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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X36 審判 全部申立て 登録を維持 X36 審判 全部申立て 登録を維持 X36 審判 全部申立て 登録を維持 X36 |
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管理番号 | 1236761 |
異議申立番号 | 異議2010-685014 |
総通号数 | 138 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-06-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-09-22 |
確定日 | 2011-04-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 国際登録第988609号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 国際登録第988609号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件国際登録第988609号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2008年8月4日にSingaporeにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し、2008年(平成20年)10月31日に国際商標登録出願、第36類「Financial consultancy;financial evaluation [insurance,banking,real estate];financial management;buying and selling of securities;capital investments;foreign exchange transactions;mutual funds;trading of overseas market securities futures;trading of securities index futures;trading of securities options;transaction of securities subscription or offering;fund management;investment management;asset management;unit trust management;financial and investment portfolio management;financial advisory services;financial investment advisory services;investment advisory services;advisory services relating to unit trusts;investment analysis;fund investments;capital investments;unit trust investments;mutual fund distribution;mutual fund administration;unit trust services;including such services provided on-line or via the Internet.」を指定役務として、平成22年3月4日に登録査定、同年7月2日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5128900号商標(以下「引用商標」という。)は、「LION CAPITAL」の欧文字を書してなり、2006年3月22日にオーストラリア連邦においてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し、同年(平成18年)3月31日に商標登録出願、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年4月18日に設定登録されたものである。 3 登録異議申立ての理由(要旨) 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第22号証を提出した。 <申立ての理由> (1)商標法第4条第1項第11号について 引用商標と本件商標とは、それぞれ「ライオン」の称呼を生じるから、称呼上同一の商標である。 外観については、引用商標と本件商標のそれぞれにおいて強い識別力を発揮するのは、語頭における「LION」の文字部分であると考えることができるから、両者は外観上極めて相紛れやすい商標といえる。 また、引用商標と本件商標は、それぞれ「ライオン」程の観念が生ずるから、観念においても同一である。 したがって、本件商標は、引用商標と類似の商標であり、その指定役務も、引用商標の指定役務と類似するものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、2004年に消費者部門の企業に関する投資等を行う会社として設立され、2005年に最初の大規模なファンド「Lion Capital Fund I」を立ち上げ、2007年には、プライベートエクイティファンド「Lion Capital Fund II」を立ち上げ、その後、継続して拡大を続け、投資先も有名企業を多数含むものである(甲第4号及び第5号証)。 本件商標の権利者は、投資関連の事業を行う会社であり、多くの投資商品及びファンドを提供していることから、投資関連の事業を行う会社であるという点で申立人と共通している。 本件商標は、申立人の商標として世界的に周知・著名な引用商標と類似の商標であって、本件商標がその指定役務に使用された場合、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲のとおり、黒塗りの縦長長方形と、その内側の下半分に「LION」、「GLOBAL」及び「INVESTORS」の各欧文字を三段に白抜きで表してなるものである。 そして、本件商標の構成中、「LION」及び「GLOBAL」の各文字は、同書、同大で表され、また、「INVESTORS」の文字部分は、やや小さく表されているものの、同じ書体で表され、構成全体としてまとまりよく表示されているものであり、構成文字全体より、「ライオングローバルインベスターズ」の称呼を生ずるほか、やや大きく表された「LION」及び「GLOBAL」の文字部分に着目し、これより、単に「ライオングローバル」の称呼をも生ずると認められるものである。 また、本件商標の構成中、「LION」の文字部分は「ライオン、獅子」の意味を、「GLOBAL」の文字部分は「全世界の、世界的な」の意味を、また、「INVESTORS」の文字部分は「投資者、出資者」等の意味を有する英語(それぞれ、ジーニアス英和辞典 大修館書店)であることから、構成文字全体よりは、「ライオン世界的投資家」程の観念を生じさせるといえるものであり、他に、構成中の「LION」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。 他方、引用商標は、「LION CAPITAL」の欧文字を書してなるところ、その構成は、外観上まとまりよく構成され、また、その構成文字より生ずる「ライオンキャピタル」の称呼も一連によどみなく称呼できると認められるものである。 そして、引用商標の構成中、「CAPITAL」の文字部分が指定役務との関係において「資本(金),資産,元金」等の意味を有する英語(ジーニアス英和辞典 大修館書店)であるとしても、引用商標のかかる構成においては、直ちにその指定役務の質等を表したものと理解されるとまではいい難く、引用商標は、構成全体をもって一体不可分の造語と理解し、把握されるとみるのが自然である。 そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標から生ずる「ライオングローバルインベスターズ」、または、「ライオングローバル」の称呼と、引用商標から生ずる「ライオンキャピタル」の称呼とは、相違する各音の音質の差異により互いに相紛れるおそれはなく、明確に聴別し得るものである。 また、本件商標と引用商標とは、外観構成において顕著な相違があることから、外観上、相紛れるおそれはなく、観念については、引用商標が造語であることから、本件商標と比較することができない。 そうとすれば、本件商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても、引用商標と非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立ての理由及び提出に係る証拠によれば、申立人は、2004年に企業に関する投資等を行う会社として設立し、2005年に大規模ファンド「Lion Capital Fund I」を立ち上げ、2007年には、プライベートエクイティファンド「Lion Capital Fund II」を立ち上げたこと、日本においては、申立人が飲料メーカーのオランジーナをサントリーに売却したこと及び靴のメーカー、ジミー・チュウの買収に関連したこと等を窺い知ることはできるが、提出に係る証拠は、乙第4号証は請求人の会社に関する情報、乙第5号証は外国における投資先企業(英文のみ)及び乙第6号ないし第8号証はニュース記事(英文のみ)であり、また、乙第10号ないし第13号証、第18号及び第19号証は、わが国におけるインターネット情報である。 そして、これらの証拠は、いずれも引用商標をその指定役務に使用した事実を示すものではなく、他に我が国における役務に関する取引高、広告宣伝の状況等、引用商標の著名性を具体的に裏付ける証拠は何ら提出されていないため、申立人の提出に係る証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時及び査定時において、引用商標が申立人の業務に係る役務を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 さらに、本件商標は、前記(1)のとおり、引用商標とは別異の商標というべきものであるから、その登録出願時及び査定時において、これをその指定役務に使用しても、需要者が引用商標を想起し連想して、申立人あるいは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務の如く誤認するおそれがあったとはいい難いものであり、その役務の出所について混同を生ずるおそれはなかったというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
【別記】 |
異議決定日 | 2011-03-23 |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(X36)
T 1 651・ 271- Y (X36) T 1 651・ 262- Y (X36) T 1 651・ 263- Y (X36) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 荻野 瑞樹 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 野口 美代子 |
登録日 | 2008-10-31 |
権利者 | LION GLOBAL INVESTORS LIMITED |
商標の称呼 | ライオングローバルインベスターズ、ライオングローバル、ライオン、リオン、グローバルインベスターズ、グローバル、インベスターズ |
代理人 | 宮城 和浩 |
代理人 | 松嶋 さやか |
代理人 | 村木 清司 |
代理人 | 塚田 美佳子 |
代理人 | ▲高▼部 育子 |
代理人 | 矢崎 和彦 |
代理人 | 黒瀬 雅志 |
代理人 | 勝沼 宏仁 |
代理人 | 松原 伸之 |
代理人 | 関口 一秀 |
代理人 | 吉武 賢次 |
代理人 | 塩谷 信 |
代理人 | 橋本 千賀子 |