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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X03
管理番号 1236756 
異議申立番号 異議2010-900100 
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-04-20 
確定日 2011-04-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5295770号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5295770号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5295770号商標(以下「本件商標」という。)は、「freshea」の欧文字と「フレッシア」の片仮名とを上下二段に書してなり、平成21年4月10日に登録出願され、第3類「化粧品,ジェル状化粧品,洗顔料,美容液,クレンジングオイル,クレンジングジェル,体臭消臭剤,体用防臭剤,養毛料,育毛料,せっけん類,歯磨き,化粧用マスク,パック用化粧品,ヘアオイル,ボディオイル」を指定商品として、同年11月16日に登録査定、同22年1月22日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1347934号商標(以下「引用商標」という。)は、「FRESHURE」の欧文字と「フレッシュア」の片仮名とを上下二段に書してなり、昭和50年9月2日登録出願、 第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同53年9月29日に設定登録、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、平成20年11月26日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
2 商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、片仮名「フレッシア」から「フレッシア」の称呼が生ずるのに対し、引用商標は、片仮名の「フレッシュア」から「フレッシュア」が生ずる。両者の称呼は、中間の促音「ッ」に続く音において「シ」と「シュ」の相違はあるが、「シ」と「シュ」は、互いに近似した音であると共に、その前後において「フレッ」と「ア」とが共通した音であるため、全体として、極めて近似した語韻、語調を有し、聞き誤りやすいものである。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼において類似する商標である。
また、両者の指定商品は、同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号該当性
申立人は、「FRESHURE」の商標と「フレッシュア」の商標(以下、両商標を「使用商標」という。)を、日焼け後の肌の回復、シミ、ソバカスなどに効果のある薬用化粧品について、昭和51年7月から現在まで継続して、約34年間にわたって使用してきている。
そして、当該商品の過去5年間における総販売数量は、72万個を超え、総販売額も19.1億円を超える販売実績などによって、使用商標は、申立人の化粧品を指称するものとして、需要者の間に広く知られている商標である。
したがって、使用商標と称呼において類似する本件商標を申立人と何ら関係のない本件権利者が商品「化粧品」に使用した場合、当該商品について需要者、消費者は申立人の商品と出所について混同し、あるいは申立人と業務上何らかの関連を有するものと誤認を生じさせるものである。
よって、本件商標は、商品「化粧品」について、他人の業務に係る商品と出所につき混同を生ずるおそれのある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである。

第3 本件商標に対する取消理由
平成22年12月3日付けで通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「freshea」の欧文字と「フレッシア」の片仮名とを上下二段に書した構成からなるところ、「freshea」及び「フレッシア」の各文字は、特定の意味合いを有する語として知られたものではなく、その構成中の片仮名部分は、欧文字部分から生ずる読みを特定したものと認められるものであるから、「フレッシア」の称呼を生じ、観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記第2の1のとおり、「FRESHURE」の欧文字と「フレッシュア」の片仮名とを上下二段に書した構成からなるところ、「FRESHURE」及び「フレッシュア」の各語は特定の意味合いを有する語として知られたものではなく、その構成中の片仮名部分は同欧文字部分の読みを特定したものと認められるものであるから、構成全体から「フレッシュア」の称呼を生じ、観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、前記(1)のとおり、「フレッシア」の称呼を生じ、また、引用商標は、前記(2)のとおり、「フレッシュア」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標から生ずる「フレッシア」の称呼と引用商標から生ずる「フレッシュア」の称呼とを比較すると、両称呼は、ともに5音からなり、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音を含む第3音までの各音及び末尾の音を同じくし、異なるところは、第4音において、前者が「シ」の音、後者が「シュ」の音に差異を有するのみである。
しかして、該差異音である「シ」の音と「シュ」の音にしても、舌尖を前硬口蓋によせ、前歯との間に空洞を作って発する無声摩擦子音(∫)を共通にしており、これに結合する母音(i)と母音(u)において相違するものの、いずれも口の開き方の小さな音であって、しかも、該差異音が中間に位置するため、聴者に与える印象の弱いものとなることも相まって、これが称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれがあると判断するのが相当である。
また、本件商標と引用商標とは、前記第1及び第2の1のとおりの構成からして、いずれも格別特異な態様からなるものではなく、普通に用いられる書体をもって欧文字と片仮名を組合わせた構成からなるものであり、片仮名部分の比較においては、「フ」「レ」「ッ」「シ」「ア」の各文字を共通にし、わずかに「ュ」の文字の有無が異なるにすぎず、欧文字部分にしても、大文字と小文字の差異はあるものの、語頭から第5文字までの「f(F)」「r(R)」「e(E)」「s(S)」「h(H)」の各つづりを共通にし、語尾部において「e」「a」と「U」「R」「E」の各文字が異なるにすぎないものであるから、時と所を異にして離隔的に観察した場合においては、その差異が明確に印象に残るともいえず、両商標は近似するとみるのが相当である。
さらに、本件商標と引用商標とは、前記(1)及び(2)のとおり、いずれも観念を有しないものであるから、観念においては比較することができない。
ほかに、本件商標と引用商標とは、これらを同一又は類似の商品に使用した場合に、その出所の混同を生ずるおそれがないとみるべき特段の取引の実情は見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、称呼において類似するものであり、外観において近似し、その差異をもってかかる称呼の類似性を凌駕するものでもないから、類似の商標というべきである。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本件商標の指定商品は、前記第1のとおり、第3類「化粧品,ジェル状化粧品,洗顔料,美容液,クレンジングオイル,クレンジングジェル,体臭消臭剤,体用防臭剤,養毛料,育毛料,せっけん類,歯磨き,化粧用マスク,パック用化粧品,ヘアオイル,ボディオイル」であるのに対し、引用商標の指定商品は、前記第2のとおり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」を含むものであるから、両者は、同一又は類似する商品である。
(5)小括
前記(3)及び(4)によれば、本件商標と引用商標は類似の商標であり、本件商標を引用商標の指定商品と同一又は類似の指定商品に使用した場合には、その出所の混同を生ずるおそれがあるといえる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

第4 商標権者の意見
商標権者は、前記第3の取消理由に対して、指定した期間内に意見を述べるところがない。

第5 当審の判断
本件商標についてした前記第3の取消理由は、妥当なものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものというべきであるから、同法第43条の3第2項の規定によって、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-02-10 
出願番号 商願2009-27346(T2009-27346) 
審決分類 T 1 651・ 262- Z (X03)
最終処分 取消  
前審関与審査官 堀内 真一目黒 潤 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 井出 英一郎
末武 久佳
登録日 2010-01-22 
登録番号 商標登録第5295770号(T5295770) 
権利者 株式会社東洋新薬
商標の称呼 フレッシア、フレシア 
代理人 木村 浩幸 
代理人 竹内 裕 

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