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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない X0938
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X0938
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X0938
管理番号 1233382 
審判番号 不服2009-4443 
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-03-02 
確定日 2011-02-25 
事件の表示 商願2008-3098拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「かんたん携帯」の文字を横書きしてなり、第9類「業務用テレビゲーム機,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電池,電線及びケーブル,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネット又は移動体電話による通信を通じて提供されるダウンロード可能な移動体電話機用コンピュータプログラム,電子メール・チャット等の通信機能を有する携帯電話用プログラム,コンピュータネットワークを通じて提供されるダウンロード可能な携帯電話の待ち受け画面用画像データ,インターネットにより提供されるダウンロード可能な携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラム,インターネットにより提供されるダウンロード可能な移動体電話機用ゲームプログラム,レコード,インターネットで提供されるダウンロード可能な音楽,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ダウンロード可能な雑誌・書籍・新聞・地図・写真及び図面の画像・文字情報,その他の電子出版物」及び第38類「移動体電話を用いた通信・その他の電気通信(放送を除く。),チャット形式による電子掲示板通信及びこれに関する情報の提供,放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,放送番組の番組表に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として平成20年1月21日に登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、原審における、平成20年11月14日付け手続補正書により、第9類「携帯電話機」及び第38類「携帯電話機の貸与」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『かんたん携帯』の文字を普通に用いられる方法で書してなるが、指定商品と関係において、簡単に操作ができることを謳い文句にした各種携帯電話機が販売されている実情から、全体として『簡単に操作できる携帯電話機』等の意味合いを容易に想起させるものであるから、本願商標をその指定商品・指定役務中の「携帯電話機,携帯電話機の貸与」に使用するときは、単に商品の(内容)、役務の質、役務の提供の用に供する物を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
また、出願人は、本願商標は、商標法第3条第2項の規定により識別力が認められるべきものである旨述べているが、出願人の提出に係る証拠からは、『かんたん携帯』の文字が出願人の商品『携帯電話機』に使用する商標として需要者間に広く知られるに至っていたものとは認められないから、出願人の上記主張も採用することができない。」 旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否か及び同法第3条第2項の要件を具備するか否かについて、職権により証拠調べした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

1 辞書類の記載について
「けい-たい【携帯】:1たずさえ持つこと。身につけて持つこと。2携帯電話の略。」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店)

2 「かんたん」の文字について
(1)携帯電話事業者のカタログ、パンフレット情報
ア 「かんたんモード」の見出しのもと、「わかりやすいことばで案内が表示されるので操作が簡単にできます。」との記載(KDDI株式会社総合カタログ2010年1月 26頁)。
イ 「『しんせつ』『かんたん』『見やすい』『あんしん』がさらに充実。」の見出しのもと、「折りたたみ部分に付いているボタンを押すだけで、片手でかんたんにケータイが開けられる『オープンアシスト』対応です。」との記載(株式会社NTTドコモ携帯電話カタログ2010年2月 27頁)。
