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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X093842
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X093842
管理番号 1233391 
審判番号 不服2009-9773 
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-05-11 
確定日 2011-02-21 
事件の表示 商願2008-15601拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「ハイパークリアボイス」の文字を標準文字で表してなり、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,プロジェクター及びその部品,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第38類「電気通信(放送を除く。),放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として平成20年3月3日登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ハイパークリアボイス』の文字を普通に用いられる方法で書してなるが、構成中の『ハイパー』の文字は、『過度の、超越した』等の意味を有し、『クリア』の文字は、『澄んだ、明晰な』、『ボイス』の文字は、『声、音声』等をそれぞれ意味し、全体として『超越したきれいな音声』の意味合いを容易に認識させるものであるから、これを本願の指定商品及び指定役務中、前記意味合いに照応する商品及び役務に使用するときは、『きれいな音声が再生可能な商品及びその取扱いに係る役務』であることを理解させるにとどまり、単に商品の品質、機能、役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

1 辞書類の記載について
(1)ハイパー【hyper】「『過度の』『超越した』の意。『スーパー』よりさらに強い意味で用いる。『?マーケット』」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店)
(2)ハイパー(hyper)「ギリシャ語の『超えた』から。『スーパー』のさらに上をゆく超越的な響きがするため最近よく使われる。」(「現代用語の基礎知識カタカナ・外来語/略語辞典[改訂増補新版]」株式会社自由国民社)
(3)ハイパー(英hyper-)「超越した、過度の、の意。スーパーよりもさらに強い意味で、他の語と複合しても用いられる。」等(「例文で読むカタカナ語の辞典<第3版>」株式会社小学館)
(4)クリア【clear】「明らかなさま。明晰。澄んでいること。冴えていること。『?な頭の持主』」等(前掲「広辞苑第6版」)
(5)クリア(英clear)「冴えてはっきりしているさま。形・色・音などがすっきりしているさま。明晰。」等(前掲「例文で読むカタカナ語の辞典<第3版>」)
(6)ボイス【voice】「声。『ハスキー?』」等(前掲「広辞苑第6版」)
(7)クリアボイスシステム【clear voice system】「いくつかの携帯電話に用いられる音質向上の技術.基地局側にノイズサプレッサーを設置して環境雑音を除去する.」(「イミダス編集部編imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典」株式会社集英社)

2 「ハイパー」の文字について
(1)新聞記事情報
「技術創世21・技術で拓く産業社会/ビジネスを支える移動体端末」の見出しのもと、「八百メガ・デジタルサービス『ムーバHYPER(ハイパー)』四機種を投入した。」の記載(1995.9.14 日刊工業新聞 8頁)。
(2)インターネット情報
ア 「使いやすくて高機能な『ハイパースピーカーマイク』」の記載(http://www.mrc.or.jp/kmrc/products/microphone.html)。
イ 「ハイブリッド携帯通信『H"(エッジ)』端末の発売について」の見出しのもと、「独自の改善により通話が切れにくく継続性を向上させた『HYPER Carrots(ハイパーキャロッツ)DL-S200』を11月5日から発売します。」の記事(http://www.toshiba.co.jp/about/press/1999_10/pr_j0702.htm)。
ウ 「コンパクトボディにスゴ腕リミッター FS-205 ハイパーリミッター」の見出しのもと、「フィールドミキサーで培われた技術を惜しみなく投入 12V駆動。2入力2出力のハイパーリミッターユニット。」の記載(http://www.protechweb.jp/products/limiter/fs205/index.html)。
エ 「携帯電話用アンテナ・オトジー」の見出しのもと、「品名:ハイパーオトジー」の記載(http://www.rask.co.jp/seihin.html)。
オ 「製品情報 ハイパーログアンテナ・シリーズ」の見出しのもと、「■主な特徴 ハイパーログアンテナ・シリーズは、テフロン素材上に、パターンを形成することで、組み立て不要で、携帯にも便利な小型(約20cm*30cm)、軽量(約260g)で、広い周波数帯域(20Mhz?18Ghz)を実現した高性能アンテナです。」の記載(http://www.wavecrestkk.co.jp/antenna.html)。

