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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X30
審判 査定不服 観念類似 登録しない X30
管理番号 1238465 
審判番号 不服2010-14135 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-28 
確定日 2011-06-08 
事件の表示 商願2009- 35371拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「金印ドッグ」の文字を標準文字で表してなり、第30類「ホットドッグ,ハンバーガー,ドレッシング」を指定商品として、平成21年5月13日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、原審における同年12月25日付け手続補正書により、第30類「ホットドッグ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、次の(1)ないし(7)の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
(1)登録第1720462号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、別掲(1)のとおりの構成からなり、昭和47年8月25日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年10月31日に設定登録されたものである。その後、平成16年8月25日に指定商品を第29類ないし第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(2)登録第4636708号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成13年3月1日に登録出願、第1類、第3類、第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年1月17日に設定登録されたものである。
(3)登録第4636709号商標(以下「引用商標3」という。)
引用商標3は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成13年3月1日に登録出願、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年1月17日に設定登録されたものである。
(4)登録第4690474号商標(以下「引用商標4」という。)
引用商標4は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成14年10月3日に登録出願、第1類、第3類、第7類、第8類、第21類、第29類ないし第33類、第35類、第37類、第39類、第40類、第42類ないし第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年7月11日に設定登録されたものである。
(5)登録第4772109号商標(以下「引用商標5」という。)
引用商標5は、別掲(5)のとおりの構成からなり、平成15年8月15日に登録出願、第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年5月21日に設定登録されたものである。
(6)登録第5238931号商標(以下「引用商標6」という。)
引用商標6は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成19年5月31日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年6月12日に設定登録されたものである。
(7)登録第5238932号商標(以下「引用商標7」という。)
引用商標7は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成19年5月31日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年6月12日に設定登録されたものである。
そして、引用商標1ないし引用商標7の商標権は、いずれも現に有効に存続しているものであり、また、それらの商標をまとめていうときは、以下「引用各商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標
ア 本願商標は、前記1のとおり、「金印ドッグ」の文字を横書きにし、指定商品を第30類「ホットドッグ」とするものであって、漢字による「金印」と片仮名による「ドッグ」からなる結合商標である。
イ ところで、商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否判断に当たり、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合において、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されないが、他方、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるものである(平成22年(行ケ)第10335号参照)。
ウ そこで、本願商標についてみると、その構成中「金印」の文字(語)は、「黄金製の印。古代中国で、諸王・諸侯・御史大夫などが佩用。」(広辞苑第六版 株式会社岩波書店発行)、及び「黄金で作った印。古代中国では諸王・諸侯・御史大夫などが持っていた。漢倭奴国王印。」(大辞泉 増補・新装版 株式会社小学館発行)を意味するものである。また、「ドッグ」の文字(語)は、「犬。ホットドッグの略。」(広辞苑第六版)、及び「犬。『ホットドッグ』に同じ。」(大辞泉 増補・新装版)を意味するものである。
そして、本願商標の指定商品は「ホットドッグ」であるところ、「ホットドッグ」を取り扱う業界において、例えば、チリソース、カレー及びレタスを加えたホットドッグをそれぞれ「チリドッグ」(http://www.mos.co.jp/menu/hotdogs/)、「カレードッグ」(http://www.hotdog-cube.com/menu.html)及び「レタスドッグ」(http://www.doutor.co.jp/dcs/menu/food.html)というように、「ドッグ」の文字は、「ホットドッグ」の略称として一般に使用されているものといえる。
そうすると、本願商標中の「ドッグ」の文字部分は、「ホットドッグ」の略称と認識され、自他商品の識別標識として機能を果たし得ないものとみるのが相当であり、商品の出所識別標識としての称呼、観念は生じないものといわなければならない。
他方、「金印」の文字(語)は、上述のとおりの意味を有するものであって、本願商標の指定商品である「ホットドッグ」についての品質等を表すものではなく、本願商標の指定商品との関係では商品の出所識別標識としての機能を有するものである。また、本願商標の「金印」の文字部分は、「ドッグ」の文字部分と何ら観念的な結び付きも有しないものであるから、本願商標は全体として特定の観念を生じないものである。
そうとすると、本願商標は、「金印」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし、当該文字部分についての観念及び称呼が生じるものということができる。
よって、本願商標は、構成文字全体から生じる「キンインドッグ」の称呼のほか、「金印」の文字部分に相応し、「キンイン」の称呼も生じ、「黄金製の印。黄金で作った印。」ほどの観念を生じるものといわなければならない。
(2)引用各商標
ここでは、まず引用商標1及び2について、検討することとする。
引用商標1及び2は、別掲(1)及び(2)のとおりの構成からなり、その構成文字に相応し「キンイン」の称呼を生じ、「黄金製の印。黄金で作った印。」ほどの観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標1及び2との類否
本願商標と引用商標1及び2とは、外観において「金印」の漢字を共通にし、「キンイン」の称呼及び「黄金製の印。黄金で作った印。」の観念を同じくするものであるから、両者は外観、称呼及び観念を共通にする類似の商標である。
そして、本願商標は、第30類「ホットドッグ」を指定商品とするのに対し、引用商標1及び2は、その指定商品中に第30類「ホットドッグ」を含むものである。
したがって、本願商標は、他の引用商標について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(4)請求人の主張について
請求人は、本願商標は「ドッグ」を省略することなく「金印ドッグ」全体を一体不可分のものとして需要者及び取引者は認識し、商取引にあたるとみるのが自然であるから、「キンインドッグ」の称呼を生じさせるひとつの造語として認識すべきものである旨主張している。
しかしながら、本願商標は、その指定商品との関係において、その構成中「金印」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得ることは、上記(1)ウのとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
(5)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲
(1)引用商標1



(2)引用商標2及び引用商標6



(3)引用商標3及び引用商標7



(4)引用商標4



(5)引用商標5






審理終結日 2011-03-29 
結審通知日 2011-04-01 
審決日 2011-04-12 
出願番号 商願2009-35371(T2009-35371) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (X30)
T 1 8・ 262- Z (X30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 真規子吉岡 めぐみ 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 大島 康浩
瀧本 佐代子
商標の称呼 キンジルシドッグ、キンジルシ、キンインドッグ、キンイン 
代理人 高松 利行 

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