• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X35
管理番号 1236672 
審判番号 不服2009-16461 
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-09-07 
確定日 2011-05-06 
事件の表示 商願2008- 56610拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲1に示すとおりの構成からなり、平成19年6月20日に登録出願された商願2007-63357号の商標法第10条第1項の規定による分割出願として、第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成20年7月11日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、以下1ないし4のとおりの登録商標と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

1 登録第4690662号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、平成11年6月23日に登録出願、第33類「焼酎,その他の日本酒」を指定商品として、同15年7月11日に設定登録、その後、指定商品については、同年7月22日に「芋焼酎」に更正され、現に有効に存続しているものである。
2 登録第4777854号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3に示すとおりの構成からなり、平成15年7月1日に登録出願、第33類「さつまいもを原材料にした焼酎」を指定商品として、同16年6月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録第4777855号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲4に示すとおりの構成からなり、平成15年7月1日に登録出願、第33類「芋を原材料にした焼酎」を指定商品として、同16年6月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 登録第5055368号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲5に示すとおりの構成からなり、平成18年9月13日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同19年6月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1ないし4をまとめていうときは、「引用商標」という。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標は、別掲1のとおり、赤色、緑色、青色に着色された、それぞれ一カ所が欠落している3つの楕円形を、欧文字「K」を表現するように組み合わた幾何図形(以下「図形」という。)を配し、その下部に赤色で「KOKUBU」(構成中の「K」は、ややデザイン化されている。以下同じ。)の文字を横書きにしてなるものである。
しかして、本願商標は、「図形」と「KOKUBU」の文字とで構成されているところ、これらは、上下に配されていることからすると、視覚上分離して、看取されるものである。
また、本願商標が、構成全体として、特定の意味合いを看取させる等、これらを常に一体不可分のものとして看取しなければならないものとはいえない。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標の構成中の自他商品・役務の識別標識としての機能を有する図形や文字を捉え、それを要部とし、その要部に該当する部分のみをもって、取引に資されることもあり、また、本願商標の指定役務との関係において、「図形」や「KOKUBU」の文字が、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものと判断すべき特段の事情は見当たらないことからすると、本願商標に接する取引者、需要者は、構成中の「KOKUBU」の文字を本願商標の要部として認識し、「KOKUBU」の文字部分のみに強く印象を留め、該文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成中の「KOKUBU」の文字に相応して、「コクブ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標1は、別掲2に示すとおり、指定商品「芋焼酎」の商品ラベルと思しき態様からなるところ、黄土色の長方形背景内に右から黒字で「いも麹 弐拾六度」の文字を縦書きにし、その左側に「芋」の漢字を顕著に大きく書し、「芋」の漢字の左下に、赤枠内に「こくぶ」の文字を朱書きした印章(以下、「こくぶ印章」という。)を配し、さらに、「芋」の文字の左側から順に縦書きで、「その昔芋だけで造っていた」「焼酎があった」「それがいまここに復活」「これぞ芋100%を味わえる」「薩摩の芋焼酎である。」の文字を5行書き(以下「5行書き」という。)にしてなるものである。
しかして、その構成文字中の「いも麹 弐拾六度」及び「芋」の文字は、その指定商品の品質を表示するものであり、また、5行書きは、指定商品「芋焼酎」の売り文句いわゆるキャッチフレーズの一種と認識するとみるのが相当であるから、かかる文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有なさい文字部分と判断するのが相当である。
また、引用商標1の構成中「いも麹 弐拾六度」、「芋」及び「こくぶ」の文字から生ずる「イモノコウジニジュウロクドイモコクブ」や5行書きの文字から生ずる称呼は、極めて冗長であるといえる。
さらに、引用商標1の構成文字全体及び「こくぶ印章」が、全体として特定の意味合いを理解させるものである等、これらを常に不可分一体にものとして、捉えなければならない特段の事情は認められないものである。
