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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない X30
管理番号 1244774 
審判番号 不服2010-27539 
総通号数 143 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-06 
確定日 2011-09-28 
事件の表示 商願2010- 4372拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「勝サブレ」の文字を標準文字で表してなり、第30類「サブレ」を指定商品として、平成22年1月25日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
(1)原査定は、「本願商標は、次の(2)の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
(2)登録第5252087号商標(以下「引用商標」という。)
引用商標は、「勝カレーパン」の文字を標準文字で表してなり、平成20年12月22日に登録出願、第30類「カレーパン」を指定商品として、同21年7月31日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標の類否について
ア 商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁 平成19年(行ヒ)第223号 平成20年9月8日 第二小法廷判決)。
以下、上記の観点から本願商標と引用商標との類否を検討する。
イ 本願商標は、上記1のとおり「勝サブレ」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字及び意味合いから、「勝」と「サブレ」の文字(語)を結合してなるものと容易に認識されるものである。
そして、「サブレ」の文字(語)は、本願商標の指定商品の普通名称であるから、該文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものといえ、また、その結果、本願商標は、その構成中「勝」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができる。
そうすると、本願商標は、その構成中「勝」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきであり、該文字部分が独立して出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
ウ 他方、引用商標は、上記2(2)のとおり「勝カレーパン」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字及び意味合いから、「勝」と「カレーパン」の文字(語)を結合してなるものと容易に認識されるものである。
そして、「カレーパン」の文字(語)は、引用商標の指定商品の普通名称であるから、該文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものといえ、また、その結果、引用商標は、その構成中「勝」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができる。
そうすると、引用商標は、その構成中「勝」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきであり、該文字部分が独立して出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
エ そこで、本願商標の構成中「勝」の文字部分と引用商標の構成中「勝」の文字部分とを比較すると、両者はいずれも標準文字で表されたものであって、「勝(勝利)」の観念を生じ、「カツ」「カチ」及び「ショウ」の称呼を生じるものと判断するのが相当である。
そうすると、両者は、外観において「勝」の構成文字及び書体を、観念において「勝(勝利)」の観念を共通にし、さらに、称呼においても「カツ」「カチ」及び「ショウ」の称呼を共通にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、(両者の構成中いずれもそれ自体独立して出所識別標識としての機能を果たし得る「勝」の文字部分において、)外観、観念及び称呼のいずれの点からみても相紛らわしい類似の商標といわなければならない。
(2)指定商品の類否について
ア 指定商品が類似のものであるかどうかは、商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定(判断)すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがないものであっても、類似の商品にあたると解するのが相当である(最高裁 昭和33年(オ)第1104号 昭和36年6月27日第三小法廷判決)。
また、商品の類否判断は、取引の実情、すなわち、商品の生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品との関係にあるかどうか等を総合的に考慮して判断すべきである(東京高裁 平成7年(行ケ)第161号 平成8年3月21日判決)。
そこで、上記の観点から本願商標と引用商標の指定商品の類否を検討する。
イ 本願商標の指定商品「サブレ」をはじめとする「焼き菓子」と引用商標の指定商品「カレーパン」をはじめとする「パン」は、同一の事業者によって生産(製造)、販売されることが少なくなく、また、主な原材料が「小麦粉」であること、用途が「飲食」であること、及び需要者が「一般消費者」であることを共通にするものといえるから、両者に同一又は類似の商標を使用するときはそれらの商品が同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるものと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標の指定商品「サブレ」と引用商標の指定商品「カレーパン」とは、互いに類似の商品であるというべきである。
(3)小活
上記(1)及び(2)のとおり、本願商標と引用商標とは、商標が類似し、両者の指定商品も類似するものである。また、両商標をそれぞれの指定商品に使用した場合、出所の混同を生ずるおそれがないというべき一般的、恒常的な取引の実情は見いだせない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわなければならない。
なお、請求人は、登録例を挙げ本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張しているが、本願商標と引用商標とが類似の商標であること上述のとおりであり、また、商標の類否の判断は各商標について個別具体的に判断されるべき性質のものであるから、請求人の主張は採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-07-27 
結審通知日 2011-08-01 
審決日 2011-08-12 
出願番号 商願2010-4372(T2010-4372) 
審決分類 T 1 8・ 26- Z (X30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 山田 啓之
瀧本 佐代子
商標の称呼 カチサブレ、カツサブレ、ショーサブレ、カチ、カツ、ショー 
代理人 西尾 美良 
代理人 丹羽 宏之 

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