ウ 「片手でかんたんに開けられる『オープンアシスト』」の見出しのもと、「ケータイをワンプッシュでかんたんに開けることができるオープンアシストを採用しました。」との記載(富士通らくらくホン6パンフレット2009年7月 11頁)。
エ 「その他の便利な『かんたん』機能」の見出しのもと、「デコメテンプレートやデコメピクチャを選ぶだけでかんたんにデコメールが作成できます。」との記載(富士通らくらくホンベーシック2パンフレット2009年3月 8頁)。
オ 「かんたんに使えて、あんしんの機能も充実 しんせつな配慮いっぱいのケータイです。」との記載(請求人:ソフトバンクモバイル株式会社 かんたん携帯パンフレット)。
カ 「操作かんたん、迷わない。」との記載(前掲 かんたん携帯パンフレット)。
キ 「ワンタッチダイヤル」の見出しのもと、「よくかける連絡先を登録すれば、発信やメール送信がかんたんに行えます。」との記載(前掲 かんたん携帯パンフレット)。
(2)新聞記事情報
ア 「携帯電話 川原啓嗣(やさしい逸品)」の見出しのもと、「らくらくホン3(F672i)は、NTTドコモが『誰にでもかんたん、人に優しい』をコンセプトに開発した携帯電話の4代目にあたる。前機種で好評だった、ワンタッチダイヤル機能や音声読みあげ機能などは引き続き備わっており、メール作成などの画面操作がさらに便利になり、使いやすくなった。」との記載(朝日新聞2004.8.4 東京朝刊16頁)。
イ 「[特集]楽しく生き生き高齢社会(その5止) 高齢者向け情報機器」の見出しのもと、「転ばぬ先の杖(つえ)--。NTTドコモの携帯電話『らくらくホンP601es』なら、こんな心配は無用。ドコモが主に高齢者向けに開発した機種で『使いやすさ』を追求した最新モデルだ。セールスポイントの“かんたん機能でらくらく電話”の中身を見てみよう。」との記載(毎日新聞2000.9.15 東京朝刊24頁)。
(3)インターネット情報
ア 「ボタンひとつで電話をかけられますワンタッチダイヤルボタン」の見出しのもと、「自宅や家族などといった、よくかける電話番号を3件まで登録できます。ボタンを1秒以上押すだけで、かんたんに電話をかけることができます。」との記載(http://www.fmworld.net/product/phone/f881ies/)。
イ 「SoftBank向け携帯電話『かんたん携帯 SoftBank 832T』の発売について」の見出しのもと「新製品は、初めて携帯電話を持つ方にも使いやすい『かんたん機能』として、よくかける連絡先をひと押しで呼び出し、発信やメールの送信ができる3つの『ワンタッチボタン』に加え、新たに、家マークで視覚的にもわかりやすい黄色の『自宅ボタン』を追加しました。」との記載(http://www.toshiba.co.jp/about/press/2009_05/pr_j1902.htm)。

3 「簡単ケータイ」、「かんたんケータイ」、「簡単携帯」、「カンタンケータイ」及び「かんたん携帯」等の文字について
(1)携帯電話事業者のカタログ、パンフレット情報
ア 「簡単ケータイ」の見出しのもと、「使いやすさをさらに追求した最新『簡単ケータイ』」との記載(前掲KDDI株式会社総合カタログ 25頁)。
イ 「簡単ケータイ」の見出しのもと、「美しく、そして簡単。光るキーで次の操作がわかる、スタイリッシュな『簡単ケータイ』」との記載 (前掲KDDI株式会社総合カタログ 26頁)。
ウ 「簡単ケータイ」の見出しのもと、「簡単ケータイを、シンプルに、美しく」との記載(パンテック・ワイヤレス・ジャパン株式会社パンフレット2008年8月)
エ 「簡単ケータイ」の見出しのもと、「使いやすさをさらに追求した『簡単ケータイ』」との記載(京セラ株式会社パンフレット2009年7月)。
(2)新聞記事情報
「(CM天気図)不良老年のつぶやき 天野祐吉」の見出しのもと、「老人向けのかんたんケータイというやつだ。」との記載(朝日新聞2007.9.18 朝刊27頁)。
(3)インターネット情報
ア 「NTTドコモ、GPS搭載のかんたんケータイ『らくらくホンIV』を発表 2007年07月12日 23時46分更新」の見出しのもと、「(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは12日、使いやすさを重視したシンプルケータイ“らくらくホン”シリーズの最新モデル『らくらくホンIV』(富士通(株)製)を8月に発売すると発表した。」との記載(http://ascii.jp/elem/000/000/050/50335/)。
イ 「ドコモとソフトバンクのかんたんケータイ酷似の背景。」の見出しのもと、「先日、『NTTドコモがソフトバンクモバイルのかんたん携帯に対して販売差し止め請求』とお伝えしましたが、実はこの裏側NTTドコモの『かんたんケータイ』とソフトバンクモバイルの『かんたん携帯』が酷似してしまった理由みたいなものがありました。」との記載(http://xenonews.blog50.fc2.com/blog-entry-1311.html)。
ウ 「らくらくホン プレミアム」の見出しのもと、「らくらくホン プレミアム最新情報 らくらくホンプレミアム(F884i)はGPS機能を搭載したNTTドコモのかんたんケータイです。」との記載(http://www.docomo-au-softbank.com/00nttdocomo/f884i.html)。