さらにまた、引用商標1の構成中の「こくぶ印章」は赤色で描かれ、かつ、看取されやすい大きく書された「芋」の文字の左下に配されていることに加え、印章が、商品の出所を表示するものとして普通に使用されていることからすれば、「こくぶ印章」が、本願商標の指定商品の出所を表示するものと認識されるものである。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標1に接する取引者、需要者は、引用商標1の構成文字中の自他商品識別標識としての機能を有さないと判断し得る「いも麹 弐拾六度」、「芋」及び5行書きの文字部分を捨象し、自他商品識別標識としての機能を有する要部と認められる「こくぶ印章」における「こくぶ」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
よって、引用商標1は、構成文字中の「いも麹 弐拾六度」、「芋」及び「こくぶ」の文字から生ずる「イモノコウジニジュウロクドイモコクブ」等の称呼のほか、「こくぶ」の文字部分に相応した「コクブ」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、外観において相違し、互いに特定の観念を生じないものであるから、観念においては、比較できないものであるとしても、「コクブ」の称呼を共通にする商標である。
また、本願の指定役務「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、引用商標1の指定商品「芋焼酎」とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものであるから、本願商標の指定役務と引用商標1の指定商品は類似するものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、「コクブ」の称呼を共通にする類似の商標であるから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(2)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標は、前記(1)で認定したとおり、構成中の「KOKUBU」の文字部分に相応して、「コクブ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標2は、別掲3に示すとおり、指定商品「さつまいもを原材料にした焼酎」の商品ラベルと思しき態様からなるものであり、金色の二重囲み枠の四角形内に小川風の背景図を描き、その背景図の上に重ねるように、右側から順に縦書きで、赤色の「本格焼酎」及び「さつま」の文字を書し、「さつま」の文字の横に、大きく「国分」の漢字を配し、さらに、「国分」の左下に、「こくぶ印章」を配してなるものである。
さらにまた、「国分」の文字の下部に、小さく「国分酒造協業組合」の漢字を横書きにしてなるものである。
しかして、構成中の「国分」の漢字は、他の文字に比して、圧倒的に大書されていることから、かかる文字部分は、視覚上、顕著に表されたものとして需要者・取引者に看取されるものとみるのが相当である。
また、構成中の「本格焼酎」、「さつま」及び「こくぶ印章」は、赤で描かれていることから、視覚上、目を惹く部分であると認められるものであるところ、「本格焼酎」及び「さつま」の文字部分については、引用商標2の指定商品「さつまいもを原材料にした焼酎」との関係において、商品の品質や原材料を表示するものと認識されるものであることから、これらの文字部分は、自他商品識別標識としての機能を有さない部分と判断し得るものである。
さらに、引用商標2の構成中「本格焼酎」、「さつま」、「国分」及び「こくぶ印章」から生ずる「ホンカクショウチュウサツマコクブコクブ」等の称呼は、極めて冗長であるといえる。
さらにまた、「本格焼酎」、「さつま」、「国分」の文字及び「こくぶ印章」が、全体として特定の意味合いを理解させるものである等、これらを常に不可分一体にものとして、捉えなければならない特段の事情は認められないものである。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標2に接する取引者、需要者は、引用商標2の構成文字中の自他商品識別標識としての機能を有さないと判断し得る「本格焼酎」及び「さつま」の文字部分を捨象し、自他商品識別標識としての機能を有する要部と認められる大書された「国分」の漢字及び「こくぶ印章」における「こくぶ」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
よって、引用商標2は、構成文字中の「本格焼酎」、「さつま」、「国分」及び「こくぶ印章」から生ずる「ホンカクショウチュウサツマコクブコクブ」等の称呼のほか、「国分」あるいは「こくぶ」の文字部分に相応した「コクブ」又は「コクブン」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、外観において相違し、互いに特定の観念を生じないものであるから、観念においては、比較できないものであるとしても、「コクブ」の称呼を共通にする商標である。
また、本願の指定役務「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、引用商標2の指定商品「さつまいもを原材料にした焼酎」とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものであるから、本願商標の指定役務と引用商標1の指定商品は類似するものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、「コクブ」の称呼を共通にする類似の商標であるから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(3)本願商標と引用商標3との類否について
本願商標は、前記(1)で認定したとおり、構成中の「KOKUBU」の文字部分に相応して、「コクブ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標3は、別掲4に示すとおり、指定商品「芋を原材料にした焼酎」の商品ラベルと思しき態様からなるところ、その構成は、薄茶色の四角形背景内の右側に「国分」の漢字を縦書きにし、該文字の左下に、「こくぶ印章」を配し、その左に、大きく「純芋」の漢字を縦書きにし、さらに「芋」の文字の左に「醸酎」の漢字を配してなるものである。
