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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X31
管理番号 1246355 
審判番号 不服2010-28219 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-14 
確定日 2011-10-13 
事件の表示 商願2010- 10002拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第31類「種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪」を指定商品として、平成22年2月12日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『1株でこのボリューム!』の文字(「で」と「ボ」の文字の濁音符部分は花びらの図形で表されている。)を普通に用いられる方法を脱しない程度に書してなるところ、その構成中の『1株』の文字部分は、『根のついた草や木などの1本。』の意味を有し、また、『ボリューム』の文字は、『量。分量。容量。』等の意味を有するものであり、指定商品との関係において、全体として、『1株でこれ程の量がある。』程の意味合いを容易に理解させるものであるから、本願商標に接する取引者・需要者をして商品の広告・宣伝的な一種のキャッチフレーズであるとして理解するにとどまり、結局、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「一株でこのボリューム!」の文字を、円弧状にして、文字の末尾に感嘆符を付し、「で」と「ボ」の濁点を花びらの図形で表してなるものであるところ、近時、商標の構成中の一部の文字をデザイン化したり、商品に標章等を付す際に様々なデザイン化が行われている現状にあっては、この程度のデザインは、特殊な態様とはいい得ないものであるから、本願商標の構成は、全体として格別特殊な態様とはいえず、普通に用いられる方法の範囲で表してなるものとみるのが相当である。
そして園芸を取り扱う分野においては、ペチュニア、インパチェンス、シクラメン、シンビジュームなどの大きく広がる草花について、その広がりの良さを商品の特長として、「ボリューム感のある品種です」、「ボリューム満点」、「ボリュームたっぷり」、「花の色、丈夫さ、そしてボリューム」、「株全体のボリュームがある」などのようにして宣伝広告することが広く行われているところである。
そうとすると、本願商標の「1株でこのボリューム」の文字は、「1株でこれ程のボリュームがある」の意味合いを容易に認識させるものである。
さらに、草花、苗、種子の販売に当たっては、通常、その草花を展示したり、成長(満開)時の写真などをもって草花の紹介、商品の宣伝、販売することが一般に行われており、その特長の宣伝文句として「1株で(この)ボリューム」の語が使用されているところである。
(1)「Bougain House Gardens Blog」と称するウェブサイトの「?北海道旭川の花屋 合同園芸のブログです?」の見出しの下、「マウントペチュニア マドンナの宝石 ピンク 一株でこのボリューム」の記載がある(http://bougainhousegardens.blog23.fc2.com/blog-date-20110514.html)。
(2)「宮古花園ブログ 四季の花情報」と称するウェブサイトに「アズーロコンパクトは、一株でこのボリュームです。」の記載がある(http://www.miyashikaen.com/blog/51311045.html)。
(3)「サカタのタネ」のウェブサイトの「ポットカーネーション『コケット』の鉢物出荷が開始」の見出しの下、「ポットカーネーション市場は・・・新品種『コケット』は一株でボリュームがあり豪華な印象を与える大鉢用で、シックな雰囲気をもつ濃い赤紫色の花をたくさん咲かせるポットカーネーションです。」の記載がある(http://www.sakataseed.co.jp/corporate/news/20110404g.html)。
(4)「ブリちゃんとその仲間たち2011」と称するウェブサイトに「一株でこのボリューム!」「ブリちゃんの、『ライラックブルー』」の記載がある(http://buri2010.exblog.jp/13702083/)。

以上よりすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「一株でボリュームがある商品」であることを強調する、商品の宣伝文句、キャッチフレーズのように理解するにすぎず、自他商品の識別力を有しないから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認められる。
なお、請求人は、本願商標は、「1株でこのボリューム」との文字を普通に用いられる方法にて表示したものではなく、需要者・取引者に「可愛らしい」印象を与え、丸みを帯びたフォントと花の図形で記憶され、指定商品との関係から「可愛らしいお花」という連想を生じさせる商標であり、十分な自他商品識別機能を有する商標である旨主張する。
しかしながら、本願商標のデザインの程度は前記のとおり、普通に用いられる方法の範囲といえるものであり、これに接する取引者、需要者は、「一株でこのボリューム」という語の意味を理解、認識する以上に「可愛らしいお花」などというような請求人主張の観念を理解、認識させるものとは認め難いものである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
また、請求人は、本願商標を園芸店やホームセンターの園芸用品売り場などのノボリ、垂れ幕など様々な媒体(甲3?甲7)に本願商標を掲出して使用を継続し、また、雑誌への広告(甲8)を行い、本願商標は、本願指定商品について出願人の業務に係る商品であることを表示する商標として需要者の間に広く認識されるに至っているといえる旨主張する。
しかしながら、 請求人の提出した、広告宣伝の証拠(甲1、5?14)を見ると、いずれも大きな満開のペチュニアの写真と共に「1株でこのボリューム」の語を使用し、更に請求人のオリジナルのペチュニアに使用する「ブリエッタ」の語と共に使用されている(なお、甲8、12?14の「一株でこのボリューム」の語は、本願商標のようなデザインがされているものではない。)ものであり、使用されている「1株でこのボリューム」は、その大きく広がる満開の様子を表した語、あるいは、ブリエッタの特長を端的に説明する語として、理解されるというべきであり、提出された証拠からは、本願商標が、請求人の業務に係る商品を表すものとして需要者の間に広く認識されるに至っているものとは認められない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲





審理終結日 2011-08-10 
結審通知日 2011-08-16 
審決日 2011-08-29 
出願番号 商願2010-10002(T2010-10002) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X31)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 大島 康浩
瀧本 佐代子
商標の称呼 ヒトカブデコノボリューム 
代理人 特許業務法人共生国際特許事務所 

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