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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない X42 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X42 審判 査定不服 観念類似 登録しない X42 |
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管理番号 | 1234980 |
審判番号 | 不服2010-6658 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-03-12 |
確定日 | 2011-03-25 |
事件の表示 | 商願2007-85612拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1に示すとおりの構成からなり、第42類「電子計算機用プログラムの提供,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」を指定役務として、平成19年7月23日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第5284072号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、2006年9月14日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成18年11月14日に登録出願され、第38類「インターネット及び無線通信ネットワークを利用したサブスクリプション方式による映像・画像・音声・音響・文字情報を送る放送,ローカル・グローバルコンピュータ通信ネットワーク及び有線・無線通信ネットワークによる映像・画像・音声・音響を送る放送,電気通信(放送を除く。)」及び第42類「コンピュータプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの提供,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸」を指定役務として、平成21年11月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、「Real3Di」(「i」の文字は、他の文字と異なる書体で表されている。)の文字を横書きしてなるところ、「本当の、現実の」(「ランダムハウス英和大辞典」小学館発行)等の意味を有する「Real」、「立体的であること。三次元。」(広辞苑 第六版)の意味を有する「3D」及び「i」の文字から構成されるものと理解、認識されるものである。 そして、その構成中語尾の「i」の文字部分は、他の文字と異なる書体で表されていることから、かかる構成にあっては、「Real3D」と「i」の文字部分は、視覚上分離して看取されるといい得るものである。 ところで、多くの産業分野において、欧文字1字は、商品の品番、型番等、又は、役務の種別、仕様等を表示するための記号、符号として取引上普通に採択、使用されているところ、本願の指定役務を取り扱う業界においても、例えば、「Dシリーズ」(http://www.nec.co.jp.edgekey.net/products/istorage/product/san/software/ism/index.shtml)、「型番:Q-FLO」(http://www.iodata.jp/product/hdd/soft/q-flo/)、「統計ソフトR」(http://o-server.main.jp/r/use.html)等のように欧文字1字が、商品の品番、型番等、又は、役務の種別、仕様等を表示するための記号、符号として採択、使用されている事実が認められる。 そうとすると、本願商標の構成中の「i」の文字部分は、その一類型にすぎないものであり、役務の種別、仕様等を表示するための記号、符号として認識されるものといわざるを得ない。 また、本願商標の構成中「3D」の文字部分は、本願指定役務を取り扱う業界においては、「立体画像等の作成機能を有する商品」程の意味合いを指称するものとして一般的に採択、使用されている実情があり、それらの実情は、以下のインターネット情報からも裏付けられるところである。 (ア)「3Dソフトについて」の見出しのもと、「3Dソフトには大きく分けて『3Dグラフィックソフト』と『3DCADソフト』があります。どちらも、2次元の画材を3次元(立体)に置き換えてパソコン上に表現できるものになります。」の記載。(http://axsaerna.com/3dsofuto/) (イ)「3DソフトPoserがまだまだ無料」の見出しのもと、「3Dキャラクター作成ソフト『Poser5』が無料に-GIGAZINEにて報じられていた、人体モデル3DソフトのPoser期間限定無料ダウンロード。」の記載。(http://gajetdaisuke.com/archives/06907_083358.php) (ウ)「CGWORLD.jp」のウェブサイトにおいて、「3D画像を作成できるフリーソフト『Free 3D Photo Maker』を発表(DVDVideoSoft)」の見出しのもと、「『Free 3D Photo Maker』は、わずかな水平変位差で撮影した5cmから7cm幅の固定オブジェクトの写真画像2枚を読み込ませるだけで、2枚の画像を3D表示用(アナグリフ形式)に合成し、簡単にカラーのステレオ3D画像を生成することができるというソフト。」の記載。(http://cgworld.jp/flashnews/software/3dfree-3d-photo-maker.html) (エ)「e frontier」のウェブサイトにおいて、「iPad/iPhoneではじめる3DCG」の見出しのもと、「誰でも簡単に3D形状を作成できる3DCGソフト『Sunny 3D for iPad/iPhone』をご紹介します。」の記載。(http://graphic.e-frontier.co.jp/sunny3d/foripad/) 以上よりすれば、本願商標は、観念上、常に一体不可分のものとしてのみ把握、理解されなければならない特段の事情は見出せないものである。 してみれば、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、自他役務の識別標識として機能し得る「Real」の文字部分が主たる要部と認識し、当該部分に着目して取引に資する場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。 そうすると、本願商標は、「Real」の文字部分より、単に「リアル」の称呼をも生じ、かつ、「本当の、現実の」の観念を生ずるものと認められる。 イ 引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、「real」の文字と「re」の文字にかかるように円状の図形で修飾された構成からなるところ、その構成中の「real」の文字部分に相応して「リアル」の称呼及び「本当の、現実の」の観念を生ずるものである。 ウ 本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とは、外観において相違する点があることを考慮してもなお、「リアル」の称呼及び「本当の、現実の」の観念を共通にする称呼及び観念上類似の商標といわなければならず、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と類似するものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「Real」及び「real」の文字は、引用商標登録以前から広く商品、役務に使用されており、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとは言えないから、「Real3D」の文字は、全体として一体のものと把握されるものである旨、主張しているが、本願商標が一体不可分のものとしてのみ把握、理解される特段の事情を見出せないことは、前記(1)のとおりである。 また、請求人は、過去の登録例を挙げているが、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かの判断は、商標の具体的な構成や指定商品等との関係など、個々の事案に即して個別具体的に判断されるべきものであるから、該登録例をそのまま本件の類否判断に当てはめることは妥当でなく、該登録例の存在をもって、本件における類否判断が左右されるものではないから、請求人の該主張を採用することはできない。 イ 請求人は、引用商標の出願時の役務「さまざまな情報を伝送及び転送するネットワークサービス」を「コンピュータプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの提供,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸」に補正したことは、商標法第9条の4の規定に該当するものであり、引用商標の出願日は、本願商標の出願日より後の出願であることから、本願商標の拒絶理由には相当しない旨、主張しているが、出願時の指定役務「さまざまな情報を伝送及び転送するネットワークサービス」は、その指定役務の表示中「ネットワーク」の語が、「コンピューター・ネットワークの略。」(広辞苑 第六版)、「コンピューターなどの通信網または回路網。*ネットとも.」(「大きな字のカタカナ新語辞典 第2版」学習研究社発行)を意味する語であることからすると、前記役務は、「コンピューターネットワークに関するサービス」と認められる。 そして、引用商標の補正後の指定役務「コンピュータプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの提供,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸」は、「コンピューターネットワークに関するサービス」の範疇の役務であることから、上記補正は、願書に記載した指定役務の要旨を変更するものではないから、請求人の該主張も採用することはできない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標) 別掲2(引用商標) |
審理終結日 | 2011-01-13 |
結審通知日 | 2011-01-21 |
審決日 | 2011-02-01 |
出願番号 | 商願2007-85612(T2007-85612) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(X42)
T 1 8・ 263- Z (X42) T 1 8・ 262- Z (X42) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 堀内 真一 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 田中 亨子 |
商標の称呼 | リアルスリーデイアイ、リアルサンデイアイ、リアルスリーデイ、リアルサンデイ、リアル、スリーデイアイ、サンデイアイ |