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審決分類 審判 一部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) X29
管理番号 1241598 
異議申立番号 異議2009-685016 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-09-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-10-01 
確定日 2011-05-31 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第944848号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第944848号商標の指定商品中、第29類「Preserved,dried and cooked vegetables;tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,peeled tomatoes.」ついての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第944848号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)8月27日に国際商標登録出願、第29類「Preserved,dried and cooked vegetables;tomato concentrates,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,tomato puree;peeled tomatoes.」を指定商品として、平成21年3月19日に登録査定、平成21年7月17日に設定登録されたものである。
2 登録議申立の理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標に係る指定商品第29類「Preserved,dried and cooked vegetables;tomato concentrates,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,tomato puree;peeled tomatoes.」について、登録異議の申立てをし、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
本件商標は、その構成中の「PASSATA/di pomodoro」の文字が、「裏ごししたトマト」又は「トマトピューレ」を意味するイタリア語であって、その意味の語として普通に使用されているものであるから、これをその指定商品中「pureed tomato concentrates(裏ごしした濃縮トマト)、tomato puree(トマトピューレ)」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 本件商標の取消理由
当審において、平成22年8月6日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)「PASSATA」及び「pomodoro」の文字は、前者が「濾したもの、トマトピューレ」、後者が「トマト」の意味を有するイタリア語である(新伊和辞典(増訂版)1987年1月10日増訂版6刷 株式会社白水社発行:甲第2号証及びイタリア料理用語辞典 1997年2月10日第7刷発行 株式会社白水社発行:甲第3号証)。
(2)「PASSATA(パッサータ)」及び「pomodoro(ポモドーロ)」の文字について、次の事実が認められる。
ア 「PASSATA(パッサータ)」の文字について
「イタリアではパッサータと呼ばれ、フレッシュトマトだけを裏ごししたピューレで 使い安さ抜群・・・パッサータ瓶入り」(甲第4号証1枚目ウェブページ)、「アナリサ パサータ(裏ごしトマト)」(同3枚目ウェブページ)、「南イタリアで有機栽培された完熟トマトを粗ごししてパッサータ(ペースト)にしました。・・・美味しいオーガニック完熟トマトピューレ700gお得な12本セット」(同4枚目ウェブページ)、「トマトの果肉だけを裏ごしした、これが本当のPassata:パッサータ(裏ごし)。」(同5枚目ウェブページ)、「イタリア産のオーガニック・トマトを裏ごししたシンプルなトマトソースです。」(同7枚目ウェブページ)、「エミリア・ロマーニャ州伝統レシピ」として「『パッサータ』(裏ごしして軽く煮詰めたもの)300gを加えて出来上がり。」(同8枚目ウェブページ)、「サントリーオリジナルの業務用トマト缶『ラボンタ』シリーズから『パッサータ・ディ・ポモドリーニ』・・・」(同9枚目ウェブページ)、「passata(パッサータ)というのは、いわゆるトマトピューレのこと。日本のスーパーでも普通に売ってますよね。・・・」(同10目ウェブページ)等の記載がある。そして、「passata」、「PASSATA」の文字を使用したラベルが付された商品の写真が掲載されている(同1枚目、同3枚目、同4枚目、同7枚目、同9枚目及び同10枚目ウェブページ)。
イ 「pomodoro(ポモドーロ)」の文字について
