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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y25 |
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管理番号 | 1246346 |
審判番号 | 取消2010-300709 |
総通号数 | 144 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-12-22 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2010-06-29 |
確定日 | 2011-10-11 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4900645号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4900645号商標の指定商品中、第25類「被服」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 登録第4900645号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成17年3月31日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、同年10月14日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品中「被服」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実は存在しない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中、上記の商品については、その登録を取り消されるべきである。 (2)弁駁の理由 ア 被請求人が提出した証拠について (ア)乙第1号証について 乙第1号証は、「2010年1月の展示会領収書控えの写し」とあるが、本件商標に関する領収書かどうか不明である。 すなわち、本件商標以外の商品についての領収書である可能性も否定できないので、本件に関する使用証拠とは認められない。 (イ)乙第2号証について 乙第2号証は、「商品サンプル写真001、002、003、004、005、006」とあるが、いつ撮影されたものかが不明である。 したがって、「その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において」(商標法第50条第2項)、商標権者が本件商標を使用したことの証明とは認められない。 (ウ)乙第3号証及び2009年10月から12月までの領収書控えの写し(答弁書に添付された項第3号証は、甲号証の番号が重複しているので、「2009年10月から12月までの領収書控えの写し」は、職権により、乙第4号証とする。以下同じ。)について 乙第1号証と同様に、本件商標に関する領収書かどうか不明である。本件商標以外の商品についての領収書である可能性も否定できないので、本件に関する使用証拠とは認められない。 イ したがって、被請求人が提出した各号証は、いずれも本件商標を「被服」について、審判請求の登録前3年以内に使用している事実を証明するものではない。 3 被請求人の主張の要旨 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証を提出した。 私はこの商標を取得してから、小さいながらもこの商標を用いた被服を販売、広報することに今まで努めてきた。 今年(審判注:平成22年)の1月には展示会も開き、来客数は100人を超えた。売上はまだまだ小額だが、今年の冬からはセレクトショップに卸してもらえる話しもまとまった。5年間かけてやってきたことが実を結びつつある。 友人も冬物をブログで紹介してくれるなど、前向きに仲間からの支持もある。現在も、この商標で営業活動をしており、また、次第に広がってきている最中である。 4 口頭審理について 平成23年2月24日付け口頭審理通知書で請求人、被請求人に双方に対して、本件取消審判についての審理は、口頭審理によるものとする旨を通知した。しかしながら、被請求人からは、応じることができない旨の連絡があり、同年4月7日付け書面審理通知書で書面審理によるものとする旨の通知を被請求人に双方へ送付し、以後、本件審理を書面審理としたものである。 5 当審の判断 (1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。 ア 「2010年1月の展示会領収証控えの写し」(乙第1号証)には、「No.1」ないし「No.24」までの24枚の領収証(控)が示されており、いずれにも、被請求人の氏名・住所・電話番号が記載され、宛名は、黒い線で隠されており、但書き欄に、「Tシャツ代として」との記載がある。 (ア)日付欄に「2010年1月15日」と記入されており、金額欄には、「¥10,800(No.1及びNo.5)」、「¥18,000(No.2)」、「¥7,200(No.3及びNo.4)」、¥3,600(No.6)」の記載がある。 (イ)日付欄に「2010年1月16日」と記入されており、金額欄には、「¥7,200(No.7)」、「¥10,800(No.8)」の記載がある。 (ウ)日付欄に「2010年1月17日」と記入されており、金額欄には、「¥7,200(No.9及びNo.11)」、「¥10,800(No.10)」の記載がある。 (エ)日付欄に「2010年1月18日」と記入されており、金額欄には、「¥7,200(No.12及びNo.13)」の記載がある。 (オ)日付欄に「2010年1月19日」と記入されており、金額欄には、「¥3,600(No.14)」、「¥10,800(No.15)」の記載がある。 (カ)日付欄に「2010年1月20日」と記入されており、「¥7,200(No.16及びNo.17)」、「¥10,800(No.18)」の記載がある。 (キ)日付欄に「2010年1月21日」と記入されており、「¥7,200(No.19)」、「¥10,800(No.20)」の記載がある。 (ク)日付欄に「2010年1月22日」と記入されており、「¥7,200(No.21、No.23及びNo.24)」、「¥10,800(No.22)」の記載がある。 イ 「商品サンプル写真」(乙第2号証)には、商品写真として「001」から「006」までが示されている。そして、「001」には男性が着用したTシャツが写されており、やや鮮明さを欠くが、Tシャツの胸部に別掲に示す構成からなる標章が付されている。「002」には、その右側の写真に、Tシャツを着用した男性の後ろ姿が写されており、そのTシャツの右肩部に前記と同様の標章が付されている。「003」には、Tシャツを着た者の胸部が大写しされており、Tシャツには、「ETHER」の文字及び別掲と同じ構成の標章(但し、白色で表示されている。)が表示されている。また、「004」も、シャツの色は異なるがTシャツに、「003」と同様の標章が表示されている。「005」には、別掲と同じ構成で大きさが異なる標章3つが胸部に付されているTシャツを着用した者が写されており、「006」には、その右側の写真に、Tシャツを着用した男性の後ろ姿が写されており、そのTシャツの背中部に別掲と同じ構成の標章が付されている。 ウ 「2010年の領収証控えの写し」(乙第3号証)には、2010年4月9日から同年8月13日に至る間の日付が記入された「No.25」から「No.36」までの12枚の領収証(控)が示されており、いずれにも、被請求人の氏名・住所・電話番号が記載され、宛名は、黒い線で隠されており、但書き欄に、「Tシャツ代として」との記載がある。 (ア)日付欄に「2010年4月9日(No.25)、同月28日(No.26)、同年5月21日(No.28)、同年6月20日(No.29)、同月30日(No.31)、同年7月6日(No.32)、同年8月1日(No.34)及び同月13日(No.36)」と記入されており、金額欄には、「¥3,600」と記入されている。 (イ)日付欄に「2010年5月14日(No.27)、同年6月20日(No.30)、同年7月10日(No.33)及び同年8月9日(No.35)」と記入されており、金額欄には、「¥7,200」と記入されている。 エ 「2009年10月から12月までの領収証控えの写し」(乙第4号証)には、2009年10月7日から12月15日に至る間の日付が記入された「No.71」から「No.79」までの9枚の領収証(控)が示されており、いずれにも、被請求人の氏名・住所・電話番号が記載され、宛名は、黒い線で隠されており、但書き欄に、「Tシャツ代として」との記載がある。 (ア)日付欄に「2009年10月7日(No.71)、同月27日(No.74)及び同年12月3日(No.78)」」と記入されており、金額欄には、「¥9,600」と記入されている。 (イ)日付欄に「2009年10月9日(No.72)、同月13日(No.73)、同年11月15日(No.75)、同月18日(No.76)、同年12月7日(No.79)及び同月15日(No.80)」と記入されており、金額欄には、「¥4,800」と記入されている。 (ウ)日付欄に「2009年11月24日(No.77)」と記入されており、金額欄には、「¥14,400」と記入されている。 オ 上記ア、イ及びエの領収証に記載された年月日は、いずれも本件審判請求の登録前3年以内の時期にあたるものである。 (2)本件商標は、別掲に示すとおり、黒塗りした雁木角紋風の図形とその下部右下に「ETHER」の欧文字を配した標章からなるものである。これに対して、前記商品サンプル写真に現されたTシャツに付された標章も、これと同様の構成のものであるから、サンプル写真の標章は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。 しかしながら、前記(1)ア、イ及びエの領収証中に「Tシャツ代として」と記載されたTシャツが、上記(1)ウの商品サンプル写真に表された前記標章が付されたシャツと同種のものであることを裏付け得る的確な資料(商品記号の一致等)はみいだせないから、領収証における「Tシャツ」の記載のみをもって、直ちに本件商標を付したTシャツが譲渡されたと推認することはできないといわざるを得ないものである。 してみると、被請求人提出の証拠によっては、本件審判請求の登録前3年以内(要証明期間内)において、被請求人が本件商標を指定商品「被服」について使用したことが明らかであるとすることはできない。 他に、要証期間内における本件商標の使用を示す証拠はなく、また、不使用の正当理由に係る主張及び立証はない。 (3)また、被請求人は、平成23年5月6日付けの上申書において、「平成23年4月11日(同月7日付け起案日)に、審判請求人の提出した平成22年11月26日付けの弁駁書に対する答弁の提出を求められているが、現在手元に資料が無く準備を整える期間として1ケ月間程の猶予を願いたい」旨述べ、審理の猶予を上申しているが、その後、相当の期間が経過した現在においても、追加の資料の提出等何ら手続がなされないので、これ以上本件の審理を遅延させるべき事由はないものと判断し、審理をすすめることとした。 (4)したがって、本件商標は、取消請求に係る指定商品「被服」について、商標法第50条第1項の規定により、その登録の取消しを免れないものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 |
審理終結日 | 2010-09-14 |
結審通知日 | 2010-09-17 |
審決日 | 2011-08-29 |
出願番号 | 商願2005-32505(T2005-32505) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(Y25)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 池田 佐代子 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 内山 進 |
登録日 | 2005-10-14 |
登録番号 | 商標登録第4900645号(T4900645) |
商標の称呼 | エザー、エーテル、エーサー |
代理人 | 原田 卓治 |
代理人 | 坂本 徹 |
代理人 | 横畑 雅子 |