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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2008890041 審決 商標
取消2008300287 審決 商標
無効2011890049 審決 商標
取消2008301542 審決 商標
無効200689180 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y12
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y12
管理番号 1231668 
審判番号 無効2010-890040 
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2010-05-13 
確定日 2011-01-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第4861901号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4861901号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4861901号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成16年8月30日に登録出願され、第12類「牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,落下傘,乗物用盗難警報器,車いす,船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」を指定商品として、同17年4月4日に登録査定、同年5月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が引用する商標は、後掲「引用商標目録」及び別掲2ないし10に記載のとおりである。
商標法第4条第1項第11号の引用商標は、引用商標1ないし引用商標17である。
商標法第4条第1項第15号の引用商標は、引用商標18及び引用商標19である。

第3 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第87号証(枝番を含む。)を提出した。
2 請求の理由
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本件商標の称呼及び観念について
本件商標は、頭頂部の髪と思しき部分が尖り、パッチリとした大きな目をした幼児の頭部を描いた図形である。
この本件商標の図形は、米国人ローズ・オニールがキューピーのイラストを20世紀初頭に発表して以来、我が国でも周知になった「キューピー」人形とその特徴を共通にするものである。
ローズ・オニールの発表以来、我が国を含む世界中で「キューピー」のイラストを立体化した「キューピー」人形が製作されて人気を博し、我が国では、1930年代頃にセルロイド製の「キューピー」人形が製造されて広く流布した事実がある。当時、複数の企業が「キューピー」及び「キューピー人形」を商標登録し使用した。請求人は、「キユーピー」及び「キューピー」人形を商標としてマヨネーズ等の商品に使用し盛大に宣伝広告した結果、これらの商標は全国的に著名となった。その後、請求人は商号をキユーピー株式会社とした。
現在では、「キューピー」人形は、頭頂部が尖った目のパッチリと大きい裸体の幼児の人形として我が国において広く認識されるに至っている。
上記のとおり、「キューピー」の人形は我が国で周知性を獲得していること、及び、本件商標の図形はそのような周知なキューピー人形とその特徴を共通にすることから、本件商標に接する取引者又は需要者は、本件商標に係る図形を「キューピー」と認識することは明らかである。
したがって、本件商標からは「キューピー」の称呼を生じるとともに、頭の先の髪と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児又はその人形である「キューピー」の観念を生じるものである。
(ア)甲第21号証のアンケート調査について
アンケートの内容は、本件商標と同一態様の登録第4948210号商標を提示し、「この絵をご覧下さい。あなたは、この絵を何の絵だと思われましたか。どのようなことでも良いので自由にお知らせ下さい。(問1)」「この絵をご覧になって思い浮かべる商品が何かありましたら、どのようなものでも結構ですので、ご自由にお知らせ下さい。(問2)」という質問に回答させるものである。アンケートは、全国を調査範囲として地域・性別・年代が偏らないような人口構成に準ずる割付けをしており、食品業界・調査業界の勤務者を除く15歳から59歳の男女1000人を対象とすることにより調査対象者に偏りがでないように充分に配慮されたものであり、インターネットを通じて2008年5月9日から同年5月11日の間に行われた。
アンケート調査の結果は、問1に対しては「キューピー(人形)」とする回答が全体で61.6%と高い割合を示した。
問2に対しては、「マヨネーズ」の商品を思い浮かべるとする回答の割合が全体で65.9%にも及んだものである。
なお、アンケートにおいては、複数回答が可能であることから、例えば、問1において「キューピー(人形)」と回答した対象者は、他の回答をもなし得るものである。これに関し、請求人は、前記調査会社を通じて、複数回答の傾向を分析した(甲22、甲23)。その結果によると、問1に対して「キューピー(人形)」と回答した対象者が複数回答したものは、最も多いものでも「赤ちゃん、子供」であるが、その割合は「キューピー(人形)」と回答した対象者の5.7%にすぎないものであった。
また、「キューピー」「キユーピー株式会社のマーク」「キユーピーマヨネーズのマーク」「マヨネーズに使われているマーク」と、キューピーと関連がある回答の合計の割合は、他の回答との重複を除いても少なくとも63.4%にも及んだ。
問2に対しては、「マヨネーズ」と回答した対象者の平均反応数が1.15となっており、「マヨネーズ」と回答した対象者の多くが「マヨネーズ」とのみ回答していることが分かる。
また、「マヨネーズ」「ドレッシング」「パスタソース」「ベビーフード」「介護食」という請求人の取扱に係る商品の回答の合計割合は、他の回答との重複を除いても少なくとも58.9%であった。
このように、本件商標と同一態様の登録第4948210号商標についての上記アンケート調査結果からも、一般需要者の多くは、本件商標から「キューピー(人形)」及び請求人の取扱に係る商品又は請求人を思い浮かべるといい得るものである。
(イ)甲第24号証のアンケート調査について
甲第24号証は、前述の甲第21号証のインターネット調査と同じ質問を訪問面接により行ったアンケート調査の結果である。
甲第24号証のアンケート調査は、首都圏(東京30Km圏)を対象範囲として、性別・年代が偏らないような人口構成に準ずる割付けをしており、第1段階で調査地点を無作為に抽出し、第2段階で抽出された地点の対象者を無作為に抽出する方法(エリアサンプリング)により、15歳から59歳の男女630人を対象とすることにより調査対象者に偏りがでないように充分に配慮されたものであり、2008年5月15日から同年5月25日の間に行われた。
アンケート調査の結果は、問1に対しては「キューピー(人形)」とする回答が全体で73.5%と非常に高い割合を示した。
問2に対しては、請求人の主力商品である「マヨネーズ」を思い浮かべるとする回答の割合が全体で72.7%にも及んだものである。
なお、本アンケート調査においても、複数回答が可能であることから、請求人は、複数回答の傾向を分析した(甲23)。その結果によると、問1に対して「キューピー」「キユーピー株式会社のマーク」「キユーピーマヨネーズのマーク」「マヨネーズに使われているマーク」という、キューピーと関連がある回答の合計の割合は、他の回答との重複を除いても少なくとも69.1%にも及んだ。