3 「クリア」の文字について
(1)インターネット情報
ア 「Tuesday am10:30打ち合わせもクリアーな音声メモに」の見出しのもと、「ポータブル録音機器やICレコーダーのマイク端子にダイレクトにプラグインして、音質をさらに高めるマイクロホン。」の記載(http://www.audio-technica.co.jp/atj/mic/master/tue.html)。
イ 「ソーラーパワーハンズフリーカーキット」の見出しのもと、「薄型でファッショナブルなデザインの太陽電池式Bluetoothハンズフリーカーキットです。非常にクリアな音質で通話をお楽しみいただけます。」の記載(http://www.softbankselection.jp/product/bluetooth/detail/002238.html)。
ウ 「モトローラ、クリアな音声通話が可能なBluetoothワイヤレスヘッドセット『H620』と - FMチューナー内蔵のクリップ型Bluetoothワイヤレスステレオヘッドセット『S605』、『S605&iPodアダプター』セットを発表-10月10日(金)発売」の記載(http://blog.livedoor.jp/applebrothers/archives/51701709.html)。
エ 「FM(TV音声1?3ch)/AM 2バンド通勤ラジオ RF-NA17R」の見出しのもと、「ノイズの少ないクリアな音声で楽しめる高感度設計」の記載(http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=RF-NA17R)。
オ 「高音質電話機 ひかりクリアフォン HQ-100」の見出しのもと、「高音質はこんなにクリア! 従来の電話機で使用している周波数帯(300Hz?3.4kHz)よりも広帯域(100Hz?7kHz)での音声通話が利用できるため、クリアで聞き取りやすい音声で会話をお楽しみいただけます。」の記載(http://web116.jp/shop/goods/hq100/hq100_00.html)。
カ 「ケータイにもっとクリアな通話を──『SH705iII』のトリプルくっきりトーク」の記載(http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0804/15/news001.html)。

4 「クリアボイス」の文字について
(1)カタログ記事情報
「人の声をさらに聞き取りやすく クリアボイス機能(再生時)」の見出しのもと、「再生時に高域・低域のノイズを低減し聞きやすくする『クリアボイス機能』を搭載。会議や講義の音声部分がより聞き取りやすくなります。」との記載(SANYO ICレコーダー総合カタログ2010-春夏 14頁)。
(2)新聞記事情報
「ツーカー3社、携帯電話の新端末を発売」の見出しのもと、「周囲の雑音を低減させて音質を改善するクリアボイスシステムに対応。」の記載(1999.6.9 日刊工業新聞 9頁)。
(3)インターネット情報
ア 「Panasonic ETC車載器総合カタログ」の見出しのもと、「コンパクト&クリアボイス。」の記載(http://panasonic.jp/car/catalog/pdf/et900et805.pdf)。
イ 「ハンズフリーキット・クリアボイス」の見出しのもと、「『クリアボイス』は、業界初クリップ構造によるワイヤードボイストランスミッション方式を採用したハンズフリーキットです。」の記載(http://www.valueshop.jp/item726)。
ウ 「プレスリリース ハイビジョン番組をボタンひとつでかんたん録画 HDD内蔵 録画機能搭載液晶テレビ〈ブラビア〉BX30Hシリーズ3機種発売」の見出しのもと、「音声部」として「クリアボイス 実用最大出力10W+10W(JEITA)」の記載(http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201003/10-0309B/)。

第4 請求人の意見
請求人は、前記第3の証拠調べに対し、何ら意見を述べていない。

第5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ハイパークリアボイス」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「ハイパー」の文字部分は前記第3の証拠調べ1の(1)ないし(3)のとおり、「過度の」、「超越した」等の意味を有し、前記第3の証拠調べ2のように、本願指定商品を取り扱う業界において上記意味合いの接頭語として使用されている場合も多数存在する。
また、「クリア」の文字は、前記第3の証拠調べ1の(4)及び(5)のとおり「明晰、澄んでいること、形・色・音などがすっきりしているさま。」等の意味を有し、前記第3の証拠調べ3のように、本願指定商品を取り扱う業界では、「クリアな音質」のように普通に使用されている。
さらに、「ボイス」の文字は、前記第3の証拠調べ1の(6)のとおり「声」の意味を有する語である。
そして、前記第3の4のとおり、「クリア」と「ボイス」の文字を連結した「クリアボイス」の文字が、本願指定商品を取り扱う業界において、「ノイズを低減し聞き取りやすくする『クリアボイス機能』」、「周囲の雑音を低減させて音質を改善するクリアボイスシステム」のように「明晰な音声」ほどの意味として使用されていることが認められる。
してみれば、本願商標は、その指定商品中「電話機,無線通信機械器具テレビジョン受信機,ラジオ受信機,音声周波機械器具」等音声を使用した「電気通信機械器具」及び指定役務中「移動体電話による通信,電話による通信」等音声を利用した「電気通信(放送を除く)」について使用したときは、これに接する取引者、需要者には、「超越した明晰な音声」程度の商品の品質及び役務の質を理解するにとどまるというのが相当であって、自他商品及び役務の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、商品の品質及び役務の質を表したにすぎないものといわなければならない。
また、本願商標は、これをその指定商品中、「電話機,無線通信機械器具テレビジョン受信機,ラジオ受信機,音声周波機械器具」等音声を使用した商品以外の「電気通信機械器具」及び指定役務中、「移動体電話による通信,電話による通信」等音声を利用した役務以外の「電気通信(放送を除く)」に使用するときは、その商品の品質及び役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3条及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-12-21 
結審通知日 2010-12-24 
審決日 2011-01-06 
出願番号 商願2008-15601(T2008-15601) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X093842)
T 1 8・ 13- Z (X093842)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤村 浩二大橋 良成 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 大森 友子
末武 久佳

商標の称呼 ハイパークリアボイス、クリアボイス、クリア、ボイス 
代理人 木村 明隆 

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