しかして、構成構成中の「純芋」は、他の文字に比して、圧倒的に大書されているものであり、かつ、いわゆる成語ではないものであるが、その構成中「純」は、「他の物が少しもまじらないこと。」(広辞苑第六版)を意味する語であることから、「純芋]は、「芋だけの」の意味合いを認識させ、その指定商品「芋を原材料にした焼酎」との関係においては、「芋のみを原材料とした焼酎」であることを理解させることから、かかる文字部分は、自他商品識別標識としての機能を有さないものといえる。
また、構成文字中の「醸酎」は、いわゆる成語ではないものの、「醸」が「発酵させて酒を造る。」(広辞苑第六版)を意味し、また、「酎」が、「よくかもした濃い酒。俗に、『焼酎』の略。」(広辞苑第六版)を意味することからすると、「醸酎」の語は、「焼酎を造ること」を容易に理解させるものであるから、かかる文字部分についても、自他商品識別標識としての機能を有さないものといえる。
さらに、引用商標3の構成文字全体に相応した「コクブコクブジュンイモジョウチュウ」、「コクブンコクブジュニモジョウチュウ」等の称呼は、極めて冗長であるといえる。
さらにまた、「国分」、「純芋」、「醸酎」の文字及び「こくぶ印章」が、全体として特定の意味合いを理解させるものである等、これらを常に不可分一体にものとして、捉えなければならない特段の事情は認められないものである。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標3に接する取引者、需要者は、引用商標3の構成文字中の自他商品識別標識としての機能を有さないと判断し得る「純芋」及び「醸酎」の文字部分を捨象し、自他商品識別標識としての機能を有する要部と認められる「国分」の漢字及び「こくぶ印章」における「こくぶ」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
よって、引用商標3は、構成文字中の「国分」、「純芋」、「醸酎」及び「こくぶ印章」から生ずる「コクブコクブジュンイモジョウチュウ」等の称呼のほか、「国分」あるいは「こくぶ」の文字部分に相応した「コクブ」又は「コクブン」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標3とは、外観において相違し、互いに特定の観念を生じないものであるから、観念においては、比較できないものであるとしても、「コクブ」の称呼を共通にする商標である。
また、本願の指定役務「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、引用商標3の指定商品「芋を原材料にした焼酎」とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものであるから、本願商標の指定役務と引用商標1の指定商品は類似するものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標3とは、「コクブ」の称呼を共通にする類似の商標であるから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(4)本願商標と引用商標4との類否について
本願商標は、前記(1)で認定したとおり、構成中の「KOKUBU」の文字部分に相応して、「コクブ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標4は、別掲5に示すとおり、構成の右側に「大正の一滴」の文字を縦書きにし、該文字の左横に、大きく「蔓無源氏」の漢字を縦書きにし、該文字の左横に「蔓無源氏」の読みを表した「つるなしげんぢ」の平仮名文字を縦書きにし、該文字の下に四角形内に「こくぶ」の文字を書した印章(以下「印章」という。)からなるものである。
しかして、引用商標4の構成をみるに、各構成文字及び印章が、縦一列あるいは、横一列に一連一体として書されているものではなく、かつ、これらの構成文字は、大きさが異なることから、視覚上分離して、看取されるものといえる。
また、引用商標4が、構成全体として、特定の意味合いを看取させる等、これらを常に一体不可分のものとして看取しなければならないものとはいえない。
さらに、引用商標4の構成全体から生ずる「タイショウノイッテキツルナシゲンジコクブ」の称呼は、極めて冗長であるといえる。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標4の構成中の自他商品の識別標識としての機能を有する構成中の一部の文字部分のみを捉え、それを要部とし、その要部に該当する部分のみをもって、取引に資されることがあり、引用商標4の指定商品との関係において、「大正の一滴」及び「蔓無源氏」(「つるなしげんぢ」)の文字や印章が、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものと判断すべき特段の事情は見当たらない。
そして、「印章」が、他の文字に比べ小さく書されているとしても、商品の出所を表示するものとして重要な部分といえるものであるから、引用商標4に接する取引者、需要者は、構成中の印章を引用商標4の要部として認識し、印章に強く印象を留め、印章に書された「こくぶ」の文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
よって、引用商標4は、「大正の一滴」及び「蔓無源氏」(「つるなしげんぢ」)の文字や印章に記載された「こくぶ」の文字から生ずる「タイショウノイッテキツルナシゲンジコクブ」等の称呼のほか、印章の「こくぶ」の文字部分に相応した「コクブ」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標4とは、外観において相違し、互いに特定の観念を生じないものであるから、観念においては、比較できないものであるとしても、「コクブ」の称呼を共通にする商標である。
また、本願の指定役務「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、引用商標4の指定商品「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものであるから、本願商標の指定役務と引用商標4の指定商品は類似するものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標4とは、「コクブ」の称呼を共通にする類似の商標であるから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

