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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない X2931
管理番号 1243341 
審判番号 不服2010-23033 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-12 
確定日 2011-08-24 
事件の表示 商願2009- 71992拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「黄金みょうが」の文字を横書きしてなり、第29類「冷凍したみょうが,乾燥みょうが,みょうがの缶詰および瓶詰,みょうがの漬物,みょうがを使ったふりかけ,みょうがを使ったなめ物」及び第31類「みょうが」を指定商品として、平成21年9月18日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、次の(1)及び(2)の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
(1)登録第122239号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、別掲のとおり、短い横線を多数配した縦長の楕円形の中央に「黄金」の文字を縦書きした構成からなり、大正9年6月15日に登録出願、第47類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月15日に設定登録、その後、平成13年4月4日に指定商品を第29類「乾燥野菜の缶詰,かんぴょう,豆,乾燥果実の缶詰,ゆば,こんにゃく,凍り豆腐,凍りこんにゃく」及び第31類「食用球根,きのこ,野菜,あわ,きび,ごま,ひえ,麦,籾米,もろこし,種子,果実,ふすま」並びに第1類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)登録第1892644号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、「黄金」の文字を横書きしてなり、昭和58年5月26日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年9月29日に設定登録、その後、平成19年1月24日に指定商品を第29類「冷凍果実,冷凍野菜」、第31類「麦芽,果実,野菜,糖料作物」及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)商標法4条1項11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものである。そして、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合において、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されないが、他方、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるものである。(知財高裁 平成22年(行ケ)第10139号判決。)
そこで、上記の観点から本願商標と引用商標との類否を検討する。
(2)本願商標は、上記1のとおり「黄金みょうが」の文字からなるものであり、その構成文字及び意味合いから、「黄金」と「みょうが」の文字(語)を結合してなるものと容易に認識されるものである。
そして、「みょうが」の文字は、本願の指定商品の普通名称、又は原材料を表示するものであるから、該文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものといえ、また、その結果、本願商標は、その構成中「黄金」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができる。
そうすると、本願商標は、その構成中「黄金」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきであり、該文字部分が独立して出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
してみれば、本願商標は、構成文字全体から、その構成文字に相応し「オウゴンミョウガ」「コガネミョウガ」の称呼を生じるほか、その構成中「黄金」の文字から「オウゴン」及び「コガネ」の称呼を生じるものである。また、該文字に相応し「黄金」の観念を生じるものである。
(3)他方、引用商標2は、上記2(2)のとおり「黄金」の文字からなるものであるから、該文字に相応し「オウゴン」及び「コガネ」の称呼を生じ、「黄金」の観念を生じるものである。
(4)そこで、本願商標の構成中「黄金」の文字部分と引用商標2とを比較すると、両者は外観において「黄金」の構成文字を、また、称呼において「オウゴン」及び「コガネ」の称呼を共通にし、さらには観念においても「黄金」の観念を共通にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛らわしい類似の商標といわなければならない。
そして、本願の指定商品中第29類「冷凍したみょうが」及び第31類「みょうが」は、引用商標2の指定商品中第29類「冷凍野菜」及び第31類「野菜」の範ちゅうに含まれる商品である。
また、本願商標は、引用商標1との比較においても、引用商標1もその構成中「黄金」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきであるから、上記と同様に両者は類似の商標であり、かつ、指定商品については、本願の指定商品中第29類「みょうがの缶詰および瓶詰」は引用商標1の指定商品中の第29類「乾燥野菜の缶詰」と一部を共通にし、また、前者の第31類「みょうが」は後者の第31類「野菜」の範ちゅうに含まれる商品である。
さらに、本願商標と引用商標とが出所の混同を生じないというべき一般的、恒常的な取引の実情は見いだせない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(5)なお、請求人は登録例を挙げ本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、商標の類否の判断は、各商標について個別具体的に判断されるべき性質のものであるばかりでなく、当該登録例は識別力を有する文字と指定商品の普通名称又は原材料名とを結合してなる本願商標とは事案を異にするものというべきであるから、請求人の主張は採用することができない。
(6)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標1)




審理終結日 2011-06-08 
結審通知日 2011-06-17 
審決日 2011-07-04 
出願番号 商願2009-71992(T2009-71992) 
審決分類 T 1 8・ 26- Z (X2931)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 黒磯 裕子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 山田 啓之
小畑 恵一
商標の称呼 オーゴンミョウガ、オーゴンミョーガ、コガネミョーガ、オーゴン、コガネ 
代理人 佐々木 實 

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