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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z11
管理番号 1236658 
審判番号 取消2009-300445 
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-04-14 
確定日 2011-05-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第4595453号商標の商標登録取消審判事件についてされた平成21年12月 9日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成22年(行ケ)第10012号平成22年12月15日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 登録第4595453号商標の指定商品中、第11類「LEDランプ」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4595453号商標(以下「本件商標」という。)は、「エコルクス」の片仮名を標準文字で表してなり、平成13年8月24日に登録出願、第11類「電球類及び照明器具」を指定商品として同14年8月16日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成21年4月30日(以下「本件請求登録日」という。)にされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠として、甲第1号証ないし甲第32号証及び被請求人が審決取消訴訟において裁判所に提出した乙第1号証ないし乙第71号証(以下、請求人の提出した乙各号証を乙第29号証ないし乙第99号証とする。)を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中「LEDランプ」(以下「本件商品」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが、使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標は、本件商品について、本件審判の請求の登録前3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかによって使用された公知の事実が証明されていないので、その登録は取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第28号証及び参考資料を提出している。
1 証拠の説明
(1)乙第1号証は、被請求人の商品開発部から、2008年12月6日に被請求人の関係各部署に送信された、同年12月8日付けメーカーベンダー会議に関するメール写しであり、同日に被請求人が会議を開催した事実を証するものである。
(2)乙第2号証は、上記メーカーベンダー会議で使用された社内資料写しで、一般電球と中国製LED電球の各社サンプル品の比較検討に関する資料である。
(3)乙第3号証は、商品開発部担当者から同部部長に対し、2009年1月16日に送信された同年1月19日付けプレゼ会議(プレゼンテーション会議、以下、同じ。)に関するメール写しで、同日に被請求人が会議を開催した事実を証するものである。
乙第4号証は、上記プレゼ会議において使用された社内資料写しで、中国製LED電球の実用テストの結果報告に関するものである。
(4)乙第5号証は、商品開発部から、2009年2月27日に関係各部署に送信された、同年3月2日付けプレゼ会議に関するメール写しで、同日に被請求人が会議を開催した事実を証するものである。
乙第6号証は、上記プレゼ会議で使用された社内資料写しで、中国製LED電球の電気的改善を内容とする資料、及び、当該LED電球の製造元に関する会社情報である。
乙第7号証は、上記プレゼ会議で使用された社内資料で、当該LED電球の製造元である中国OS工場との契約内容を確認するための契約書写しである。
(5)乙第10号証は、商品開発部から、2009年3月13日に関係各部署に送信された、同年3月16日付けプレゼ会議に関するメール写しで、同日に被請求人が会議を開催した事実を証するものである。
乙第11号証は、上記プレゼ会議で使用された社内資料写しで、国内販売中の同業他社の同種商品との比較検討と原価提案に関する資料である。
(6)乙第12号証は、商品開発部から、2009年3月27日に関係各部署に送信された、同年3月30日付けプレゼ会議に関するメール写しで、同日に被請求人が会議を開催した事実を証するものである。
乙第13号証は、上記プレゼ会議で使用された社内資料写しで、本件商品のネーミング提案に関するものであり、本件商標が明示されている。
(7)乙第14号証は、上記プレゼ会議におけるネーミング提案に関する決定を受け、被請求人の商品開発部グラフィックデザイン課担当者から、外部デザイン会社の担当者「小泉」氏に、2009年4月6日付けで送信されたメール写しで、「諸々送ります。確認と打ち合わせをお願いします。」と記載され、本件商品が記載された「09年競合スペック比較」の一覧表及び参考パッケージが添付されている。
乙第15号証は、2009年4月8日付けで、乙第14号証のメール送信者にデザイン会社から送信されたメールで、「ウォッシャー液、エコルクス、PDFを送ります。」と記載され、共有サーバーにおいてデータの送受信を行うHTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)が記載されている。