エ 「ドコモのシンプルケータイブランド第1弾『L706ie』は8月1日発売」の見出しのもと、「ドコモのかんたんケータイ新ブランド『706ieシリーズ』の第1弾、L706ieが8月1日発売です。」との記載(http://www.gizmodo.jp/2008/08/1l706ie81.html)。
オ 「簡単携帯 A1407PT」との記載(http://at2ed.jp/pro/productDetail.php/productid/P1991/)。
カ 「『○○さんから電話です』声で着信知らせる簡単携帯・ドコモが発売」の見出しのもと、「NTTドコモは6日、高齢の人でも操作が簡単なFOMA携帯『らくらくホン』の新機種を4月に発売すると発表した。」との記載(http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMITfa000006032007)。
キ 「『カンタンケータイ』でシニア層の争奪、狙う『親へのプレゼント』需要」の見出しのもと、「5月から6月にかけたこの時期、『カンタンケータイ』と呼ばれるシニア向けのシンプルな携帯電話が、新たな商戦期を迎えている。」との記載(http://bcnranking.jp/news/0705/070529_7536.html)。
ク 「au、シニア向けの簡単携帯電話『簡単ケータイS A101K』を発表」の見出しのもと、「KDDIと沖縄セルラーは、シニア層をターゲットにした操作が簡単な携帯電話「簡単ケータイS A101K」を発表した。」との記載(http://www.rbbtoday.com/article/2005/09/06/25310.html)。
ケ 「簡単ケータイ」の見出しのもと、「簡単ケータイとは、俗に、操作の簡単さに特化されたシンプルな携帯電話機の総称である。おおむね高年齢層の人をターゲットとし、説明書など見なくても扱いたいように扱えるための配慮がなされている。」との記載(http://www.sophia-it.com/content/%E7%B0%A1%E5%8D%98%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%A4)。
コ 「【コラム】海外モバイルトピックス40 『簡単ケータイ』が海外でも流行に」の見出しのもと、「スマートフォンなど携帯電話の高機能化が進む一方、お年寄りや子供でも簡単に使える『簡単操作携帯電話』の需要が高まっているようだ。ヨーロッパでは複数メーカーが開発に取り組んでおり、容易な操作性や緊急発信対応など一般的な携帯電話とは異なる機能を競い合っている。」との記載(http://journal.mycom.co.jp/column/wmobiletopic/040/index.html)。
サ 「au by KDDI かんたん携帯 K004 (KYOCERA)」の見出しのもと、「見やすく、押しやすく、分かりやすい。使いやすさに磨きをかけたスタイリッシュなデザインの『簡単ケータイ』」の記載(http://www.sd-mobile.jp/keitai/detail/au/k004/)。
シ 「かんたん携帯 『携帯電話』お持ちですか?」の見出しのもと、「今、シニアの間で人気のツーカー携帯電話。ツーカーSSショップ熊谷市役所通り店では、小林桂樹さんのテレビCMでおなじみの『かんたん電話』をはじめ、機械が苦手な方も、安心して使用できる、文字が大きくて操作が簡単な電話機がそろっています。」の記載(http://www.sakura-enet.jp/yokihi/vol.4/page16.htm)。
ス 「かんたん携帯」の見出し(http://www.readback.jp/blog/?p=1305)。
セ 「au携帯電話の新ラインナップとして『EZテレビ』対応の『A5511T』及び簡単で使いやすい『簡単ケータイ W32K』を販売開始・・・2005年6月16日」の見出しのもと、「KDDI、沖縄セルラーは、au携帯電話の新ラインナップとして、『A5511T』(製造: 株式会社東芝) と『簡単ケータイ W32K』(製造: 京セラ株式会社) の販売を開始します。」の記載(http://www.kddi.com/corporate/news_release/2005/0616/index.html)。

4 携帯電話の販売店舗数について
「プレスリリース・・・2010年6月18日発表 携帯電話流通の現状と将来動向がまとまりました。」の見出しのもと、「2009年度の携帯電話販売チャネル」の「販売拠点数の構成」として「合計13,988店 キャリアショップ 8,212店 量販店3,552店 併売店280店 混売店1,944店 合計5,776店」の記載(http://www.seedplanning.co.jp/press/2010/2010061801.html)。

第4 当審の証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