問2に対しては、「マヨネーズ」「ドレッシング」「パスタソース」「ベビーフード」「介護食」という請求人の取扱に係る商品の回答の合計の割合は、他の回答との重複を除いても少なくとも60.7%であった。
このように、本件商標と同一態様の登録第4948210号商標についての上記アンケート調査結果からも、一般需要者の多くは、本件商標から「キューピー(人形)」及び請求人の取扱に係る商品又は請求人を思い浮かべるといい得るものである。
以上に述べたことにより、本件商標からは、「キューピー」の称呼及び「キューピー」の観念が生じるものである。
イ 引用各商標の称呼及び観念について
引用商標1は、甲第2号証のとおり、上段に「キユーピー」の片仮名文字を横書きし、中段に頭頂部と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児の人形を模した図形を有し、下段には「KEWPIE」の欧文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字及び図形に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じるものである。
引用商標2は、甲第3号証のとおり、上段に「キユーピー」の片仮名文字及び「KEWPIE」の欧文字を二股に横書きし、下段に頭頂部と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児の人形を模した図形を有してなるものであるから、その構成文字及び図形に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じるものである。
引用商標3は、甲第4号証のとおり、上段に「KEWPIE」の欧文字及び「キユーピー」の片仮名文字を二段に横書きし、下段に頭頂部と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児の人形を模した図形を有してなるものであるから、その構成文字及び図形に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じるものである。
引用商標4は、甲第5号証のとおり、上段に頭頂部と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児の人形を模した図形を有し、下段に「KEWPIE」の欧文字及び「キユーピー」の片仮名文字を二段に横書きしてなるものであるから、その構成文字及び図形に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じるものである。
引用商標5ないし9は、甲第6号証ないし甲第10号証のとおり、「キユーピー」の片仮名文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じるものである。
引用商標10は、甲第11号証のとおり、「KEWPIE」の欧文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じるものである。
引用商標11ないし14は、甲第12号証ないし甲第15号証のとおり、頭頂部と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児の人形を模した図形からなるものであるから、その図形に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じるものである。
引用商標15ないし17は、甲第16号証ないし甲第18号証のとおり、頭頂部と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児の人形を模した立体的形状からなるものであるから、その立体的形状に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じるものである。
以上のように、引用商標1ないし17のいずれからも、「キューピー」の称呼及び「キューピー」の観念が生じるものである。
ウ まとめ
上述のとおり、本件商標からは「キューピー」の称呼及び「キューピー」の観念が生じる。また、引用各商標のいずれからも、「キューピー」の称呼及び「キューピー」の観念が生じる。これらのことから、本件商標と引用各商標は、互いにその称呼及び観念を同一とする類似商標であるといえる。
さらに、本件商標は、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。
したがって、本件商標がその指定商品に使用されると、取引者又は需要者において引用各商標との間で出所の混同を生じることは明らかである(甲19、甲20)。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し登録を受けることができない商標であり、商標法第46条第1項により無効とされるべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
ア 本件商標と引用商標との類似性について
本件商標は、頭頂部の髪と思しき部分が尖り、パッチリとした大きな目をした幼児の頭部を描いた図形であり、これより「キューピー」の称呼・観念を生ずる。
引用商標18は、甲第25号証のとおり、頭頂部と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児の人形(いわゆる「キューピー人形」)を模した図形からなるものであり、ここから「キューピー」の称呼・観念を生ずるものである。
引用商標19は、甲第26号証のとおり、「キユーピー」の片仮名文字を横書きしてなるものであり、「キューピー」の称呼・観念を生ずるものである。
したがって、キューピー人形の顔(頭部)の図形よりなる本件商標と引用商標18及び引用商標19とは、「キューピー」の同一の称呼・観念を有する類似の商標である。
イ 引用商標18及び引用商標19の著名性について
請求人「キユーピー株式会社」は、大正8年(1919年)に設立された会社であり、大正14年に我が国初の国産マヨネーズの製造を開始し、「キューピー」の文字及び「キューピー人形」よりなる商標を付して発売してより今日に至るまで、商標の書体、態様に多少の変更を加えつつも、一貫してこの商標を使用し続けてきたものである(甲27)。
そして、戦後の国民の食生活の変化に伴い、洋食に合うマヨネーズが爆発的に売れるようになったことにより、「キユーピー」「キューピー人形」の商標は、日本全国津々浦々にまで知れ渡るに至ったものである。
請求人は、「キユーピー」「キューピー人形」の商標を付したマヨネーズが全国的なシェアを持つに至ったことから、昭和32年に社名を「キユーピー株式会社」に変更し、以来、今日までその社名を使用し続けてきたものである。
請求人の多種にわたる商品が全国的規模で売れたことから、本件商標出願前には、「キューピー」といえば、直ちにマヨネーズをはじめとする請求人の商品あるいは請求人を指称するほどに広く知られるに至ったものである。
そして、請求人の取扱商品は多種にわたり、例えば、下記商品の日本国内における請求人の年度別シェア及び順位は、次のとおりともに高いものである(甲28)。
ソース類缶詰の販売集中度(販売量シェア)
(平成11年度)21.3%第1位、(平成12年度)20.0%第1位、
(平成13年度)20.5%第1位、(平成14年度)21.1%第1位、
(平成15年度)18.0%第1位、(平成16年度)19.1%第1位
マヨネーズ類(液状ドレッシング類を除く)の生産集中度(生産量シェア)
(平成11年度)59.7%第1位、(平成12年度)59.4%第1位、
(平成13年度)59.0%第1位、(平成14年度)58.4%第1位、
(平成15年度)58.6%第1位、(平成16年度)56.6%第1位
マヨネーズ類(液状ドレッシング類を除く)の販売集中度(販売金額シェア)
(平成14年度)71.8%第1位、(平成15年度)72.9%第1位、
(平成16年度)71.1%第1位
液状ドレッシングの生産集中度(生産量シェア)
