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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 X14182435 審判 一部申立て 登録を維持 X14182435 |
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管理番号 | 1243407 |
異議申立番号 | 異議2011-900022 |
総通号数 | 142 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-10-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-01-21 |
確定日 | 2011-09-10 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5362502号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5362502号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5362502号商標(以下「本件商標」という。)は、「IVY COMME CA」の文字を標準文字で表してなり、平成22年7月9日に登録出願、第9類、第14類、第16類、第18類、第24類、第25類、第26類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年10月7日に登録査定、同月22日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 1 本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2第1号により、その指定商品及び指定役務中、第14類「キーホルダー」、第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,携帯用化粧道具入れ」、第24類「布製身の回り品」、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についてその登録を取り消されるものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下の(1)ないし(14)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1575836号商標(以下「引用商標1」という。)は、「IVY」の欧文字と「アイビー」の片仮名を二段に書してなり、昭和54年5月21日に登録出願、昭和58年3月28日に設定登録され、平成16年7月21日に指定商品を第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)登録第4519951号商標(以下「引用商標2」という。)は、「IVY」の欧文字を書してなり、平成9年11月11日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年11月9日に設定登録されたものである。 (3)登録第4794531号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年12月12日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年8月13日に設定登録されたものである。 (4)登録第4794532号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年12月12日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年8月13日に設定登録されたものである。 (5)登録第4807656号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年12月12日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年10月1日に設定登録されたものである。 (6)登録第4814167号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年12月12日に登録出願、第8類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年10月29日に設定登録されたものである。 (7)登録第4814168号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年12月12日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年10月29日に設定登録されたものである。 (8)登録第4816336号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年12月12日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年11月12日に設定登録されたものである。 (9)登録第4860876号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年12月12日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年4月28日に設定登録されたものである。 (10)登録第4982311号商標(以下「引用商標10」という。)は、「アイビー」の片仮名と「IVY」の欧文字を二段に書してなり、平成17年12月2日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年8月25日に設定登録されたものである。 (11)登録第5098493号商標(以下「引用商標11」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成19年2月15日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月14日に設定登録されたものである。 (12)登録第5111740号商標(以下「引用商標12」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成19年5月16日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年2月15日に設定登録されたものである。 (13)登録第5172673号商標(以下「引用商標13」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成19年6月20日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年10月10日に設定登録されたものである。 (14)登録第5339727号商標(以下「引用商標14」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成20年4月9日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年7月23日に設定登録されたものである。 (上記(1)ないし(14)の登録商標をまとめていうときは、「引用各商標」という。) 3 登録異議申立ての理由 (1)引用商標の著名性 申立人は、化粧品関連(化粧品、化粧用具、化粧用に用いる薬剤、美容機器、健康食品)の業務を行い、長年の営業努力により、使用する引用商標を周知著名にならしめている。 申立人会社は、昭和50年の創立にかかり、昭和52年に社名を「株式会社アイビー化粧品」と変更し、本格的に化粧品の販売を開始した(甲3)。 申立人は、本社営業部の下に「販社」を置き、その下に営業所となる販売員が、顧客に直接、指導・相談を行い、商品を販売するという型式を採用し、現在、販社は全国に236社あり、販売員は3千人を超えている(甲4)。また、近年は、関係業務として「ARTEMIS/アルテミス」の店名でショールーム兼ビューティースペースを展開し、そこで化粧品等の販売も行っている(甲3)。 申立人の主力製品は、スキンケア製品(基礎化粧品)であるが、徐々にラインナップを広げ、メイクアップ製品、ヘアケア製品、ボディケア製品から家庭用美容機器、健康食品へと現在は多彩に商品展開を行っている(甲5)。 独自のコンセプトの下に営業活動を続ける申立人の商品は、派手な宣伝広告は行わないものの、顧客において根強い人気を博している。女性雑誌等の特集企画に商品が選ばれ紹介されている(化粧品:甲6の1?7、化粧用具:甲6の8?10、薬剤:甲6の11?14、健康食品:甲6の15?18)。 また、化粧品の感想や意見を述べる、インターネット上の口コミサイトでは、申立人の製品「リンクルローション」については52件、「モイスチャー ローション」については29件、「ブライトアップマスク」については5件の口コミが寄せられている(甲7)。 以上のように、引用商標は、化粧品及びその関連商品について、我が国において長年多大に使用された結果、我が国において広く知られるように至っている。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標について 本件商標は、「IVY COMME CA」の文字を横書きしてなるが、前半の「IVY」部分と後半の「COMME CA」部分の結合は緊密でなく、一体で特に意味をなすものではないので、以下の理由により「IVY」よりは「アイビー」、「COMME CA」よりは「コムサ」と、それぞれの称呼も生ずるというべきである。 (ア)本件商標は一体性を欠く。 本件商標中の「COMME CA」は、「?のような」という意味のフランス語である(甲8の1)が、日本人には通常なじみのない言葉である(甲8の2)。 一方、「IVY」は、植物の「ツタ」を意味する英語であり、我が国で一般に知られている。したがって、これより「アイビー」の称呼、「ツタ」の観念を容易に感得するといえる。 すなわち、本件商標は、意味を直ちには理解し得ないフランス語の言葉と、よく知られている英語の言葉を単に並べただけに過ぎず、分離感の強いものである。したがって、本件商標は一体不可分のものとはなしえず、これに触れた取引者、需要者は容易に「IVY」の部分を単独で認識し、これより「アイビー」の称呼と「ツタ」の観念を理解するというべきである。 また、本件商標の全体の称呼「アイビーコムサ」が上記のような分離感を有することに加え、7音という冗長な称呼であることを考慮すれば、途中で区切って「アイビー」の称呼のみの称呼・観念が容易に引き出されるであろうことは想像に難くない。 結合商標を構成する各語から称呼、観念を引き出し、類似と判断している過去の事例は枚挙に暇が無い(甲9の1?5) (イ)商標「COMME CA」は若年層に知られた商標であり、その部分をもって一体に把握されるので、「IVY」の部分は単独で把握される。 