1 「かんたん」及び「携帯」の文字は機能を示すものとして普通に使用されているとしても、ひらがなと漢字の結合である「かんたん携帯」の文字が識別力を有するものであり、その効力が「簡単ケータイ」の文字に及ぶものではない。

2 需要者の間では、「かんたん携帯」と「簡単ケータイ」は、異なるキャリアのもの、出所の異なるものであることが明確に認識されているから、「かんたん」とか「携帯」という語が広く用いられているものであるとしても、「かんたん携帯」の文字に出所識別標識としての機能があると認識され、「簡単ケータイ」の文字とは明確に識別されている
さらに、「かんたんケータイ」「簡単携帯」の文字が普通名称として使用されていることから、本願商標は、識別力を有するものというべきである。

3 「かんたん携帯」の文字は、請求人の宣伝広告により周知性を獲得したといえるから、本願商標は、使用による自他商品の識別標識としての機能を獲得したといえるものである。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
「商標法第3条第1項第3号の趣旨は、同号に列挙されている商標は、商品や役務の内容に関わるものであるために、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を有しないことが多く、また、これを特定人に独占させることは適切でないために登録することができないものとされていると解される」(東京高裁 平成11(行ケ)410号 平成12年6月13日判決参照)。
これを本件についてみる。
本願商標は、前記第1のとおり「かんたん携帯」の文字を普通に横書きしてなるものであるが、構成中の「かんたん」の文字部分は、前記第3の証拠調べ2より、指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「こみいっていないこと。てがるなこと。てみじか。」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店)の意味を有する「簡単」の文字をひらかなで表示したものとして普通に使用されている事実が認められる。また、「携帯」の文字部分は、前記第3の証拠調べ1より、指定商品及び指定役務との関係において「携帯電話」を示すものであるから、本願商標は、「簡単」をひらかなで表示した「かんたん」の文字と「携帯電話」の意味を有する「携帯」の文字を組み合わせたものと容易に認識されるものである。
そして、前記第3の証拠調べ3によれば「てがるな」の意味としての「簡単」、「かんたん」、「カンタン」等の文字と携帯電話の意味としての「携帯」、「ケータイ」の各文字を組み合わせた「簡単ケータイ」、「かんたんケータイ」、「かんたん携帯」等の文字が使用され、かつ、「使いやすさをさらに追求した最新『簡単ケータイ』」、「操作が簡単なFOMA携帯」、「操作が簡単な携帯電話」、「簡単ケータイとは、俗に、操作の簡単さに特化したシンプルな携帯電話機の総称である」、「『簡単ケータイ』が海外でも流行に・・・お年寄りや子どもでも簡単に使える『簡単操作携帯電話』」、「簡単で使いやすい『簡単ケータイW32K』」等のように使用されている事実が認められることからすると、かかる「かんたん携帯」等の文字は、「操作がてがるな携帯電話」を示すものとして、需要者に認識、把握されているということができるから、本願商標は、これをその指定商品中「操作がてがるな携帯電話機」及び指定役務中「操作がてがるな携帯電話機の貸与」に使用しても単に商品の品質及び役務の質を表示するものといわなければならず、自他商品及び自他役務の出所識別機能を有するものではない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 商標法第3条第2項について
前記1に対し、請求人は、仮に、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとしても、本願商標を2008年の販売開始より現在に至るまで一貫して使用しており、提出した証拠をもって、本願商標は、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものであるから、同法第3条第2項の規定に該当し、商標登録されるべきものである旨主張し、甲第1号証ないし甲第9号証(枝番を含む。)及び甲第16号証ないし甲第81号証(枝番を含む。ただし甲第49号証は欠番。)を提出している。
(1)商標法第3条第2項の要件等について
登録出願に係る商標が商標法第3条第2項の要件を具備するに至ったものであるか否かを検討するに当たっては、知財高裁平成18年(行ケ)第10054号判決(平成18年6月12日判決言渡)において、次のように判示されている。
商標法第3条第2項は、商標法第3条第1項第3号等に対する例外として、「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」は、商標登録を受けることができる旨規定している。その趣旨は、特定人が当該商標をその業務に係る商品の自他識別標識として他人に使用されることなく永年独占排他的に継続使用した実績を有する場合には、当該商標は、例外的に自他商品識別力を獲得したものということができる上に、当該商品の取引界において当該特定人の独占使用が事実上容認されている以上、他の事業者に対してその使用の機会を開放しておかなければならない公益上の要請は薄いということができるから、当該商標の登録を認めようというものであると解される。