2 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
ア 請求人は、「『国分』は、ありふれた氏若しくは地名(産地・販売地)を表示するものであり、さらに、ローマ文字をもってありふれた氏若しくは地名(産地・販売地)を表示したものは、自他商品識別力を有しないものである。したがって、本願商標中の『KOKUBU』の文字は、ありふれた氏若しくは地名(産地・販売地)『国分』をローマ文字で表示したにすぎないものであり、自他商品・役務識別標識としての機能を有しない部分である。したがって、本願商標は、該文字から『コクブ』の称呼を生ずるとすることのできないものであり、特定の観念を生ずるものでもない。」旨主張する。
しかしながら、「国分」の文字は、「日本人の姓」(佐久間英著、1972年3月8日 六藝書房発行)によれば、約2万人で全国781位に位置づけられる姓であり、直ちにありふれた氏と判断し難いこと、及び、「国分」のおもな読み方として「こくぶん」又は「くにわけ」の記載はあるが、「こくぶ」とは記載されていないことからすると、本願商標の構成中の「KOKUBU」の文字は、ありふれた名称をローマ字をもって表したものとは認識するものとはいえない。
また、「国分」が、「鹿児島県霧島市の地名」(広辞苑第六版)であるとしても、本願の指定役務「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係において、商品の販売地等を表示するものとして、一般に良く知られたや地名であるとはいい難いことからすると、本願商標に接する需要者等が、本願商標の構成中の「KOKUBU」の文字を捉え、地名である「国分」をローマ字で表したものと認識し、自他役務の識別標識としての機能を有しないと認識するものであると、判断しなければならない特段の事情は認められない。
したがって、本願商標は、「KOKUBU」の文字部分から「コクブ」の称呼を生ずるものと判断するのが相当であり、請求人のかかる主張は、採用できない。

イ 請求人は、過去の審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、出願された商標の登録の適否の判断は、その案件毎に行うものであり、過去の審決例等にに拘束されるべき事情はない。
さらに、該審決例等は、商標の構成態様や指定商品等において本願とは事案を異にするものといえ、該審決例等の存在をもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切とはいえない。
よって、請求人のかかる主張も採用することができない。

ウ その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

3 まとめ
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標(色彩については、原本を参照されたい。)




別掲2 引用商標1(色彩については、原本を参照されたい。)



別掲3 引用商標2(色彩については、原本を参照されたい。)



別掲4 引用商標3(色彩については、原本を参照されたい。)



別掲5 引用商標4




審理終結日 2010-09-22 
結審通知日 2010-09-24 
審決日 2011-02-22 
出願番号 商願2008-56610(T2008-56610) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X35)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 今田 三男津金 純子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 豊田 純一
小川 きみえ
商標の称呼 コクブ 
代理人 吉武 賢次 
代理人 小泉 勝義 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 佐藤 邦茂 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