「トマトはイタリア語では「ポモドーロ(金のりんご)」と呼ばれ、現在イタリアでは約130種類存在すると言われています。」(甲第5号証2枚目ウェブページ)、「Pomodoro/ポモドーロ・・・英名/トマト(Tomato)」(同4枚目ウェブページ)、「『Pomodoro』(ポモドーロと読みます)は、イタリア語でトマトの意味です。・・・」(同8枚目ウェブページ)、「ポモドーロソースは、何にしても、作るのが簡単!トマト(ポモドーロ)の皮を剥くかどうかは、お好み次第。・・・」(同9枚目ウェブページ)、「定番ポモドーロ、絶品トマトソースの作り方」の項に「超定番の人気パスタ、ポモドーロ。トマトの旨みがギュッと詰まったトマトソースのスパゲッティー・・・」(同11枚目ウェブページ)、「限定販売!糖度9%以上のトマトのみを使用した『特選ポモドーロ』」(同12枚目ウェブページ)等の記載がある。そして、「Pomodoro」の文字を使用したラベルが付された商品の写真が掲載されている(同12枚目ウェブページ)。
ウ 「PASSATA di pomodoro(パッサータ・ディ・ポモドーロ)」の文字について
「パッサータ・ディ・ポモドーロ(裏漉しトマト)」の項に「最近、入荷したばかりの『パッサータ・ディ・ポモドーロ』。裏ごししたトマトの瓶詰めなのです・・・パッサータ・ディ・ポモドーロ・・・裏漉しトマト 価格1380円」(甲第6号証1枚目ウェブページ)、「ラ・プレッツィオーザ パッサータポモドーロ 700g・・・イタリア産の新鮮なトマトを裏ごしし、ピューレにしました。・・・」(同3枚目ウェブページ)、「トマトそのものよりも旨い!蒸し上げる製法で作られた贅沢なトマトソース パッサータ・ディ・ポモドーロ」(同4枚目ウェブページ)、「パッサータ・ディ・ポモドーロ」の項に「パッサータとは、裏ごしされたものの意。・・・」(同5枚目ウェブページ)等の記載があり、そして、「PASSATA DI POMODORO」、「PASSATA(Passata) di pomodoro」の文字を使用したラベルが付された商品の写真が掲載されている(同1枚目ないし同3枚目及び同5枚目ウェブページ)。
エ 「PASSATA di pomodoro」の文字を使用したラベルが付された商品「トマトピューレ」、「トマトソース」が販売されている(甲第7号証)。
(3)新聞記事情報
「サントリー『業務用トマト缶ラボンタ』で2年目の挑戦」の見出しの下、「『パッサータ・ディ・ポモドリーニ』は、小型トマト『ポモドリーニ』を裏ごしして使いやすくした同社オリジナルの提案商品」(1999年2月10日 日本食糧新聞)、「新製品フラッシュ-12-イタリア産瓶詰めトマト」の見出しの下、「裏ごしソースタイプとホールタイプを用意。調理に合わせ使い分けできる。製品名:『サンマルツァーノ・トマト』パッサータ(裏ごし)」(2000年4月8日 日経レストラン)、「日清フーズ、新製法採用のパスタソース6種発売」の見出しの下、「・・・イタリア産の完熟トマト・パッサータを煮込んだ『チキンポモドーロ』(160グラム、250円)と・・・を発売する。」(2002年8月7日、日刊工業新聞)、「パスタ・パスタソース特集:・・・」の見出しの下、「12月には家庭で加工できる裏ごしタイプのプレーンソース『パッサータ』四〇〇gを発売し、アイテムを強化する。」(2002年10月28日 日本食糧新聞)、「パスタ・パスタソース特集・・・」の見出しの下、「田舎風粗ごしトマトペースト『パッサータ・ルスティカ』を今春から発売している。」(2004年7月28日 日本食糧新聞)、「『青の洞窟 アラビアータ』発売(日清フーズ)」の見出しの下、「イタリア産の粗ごしトマト・パッサータ・・・」(2007年8月22日 日本食糧新聞)、「パスタ・パスタソース特集:・・・」の見出しの下、「完熟トマトの粗ごしパッサータ(ピューレ)の有機品などを発売する。」(2008年8月18日 日本食糧新聞)等の記載がある(甲第8号証)。
前記の事実によれば、「PASSATA(パッサータ)」の文字は、「裏ごししたもの」、「裏ごししたトマト」、「トマトピューレ」を意味する語として、「pomodoro(ポモドーロ)」の文字は、「トマト」、「トマトソース」を意味する語として、さらに、「PASSATA di pomodoro(パッサータ・ディ・ポモドーロ)」文字が、「トマトピューレ」「裏ごししたトマト」を表示するものとして、本件商標の登録査定時において、取引上普通に使用されていることが認められる。
そして、本件商標は、前記のとおり、その構成中に「PASSATA di pomodoro」の文字を有してなるものである。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者及び需要者は、その構成中の「PASSATA di pomodoro」の文字より、その商品が「トマトピューレ」「裏ごししたトマト」であると認識するにすぎず、その指定商品中、「Preserved,dried and cooked vegetables,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,peeled tomatoes.」については、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、上記の商品について、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものというべきである。
4 商標権者の意見
本件商標権者は、前記3の取消理由の通知に対して要旨次のように意見を述べ、証拠として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