上記のような商標法第3条第2項の趣旨に照らすと、同条項によって商標登録が認められるためには、以下のような要件を具備することが必要であると解される。
ア 使用により自他商品識別力を有すること
商標登録出願された商標(以下「出願商標」という。)が、商標法第3条第2項の要件を具備し、登録が認められるか否かは、実際に使用している商標(以下「使用商標」という。)及び商品、使用開始時期、使用期間、使用地域、当該商品の生産又は販売の数量、並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願商標が使用された結果、判断時である審決時において、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるか否か(いわゆる「自他商品識別力(特別顕著性)」の獲得の有無)によって決すべきものである。
イ 出願商標と使用商標の同一性が認められること
商標法第3条第2項の要件を具備するためには、使用商標は、出願商標と同一であることを要し、出願商標と類似のもの(例えば、文字商標において書体が異なるもの)を含まないと解すべきである。
なぜなら、同条項は、本来的には自他商品識別力がなく、特定人の独占にもなじまない商標について、特定の商品に使用された結果として自他商品識別力を有するに至ったことを理由に商標登録を認める例外的規定であり、実際に商品に使用された範囲を超えて商標登録を認めるのは妥当ではないからである。そして、登録により発生する権利が全国的に及ぶ更新可能な独占権であることをも考慮すると、同条項は、厳格に解釈し適用されるべきものである。
(2)本願商標が商標法第3条第2項に該当するとして提出された証拠について
前記(1)を踏まえて、請求人提出の証拠に基づいて本願商標の商標法第3条第2項該当性について検討する。
甲第1号証は、2008年1月28日ないし31日付けのウェブサイトの記事と認められるところ、該記事の全てに、「ソフトバンクモバイル」又は「ソフトバンク」の文字が記載され、また「かんたん携帯821T」の文字(甲1の1?3、5、7?3及び15)「かんたん携帯」の文字(甲1の4)「シニアでも使いやすいかんたん携帯」(甲1の6)「かんたん携帯SoftBank821T」の文字(甲1の14)の文字が記載されている。
甲第2号証の1ないし10は、2008年3月6日より17日のウェブサイトの記事と認められるところ、該記事の全てに、「ソフトバンクモバイル」文字が記載され、「かんたん携帯 SoftBank821T」の文字(甲2の1、5?7及び9)「かんたん携帯821T」の文字(甲2の2?4、8及び10)「かんたん携帯」の文字(甲2の6)が記載されている。
甲第2号証の11は、雑誌記事(「別冊DIME」発行日不明)であるところ、「かんたん携帯821T」及び「ソフトバンク初のシニア層向けモデル」の文字が記載されている。
甲第3号証の1及び2は、新聞記事の写しと認められるところ、「ソフトバンクにも『かんたん携帯』など・・・」(甲3の1)、また「ソフトバンクモバイルの『かんたん携帯』」(甲3の2)の文字が記載されている。
甲第4号証は、請求人の製品を販売するための什器の写真と認めれるところ、「かんたん携帯」の文字とその右側又は下段に該文字より小さな文字で「SoftBank821T」の文字が記載されている。
甲第5号証は、携帯電話機販売店に設置するポスターの写し及びパンフレットと認められるところ、証拠全てに「かんたん携帯」の文字が記載され、該文字のの右側又は下段に「821T」又は「SoftBank821T」の文字が記載されている。
甲第6号証は、携帯電話機販売店に設置する広告用媒体と認められるところには「かんたん携帯」の文字とその下段に該文字より小さな文字で「SoftBank821T」の文字(甲6の1、3、5、7)が記載されている。
甲第7号証は、請求人の発行した携帯電話機販売用のカタログの写しと認められるところ、証拠全てに「かんたん携帯」の文字とその下段に該文字より小さな文字で「SoftBank821T」の文字が記載されている
甲第8号証の1及び2は、携帯電話機の販売数のランキングのインターネット記事と認められるところ、該記事の全てに「ソフトバンクモバイル」の文字、「かんたん携帯」及び「かんたん携帯821T」の文字が記載されている。また、該記事には、「かんたん携帯」が2008年4月第2週の請求人(ソフトバンクモバイル)の製品ランキングでは、第10位、同年5月第2週の製品ランキングでは、第9位にあることがうかがえる。
甲第8号証の3は、請求人の発行する携帯電話機販売用のパンフレットの写しと認められるところ「かんたんシニアケータイ」の文字が記載されている。
甲第8号証の4は、平成20年8月11日発行の「日経新製品ウオッチャー」の写しと認められるところ、「かんたん携帯 821T」及び「ソフトバンクモバイル」の文字が記載されている。
