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審決分類 審判 査定不服 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 登録しない X16
管理番号 1231758 
審判番号 不服2009-25333 
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-22 
確定日 2011-02-04 
事件の表示 商願2007-122114拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成からなり、第16類「文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」を指定商品として、平成19年12月7日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『東京都北区浮間五丁目4番51号東洋交通労働組合内』在の『東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合』の文字を含むものであり、かつ、その者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第8号について
商標法第4条第1項第8号(以下「本号」という。)において、「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)」は、商標登録を受けることができない旨規定している。
工業所有権法逐条解説[第17版](特許庁編集 社団法人発明協会発行)によれば、「八号は旧法2条1項5号に相当する規定である。・・・・・また、例えば、自己の名称と他人の名称とが同一の場合は、自己の名称についても本号の適用があり、したがって、不登録になる。なお、本号に関して、これは不正競争防止の規定であるから『その他人の承諾云々』のカッコ書きは不要であるとの説もあるが、立法の沿革としては前述のように人格権保護の規定と考えるべきであろう。本号には外国人の氏名、名称も含まれる。」と説明されている。
そして、最高裁判所平成15年(行ヒ)265号判決(判決日 平成16年6月8日)(以下「最高裁判決1」という。)において、「8号(商標法4条1項8号)は、その括弧書以外の部分(以下、便宜『8号本文』という。)に列挙された他人の肖像又は他人の氏名、名称、その著名な略称等を含む商標は、括弧書にいう当該他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないとする規定である。その趣旨は、肖像、氏名等に関する他人の人格的利益を保護することにあると解される。したがって、8号本文に該当する商標につき商標登録を受けようとする者は、他人の人格的利益を害することがないよう、自らの責任において当該他人の承諾を確保しておくべきものである。」旨判示されている。
また、最高裁判所平成16年(行ヒ)343号判決(判決日 平成17年7月22日)(以下「最高裁判決2」という。)において、「商標法第4条1項は、商標登録を受けることができない商標を各号で列記しているが、需要者の間に広く認識されている商標との関係で商品又は役務の出所の混同の防止を図ろうとする同項10号、15号等の規定とは別に、8号の規定が定められていることからみると、8号が、他人の肖像又は他人の氏名、名称、著名な略称等を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないと規定した趣旨は、人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像、氏名、名称等に対する人格的利益を保護することにあると解される。すなわち、人は、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがない利益を保護されているのである。」旨判示されている。
さらに、知的財産高等裁判所平成20年(行ケ)10309号判決(判決日 平成21年2月26日)(以下「知財高裁判決」という。)において、「他人の名称を含む商標については、他人の承諾を得ているものを除いては、商標登録を受けることができないというべきであって、出願人と他人との間で事業内容が競合するかとか、いずれが著名あるいは周知であるといったことは、考慮する必要がないというべきである。」旨判事されている。 そこで、以上の観点から本件について検討する。

2 本願商標の本号の該当性について
(1)本願商標の構成について
本願商標は、別掲1のとおり「東京ハイタク労連」、「東京ハイ・タク労連」及び「東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合」の文字を三段に横書きにしてなるものである。

(2)本願商標の構成中「東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合」と同一の名称の他人の存在について
当審において、調査すると、「東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合」のウェブサイト(http://homepage3.nifty.com/touhai/)における「連絡先」の項目に「東京都北区浮間5-4-51東洋交通労働組合内」及び「東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合」の記載がある。
そして、前記者は「東京都北区浮間5-4-51東洋交通労働組合内」に在する組合であるところ、請求人の住所は、東京都港区芝二丁目20番12号、友愛会館「交通労連関東地方総支部」内であることから、「東京都北区浮間5-4-51東洋交通労働組合内」在の「東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合」と、請求人とは同一人とは認められない。
そうすると、請求人と同一の名称を使用する他人が存在することは明らかである。

(3)「他人の承諾」を得たものであるかについて
請求人は、本願商標を登録することについて、「東京都北区浮間5-4-51東洋交通労働組合内」在の「東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合」から承諾を得たことを証明する書類(承諾書等)をいっさい提出しておらず、その事実を確認することができないことから、本願商標を登録することについて、前記者の承諾を得たものとは認められない。

(4)まとめ
前記(1)ないし(3)のとおり、本願商標は、他人の名称を含む商標であり、かつ、当該他人の承諾を得ているとは認められないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当するものであり、これを登録することはできない。

3 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張
請求人(出願人)は、「商標法第4条第1項第8号は、他人の名称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)については、不登録事由に該当する旨規定する。しかしながら、出願人こそが『東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合』の正当な使用者であることからすれば、『東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合』は、『出願人自身』の名称であり『他人』の名称ではない。」旨主張する。
これは、請求人が、「東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合」の名称を使用する正当な者であることから、同一名称を使用する他人が存在し、かつ、その他人の存在を請求人が承知していたとしても、その者は、「東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合」の正当な使用者とはいえないから、本号にいう「他人」には該当しないとの主張であると考えられる。
しかしながら、知財高裁判決において「他人の名称を含む商標については、他人の承諾を得ているものを除いては、商標登録を受けることができないというべきであって、出願人と他人との間で事業内容が競合するかとか、いずれが著名あるいは周知であるといったことは、考慮する必要がないというべきである。」と判示されていることからすると、仮に、請求人が、「東京ハイヤー・タクシー労働組合総連合」の正当な使用者であるとしても、誰が正当な使用者であるのか否かについて、本号の適用の際に、考慮すべきものとはいえない。
そして、本号の規定が、最高裁判決2において判示されているとおり、「人(法人等の団体を含む。)は、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがない利益を保護されている」こと、さらに、「他人の承諾」は、最高裁判決1において判示されているとおり、「8号本文に該当する商標につき商標登録を受けようとする者は、他人の人格的利益を害することがないよう、自らの責任において当該他人の承諾を確保しておくべきもの」であることから、その他人の人格権の保護の観点より、承諾を必要とするものである。」ことからすると、請求人の名称と同一の名称を使用する他人が存在する以上、正当な使用者であるか否かを問わず、その他人の承諾なくして、本願商標が登録されるべき事由は存在しないと判断するのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すことはできない。

4 まとめ
以上によれば、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)






審理終結日 2010-11-30 
結審通知日 2010-12-01 
審決日 2010-12-20 
出願番号 商願2007-122114(T2007-122114) 
審決分類 T 1 8・ 23- Z (X16)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 豊田 純一
小林 由美子
商標の称呼 トーキョーハイタクローレン、ハイタクローレン、トーキョーハイヤータクシーロードークミアイソーレンゴー、ハイヤータクシーロードークミアイソーレンゴー 
代理人 松下 恵三 
代理人 米重 洋和 
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