「COMME CA」という言葉は、上述のように、一般的にその意味を理解し得ないフランス語であるが、「COMME CA」という商標は、現に若者向けの被服やアクセサリーに多く用いられており、我が国の若者には、店名及び商品商標として知られている事実がある。「COMME CA」の商標が本件商標の権利者の商標として知られている事実に立脚した場合、これを知る需要者は、本件商標から「COMME CA」の部分をたちどころに抜き出して認識することになる。その場合、「IVY」の部分は、その瞬時の把握から外れ、「IVY」単独で認識されることになる。その結果、本件商標からは「コムサ」の称呼と並んで「アイビー」の称呼及び「ツタ」の観念も生ずるというべきである。 (ウ)以上のとおりであるから、本件商標からは「IVY」の部分が単独で認識把握され、「アイビー」の称呼及び「ツタ」の観念も生じている。 イ 引用商標について 引用商標は、前記2のとおり、「IVY」、「IVY/アイビー」、「IVY./COSMETICS(ロゴ)」である。前二者からは「アイビー」の称呼と「ツタ」の観念が生じている。 「IVY./COSMETICS(ロゴ)」は、申立人会社のCIであり、会社案内、カタログ等に多用されている(甲3、甲5)。この引用商標の形態は、申立人会社の名称の中核である「IVY」を大きく打ち出し、取引者にも需要者にも「IVY」の名称を印象づけ、「アイビー」と称呼され、愛されることを強く希望したものであり、実際、申立人及び申立人の製品は「アイビー」と呼ばれ、親しまれている。 以上のとおり、引用各商標は、「IVY」が要部と認識され、「アイビー」の称呼、「ツタ」の観念が生じる。 ウ 本件商標と引用商標の類似について 上記のとおり、本件商標及び引用商標からは、「IVY」が要部の一つとして認識されるので、共に「アイビー」の称呼及び「ツタ」の観念が生じている。したがって、両商標は、称呼及び観念を共通にする類似の商標である。 さらに、両商標の使用の事実や著名性の実情も考慮するならば、両商標の類似は明らかである。 エ 本件商標の指定商品及び指定役務中、本件異議申立てに係る商品及び役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と互いに抵触する。 オ 以上のとおり、本件商標は、引用商標と商標において類似し、指定商品及び指定役務が抵触するので、そのかぎりにおいて登録は取り消されるべきである。 (3)商標法第4条第1項第15号について ア 商品又は役務の出所の混同について (ア)引用商標が化粧品及びその関連商品について、長年の使用の結果、周知著名になっている。したがって、本件商標が化粧品又はその関連商品の小売の役務と同一あるいは類似の役務について使用された場合、役務の出所の混同を将来する可能性が極めて大である。何となれば、本件商標は、申立人が著名にし、現在使用中である「IVY」の語を含むゆえに、本件商標に接した者は、「IVY」の部分に注意を引きつけられ、強く印象付けられるからである。申立人の著名な商標「IVY」が特段に看取されるため、直接的な出所の混同のほか、本件商標が付されている化粧品やその関連商品の小売は、申立人と本件商標の権利者が共同で開発し販売している商品の小売である、あるいは、申立人会社が委託させて製造した商品の小売である等の認識を抱かせる可能性が大である。すなわち、両商品あるいは両役務の出所には何らかの経済的あるいは組織的な関連があると認識させる広義の混同のおそれは否定できない。 著名商標を結合した商標は、著名商標の部分に注意を引きつけられ強く印象付けられることは過去の審決例の判断と軌を一にするものである(甲11の1?4) (イ)本件商標権者は、「COMME CA」商標に識別力の弱い言葉を結合して「COMME CA MEN」のように使用している事実がある。しかしながら本件商標に結合しているのは、申立人の名称の中核部分に当たり、主力商品に関する著名商標であることにかんがみれば、「IVY」と「COMME CA」が融合してこん然一体となる可能性は皆無である。 一方、申立人もコア商標である「IVY」商標に様々な言葉を結合して商品展開を行っている事実がある(甲12)。本件商標の商標権者及び申立人双方が、コア商標に様々な言葉を結合使用している事実にかんがみれば、本件商標が化粧品あるいはその関連商品の小売について使用された場合、出所について混同が生ずる可能性は十分に予想し得ることである。 (ウ)申立人が、商標法第4条第1項第15号に依拠し、本件商標の登録の取消しを求めている範囲は、「化粧品及びその関連商品の小売役務と同一または類似の役務」である。これらについては、引用各商標との抵触を根拠に取り消されるべきであると考えるが、商標が類似とされない場合であっても出所の混同のおそれが大であることを理由に取り消されるべきであると確信する。 (エ)まとめ 以上のとおりであるから、本件商標は、前記1で述べた第35類に属する小売役務について、商標法第4条第1項第15号により、登録が取り消されることを求める。 第3 当審の判断 1 引用各商標の著名性について 申立人は、引用各商標は化粧品及びその関連商品について、長年使用された結果、我が国において広く知られるに至っているとして、その証拠方法として、甲第3号証ないし甲第12号証(枝番を含む。)を提出しているので、まず、引用各商標の著名性について検討する。 申立人の提出した証拠及びその主張によれば、申立人の会社案内(甲3)、申立人のウェブサイト(甲4)、申立人の2010-2011商品カタログ(甲5)によれば、申立人は、昭和52年に「株式会社アイビー化粧品」と商号変更し、化粧品の販売を開始、現在、顧客に指導、相談を行いながら、商品を販売する型式を採用し、全国に約236社の販社、3千人の販売員(営業所)を有している。