甲第9号証は、2008年3月18日付けの各社の新聞記事と認められるところ、該記事には、「ソフトバンクが販売した『かんたん携帯821T』」(甲9の1朝日新聞記事)、「ソフトバンクモバイルが8日発売した東芝製携帯電話機『かんたん携帯』」(甲9の1読売新聞記事)「ソフトバンクモバイルが今月8日に発売した携帯電話『かんたん携帯821T』」(甲9の2)「ソフトバンクモバイルが今月初旬に発売した東芝製の携帯電話機『かんたん携帯821T』」(甲9の3)「ソフトバンクが1月28日に発表、3月8日に発売した東芝製携帯『かんたん携帯821T』」(甲9の4)「ソフトバンクモバイルが発売した東芝製『かんたん携帯』」(甲9の5)「ソフトバンクが8日発売した『かんたん携帯821T』」(甲9の6)の文字が記載されている。
甲第16号証は、2009年6月23日付けの請求人発行のプレスリリースと認められるところ、「かんたん携帯シリーズ」及び「かんたん携帯」の文字とその下段に該文字より小さな文字で「SoftBank821T」の文字が記載されている。
甲第19項証は全国のソフトバンクショップを表示したものと認められるが、それによると、2009年7月9日(印刷日)現在、2,610件と認められる。
甲第20号証は、2009年5月19日付けの請求人発行のプレスリリースと認められるところ、機種名の欄に「832T(東芝製)」、主な特徴の欄に「かんたん携帯」の文字が記載されている。また、「かんたん携帯『SoftBank832T』」の文字及び「かんたん携帯」の文字と「SoftBank832T」の文字が2段に記載されている。
甲第21号証及び甲第22号証は、請求人の発行した携帯電話機販売用のカタログの写し(甲21)及びカタログ(甲22)と認められるところ、両証拠には「かんたん携帯」の文字とその下段に該文字より小さな文字で「SoftBank832T」の文字が記載されている。
甲第23号証、甲第25号証、甲第26号証ないし甲第28号証は、請求人の発行した携帯電話機販売用のパンフレットと認められるところ、全ての証拠には、「かんたん携帯」の文字とその下段に該文字より小さな文字で「SoftBank832T」、「かんたん携帯」等の文字が表示されている。
甲第24号証は、請求人の発行した第2世代携帯電話サービス終了のお知らせ用はがきと認められるところ、「かんたん携帯」の文字とその下段に該文字より小さな文字で「SoftBank832T」の文字が表示されている。
甲第29号証は、請求人のウェブサイトと認められるところ、「かんたん携帯」の文字とその下段に該文字より小さな文字で「SoftBank832T」の文字が記載されている。
甲第30号証及び甲第31号証は、株式会社東芝のウェブサイトと認められるところ、「かんたん携帯SoftBank832T」、「かんたん携帯」の文字とその下段に該文字より小さな文字で「SoftBank832T」等の文字が記載されている。
甲第32号証ないし甲第38号証は、ウェブサイトの記事と認められるところ、全ての証拠には「ソフトバンクモバイル」の文字、また、「かんたん携帯『832T』」(甲32、甲34)、「かんたん携帯シリーズ」(甲32、甲34、甲36)、「かんたん携帯SoftBank832T」(甲33?35、甲37)、「かんたん携帯」(甲36、甲38)の文字が記載されている。
甲第39号証は、ウェブサイトの記事と認められるところ、「ケータイWorld 初心者やお年寄りでも楽に使えるかんたんケータイ特集」の見出しの下、株式会社NTTドコモ及びKDDI株式会社の携帯電話機と共に請求人の携帯電話機が「かんたん携帯」の文字とその下段に「SoftBank821T」の文字と共に掲載されている。
甲第40号証及び甲第42号証は、請求人の発売する携帯電話の売り上げランキング及びランキングが記載されているウェブページと認められるところ「ソフトバンクモバイル」(甲40の3?54、甲42の1?5)及び「かんたん携帯821T」(甲40の1、2、10、14?18、20、21、23、24、26、30、31、37、38、46、47、50、甲42の1?5)の文字が記載されている。
甲第43号証及び甲第48号証は、ウェブサイトの記事と認められるところ、全ての証拠に「ソフトバンクモバイル」の文字、「かんたん携帯」(甲43の1?7、甲48)、「かんたん携帯SoftBank821T」(甲43の2?4)「かんたん携帯821T」(甲43の1、6)の文字が記載されている。
甲第44号証は、2009年4月15日付けの請求人及び株式会社東芝が発行したプレスリリースと認められるところ「かんたん携帯SoftBank821T」の文字が記載されている。
甲第45号証の1及び2は、2009年4月16日付けの各社の新聞記事及び記事のウェブサイト版と認められるところ「ソフトバンクが2008年3月に発売した『かんたん携帯821T』」(甲45の1)「ソフトバンクモバイルが昨年3月に発売した『かんたん携帯821T』」(甲45の2)、の文字が記載されている。
甲第45号証の3は、2009年4月15日付けのウェブサイトの記事と認められるところ、「かんたん携帯SoftBank821T(以下、821T)」の文字が記載されている。