(平成11年度)50.9%第1位、(平成12年度)52.0%第1位、
(平成13年度)53.5%第1位、(平成14年度)53.3%第1位、
(平成15年度)52.5%第1位、(平成16年度)51.9%第1位
液状ドレッシングの販売集中度(販売金額シェア)
(平成14年度)42.3%第1位、(平成15年度)41.2%第1位、
(平成16年度)42.7%第1位
レトルトパスタソース類の販売集中度(販売金額シェア)
(平成15年度)22.9%第2位、(平成16年度)25.0%第2位
レトルトスープ類の販売集中度(販売金額シェア)
(平成15年度)9.1%第3位、(平成16年度)9.0%第3位
ベビーフードの販売集中度(販売金額シェア)
(平成11年度)19.0%第2位、(平成12年度)21.4%第2位、
(平成13年度)21.2%第2位、(平成14年度)21.6%第2位、
(平成15年度)23.0%第2位、(平成16年度)23.7%第2位
また、「キユーピー」は、食品関連商品についてのみならず、商品分野を限定しない企業全般を対象とした第三者によるアンケート調査において、第1位(3回)、第2位(1回)、第4位(1回)と非常に高い評価結果を得ており、このことは、上記事実を裏付けるものでもある。
したがって、「キユーピー」は、企業ブランドとしても需要者から極めて高い評価を得ているものであり、食品分野の枠を超えた著名性を獲得しているものである。
しかして、引用商標18及び引用商標19は、需用者の間に広く認識されている著名な商標であって、他人が使用することにより混同を生ずるおそれがあるものとして、防護標章の登録が認められているものである。
そして、防護標章登録の事実からみても、引用商標18及び引用商標19は、本件商標の登録出願日(平成16年8月30日)以前から現在に至るまで著名な商標であるといわなければならないものである。
さらに、引用商標18及びこれと「KEWPIE」の欧文字からなる商標は、「FAMOUS TRADEMARKS IN JAPAN」に日本の著名商標として掲載されており、この事実は、引用商標18が非常に商い著名性を有することを裏付けるものである(甲45、甲46)。
ウ 「キューピー人形」よりなる商標の外観上の多様性
請求人は、それぞれ外観が異なる多種多様な下記「キューピー人形」よりなる商標を所有し、これらの登録商標は、請求人により指定商品について使用され、取引者・需用者に知られているものである。
すなわち、請求人は、著名商標である引用商標18及び引用商標19の使用を中心とし、自らの所有に係る外観が異なる多種多様なキューピー人形からなる登録商標を本件商標の出願日前から使用しているところである。
エ 請求人が「キューピー人形」の頭部のみの商標を使用していることについて
請求人は、「キューピー人形」の頭部のみの態様の商標を本件商標の出願日前から使用してきているものである(甲59ないし70(枝番を含む。))。
オ 本件商標の指定商品と、販売店舗・売り場を同じくする商品について、請求人が引用商標18及び引用商標19と同一態様の商標を使用していることについて
(ア)請求人は、本件商標の出願日前から現在に到るまで、継続して引用商標18及び引用商標19と同じ態様の商標を商品「ベビーフード(乳児用食品)」について使用している。
請求人は、本件商標の出願日前の2004年7月や登録前の2005年1月の時点において、それぞれ甲第71号証及び甲第72号証のとおりの多種多様な乳児用の飲料及び食品を販売してきており、これらの全ての商品には引用商標18及び/又は引用商標19と同じ態様の商標が使用されている。
一方、本件商標の指定商品には商品「乳母車」が含まれており、この商品が百貨店等のベビー用品売り場や「赤ちゃん本舗」や「トイザらス(ベビーザらス)」等の幼児・子供用品専門店で販売されていることは明らかである(甲77、甲78)。
なお、本件商標の出願年である平成16年度のベビーフード商品の市場規模は327億円以上あり、そのような大規模な市場の中において、請求人は平成13年度から平成18年度までシェア第2位を維持している(甲79)。
そうすると、請求人の著名商標である引用商標18及び引用商標19と同一の称呼・観念を生じる本件商標が付された商品「乳母車」が、請求人のベビーフード商品と同一の店舗・同一売り場にて販売されることは充分に考えられる。
上記のような取引の実情を踏まえると、本件商標をその指定商品「乳母車」について使用した場合には、引用商標18及び引用商標19との間で出所の混同が生じるおそれは極めて高いといわざるを得ない。
(イ)請求人は、本件商標の出願日前から現在に到るまで、継続して引用商標19と同じ態様の商標を商品「介護食」について使用している。
請求人は、本件商標の出願日前の2004年7月の時点において、甲第80号証のとおり、「やさしい献立」シリーズで高齢や病気・怪我により食べる力の衰えた方がいつまでも楽しく食事をとれるよう、「おいしさ」「栄養」「食べやすさ」に配慮した商品を、いわゆる「介護食」として販売しており、これらの全ての商品に引用商標19と同じ態様の商標が使用されている。
一方、本件商標の指定商品には商品「車いす」が含まれており、この商品は百貨店やスーパーマーケットにおいては介護・健康用品売り場で販売されるのが一般的である。例えば、甲第81号証においては、前述の「あんしんサポートショップ」での取扱商品として「介護食」とともに「車いす」が列記されており、甲第83号証においては、前述の「ヘルスケアショップ」で「車いす」を購入したとの記述がある。
すなわち、被請求人の本件商標が付された商品「車いす」と請求人の引用商標19と同じ態様の商標が付された商品「介護食」が同一店舗・同一売り場にて販売されることは、充分にあり得ることである。
なお、本件商標の出願年である平成16(2004)年度の介護食の市場規模は34億円以上(治療食を含めれば200億円以上)あり、そのような大規模な市場の中において、請求人は平成16年度から平成18年度まで圧倒的なシェア第1位を維持している(甲87)。
このような取引の実情を踏まえると、本件商標をその指定商品「車いす」について使用した場合には、引用商標19との間で出所の混同が生じるおそれは極めて高いといわざるを得ない。
カ 本件商標が請求人との関連を想起させることついて
前述のとおり、甲第21号証のアンケート調査では、問1に対して61.6%もの回答者が「キューピー(人形)」と回答し、問2に対しては「マヨネーズ」との回答の割合が65.9%にものぼった。
甲第24号証のアンケート調査では、間1に対して「キューピー(人形)」との回答の割合が73.5%であり、問2に対しては「マヨネーズ」とする回答が72.7%と高い割合を示した。
上記の両アンケート調査における問1は本件商標を見た場合に「何の絵」であると思うかを問うものであり、問2は本件商標を見た場合に思い浮かべる「商品」について問うものである。
すなわち、上記のアンケート調査からは、本件商標を絵として見た場合には「キューピー(人形)の絵」と認識し、本件商標を商品との関連で見た場合には「マヨネーズ」を想起する取引者又は需用者が非常に多いことがわかる。そして、商品「マヨネーズ」について「キューピー(人形)」のマークを使用している者が請求人以外にないことを考えると、上記のアンケート調査の結果から、本件商標を見た需要者の多くは請求人を想起することは容易に推測できる。
このような状況においては、本件商標がその指定商品に使用された場合には、当該商品が請求人の業務に係る商品であるか、或いは請求人と経済的又は組織的に何らかの関連がある者の業務に係る商品であるかのような混同を需要者に与える可能性は非常に高いといわざるを得ないものである。
キ 本件商標をその指定商品について使用した場合の混同のおそれについて
(ア)本件商標と引用商標18及び引用商標19とは、「キューピー」の同一の称呼・観念を有する類似の商標であること。
(イ)引用商標18は、本件商標の指定商品をはじめとする全ての商品・役務について他人が使用した場合、混同を生じさせるおそれがある極めて著名なものであり、同じく引用商標19は、本件商標の指定商品をはじめとする多くの分野の商品・役務について他人が使用した場合、混同を生じさせるおそれがある著名なものであること。
