして、「飲食物の提供」の分野においては、イタリア料理店やイタリアンカフェなどの業態が1つのジャンルとして確立しており、それに伴って平易なイタリア語はその需要者及び取引者において、容易に理解され得る実情にあることからすれば、引用商標は、「ポモドーロ」の称呼を生ずるものであり、「トマト」の観念が生じるものとみるのが相当である。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、本願商標から生ずる「ポモドーラ」の称呼と引用商標から生ずる「ポモドーロ」の称呼とは、いずれも5音構成からなり、語尾における「ラ」と「ロ」の1音のみに差異を有するところ、該差異音は、共に同行音(ラ行)の子音「r」と近似の母音「a」、「o」(「o」は、「a」と「u」の中間音である。)からなる有声歯茎弾き音(「日本語音声表現法」 株式会社おうふう(桜楓社)1998年3月30日発行)であり、称呼における識別上印象の弱い語尾に位置することも相まって、該差異音が称呼全体に与える影響は極めて少ないものといわざるを得ず、両者をそれぞれ一連に称呼した場合は語調、語感が近似し、互いに相紛らわしく、聴別し難いものとみるのが相当である。
次に、観念については、本願商標が特定の観念を生じないものであるから、比較することができず、観念をもって出所混同を生ずるおそれがないということができない。
そして、外観については、本願商標の構成中の欧文字部分である「Pomodora」の文字と引用商標の構成中の「POMODORO」の文字は、共に欧文字を、同じ大きさ、等間隔に同じ書体で表してなるものであり、語頭部分は共に大文字の「P」から始まり、他の欧文字部分についても、アルファベットの大文字と小文字の差異は認められるとしても、語尾の文字である「a」と「O」を除き、他の全ての文字の綴りを共通にするものであることからすれば、全体として似通った印象を与えるものということができる。
イ 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否
引用商標の指定役務である第42類「茶・コーヒー・清涼飲料を主とする飲食物の提供」は、本願商標の指定役務である第43類「飲食物の提供」に包含される役務である。
ウ 小括
以上によれば、本願商標と引用商標とは、称呼が類似し、外観についても
その欧文字部分の綴りにおいて、共通点が認められるものであり、観念については比較することかできない。
そして、両商標の取引の実情等において、役務の出所の混同を生ずるおそれはないとみるべき特段の事情が存するものとも認められないから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるとみるのが相当であり、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ない。

(2)請求人の主張
請求人は、本願商標と引用商標とは、語尾において「ラ」と「ロ」の差異を有するものの、該差異音の「ラ」と「ロ」は、前者が、「舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する音」であるのに対して、後者が、「舌面を硬口蓋に近づけて、有声の気息を通じて発する音」であり、その発音方法を異にし、また、いずれも「ド」の長音に続く音であることから、明確に発音、聴取されることからすれば、全体として比較的短い音構成であることも相まって、両称呼は、これをそれぞれ一連に称呼しても、その語感、語調においてかなりの程度異なるものとなり、互いに聴き誤るおそれはない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、「ラ」と「ロ」は、共に同行音の子音と近似の母音からなる有声歯茎弾き音であり、比較的聴取されにくい語尾に位置することからすれば、該差異音が及ぼす影響は、比較的短い音構成であったとしても、大きなものということはできない。
また、請求人は、審決例等を挙証し、本願商標の登録適格性を主張する。
しかし、出願された商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の登録例及び審決例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
そして、請求人の挙げた審決例等は、いずれも商標の構成において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、類似の商標と認められるものである。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-08-08 
結審通知日 2011-08-12 
審決日 2011-08-25 
出願番号 商願2010-14196(T2010-14196) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 吉野 晃弘
末武 久佳
商標の称呼 ポモドーラ、ポモドラ 
代理人 為谷 博 
代理人 成合 清 
代理人 柴田 昭夫 

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