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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 登録しない Y25 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y25 |
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管理番号 | 1233225 |
審判番号 | 不服2008-16574 |
総通号数 | 136 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-06-30 |
確定日 | 2011-02-09 |
事件の表示 | 商願2007- 96009拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「履物」を指定商品として、平成18年4月14日に登録出願された商願2006-34544号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、同19年9月10日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法4条第1項第11号に該当するとして、引用した登録第366580号商標(以下「引用商標」という。)は、「ATHLETE」の文字を横書きし、その下に「アスリート」の文字を縦書きした構成よりなるところ、昭和21年7月13日に登録出願、第36類「被服、手巾、釦鈕及装身用『ピン』ノ類」を指定商品として、同年10月28日に設定登録されたものである。 その後、指定商品については、平成19年5月9日に、第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第14類「カフスボタン,ネクタイピン,宝石ブローチ」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第21類「家事用手袋」、第24類「布製身の回り品,経かたびら」、第25類「被服(頭から冠る防虫網・あみ笠・すげ笠・ナイトキャップを除く。),運動用特殊衣服(剣道衣・柔道衣・空手衣を除く。),マラソン足袋,地下足袋」及び第26類「帯留,こはぜ,ボタン,衣服用ブローチ」とする書換登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標の類否等について 本願商標は、別掲のとおり、3つの星の図形を配し、その左右を横線で挟み、その下にアンダーラインを有する「ATHLETE」の文字を顕著に大きく太字で横書きしてなり、さらに最下段に「AUTHENTIC SPORTSWEAR SINCE 1935」の文字を小さく横書きしてなるものである。 しかして、本願商標は、図形と文字との組み合わせよりなるところ、その図形部分と文字部分とは、常に一体不可分のものとしてのみ認識、把握されなければならない特段の事情を見出し得ないものであるから、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというのが相当である。 そして、その構成中の文字部分についてみるに、「ATHLETE」の文字部分は、「AUTHENTIC SPORTSWEAR SINCE 1935」の文字部分に比べて顕著に大きく表され、看者の注意を惹く部分といえることから、視覚上分離して観察され得るものであって、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、本願商標に接する取引者、需要者は、顕著に表されて強く印象付けられる「ATHLETE」の文字部分に着目し、該文字部分をもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。 そうすると、本願商標は、その構成中、「ATHLETE」の文字部分に相応して、「アスリート」の称呼をも生ずるものと認められる。また、観念については、該「ATHLETE」の文字が、「アスリート」の外来語とともに、「運動選手」等の意味を有する英語として我が国において親しまれている語であるから、「運動選手」等の観念を生ずるものである。 これに対して、引用商標は、「ATHLETE」の文字と「アスリート」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「アスリート」の称呼を生ずるものであり、観念については、「運動選手」等の観念を生ずるものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観における差異を考慮するとしても、「アスリート」の称呼及び「運動選手」等の観念を共通にする類似の商標である。 また、本願商標の指定商品は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品と認められるものである。 (2)請求人の主張について 請求人は、本願商標について、「本願商標の外観は栄光や繁栄を象徴するような3つ星の図形が、標章で最も顕著な上部中央に位置する。そして、下部には1935年から請求人が築き上げた信頼が述べられている。この両方の概念が、運動家を思わせる『ATHLETE』を上下から挟むことにより、看者は運動家としての栄光とそれを補助する請求人の事業に関する実績が謳われているのを感じ取るはずである。つまり、ただ単に運動家を想起させる引用商標と、商標に接して即座に見る者の脳裏に前述のような請求人の業務に関する理想と実際の実績を印象付ける本願商標とは、余りにも看者に与えるものが異なる。さらに、外観のように見てすぐわかるほど明白ではないが、上記の通り想起させるものが違うため、観念もまた異なるものである。」旨主張する。 しかしながら、仮に商標の採択に際する意図が、請求人の主張するとおりであるとしても、また、上部の3つの星の図形や下部の文字が「ATHLETE」を強く印象づける付記的または装飾的なものとして看取される場合があるとしても、本願商標と引用商標が称呼及び観念を共通にする類似の商標であることは、上記(1)のとおりであるから、その主張を認めることはできない。 なお、請求人は、平成22年9月14日受付の上申書において「審判請求人は、本件の審理の経過を考慮し中止していたが、英国の法人への商標権譲渡の申し入れを準備している。審判請求人は現在、譲渡契約の完了を半年後に想定して譲渡交渉を再開する予定である。また、この経緯において、引用商標の一部をその商標権者から譲り受けることも同時に検討している。」旨述べ、本願についての審理の中断を求めている。 しかしながら、本願の引用商標に係る不使用取消審判(審判2008-300881)の確定審決の登録が平成21年11月24日になされてから現在に至るまで相当の期間が経過するも、その引用商標についての譲渡交渉等の進捗状況について明らかにする書面等の提出もされていないことから、これ以上、本件の審理を遅延させるべき理由はないものと判断し、結審することとした。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきではない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 |
審理終結日 | 2010-09-08 |
結審通知日 | 2010-09-14 |
審決日 | 2010-09-27 |
出願番号 | 商願2007-96009(T2007-96009) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Y25)
T 1 8・ 263- Z (Y25) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 久我 敬史 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 高橋 謙司 |
商標の称呼 | アスリート、オーセンティックスポーツウエア |
代理人 | 吉岡 宏嗣 |
代理人 | 鵜沼 辰之 |