(ウ)請求人は、引用商標18及び引用商標19の使用を中心に、外観が異なる多種多様なキューピー人形よりなる商標をその取扱に係る商品について使用していること。
(エ)請求人は、キューピー人形の図形の顔部分のみからなる商標を大々的に使用していること。
(オ)請求人は、本件商標の指定商品と同一の店舗・売り場で販売される商品について、引用商標18及び引用商標19を本件商標の出願日前から継続して使用していること。
上記(ア)ないし(オ)の事実から、被請求人が、引用商標18及び19と称呼・観念を同じくする本件商標を、その指定商品について使用する場合には、その商品が請求人若しくは請求人の関連会社の業務に係る商品であるかの如く混同を生じることは明らかである。
以上述べたとおり、本件商標は、請求人若しくは請求人の関連会社の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標であり、商標法第4条第1項第15号に該当し登録を受けることができない商標である。
したがって、本件商標は商標法第46条第1項により無効とされるべきである。
(3)よって、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

第4 被請求人の答弁
1 答弁の趣旨
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第72号証(枝番を含む。)を提出している。
2 答弁の理由
(1)結合商標における類否の判断
商標に識別力を有しない部分がある場合、商標の類否を判断するにあたっては、識別力を有しない部分を除外し、識別力を有する部分のみを比較しなければならない(大阪地方裁判所平成20年7月10日判決青丹よし事件、知的財産高等裁判所平成20年5月29日判決ルネサンス事件)。
さらに、最判平成20年9月8日判時2021号92頁(つつみのおひなっこや事件)は、次のように判断する。
「複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである。」
したがって、結合商標類否判断においても、識別力を有しない部分は除外して比較しなければならない。
(2)図形商標から生じる称呼及び観念の類否の判断
図形商標においては、図形から生じる称呼及び観念には普通名称というべき汎用的・一般的な称呼及び観念からブランド名ともいうべき特定の称呼及び観念まで、階層的な称呼及び観念が生じ得る。後願の図形商標における図形自体が既登録商標の図形と同一または類似の印象を与える場合は別として、両者が異なる印象を与える場合には、商標の類否を判断するにあたって、大雑把で汎用的な称呼及び観念が同一であるかどうかではなく、異なる称呼及び観念またはより図形に則した称呼及び観念が生じるかどうかを検討すべきである。そうでなければ、特徴のある図形商標であっても、既登録の商標とモチーフを同じくするという理由のみによって同一の称呼及び観念が生じ、商標登録が拒絶されることになる。その結果として、当該「図形」ではなく、モチーフの独占を許すことになり、既登録商標について実質的に生じる独占的権利の範囲が広汎に亘るという不都合な結果となるからである。
この点、審決(乙1ないし乙10)では、後願の図形商標における図形自体が既登録商標の図形と異なる印象を与える場合には、商標の類否を判断するにあたって、大雑把で汎用的な称呼及び観念が同一であることを理由として後願の商標登録を拒絶する扱いは行われていない。大雑把で汎用的な称呼及び観念が同一であることを理由として登録を拒絶する扱いを避ける手法として、(a)称呼及び観念を検討することなく図形自体の同一性及び類似性のみで判断する手法、(b)図形から特定の称呼及び観念が生じることを否定する手法、(c)図形から生じる称呼及び観念をより特定する手法があり得る。いずれの手法を採用するにせよ、図形から生じる称呼及び観念の限定は必要である。
したがって、図形商標においては、汎用的・一般的な称呼及び観念が生じる場合であっても、汎用的・一般的な称呼の段階において称呼及び観念の類否を判断すべきではなく、図形に則してより特定された称呼及び観念が生じるかどうかを検討し、その称呼及び観念の類否を判断すべきである。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 「キューピー」の称呼及び観念の本来的意味
「キューピー」は、米国の女流画家ローズ・オニールが創作した作品である(乙11、乙12、乙14ないし乙20)。ローズ・オニールは、雑誌などの挿絵画家として活躍していたが(乙11ないし乙13)、1909年、キューピーのイラストを雑誌に掲載して発表した(乙14)。また、ローズ・オニールは、キューピーのイラストを立体化した人形を創作し、1912年に発行した(乙18ないし乙20)。
「キューピー」は、本来、ローズ・オニールの創作したイラスト及び人形のキャラクターを指すものであり、辞典類にも次のように掲載されている。広辞苑第6版(乙22)においては、「オニールのキューピッドの絵を模したセルロイド製のおもちや。頭の先がとがり、目の大きい裸体の人形。1910年代にアメリカで発売。商標名。」と記載され、キューピーがローズ・オニールの作品であることが明記されている。なお、キューピーの商標登録を行っているのは請求人だけとは限らず、請求人の商標であるとは記載されていない。また、コンサイスカタカナ語辞典(乙23)、広辞林(乙24)、角川小辞典26外来語の語源(乙25)においては、ローズ・オニールの作品をオリジナルとすることが明記されている。また、新言海(乙21)においては、「キューピッドを滑稽化した子供の裸体姿の人形」の総称とされている。
イ 請求人の商号及び引用商標の由来
ローズ・オニールの創作したキューピーは、大正時代に日本に伝わり、米国のみならず、日本においても「キューピー・クレーズ」(キューピー狂時代)と呼ばれるほど大流行した(乙11、乙12、乙59ないし乙61)。
そこで、多数の者が、流行に便乗し、「キューピー」キャラクターを模倣し、「キューピー」の名称を商標として登録した(乙26ないし乙44)。さらに、旧日本興行銀行、旧和光証券、牛乳石鹸共進社など大手企業も、ローズ・オニールの著作権が存続しているにもかかわらず、無断で「キューピー」を利用していた(乙45)。
同様に、請求人も、キューピーのブームに便乗し、大正8年(1919年)に著作権者に何等の断りなく「キューピー」を商標として出願してしまった(乙46、乙47)。
請求人は、その後、ローズ・オニールの著作権存続期間中であったにもかかわらず、次々にキューピーに関係する商標を出願し、登録している。引用商標もそのような経緯で出願し、登録されたものである。
ウ 本件商標の由来
本件商標の図形は、米国人画家ローズ・オニールの多数のキューピーイラストのうちのひとつをモチーフにしたものである(乙48、乙49)。被請求人は、以下の経緯によって、ローズ・オニールのイラストをモチーフとした図形商標を登録した。
ローズ・オニールの死後、ローズ・オニールの創作したキューピーの著作権は、ローズ・オニールの遺産の管理を目的とする米国ミズーリ州法人であるローズ・オニール遺産財団(法定代理人デビッド・オニール)に承継された(乙50、乙51)。
被請求人は、キューピーをはじめとする日本のおもちゃの収集家であり、1988年(昭和63年)、京都において、収集したおもちゃを集めた「想い出博物館」を開館した。被請求人は、1994年、米国のローズ・オニールとその作品の研究者や愛好家で構成される団体であるインターナショナル・ローズ・オニール・クラブ・ファンデーション(略称IROCF)が毎年米国で開催するキューピーエスタに参加し、ローズ・オニールのキューピー作品の全貌を知り、ローズ・オニールが創作した「キューピー」の素晴らしさを広めたいと考えた。
そこで、被請求人は、1995年から、キューピーの著作権の所在について調査を開始した。3年に及ぶ調査の結果、ローズ・オニールの著作権は米国では保護期間を経過しているが、調査当時の日本では保護期間が存続していること、その著作権はローズ・オニール遺産財団によって処分されないままになっていることが判明した(乙56)。