甲第50号証及び甲第60号証は請求人の主張によれば、テレビコマーシャルの内容とその放映回数及び放映テレビ局とのことであるところ、甲第50号証には、「かんたん携帯」と「843SH」の文字が2段に表示され、その下に「SoftBank」の文字が表示されており、甲第60号証によると、2010年8月28日から9月30日までに635回以上放送された旨記載されている。
甲第51号証ないし甲第55号証は、携帯電話機販売店に設置する広告用媒体の写真と認められるところ、「SoftBank」(甲51?54)、「かんたん携帯」(甲51、甲52の1、2、甲53?55)、「かんたん携帯、続々登場!」(甲51、甲52の2、甲53)、「文字が大きく、使いやすいかんたん携帯。」(甲52の1、甲54)、「SoftBank843SH」(甲54、甲55)の文字が表示されている。
甲第56号証は、請求人の製品を販売するための什器の写真と認めれるところ、「かんたん携帯」の文字とその右側又は下段に該文字より小さな文字で「SoftBank843SH」の文字が記載されている。
甲第57号証及び甲第58号証は、請求人の発行するパンフレットと認められるところ「かんたん携帯」の文字と下段に該文字より小さな文字で「SoftBank843SH」(甲57)、「使いやすくて聞こえやすい家族も安心の防水かんたん携帯」(甲57)、「かんたん携帯、続々登場!」(甲58)、「かんたん携帯」(甲58)、「大きく見やすい文字表示で使いやすさにこだわった『かんたん携帯』」(甲58)及び「SoftBank」(甲58)の文字が記載されている。
甲第59号証は、シャープ株式会社発行のセールスマニュアルと認められるところ、「かんたん携帯」の文字と下段に該文字より小さな文字で「SoftBank843SH」文字、「・・・防水かんたん携帯です。」の文字が記載されている。
甲第61号証ないし甲第80号証は、請求人の主張によれば、携帯電話販売店に設置する什器、広告用媒体、カタログ、パンフレットの配布先、配布数を記したものとのことである。
甲第81号証は、請求人の発行する携帯電話機販売用のカタログと認められるところ、「かんたん携帯」の文字とその下に該文字より小さく「SoftBank832T」、「SoftBank831N」、「SoftBank834SH」、「SoftBank840Z」の文字、「ワンセグが見られるかんたん携帯。」「便利な機能をさらに使いやすく防水かんたん携帯」「操作は簡単家族も安心かんたん携帯」の文字が記載されている。
そして、上記各証拠のうちウェブサイト記事、新聞記事、雑誌記事、プレスリリース、什器、広告用媒体、カタログ、パンフレットは、以下の内容を記事にしたものと認められる
甲第1号証ないし甲第6号証、甲第16号証、甲第20号証、甲第29号証ないし甲第37号証、甲第41号証は、携帯電話機の販売について記載したものである。
甲第8号証の1、2、4、甲第40号証、甲第42号証は、携帯電話機の販売結果を記載したものである。
甲第9号証、甲第43号証ないし甲第45号証は、「NTTドコモがソフトバンクモバイルに対して製造・販売等差止めを求める仮処分命令を申し立てたことに関連する記事である。
甲第7号証、甲第8号証の3、甲第18号証の3、甲第21号証ないし甲第28号証、甲第38号証、甲第48号証、甲第57号証、甲第58号証、甲第81号証は、携帯電話機の紹介をするパンフレット記事等である。
(3)判断
ア 本願商標の使用商品及び使用役務について
前記(2)をみるに、請求人の提出した証拠には、願書に記載の本願指定商品及び指定役務のうち、指定役務について本願商標を使用している旨の記載が無い。
したがって、本願商標は、本願指定役務についての使用が認められない。
イ 本願商標に接する取引者、需要者について
請求人は、本願商標を携帯電話機について2008年1月(甲第1号証)から現在において使用し、その販売場所も全国であり、製品の販売数は、不明であるが、テレビコマーシャル放送を行い(甲第50号証及び甲第60号証)、相当数のカタログ、パンフレット、チラシ等の頒布を行っている(甲第5号証、甲第7号証、甲第21号証ないし甲第28号証、甲第57号証、甲第58号証、甲第73号証ないし甲第78号証及び甲第81号証)
しかしながら、本願商標と同じ読みを生じ、同じ意味を有する「かんたん携帯」、「簡単携帯」、「簡単ケータイ」及び「かんたんケータイ」等の文字が、富士通株式会社、パンテック・ワイヤレス・ジャパン株式会社、京セラ株式会社、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社においても使用されている(前記第3の証拠調べ3)ことを考慮すれば、本願商標も、「カンタンケータイ」の読みを有し、「操作がてがるな携帯電話」ほどの意味を有する、「かんたん携帯」、「簡単携帯」、「簡単ケータイ」及び「かんたんケータイ」等と共通の商品の品質を表示する文字程度の語として、取引者に普通に使用されているものと認められる。
また、需要者においても、「カンタンケータイ」の共通の読み(称呼)のもと、「操作がてがるな携帯電話」という共通の商品の品質を表示する程の文字として認識されているというべきである。
