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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 010
管理番号 1241382 
審判番号 取消2010-301068 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2010-10-04 
確定日 2011-07-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第4164703号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4164703号商標(以下「本件商標」という。)は、「HIP」の欧文字を横書きしてなり、平成8年8月8日に登録出願、第10類「医療用機械器具及びその部品」を指定商品として同10年7月10日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べている。
〈請求の理由〉
本件商標は、その指定商品について、商標権者又は使用権者により継続して3年以上日本国内において使用されていないものである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
(1)乙第1号証ないし乙第4号証に示すとおり、被請求人によって、本件商標と同一と認められる商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品である「医療用機械器具及びその部品」について使用されている事実がある。したがって、本件商標の登録は取り消されるべきものではない。
(2)被請求人は、商標権者として本件商標「HIP」をカタログ冊子(乙第1号証ないし乙第4号証、以下、一括して「本件カタログ」ということがある。)において使用している。それぞれの表紙右上に見られる「HIP」の表示は、本件商標と同一と認められる。
(3)本件カタログは、10年程前から被請求人が年1?2回発行し、希望者や営業活動において配布している、被請求人の各製品分野における代表的な商品を紹介したカタログである。
本件カタログの中で、被請求人は以下に示したような、自動血球計数装置やグルコース分析装置等、すなわち、本件商標の指定商品である「医療用機械器具及びその部品」にあたる商品について掲載している。
ア 乙第1号証2ページ
「小型電極式グルコース分析装置」、「自動血球計数装置」
イ 乙第2号証13ページ
「自動血球計数CRP測定装置」
ウ 乙第3号証15ページ及び16ページ
「グルコース分析装置」、「自動血球計数装置」
エ 乙第4号証13ページ
「自動血球計数CRP測定装置」、「グルコース分析装置」
以上より、本件カタログにおいて、本件商標と同一と認められる商標が、その指定商品である「医療用機械器具及びその部品」について使用されていることがわかる。
(4)また、乙第1号証ないし乙第4号証の表紙右上に見られる「HIP」の表示の下にそれぞれ、「2008.2」、「2009.1」、「2010.1」又は「2010.8」とあることから、それらが「2008年2月」、「2009年1月」、「2010年1月」又は「2010年8月」に、毎年定期的に発行・配布されたことがわかる。
さらに、乙第3号証の15ページには、「2009年度グッドデザイン賞受賞」との表記が、また、裏表紙には「2009日本BtoB広告賞グランプリ受賞」との表記があることから、それぞれの受賞結果が発表された2009年10月又は5月以降から乙第4号証発行前、すなわち2010年8月までに本件カタログが発行されたことを示している。
(5)以上より、本件カタログにおいて、本件商標と同一と認められる商標が、本件審判請求の登録前3年以内に使用されており、現在も使用中であることが明らかである。
なお、被請求人は、乙第5号証に示すとおり、以前にも本件商標について不使用取消審判が提起されたことがあるが、当該審決でも、「(本カタログにおける使用は)商品『自動血球計数装置』等の商標の使用とみるのが相当」と結論付けられており、本件カタログでの使用は、本件の指定商品についての商標の使用として認められている。
(6)以上に詳述したとおり、本件カタログに見られる「HIP」の表示は、本件商標と同一と認められ、かつ、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件請求に係る指定商品について使用されていることが明らかであるので、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当するものではない。
よって、本件審判の請求は成り立たない。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証ないし乙第4号証は、いずれも被請求人が発行する商品カタログと認められるところ、それぞれの表紙には、右上に、「HIP」の文字が大きく顕著に表示されると共に、その下に各商品カタログの号数及び発行年月を示すものというべき「Vol.20 2008.2」、「Vol.21 2009.1」、「Vol.22 2010.1」又は「Vol.23 2010.8」の各文字が併記されている。
そして、上記「HIP」の文字は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、本件商標と社会通念上同一といえるものである。
イ 上記各商品カタログには、被請求人の取扱いに係る各種商品が写真と共に掲載され説明が付されており、そのうちの例えば、「小型電極式グルコース分析装置」(乙第1号証2ページ)、「グルコース分析装置」(乙第3号証15ページ及び乙第4号証13ページ)、「自動血球計数装置」(乙第1号証2ページ及び乙第3号証16ページ)及び「自動血球計数CRP測定装置」(乙第1号証2ページ、乙第2号証13ページ及び乙第4号証13ページ)は、それぞれの説明に照らし、本件商標の指定商品である「医療用機械器具」の範疇に属する商品といえるものである。
また、上記各商品カタログには、それぞれの最終ページに「2008年展示会のお知らせ」、「2009年展示会のお知らせ」、「2010年展示会のお知らせ(予定)」又は「2010-2011年展示会のお知らせ(予定)」として、各年における展示会のスケジュールが掲載されている。

(2)以上を総合すると、上記各商品カタログは、本件審判の請求の登録(平成22年10月22日)前3年以内である、2008年2月、2009年1月、2010年1月又は2010年8月にそれぞれ発行されたものであり、その表紙に表示された「HIP」の文字は、本件商標と社会通念上同一であって、該商品カタログに掲載された「小型電極式グルコース分析装置」、「自動血球計数装置」等の商品についての商標としても機能しているものというべきである。
なお、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

(3)むすび
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、使用していたことを証明したものと認めることができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-05-24 
結審通知日 2011-05-26 
審決日 2011-06-07 
出願番号 商願平8-89300 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (010)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前山 るり子 
特許庁審判長 野口美代子
特許庁審判官 前山るり子
内山 進
登録日 1998-07-10 
登録番号 商標登録第4164703号(T4164703) 
商標の称呼 エイチアイピイ、エッチアイピイ、ヒップ 

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