同時期に、被請求人は、1993年、日本キューピークラブを立ち上げ、1994年、IROCFから、日本キューピークラブは、初の国際支部として認定された(乙52、乙53)。
被請求人は、1996年、現在代表取締役を務める株式会社ローズオニールキューピー・インターナショナルの前身である、ローズオニールキューピージャパンとして、出版活動(「キューピー物語」の出版)やライセンス活動を開始した。また、京都の「想い出博物館」のほか、神戸及び大阪に直営店を開店した(乙53)。
ローズ・オニール遺産財団は、ローズ・オニールの正当なキューピーを日本に広めたいという被請求人の熱意に応え、1998年5月1日、ローズ・オニールが創作した全てのキューピー作品に対する日本における著作権を被請求人に譲渡した(乙54)。被請求人は、このような経緯によって、キューピーの日本における著作権を取得し、本件商標をはじめとする他の商標において、ローズ・オニールのイラストをモチーフとした商標を登録している(乙55)。
エ 引用各商標の称呼及び観念
(ア)引用商標(図形商標)から生じる称呼及び観念
ローズ・オニールが発表したキューピー作品に登場するキューピーには、複数のキャラクターが存在する(リーダーでトップノットに「K」と描かれた旗を付けているキューピー村の村長さんであるワグ、エプロンをしてみんなにごちそうを作るクック、大工のカーペンター、鉄砲を持っているアーミー、マフラーをしているボイス、麦わら帽子をかぶっているファーマーないしガーデナー、日よけ帽をかぶっているボンネット、浮き輪を身につけているライフガード、めがねをして調べものをしているプロフェッサーなど)。また、個々のキューピー・キャラクターの表情、姿態、ポーズも様々である(乙14ないし乙17)。
ローズ・オニールは、キューピーを物語つきのイラストとして発表した後、キューピー・キャラクターを立体化したキューピー人形を創作した(乙18ないし乙20)。キューピー人形は、キューピーのイラストを立体化したものであり、人形の表情、姿態、ポーズも様々である。したがって、「キューピー」は、さまざまな表情、姿態、ポーズで登場するキャラクターであるが、いかなるキューピーであるか問わず、そのすべてが「キューピー」と称される。
これに対し、請求人が登録している図形商標は、キューピーを想起させる図形の中でも、全身をモチーフとして正面を向き直立したポーズをとっている請求人オリジナルの特定の図形である。したがって、商標権が発生するのは、数あるキューピー・キャラクターないしキューピー人形のなかで、同社が登録した請求人オリジナルのイラストに対してのみである。したがって、称呼及び観念についても、ローズ・オニールの創作したすべてのイラストや人形及びローズ・オニール創作にかかるもの以外のイラストや人形を称する一般的な称呼及び観念である「キューピー」の称呼及び観念が生じると解することはできず、外観の図形に則した称呼及び観念に制限されるというべきである。
したがって、引用商標(図形商標)から生じる称呼及び概念は、ローズ・オニールの創作したキャラクターまたはこれに類似するキャラクターや人形一般を指す称呼及び観念である「キューピー」ではなく、請求人独自のキューピー図形に相応した称呼及び観念に限定されなければならない。そこで、請求人の図形に即応した称呼及び観念を特定するとすれば、「正面向き直立のキューピー」ということになる。または「キューピー・マヨネーズのキューピー」との称呼及び観念も生じ得る。
そのように理解しない場合、請求人は、数あるキューピーのイラストを模倣した独自の1イラストを商標登録したことによって、実質的に、オリジナルを含む「キューピー」をモチーフとするすべてのイラスト、及び称呼・観念に商標権の効力を及ぼすことができ、商標権の及ぶ範囲があまりに広範に過ぎる。
(イ)引用商標(文字商標)から生じる称呼及び観念の識別力
出所識別力のない部分は、いかに似ようとも商品の出所を誤認混同するおそれを生じさせることはないのであるから、その部分は商標の類否判断から除いて判断されなければならない。
ところで、「キューピー」または「KEWPIE」は、請求人とのみ結びついて、請求人の商品または役務の出所を示すものではなく、ローズ・オニールの創作したキャラクター及びそれに類似のキャラクターを指す一般名称である。
したがって、請求人の引用商標(文字商標)のうち「キューピー」の称呼及び観念に識別力はなく、引用商標(文字商標)の要部となるのは、文字の外観だけである。
(ウ)引用商標(結合商標)から生じる称呼及び観念
引用商標のうち結合商標は、請求人独自の図形とキューピーないしKEWPIEの文字から成る商標である。
すでに述べたとおり、結合商標の図形は、請求人オリジナルのイラストであって、これに即応した称呼及び観念が生じる。すなわち、「正面向き直立のキューピー」または「キューピー・マヨネーズのキューピー」との称呼及び観念が生じ得る。また、結合商標の文字は、請求人の商品または役務を示すものとしての出所識別力がない。
したがって、結合商標において出所識別力があるのは、請求人オリジナルのイラストとそれに対応する「正面向き直立のキューピー」または「キューピー・マヨネーズのキューピー」との称呼及び観念のみである。
オ 本件商標に生じる称呼及び観念
本件商標は、図形のみを構成要素とし、そもそも何ら文字が含まれていない。したがって、本件商標の図形のみでは、ただちに一義的な称呼及び観念が生じるとはいえない。しかし、敢えて本件商標から称呼及び観念が生じるとすれば、「顔のキューピー」または「ローズオニールキューピー」との称呼及び観念が生じる。そもそもキューピーが特徴を有するキャラクターに共通する称呼及び観念であることを考慮すれば、本件商標についても、端的にキューピーの称呼及びキューピー人形の観念が生じるということはできない。本件商標のモチーフである図形が顔のみであることから、本件商標からは「顔のキューピー」との称呼及び観念が生じるというべきである。また、被請求人は、「キューピー」ではなく「ROSE O’NEILL KEWPIE(ローズオニールキューピー)」の称呼を生じる文字商標を出願し、商標登録を受けている。被請求人は、その他にもキューピー・キャラクターをモチーフとする図形やローズ・オニールの文字等、多数の商標登録を有する(乙55)。さらに、「ローズオニールキューピー」は、人気キャラクターとしての地位を確保している(乙62)。したがって、本件商標からは、請求人が、本件商標とともに適宜、頻繁に使用している「ローズオニール・キューピー」の称呼及び観念も生じ得る。
混同を生じるおそれ
上述のとおり、本件商標は、図形のみを構成要素とし、そもそも何ら文字が含まれていない。敢えて称呼及び観念が生じるとするならば、「顔のキューピー」または「ローズオニールキューピー」との称呼及び観念が生じる。
これに対し、引用商標は、図形のみを構成要素とするもの、文字のみを構成要素とするもの、図形と文字とを構成要素とする結合商標がある。上記に述べたところにより、引用商標において識別力があるのは、その独自の図形のみであり、独自の図形からは、「正面向き直立のキューピー」または「キューピー・マヨネーズ」のキューピーとの称呼が生じる。
万が一、引用商標から「キューピー」の称呼及び観念が生じるとしても、本件商標と引用商標とは、外観においてまったく異なること、及び本件商標からは、外観に則した「顔のキューピー」または「ローズオニールキューピー」との称呼及び観念が生じるから、両者は類似の商標ではなく、出所混同のおそれはない。
さらに、商標の類否は、外観、称呼、観念等によって判断されるが、商標の外観、称呼または観念の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、その具体的な取引の実情により商品の出所を誤認混同するおそれを認めがたい商標については、類似性が否定される。