乙第16号証は、乙第15号証メールで、被請求人に送信されたPDF画像データの出力で、各種パッケージデザインが有るが、いずれも本件商標が明記されている。
(8)乙第17号証は、前記デザイン会社から、2009年4月10日に被請求人に送信されたメールの写しで、「お電話での修正反映した状態のPDFを送ります。」と記載されており、下部に当該PDFが表示されている。
乙第18号証及び乙第19号証は、乙第17号証メールの本文部分の出力写し及び同時に送られたPDF画像データの出力写しであって、本件商品パッケージの最終的なデザインパターンであり、明確に本件商標が表示されている。
(9)乙第20号証は、乙第14号証メールの送信先であって、被請求人に対し乙第15号証及び乙第17号証のメールを送信し、乙第16号証及び乙第19号証の本件商品パッケージを制作したデザイン会社の担当者「小泉」氏の名刺の写しである。
乙第21号証は、上記デザイン会社に関するサイトの出力写しである。
(10)乙第22号証は、2009年5月5日付け「アイリスインフォメーション」の抜粋写しであり、本冊子は、情報誌として社内及び社外(顧客)向けに被請求人が発行しているもので、表紙裏面「2009年夏の商談会のご案内」の右下「家電用品」の欄に、乙第19号証の商品パッケージと同パターンの商品パッケージが記載されている。
乙第23号証は、同じく2009年5月20日付け「アイリスインフォメーション」の抜粋写しで、「新商品のご案内」の頁に、本件商品及び本件商標が明示されている。
乙第28号証は、2009年6月20日付け「アイリスインフォメーション」の抜粋写しで、表紙裏面「2009夏の商談会のご報告」に、「去る5月26日(火)?29日(金)に『2009夏の商談会』が埼玉・三田・角田・鳥栖の各会場にて開催されました。会場には199社、453名ものお客様にご来場いただき、大盛況の商談会となりました。各会場の新商品や売場づくりのご提案を一部紹介いたします。」との記載と共に、最下段「ホームエレクトロニクス」の欄に本件商品が、本件商標と共に記載され、乙第25号証の写真と同様の売場展開を表す什器に商品が陳列された状態の写真が掲載されている。
(11)乙第24号証は、2009年5月19日に、被請求人のホームエレクトロニクス事業部所属の大山真央作成に係る商談会向け提案資料「LED電球のお取り組み」の写しであり、被請求人は、実際に、この資料を用いて商談会を行っている。
(12)乙第25号証は、売場展開を表す什器使用例の写真、乙第26号証は什器使用例の上方ポップボード並びに実際の点灯状態を見せる販売促進用什器の正面及び斜め上方の写真、乙第27号証は、商品の包装用容器正面の写真であり、これらは、実際に商談会に向けて被請求人が準備した販売促進用什器などを示すものである。
(13)参考資料として添付した審決は、商標法第50条不使用商標取消審判に関するものであるが、審決中「当審の判断」において、「登録商標の使用をしていないことについての正当な理由としては、例えば、商標を付した商品の広告を作成していたり、その作成を第三者に依頼していたような場合等、当該登録商標について具体的な使用計画や準備をしていた場合もこれに該当するものと解されている。」と判断されており、商標法第50条第2項ただし書の正当理由の具体例が述べられている。
2 本件商標の使用の事実の説明
(1)被請求人は、本件商品の販売に関し、平成20年12月から同21年3月にかけ、数次の会議を開催し、一般電球と中国製LED電球の各社サンプル品の比較検討(乙2)、中国製LED電球の実用テストの結果報告(乙4)、中国製LED電球の電気的改善並びに当該LED電球の製造元(乙6)及び同製造元との契約内容(乙7)の確認、国内販売中の同業他社の同種商品との比較検討と原価提案(乙11)を、継続して行ってきた(乙1?乙11)。これにより、被請求人が、平成20年末から、本件商品の販売に関する計画・準備を、現実にかつ真摯に進めていた事実が明らかである。
(2)被請求人は、平成21年3月30日開催のプレゼンテーション会議において、本件商品のネーミング提案を行い、そこで、本件商標を採択することを決定している(乙12、乙13)。
(3)この本件商標を本件商品の商標として採択する決定を受け、被請求人は、仙台市所在の外部デザイン会社(乙20、乙21)に、本件商品のパッケージデザインを、平成21年4月6日に行った(乙14)。
そして、同年4月8日付けで、同デザイン会社から、各種のパッケージデザイン(乙16)が、被請求人に提示され(乙15)、被請求人からの修正の要望に応え、同年4月10日に最終的な本件商品のパッケージデザインのパターン(乙17、乙19)が、被請求人に納品された(乙17、乙18)。
ここで、乙第19号証のパッケージデザインには、商品名「LED電球」が明示され、これが取消請求に係る「LEDランプ」と同一の商品であることは、明らかである。また、本件商標は、片仮名で「エコルクス」と構成されているが、乙第19号証に示された商標も、片仮名で「エコルクス」と商標的使用態様で明示されており、商標も同一であることは明らかである。
(4)したがって、被請求人は、本件請求登録日前に、本件商品の包装(パッケージ)に本件商標を付する行為を行っており(商標法第2条第3項第1号)、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者(被請求人)が、取消請求に係る指定商品「LEDランプ」に本件商標の使用をしていることを、被請求人は証明した。