(1)「tomato concentrates,tomato puree (トマトの濃縮品,トマトピューレ)」は、「passata di pomodoro」の一部分にすぎない。「passata di pomodoro」は、これらに限定して狭く解釈されるべきではなく、「preserved,dried and cooked vegetables,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,peeled tomatoes」を含むものと解釈されるべきである。
ア 指定商品「preserved,dried and cooked vegetables」及び「tomato preserve」について
イタリアの家庭で調理されている一般的な「passata di pomodoro」は、商業用に製造される「passata di pomodoro」とは異なるものである。すなわち、商業用に製造される「passata di pomodoro」は、輸入国の食品衛生法等の基準に合うよう、保存処理、乾燥処理、熱処理といった保存のための殺菌処理がされている。したがって、「passata」の文字は、「裏ごししたもの」、「裏ごししたトマト」、「トマトピューレ」を意味する語としてのみ、取引上普通に使用されているのではなく、乾燥処理、熱処理といった保存のための殺菌処理がなされたことをも意味する語として取引上普通に使用されている。本件商標に接する取引者及び需要者は、商業用に流通している「passata di pomodoro」が、保存のための殺菌処理された製品であることを当然認識しているものである。
また、「passata」は、イタリア語の「passare(漉す)」の過去完了形で、漉したものを意味する語として、広く野菜全般に用いられる用語であり(乙第1号証ないし乙第2号証)、トマトは野菜である。さらに、「passata di pomodoro」には乾燥バジルのようなトマト以外の野菜を含む場合があり、トマトのみならず、乾燥処理及び調理した野菜も含まれる(乙第3号証)。
よって、「passata di pomodoro」が「preserved,dried and cooked vegetables(保存処理、乾燥処理及び調理をした野菜)」であり、「tomato preserve (保存加工したトマト)」であることは明らかである。
イ 指定商品「tomato extracts」について
上記製造過程において、トマトが熱処理されることにより水分を除いたトマトエキスが生成される。よって、「passata di pomodoro」が「tomato extracts(トマトエキス)」であることは明らかである。
ウ 指定商品「tomato juice for cooking」について
食品業界に関するインターネット百科事典wikipediaによると、「passata di pomodoro」は、「7%から12%のトマトの乾燥した残留物を含む、部分的に凝縮されたトマトジュース」と説明されている(乙第4号証)。よって、「passata di pomodoro」が「tomato juice for cooking (調理用トマトジュース)」であることは明らかである。トマトジュースには幅広い定義があり、「passata di pomodoro」も、その幅広い定義のうちの1つである(乙第5号証及び乙第6号証)。
エ 指定商品「peeled tomatoes」について
インターネット百科事典Cookipediaによると、「passata di pomodoro」は、皮や種を取り除いたトマトですので、「peeled tomatoes (皮をむいたトマト)」が指定商品に含まれていても、なんら商品の品質誤認を生じさせるおそれはない(乙第7号証)。
(2)申立人は、「passata di pomodoro」が、「トマトピューレ」として紹介されているインターネット情報や新聞記事を証拠として提出しているが、たまたま「トマトピューレ」として紹介されている情報や記事を集めたものにすぎず、実際には、「passata di pomodoro」は、上述のとおり「preserved,dried and cooked vegetables,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,peeled tomatoes」を含むものである。
したがって、本件商標の登録は、上記の商品について、商標法第4条第1項第16号に違反したものではない。
5 当審の判断
(1)本件商標についてした前記3の平成22年8月6日付けで通知した取消理由は、妥当なものであり、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものと判断する。商標権者は、「passata di pomodoro」は、「tomato concentrates,tomato puree (トマトの濃縮品,トマトピューレ)」に限定して狭く解釈されるべきではなく、「preserved,dried and cooked vegetables,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,peeled tomatoes」を含むものと解釈されるべきである、として、以下のように主張しているが、商標権者の意見は、以下の理由により採用できない。
ア 指定商品「preserved,dried and cooked vegetables」及び「tomato preserve」について