現在、被請求人は、定番商品として、キャラクターグッズを販売しているほか、「キュージョン」、「ご当地ローズオニールキューピー」がヒット商品となっている(乙53)。被請求人は、現に、本件商標を本件商標の指定商品「乳母車」に使用している(乙57、乙58)。
このようにして、本件商標を用いた商品は、被請求人が代表取締役を務める株式会社ローズオニールキューピー・インターナショナルの商品であることが需要者や消費者に認識され、本件商標は株式会社ローズオニールキューピー・インターナショナルの出所を表示するものとして識別力を獲得している。
他方、請求人は、引用商標と同一の標章をマヨネーズをはじめとする調味料類には用いているが、引用商標の指定商品には用いていない。したがって、需要者及び取引者において、被請求人の商品と請求人の商品との間に、出所の混同が生じるおそれもない。
キ 請求人の主張の誤り
請求人は、「『キューピー』及び『キューピー』人形を商標としてマヨネーズ等の商品に使用し盛大に宣伝広告した結果、これらの商標は全国的に著名となった。現在では、『キューピー』人形は、頭頂部が尖った目のパッチリと大きい裸体の幼児の人形として我が国において広く認識されるに至っている。上記のとおり、『キューピー』の人形は我が国で周知性を獲得していること、及び、本件商標の図形はそのような周知なキューピー人形とその特徴を共通にすることから、本件商標に接する取引者又は需要者は、本件商標に係る図形を『キューピー』と認識することは明らかである。したがって、本件商標からは『キューピー』の称呼を生じるとともに、頭の先の髪と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児又はその人形である『キューピー』の観念を生じるものである。」と主張する(9頁)。
しかし、上記議論は、キューピー人形の周知性をもって、請求人の登録商標の周知性にすり替え、あたかも請求人のみが「キューピー」の称呼及び観念を単独で独占していることを前提とした議論であり、それ自体誤りである。請求人は、「キューピー」の称呼及び観念が本来的に意味するところの一片を、引用商標の範囲において独占しているにすぎない。
現在では、我が国において、ローズ・オニールのキューピー作品に対する著作権の保護期間は消滅し、キューピー作品はパブリック・ドメインとなった。そのため、これまでにも増して、多数の者がローズ・オニールの創作した「キューピー」のキャラクターと「キューピー」の名称を利用して、独自の商品を販売するようになっている(乙45)。
このような経緯から明らかなように、「キューピー」とは、請求人とのみ結びつくものではなく、共通の形状を有するイラストや図形を示す称呼及び観念である。あたかも単独で「キューピー」の称呼及び観念を独占しているかのような事実を前提とする請求人の主張は、真実に反し、説得力はない。
ク アンケート調査(甲21)分析の不当性
本件商標は、ローズ・オニールの創作したキューピー・キャラクターをモチーフにした図形商標である。請求人は、アンケート調査結果問1のように、本件商標の図形を見せて「キューピー」を想起したとする回答が全体で61.6%に及ぶという。しかし、これはローズ・オニールの創作したオリジナルのキューピーをトレースしたイラストを示しているのであるから、回答者が「キューピー」を想起することは当然である。
むしろ、問1において着目される結果は、本件商標を示して、「キューピー」と回答した者が61.6%であるのに対して、「キユーピーマヨネーズのマーク」と回答した者が5.8%、「キユーピー株式会社のマーク」と回答した者は2.1%に止まり、同社の引用商標を含め同社のイメージと混同している者はほぼ皆無であるという事実である。すなわち、このアンケート結果は、本件商標が商品に使用された場合に、商品の出所について誤認・混同を生じるおそれがないとの事実を示している。
また、問2では、回答者の65.9%が、本件商標を見て思い浮かべる商品について「マヨネーズ」と回答したとされている。しかし、この回答結果は誘導によって得られたものであり、信用性はない。すなわち、アンケートでは、問1回答後、問2を回答する形式となっている。問1で「キューピー」と回答した者は、思い浮かべる商品を問われた場合、本件商標に用いられているイラストではなく、自身の回答から「キューピーマヨネーズ」という商品を連想してしまったにすぎない。
さらに、請求人は、重複回答の結果の分析(甲22、甲23)に関して、「問1で『キューピー(人形)』と回答した対象者が複数回答したものは、最も多いものでも『赤ちゃん、子供』であるが、その割合は『キューピー(人形)』と回答した対象者の5.7%にすぎない」と主張する。しかし、「キユーピー株式会社のマーク」と重複回答した者は、0.3%にすぎず、「キューピーマヨネーズのマーク」と重複回答した者は、0%であるから、実際上、本件商標と引用商標との誤認混同は生じていない。
さらに、請求人は、「『キューピー』と関連がある回答の合計の割合は、他の回答との重複を除いても少なくとも63.4%にも及んだ。」と主張する。しかし、これは、「キューピー」という回答をした者の割合55.0パーセントをも含めた数値であり、これを除外すると、真実、請求人と関連があると回答した者は1割にも満たない。
また、問2に関する重複質問の分析に関しては、そもそも問2自体、「キューピー・マヨネーズ」と回答させるように誘導されたものであるから、回答に客観性がない。
したがって、アンケート結果は、本件商標を商品に使用された場合に、商品の出所について誤認・混同を生じるという原告の主張の根拠にはならない。
甲24号証のアンケート結果に関する主張においても、上記に反論したところと同様である。
ケ 結論
以上より、本件商標と引用各商標との間に同一性または類似性は認められないから、本件商標は商標法4条1項11号に抵触しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 被請求人の主張の要約
混同を生ずるおそれの判断基準>
判例(最判平成12年7月11日民集54巻6号1848頁)は、商標法第4条第1項第15号の「混同を生ずるおそれ」に関して以下のように述べる。
「『混同を生ずるおそれ』の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきである。」
したがって、混同を生ずるおそれは、(a)当該商標と他人の表示との類似性の程度、(b)他人の表示の周知著名性及び独創性の程度、(c)当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途または目的における関連性の程度ならびに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情、などに照らし総合的に判断しなければならない。
イ 商標の類似性の程度
すでに述べたとおり、引用商標において識別力が認められるのは、引用商標の図形商標における外観に限られるため、この部分が引用各商標の要部となる。本件商標の外観と引用商標の外観は全く異なるのだから、本件商標と引用商標は類似性がない。
ウ 周知著名性及び独創性の程度
引用商標は、請求人がキューピー人形を独自に図案化した標章をマヨネーズなどの調味料に使用したため、当該標章の図案の範囲においてマヨネーズなどの調味料の出所を示す「キューピー・マヨネーズ」の商標として著名性が認められているにすぎない。したがって、引用商標に著名性が認められるにしても、その図案が「マヨネーズ」などの調味料ないしせいぜい食品類に使用される範囲において、著名と認められるにすぎない。
すなわち、請求人が、ローズ・オニールの創作したキューピーならびにこれを起源とするキューピーの形状を有するキャラクター及び人形を示す「キューピー」の外観、称呼及び観念全体を独占している事実はない。かつ、請求人の引用各商標が、マヨネーズなどの調味料や食品以外の商品と結びついて著名になっている事実もない。
また、引用商標は、請求人がローズ・オニールの創作したキューピー人形を基に独自に図案化しまたはキャラクターの名称に由来するものであるから、独創性がないことも明らかである(乙12)。
エ 取引の実情