(5)なお、本件請求登録日以降であるが、被請求人は、自社発行の情報誌「アイリスインフォメーション」において、平成21年5月5日に「2009年夏の商談会のご案内」「家電用品」の欄で、乙第19号証の商品パッケージと同様の商品パッケージを掲載し(乙22)、同年5月20日には、「新商品のご案内」として本件商品及び本件商標を掲載している(乙23)。
また、平成21年5月19日には、商談会向け提案資料「LED電球のお取り組み」を作成し(乙24)、「売場展開を表す什器」(乙25)や、そこで使用する「ポップボード」及び「実際の点灯状態を見せる販売促進用什器」(乙25)及び実際の商品(乙27)を準備している。
そして、「2009夏の商談会」を、平成21年5月26日ないし29日に、埼玉・三田・角田・鳥栖の各会場で開催し、199社453名の顧客が訪れたことが明らかであり、また、その商談会で、乙第25号証の什器が展示され、本件商標を使用した本件商品が、商談の対象となったことが明らかである(乙28)。
(6)以上、被請求人は、本件請求登録日前に、既に本件商標の使用行為を行っており、その後、広告宣伝機能や出所表示機能を発揮し得る態様で、本件商標を本件商品に現実に使用していることが明らかであり(乙1?乙28)、本件商標の登録は取り消されるべきではないと確信する。
なお、仮に、前記した本件請求登録日前の被請求人の本件商標の使用が、実質的な商標の使用行為には該当しないと判断されるとしても、本件商標は、使用していなかったことについて正当な理由があるものと思料する。
3 まとめ
以上、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、取消請求に係る指定商品「LEDランプ」に本件商標の使用をしていることを、被請求人は証明しており、また、仮に、その使用が証明されていないとしても、被請求人には、その不使用に関し正当な理由があると認められ、本件商標の登録は取り消されるべきではない。

第4 当審の判断
1 認定事実
証拠及び被請求人の主張によれば、次の事実が認められる。
(1)被請求人は、生活用品の企画、製造及び販売を事業内容とする会社であり、本件商標の商標権者であるが、被請求人の商品開発部担当者は、平成20年12月6日から、LEDランプの販売に向けて被請求人の他の部署との検討を開始し、同月8日、同21年1月19日、同年3月2日及び同月16日、被請求人の社内での会議を開催して、LEDランプの実用テスト、その電気的改善、中国の工場との契約内容、同業他社の同種商品との比較等について検討を行った(乙1?乙7、乙9?乙11等)。
そして、被請求人の社内では、平成21年3月30日の会議にて被請求人が販売予定のLEDランプ(本件商品)について、商標登録以来約6年8月にわたって未使用であった本件商標を採用することが決定され、被請求人の商品開発部担当者は、同年4月6日、外部会社に対し、本件商品の包装用容器(以下「本件容器」という。)のパッケージデザインを発注した(乙12?乙14、乙20、乙21等)。
(2)前記外部会社の担当者は、平成21年4月8日、被請求人の担当者に対し、電子メールの添付ファイルで本件商品の本件容器のパッケージデザインの案を送付したが、そこには、本件商標と社会通念上同一と認められる標章が付されていた(乙15、乙16等)。
上記外部会社の担当者は、その後、被請求人の担当者からの電話による要望を受けて、平成21年4月10日、被請求人の担当者に対し、改めて上記の案に修正を加えた本件商品の本件容器のパッケージデザインを、やはり電子メールの添付ファイルにて送付したが、当該パッケージデザインにも、本件商標と社会通念上同一と認められる標章が付されていた(乙17?乙19等)。
(3)他方、被請求人は、かねてより小売店に対して自社製品の広告や新商品の紹介等をする目的で、「アイリスインフォメーション」と題する情報誌を毎月2回刊行し、各地の小売店に送付していたが、平成21年4月2日、同年5月5日付けの「アイリスインフォメーション」371号(以下「本件情報誌」という。乙22)の編集を開始し、同年4月30日、印刷業者から製本された本件情報誌の納品を受けた。本件情報誌の表紙の裏面には、「2009年夏の商談会のご案内」と題して同年5月26日ないし29日に被請求人の新商品等を小売店に説明する催しについての記載があり、その中には、被請求人が販売予定の家電用品として、本件容器のうちのある1面の前記パッケージデザインが2通り印刷されていた(乙40?乙44、乙47?乙49、乙65、乙66)。
そして、被請求人は、集荷店「仙台南」にて、同年4月30日午後9時27分、本件情報誌26部を、同日午後10時11分及び18分、本件情報誌合計155部を、それぞれ運送業者のトラックに積み込んで発送した。これらのうち、上記本件情報誌26部は、同年5月1日午後1時、宇都宮市内の小売店である株式会社カンセキに、上記本件情報誌合計155部は、同日午後3時41分、愛知県刈谷市所在の小売店である株式会社カーマに、それぞれ配達された(乙50?乙54、乙65、乙66)。
(4)被請求人は、平成21年6月11日、本件商品の生産を、同月28日ころ、本件容器の量産を、いずれも中国において開始し、本件商品は、同年8月3日ないし5日、中国において本件容器に包装され、同月9日ころ、我が国に輸入されるに至った(乙67、乙68、乙70?乙75、乙87、乙89?乙92)。
2 商標法第2条第3項第1号に基づく本件商標の使用の有無について