そして、ハウスマークとして、別掲の標章を会社案内、カタログや取り扱う商品に使用し、取り扱う商品の中には、「アイビーCR」、「アイビーフォーミュラ 30」、「アイビー モイスチャー リッチ クリーム」のように商品名に「アイビー」を冠しているものがあることが認められ、甲第6号証の1ないし甲第6号証の18によれば、2007年9月?2010年10月にかけて、雑誌等において、化粧品が7誌、化粧用具(ローラー)が3誌、薬用入浴剤及び薬用部外品が2誌、ヘアケア商品が2誌、健康食品が3誌(4商品)に広告が掲載されたことが認められ、「@cosme」のウエブサイトの口コミサイトにおいて、申立人の業務に係る商品「リンクルローション」に52件の口コミがあったこと(なお、直近の10件は、2007年11月27日?2010年10月23日)、同じく「ベーシック EX」に29件の口コミがあったこと(なお、直近の10件は、2008年2月12日?2011年1月29日)、同じく「BLANCREER」に5件の口コミがあったこと(2006年5月23日?2010年11月16日)(以上、甲8)が認められ、更に、申立人は、「IVY」または「アイビー」の文字を構成中に含む39件の登録商標を化粧品、薬剤、健康食品等の分野に有していることが認められる。 しかしながら、提出された証拠からは、申立人の中心的な取扱い商品である化粧品についてみても2008年5月から2010年7月の間に、雑誌に7回掲載されているに過ぎず、それらの掲載内容も、申立人の商品について大きく取り扱うものでなく、多数の商品の一つとして取り上げられているにすぎず、しかも商品名称中に「アイビー」の文字を関しているものもあるが、申立人若しくは申立人商品について「アイビー」と称呼され、知られているというような事実は窺えない。そして、商品に関する口コミサイトにおいて、申立人の商品に口コミがされていることは認められるものの、その数も多いものではない。以上のように、引用各商標に係る商品の雑誌への掲載等は多いとはいえないものであり、他に、販売量、売上高等についての資料の提出もない。 そうとすると、引用各商標中、別掲のとおりの構成からなる商標が、申立人のハウスマークとして使用されているものであること、及び申立人の販売型式を考慮したとしても、提出された証拠をもって、引用各商標が化粧品及びその関連商品に使用される商標として、本件商標の登録出願時に需要者に広く認識されているとまでは認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「IVY COMME CA」の文字を標準文字で表してなるものであり、構成全体が同一書体でまとまりよく表してなるものであり、これより生ずる「アイビーコムサ」の称呼も7音と冗長ではなく、よどみなく称呼し得るものである。 そして、その構成中の「IVY」(アイビー)の文字は、「1)木蔦(きづた)のこと。2)アイビー・スタイルの略。」(広辞苑第6版)を意味する語として親しまれているものであり、「COMME CA」は、我が国で特定の意味合いをもって親しまれているものではないがが、観念上、殊更「IVY」の文字部分のみに看者の注意が惹かれるとはいい難い。 そうとすると、本件商標は、構成全体をもって不可分一体の商標として認識されるものというべきであり、他に構成中の「IVY」の文字部分のみが独立して認識されると見るべき特段の事情は見出せない。してみれば「アイビーコムサ」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないというべきである。 してみれば、本件商標から「IVY」の文字部分も独立して認識されることを前提にして、そのうえで、本件商標と引用各商標が類似するものとする申立人の主張は採用できない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。 3 商標法第4条第1項第15号について 前記1のとおり、引用各商標は、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商標として、需要者の間に広く認識されているに至っているとまでは認めることはできず、また、前記2のとおり、本件商標と引用各商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきである。 そうとすると、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、本件登録異議の申立てに係る商品及び役務に使用したとしても、これに接する需要者をして、申立人または引用各商標を想起させるとは認められず、当該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 |
異議決定日 | 2011-08-25 |
出願番号 | 商願2010-54324(T2010-54324) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(X14182435)
T 1 652・ 271- Y (X14182435) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 鈴木 斎 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
瀧本 佐代子 大島 康浩 |
登録日 | 2010-10-22 |
登録番号 | 商標登録第5362502号(T5362502) |
権利者 | 株式会社ファイブ・フォックス |
商標の称呼 | アイビーコムサ、アイビー、アイブイワイ、コムサ |
代理人 | 島田 康男 |