引用商標18及び19は、共に、指定商品は「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」である。一方、本件商標の指定商品・指定役務には、「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」だけでなく、食品類すら含まれていない。このように、引用商標18及び19の指定商品は食品類の一部である調味料等であるのに対し、本件商標の指定商品・指定役務には食品類は全く含まれていないのであるから、引用商標18及び19と本件商標の指定商品・役務間には、関連性が全くないことは明らかである。
また、請求人は本件商標の指定商品に引用商標を使用していない。一方、被請求人は、本件商標を指定商品には用いている(乙57、乙58)。
したがって、引用商標18及び19に接する取引者・需要者と、本件商標に接する取引者・需要者との共通性は全くない。
オ 防護商標に関して
被請求人は、防護標章と同一の商標を用いているわけではないから、これをもって本件商標との間で混同が生じるとの請求人の主張は成り立たない。
そもそも、防護標章は、登録防護標章の指定商品または指定役務について登録防護標章と同一の商標を使用する行為が登録商標権を侵害するものとみなす制度にすぎず(商標法第67条)、登録防護標章の指定商品または指定役務についてまで、当該標章が著名であることを根拠づけるものではない。
カ 「キューピー人形」の頭部のみの商標の使用
「キューピー人形」の頭部のみの商標(以下「キューピー・マヨネーズの頭部商標」という。)と、本件商標とは、前者の輪郭線が単調であるのに対して、後者の輪郭線は強弱があること、顔の向きが異なること、目の形状や瞳の位置が異なることから、外観においてまったく異なる印象を与えるものであって、誤認混同のおそれはない。
さらに、請求人は、引用商標18及び引用商標19と同一態様の商標を「ベビーフード」、「介護食」に使用していると主張する。しかし、そもそも本件商標とこれら引用商標は類似性を有しないことに加え、引用商標18及び19が調味料ないし食品分野を越えて著名性を有するものではないことから商標法第4条第1項第15号に抵触しない。また、本件商標の指定商品である乳母車は通信販売で販売されているものであること、請求人が主張する「ベビーフード」「介護食」は「乳母車」と類似する商品ではないことから、取引の実情においても、出所混同のおそれはない。
キ 結論
以上より、本件商標と引用商標18及び19に類似性はなく、引用商標18及び19は本件商標の指定商品・役務の分野において周知著名ではない上、本件商標と引用商標18及び19の指定商品・役務の間には関連性は全くないのであるから、本件商標によって引用各商標との間に混同を生じさせるおそれはなく、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)権利濫用その1-不使用取消制度の潜脱行為
商標法は、使用主義を採用せず、登録主義を採用しているが、本来使用しているからこそ保護を受けられ、使用を予定しているものを保護するために例外的に使用をしていなくても商標登録が許されるところ、予定された使用がなくても登録商標に対して排他的独占権を与えておくことは国民一般の利益を侵害し、他の商標使用希望者による使用を排除することになるから、不使用による取消審判制度を定めている(同法第50条第1項)。
しかし、請求人は、使用の意思が存在しないにもかかわらず、商標権者による二重出願に対しては商標法第4条第1項第11号の適用がなく、重複して商標登録が可能であることを悪用し、ほぼ同一の標章でかつほぼ同一の商品または役務を指定した商標出願をほぼ3年毎に繰り返すことによって、たとえ不使用取り消しを受けても、他方で未だ不使用取り消しの要件にかからない商標権を保持し、第三者による当該商標の使用を排除しようとしている。このような請求人による使用の実績も使用の意思も存在しない引用商標は、単に他の商標使用希望者による使用を排除することに目的があり、また国民一般の利益を侵害するものである。
このようにして登録されている商標に基づき無効審判請求を認めることは、不使用による取消制度を骨抜きにし、本来商標法により保護されるべきでない商標を不当に維持するだけに止まらず、登録商標を使用する第三者の正当な利益をも積極的に害するものであって、商標権の濫用として許されない。
請求人の引用商標はいずれも、請求人による使用の実績も存在せず、使用の意思もないことが明らかである。それにも関わらず、請求人が引用商標を出願しているのは、不使用取り消しの潜脱を意図してほぼ3年毎にほぼ同一の商標出願を繰り返していることから、他の商標使用希望者による使用を排除することに目的があることが明らかであり、また、国民一般の利益を犠牲にしている結果を生じていることが明らかである。
このような不使用商標に基づき無効審判請求を認めることは、不使用による取消制度を骨抜きにし、本来商標法により保護されるべきでない商標を不当に維持するだけに止まらず、登録商標を使用する第三者の正当な利益をも積極的に害するものであって、商標権の濫用として許されてはならない。
(6)権利濫用その2-公正な法秩序の阻害
請求人は、ローズ・オニールの創作した「キューピー」の名称やキャラクターの著名性を無償で利用する目的で、キューピーの図柄やキューピーの名称を剽窃して出願しこれを登録した(乙12,46頁)。
本件各引用商標が、日本におけるキューピーの人気に乗じて商標登録されたものであるとの事実は、東京高等裁判所平成15年(行ケ)第103号審決取消請求事件においても、次のように判断されているとおりである(乙27)。
「原告Aの引用商標1及び2は、いずれも大正14年ころから使用され、昭和35年あるいは同41年に出願され、その後登録されたものであり(甲第3,第5,第8号証)、原告Aがその使用を継続してきたことにより、マヨネーズ、ドレッシング、その他の加工食品の分野においては、その取引者、需要者に広く知られた商標となったことは前記のとおりである。しかし、上記のとおり、『キューピー人形』及びその愛称の『キューピー』は、戦前はもちろん、戦後も、日本人に広く知られ、親しまれていたものであり、原告Aが、古くから一般に広く知られ、親しまれているこの『キューピー人形』の人気や普及性に着目し、引用商標1及び2を商標としてマヨネーズ、ドレッシング、その他の加工食品に採択し、その使用を継続してきたものであることは、否定することができない。」
請求人が、このように、著作権に対する調査を怠り、無断使用を継続してきたことに対し、被請求人は、誠実に「キューピー」に対する著作権の所在を調査した。調査の結果、請求人の商標登録時にはもちろん、当時の我が国においては、キューピーの著作権が存続していることが判明したので、著作権者であったローズ・オニール遺産財団から日本におけるキューピーの著作権の譲渡を受け、キューピーのイラストをモチーフとした本件商標をはじめとするキューピーに関連する商標を商標登録した(乙56)。
本件商標に関していえば、著作権存続期間中である平成15年8月20日に出願され、平成16年2月13日に登録されたものである(キューピーの著作権は、平成17年(2005年)5月6日まで存続していた)。
以上の経緯から、知的財産法秩序を無視しキューピーの著名性を利用して商標登録したキユーピー株式会社が、知的財産法秩序を尊重し著作権との抵触を解消して商標登録をした被請求人に対し、商標を無効にするべく、特許庁における無効審判請求を行う行為は、権利の濫用であるといわざるをえない。

第5 当審の判断
1 キューピーの周知性について
当事者の提出した証拠及びその主張によれば、次の事実を認めることができる。
(1)米国人女流画家ローズ・オニールは、明治42年(1909年)12月、米国の雑誌「レディース・ホーム・ジャーナル」誌のクリスマス特集号に、自作の詩とともに可愛く戯れる新しいキャラクターの一群を描いたイラストを発表し、そのキャラクターに、「キューピー(KEWPIE)」という名を付けた(乙11、12、14)。