そして、その使用時期についても、KDDI株式会社において、請求人が使用する以前の2005年から現在に至るまで「簡単ケータイ」の語を商品の品質を表示する語として使用している事実が認められる(前記第3の証拠調べ3(3)セ)。
そうとすれば、本願商標は、たとえ、請求人が「かんたん携帯」の文字を携帯電話機の販売について全国的に使用しているとしても、既に商品の品質を表示するものとして認識されているものであるから、これをその指定商品に使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識できるものとなったとは認められない。
また、前記アのとおり、指定役務については、本願商標の使用の事実が認められない。
以上より、本願商標は、これを他の事業者に対してその使用の機会を開放しておかなければならない公益上の要請は薄いとはいえないから、請求人に独占させることは適切ではない。
ウ 本願商標と使用商標について
本願商標は、「かんたん携帯」の文字を横書きしたものであるのに対し、使用に係る商標と認められる、ウェブサイト、カタログ、チラシ、什器等に付されている商標には、請求人のハウスマークである「SoftBank」の文字も付されているのが大部分でありまた、新聞記事、ウェブサイトの記事でも「SoftBank」、「ソフトバンクモバイル」あるいは「ソフトバンク」等の文字と共に紹介されている(前記(2))。
してみると、前記のカタログ、チラシ、新聞記事、ウェブサイトの記事等に接する取引者、需要者は、請求人の所有する著名商標である「SoftBank」、「ソフトバンクモバイル」あるいは「ソフトバンク」の文字に自他商品の識別標識として機能を生じていると認められるから、本願商標は、これ自体に使用による自他商品の識別標識としての機能を獲得したとは認められない。
(4)小括
以上によれば、本願商標は、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるとは認められず、商標法第3条第2項の要件を具備しないものである。

3 商標法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記第1のとおり「かんたん携帯」の文字を普通に横書きしてなるものであるが、前記1で認定したとおり、「操作がてがるな携帯電話」を示すものとして、需要者に認識、把握されているといえるものである。
ところで、前記第3の証拠調べ3(3)コ、請求人が提出した甲第7号証の1ないし8等にあるように、高機能、多機能で操作がてがるとはいえない携帯電話機が販売されている事実は、明らかであるから、本願商標は、指定商品中「操作がてがるではない携帯電話機」について使用するときは、これに接する需要者をして、該商品があたかも「操作がてがるな携帯電話機」であるかのように商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
また、本願商標は、指定役務中「操作がてがるではない携帯電話機の貸与」に使用したときは、該役務があたかも「操作がてがるな携帯電話機の貸与」であるかのように役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する商標といわざるを得ない。

4 請求人の主張について
請求人は、「かんたん携帯」の文字が請求人の出所を表す表記で「簡単ケータイ」の文字がKDDI株式会社の出所を示す表記である旨述べている。
しかしながら、前記2(3)イのとおり、「簡単ケータイ」の文字は、KDDI株式会社、パンデック・ワイヤレス・ジャパン株式会社、京セラ株式会社等複数の者より、商品の品質を表示する文字としての使用が認められる(前記第3証拠調べ3 甲第39号証)。
そして、前記2(3)イで認定したとおり、「簡単ケータイ」の文字及び「かんたん携帯」の文字は、「簡単携帯」、及び「かんたんケータイ」等と共通の商品の品質を表示する文字程度の語として、取引者に普通に使用されているものとである。
してみれば、「簡単ケータイ」の文字も「かんたん携帯」の文字も商品の出所を表す表示とはいえないから、請求人の主張は、採用できない。

5 結語
以上によれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、かつ、同法第3条第2項の要件を具備しないものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-12-16 
結審通知日 2010-12-24 
審決日 2011-01-06 
出願番号 商願2008-3098(T2008-3098) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X0938)
T 1 8・ 17- Z (X0938)
T 1 8・ 13- Z (X0938)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 大森 友子

末武 久佳
商標の称呼 カンタンケータイ、カンタン 
代理人 峯 唯夫 

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