(1)商標法第2条第3項第1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」とは、同号に並列して掲げられている「商品に標章を付する行為」と同視できる態様のもの、すなわち、指定商品を現実に包装したものに標章を付し又は標章を付した包装用紙等で指定商品を現実に包装するなどの行為をいい、指定商品を包装していない単なる包装紙等に標章を付する行為又は単に標章の電子データを作成若しくは保持する行為は、商標法第2条第3項第1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」に当たらないものと解するのが相当である。
(2)これを本件についてみると、前記認定のとおり、被請求人は、本件請求登録日以前から、本件容器に本件商標を付して販売するための準備を進めていたところ、被請求人が平成21年4月10日に外部会社から受領したものは、本件容器のパッケージデザインの電子データであるにすぎない。
したがって、被請求人が上記電子データを受領し、これを保持することになったからといって、これをもって商標法第2条第3項第1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」ということはできない。
むしろ、前記認定のとおり、本件商品は、平成21年6月11日に中国において生産が開始されたものであるから、それよりも前に我が国において本件容器で本件商品を包装することは、不可能である。そして、本件商品が本件請求登録日よりも前に我が国において、被請求人により本件容器で包装されたと認めるに足りる証拠は存在しない。
したがって、被請求人は、本件商標について、本件請求登録日よりも前の3年以内に我が国において商標法第2条第3項第1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」がされた事実を証明していないというほかない。
3 商標法第2条第3項第8号に基づく本件商標の使用の有無について
(1) 商標法第2条第3項第8号所定の標章を付した広告等の「頒布」とは、同号に並列して掲げられている「展示」及び「電磁的方法により提供する行為」と同視できる態様のもの、すなわち、標章を付した広告等が一般公衆による閲覧可能な状態に置かれることをいい、標章を付した広告等が一般公衆による閲覧可能な状態に置かれていない場合には、商標法第2条第3項第8号所定の標章を付した広告の「頒布」に当たらないものと解するのが相当である。
(2)これを本件についてみると、前記認定のとおり、本件容器の写真が広告として掲載された本件情報誌が小売店に配達され、もって一般公衆による閲覧可能な状態に置かれたのは、平成21年5月1日である。したがって、被請求人が本件容器の広告写真が掲載された本件情報誌を頒布したのは、同日(平成21年5月1日)であるというべきであって、被請求人が前日(同年4月30日)に発送を行ったからといって、当該発送行為をもって本件商標を付した広告等の頒布に該当するとはいえない。そして、我が国において本件商標を付した広告等が本件請求登録日よりも前に、被請求人により頒布されたと認めるに足りる証拠は存在しない。
したがって、被請求人は、本件商標について、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国において商標法第2条第3項第8号所定の本件商品に関する広告の「頒布」がされた事実を証明していないというほかない。
4 商標法第50条第2項ただし書の「正当な理由」の有無について
商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」とは、地震等の不可抗力によって生じた事由、第三者の故意又は過失によって生じた事由、法令による禁止等の公権力の発動に係る事由その他の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の責めに帰することができない事由が発生したために、商標権者等において、登録商標をその指定商品又は指定役務について使用することができなかった場合をいうと解するのが相当であるところ、前記認定のとおり、本件商標に関しては、そのような不可抗力等の事由は、何ら認められない。
この点について、被請求人は、そのことに正当な理由がある旨をるる主張するが、独自の見解であって、到底採用の限りではない。
5 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求に係る指定商品についての本件商標の使用をしていることを証明したとはいえない。
また、被請求人は、取消請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があるともいえない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、結論掲記の商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-03-08 
結審通知日 2009-11-25 
審決日 2011-03-23 
出願番号 商願2001-76768(T2001-76768) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z11)
最終処分 成立  
前審関与審査官 瀬戸 俊晶 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
酒井 福造
登録日 2002-08-16 
登録番号 商標登録第4595453号(T4595453) 
商標の称呼 エコルクス 
代理人 木内 光春 
代理人 特許業務法人松田特許事務所 

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