商標権者は、「passata」の語は、「裏ごししたもの」、「裏ごししたトマト」、「トマトピューレ」を意味する語としてのみ、取引上普通に使用されているのではなく、乾燥処理、熱処理といった保存のための殺菌処理がなされたことをも意味する語として取引上普通に使用されている。本件商標に接する取引者及び需要者は、商業用に流通している「passata di pomodoro」が、保存のための殺菌処理された製品であることを当然認識しているものである。また、「passata」は、イタリア語の「passare(漉す)」の過去完了形で、漉したものを意味する語として、広く野菜全般に用いられる用語であり、トマトは野菜である。さらに、「passata di pomodoro」には乾燥バジルのようなトマト以外の野菜を含む場合があり、トマトのみならず、乾燥処理及び調理した野菜も含まれる。よって、「『passata di pomodoro』が『preserved,dried and cooked vegetables(保存処理、乾燥処理及び調理をした野菜)』であり、『tomato preserve (保存加工したトマト)』であることは明らかである。」と主張している。
確かに、「passata」は、「漉したもの」を意味する語であり、トマト等の加工方法の一つといえ、「pomodoro」はトマトを意味するものであり、野菜の一つであるから、「passata di pomodoro」は、「preserved,dried and cooked vegetables」(仮訳:保存処理,乾燥処理及び調理をした野菜)及び「tomato preserve」(仮訳:保存加工したトマト)に含まれる商品といえる。しかしながら、「preserved,dried and cooked vegetables」及び「tomato preserve」には、「漉したもの」以外の様々な加工方法のものを含むものであり、「preserved,dried and cooked vegetables」には、トマト以外の野菜にかかる商品を含むものである。
そして、我が国においては、上記取消理由に示したように、「passata di pomodoro」について取引者、需要者は、「tomato concentrates」又は、「tomato puree」であると理解、認識するというべきであるから、上記以外の「preserved,dried and cooked vegetables」及び「tomato preserve」に本件商標を使用した場合には、その商品が「tomato concentrates」又は、「tomato puree」であると誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
なお、商標権者が主張しているように、「passata di pomodoro」が輸入国の食品衛生法等の基準に合うよう、殺菌処理等がなされ、そのことが知られているとしても、「passata」の文字が「乾燥処理、熱処理といった保存のための殺菌処理」を意味するものとして、我が国の取引者、需要者が理解、認識しているとはいえないし、「passata」の語は、前記3(1)、(2)アのとおり、イタリア語の辞典及び料理用語辞典(乙第1号証及び乙第2号証)によっても、「乾燥処理、熱処理といった保存のための殺菌処理」を意味するものとはされていない。また、「passata」が乾燥処理、熱処理といった保存のための殺菌処理がなされたことをも意味する語として取引上普通に使用されている証拠の提出はない。
さらに、商標権者は、バジリコ入りパッサータがあることをもって、その商品が「Preserved,dried and cooked vegetables」であると主張しているが、上記証拠によっても、「passata di pomodoro」の語が使用されているのは、裏ごししたトマトソースであって、トマト以外の商品を含む「Preserved,dried and cooked vegetables」に本件商標が使用された場合に、品質の誤認を生じないとする証左とならないことは明らかである。
したがって、商標権者の上記主張は採用できない。
イ 「tomato extracts」について
商標権者は、トマトが熱処理されることにより水分を除いたトマトエキスが生成される。よって、「passata di pomodoro」が「tomato extracts」(仮訳:トマトエキス)であることは明らかであると主張している。
しかしながら、「tomato extracts」がトマトを漉して加工した「passata di pomodoro」であるとの証左はない。
ウ 「tomato juice for cooking」について
商標権者は、食品業界に関するインターネット百科事典wikipediaによると、「passata di pomodoro」は、「7%から12%のトマトの乾燥した残留物を含む、部分的に凝縮されたトマトジュース」と説明されている(乙第4号証)。よって、「passata di pomodoro」が「tomato juice for cooking」であることは明らかである。トマトジュースには幅広い定義があり、「passata di pomodoro」も、その幅広い定義のうちの1つである(乙第5号証及び乙第6号証)と主張している。
しかしながら、「tomato juice」はイタリア語で「succo di pomodoro」であり、「トマトジュース」とは、「完熟したトマトの果皮、芯、種子を取り除き、果肉のみを潰してしぼったジュース(社団法人 全国調理師育成施設教会発行、総合 調理用語辞典、2010年1月26日第1版)であり、提出されたインターネット百科事典wikipedia(乙第4号証)は、「パッサータ:・・・部分的に凝縮されたトマトジュース」との翻訳があるとしても、「トマトジュース」が「passata di pomodoro」を意味するものとはいえないし、同一視することはできない。そして、我が国において、「passata di pomodoro」の文字が、「トマトピューレ」、「裏ごししたトマト」を表示するものとして、本件商標の登録査定時において、取引上普通に使用され、認識されていることは前記3のとおり明らかであり、「tomato juice for cooking」とは別異の商品として理解されているというべきである。
エ 「peeled tomatoes」について
商標権者は、インターネット百科事典Cookipediaによると、「passata di pomodoro」は、皮や種を取り除いたトマトであるので、「peeled tomatoes(仮訳:皮をむいたトマト)」が指定商品に含まれていても、なんら商品の品質誤認を生じさせるおそれはない(乙第7号証)と主張している。
しかしながら、乙第7号証についても英語による「Cookipedia」であるが、「tomato puree」の項の説明として「passata」の語は「・・・トマトのパッサータは、こし器を通したトマトをいう。」(翻訳による。)記載されているのであって、仮に、皮をむいたトマトから作られるとしても、「passata」が皮をむいたものの意味を表すのではないし、「passata di pomodoro」の語が「peeled tomatoes (仮訳:皮をむいたトマト)」を表すものでないのは明らかである。
オ 以上のとおり、商標権者の主張はいずれも理由が無く、採用できない。
なお、商標権者は、申立人は「passata di pomodoro」が、「トマトピューレ」として紹介されているインターネット情報や新聞記事を証拠として提出しているが、たまたま「トマトピューレ」として紹介されている情報や記事を集めたものにすぎず、実際には、「passata di pomodoro」は、「preserved,dried and cooked vegetables,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,peeled tomatoes」を含むものであると主張しているが、前記3のとおり、「passata di pomodoro」について、我が国の取引者、需要者は、「tomato concentrates」又は、「tomato puree」であると理解、認識しているといえるのであり、また、商標権者は、我が国において、「passata di pomodoro」が、「preserved,dried and cooked vegetables,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,peeled tomatoes」のそれぞれの商品全般を表すものとして、使用され、認識されているとする証左を何ら提出していないから、その主張は採用できない。
(2)まとめ
前記3のとおり、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者及び需要者は、その構成中の「PASSATA di pomodoro」の文字より、その商品が「トマトピューレ」「裏ごししたトマト」であると認識するにすぎず、その指定商品中、「Preserved,dried and cooked vegetables,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,peeled tomatoes.」については、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標の指定商品中、第29類「Preserved,dried and cooked vegetables,tomato extracts,tomato juice for cooking,tomato preserve,peeled tomatoes.」について、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
また、その余の指定商品については、取り消すべき理由がないものと認められるから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】

異議決定日 2011-01-18 
審決分類 T 1 652・ 272- ZC (X29)
最終処分 一部取消 
前審関与審査官 大森 友子 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 瀧本 佐代子
板谷 玲子
登録日 2007-08-27 
権利者 F.LLI DE CECCO DI FILIPPO FARA S. MARTINO S.P.A.
商標の称呼 デチェッコ、チェッコ、ディチェコ、チェコ、デセッコ、セッコ、パッサータディポモドーロ、パッサータ、ポモドーロ 
代理人 為谷 博 
代理人 深川 英里 
代理人 河村 英文 
代理人 有原 幸一 
代理人 奥山 尚一 
代理人 成合 清 
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