このキャラクターの際立った特徴は、頭髪と思しきものが主として頭頂部のみにあり、しかもその部分が尖っており、目がパッチリと大きく、背中には天使の翼と思しき一対の小さな羽が生えたふくよかな裸体の姿をしていることであった。
ローズ・オニールは、明治43年(1910年)9月、米国の雑誌「ウーマンズ・ホーム・コンパニオン」誌にてキューピーを主人公とした絵物語の連載を開始したが、キューピーのキャラクターは、明治45年ないし大正元年(1912年)から、その人形の製造が開始されたこともあり、世界各国で高い人気を博するようになった(乙11、12、14ないし18)。
キューピーのキャラクターは、我が国においても、大正2年には人形の製造が開始されて絶大な人気を得るようになり、昭和期に入ってからも、前記キューピーの特徴を備えたキャラクターを題材としたイラストや漫画は、各種の媒体で広く用いられるようになった(乙11、12、14ないし18、52、59ないし61)。
(2)請求人は、大正8年に創業(当時の商号は、食品工業株式会社)し、同14年3月、マヨネーズの販売を開始した。それ以来現在に至るまで、一貫して前記キューピーの特徴を備えたキャラクターをマヨネーズを含む請求人の商品の広告等に使用しており、昭和32年には商号を「キユーピー株式会社」に改めたほか、引用商標を含めて、同様の特徴を備えたキャラクター又は「キューピー」との称呼を有する商標を多数登録している。そして、引用商標は、請求人及びその関連会社によって、一部の指定商品において使用されている(甲27、28、47ないし54、58ないし67)。
そして、請求人の商品は、本件商標の出願日(平成16年8月30日)及び登録査定日(同17年5月13日)当時、マヨネーズを中心とする調味料や加工食品の分野において我が国で高い市場占有率を誇っていたことが窺える(甲28)。
(3)もっとも、我が国では、前記のとおり大正期からキューピーのキャラクターに人気があったことから、請求人のほかにも、その提出された証拠によれば、前記キューピーの特徴を備えたキャラクター又は「キューピー」との称呼を含む商標を登録するなどして、その事業の広告等に使用してきたほか、前記キューピーの特徴を備えたキャラクターは、平成期に入ってからも、人形その他の媒体で被請求人及び請求人以外の者によっても広く用いられているものである。
このように、キューピーのキャラクターは、請求人を含む複数の企業が広告等に使用し続けるなどしてきたため、本件商標の出願日及び登録査定日当時、我が国において周知となっていた。
他方、ローズ・オニールについては、本件商標の出願日及び登録査定日当時、提出された証拠によれば、キューピーの作者として広く知られているとはいえない。
以上のようなキューピーのキャラクターの周知性と、ローズ・オニールの名前が広く知られているとはいえなかったことを併せ考えると、本件の全証拠によっても、本件商標の指定商品及び指定役務の取引分野においても、例えば、商標以外の目印によって出所を識別して取引が行われているとか、あるいは逆に、「キューピー」の外観の微妙な相違により出所を識別して取引が行われているなどの取引の実情を認めるには足りない。
2 本件商標と引用商標の類否について
(1)商標法4条1項11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものである(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁)。
(2)本件商標の外観、称呼及び観念について
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その外観は、頭髪と思しきものが主として頭頂部のみにあり、しかもその部分が尖っており、目がパッチリと大きく、背中には天使の翼と思しき小さな羽が生えたふくよかな幼児の主として頭部を描いた図形であって、その特徴は、前記のとおり我が国において周知となっていたキューピーのキャラクターが備える特徴と符合する。したがって、本件商標に接した取引者及び需要者が本件商標に係る図形を「キューピー」と認識する結果、本件商標からは、「キューピー」の称呼が生ずるとともに、前記の特徴を備えた「キューピー」との観念が生ずることが明らかである。
(3)引用商標1及び引用商標2の外観、称呼及び観念について
引用商標1は、「キューピー」の片仮名文字を横書きにして、その下部に、頭髪と思しきものが頭頂部のみにあり、しかもその部分が尖っており、目がパッチリと大きく、背中には天使の翼と思しき一対の小さな羽のようなものが生えており、全体がふくよかな裸体の幼児の人形の図形を配し、更にその下部に「KEWPIE」の欧文字を横書きにしたものである。また、引用商標2は、引用商標1にあっては下部に配置されていた「KEWPIE」の横書きの欧文字を「キューピー」の横書きの片仮名文字の下部に配したものである。
そして、これらの片仮名文字及び欧文字からは、いずれも「キューピー」の称呼が生ずるほか、人形の図形の外観も、前記のとおり我が国において周知となっていたキューピーのキャラクターが備える特徴と一致しているから、引用商標1及び引用商標2に接した取引者及び需要者において、これらの商標からは「キューピー」との称呼が生ずるとともに、前記特徴を備えた「キューピー」との観念が生ずることが明らかである。
(4)本件商標と引用商標1及び引用商標2との類否について
本件商標と引用商標1及び引用商標2を比較するに、両者は、外観において、キューピーのキャラクターの特徴である頭髪と思しきものが主として頭頂部のみにあり、しかもその部分が尖っており、目がパッチリと大きく、背中には天使の翼と思しき小さな羽が生えたふくよかな幼児の主として頭部を描いた図形である点において共通しているが、頭部の向きやその余の図形部分及び文字部分の有無において異なっており、構成全体としては区別し得る商標である。
しかし、称呼、観念において、本件商標と引用商標1及び引用商標2からは、いずれも、「キューピー」の称呼が生ずるとともに、前記特徴を備えた「キューピー」の観念が生ずるものである。
してみれば、本件商標は、引用商標1及び引用商標2とは、外観上において区別し得る商標であるとしても、両者は、称呼及び観念上において、「キューピー」の称呼及び観念を共通にする、互いに相紛れるおそれのある、類似の商標というべきものである。
(5)本件商標と引用商標1及び引用商標2に係る指定商品の類否について
本件商標に係る指定商品は、第12類「牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,落下傘,乗物用盗難警報器,車いす,船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」である。
これに対し、引用商標1に係る指定商品は、第12類「船舶並びにその部品及び付属品,航空機並びにその部品及び付属品,鉄道車両並びにその部品及び付属品,自動車並びにその部品及び付属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び付属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報機,落下傘」であり、引用商標2に係る指定商品は、第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,落下傘,乗物用盗難警報器,車いす,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び付属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」である。
してみれば、本件商標に係る指定商品は、引用商標1及び引用商標2に係る指定商品とは、取引者、需要者、販売場所及び用途などを共通にする同一又は類似の商品である。
(6)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
3 被請求人の主張について
(1)被請求人は、図形商標の類否判断に当たって、(a)称呼及び観念を検討することなく、図形自体の同一性及び類似性のみで判断する手法、(b)図形から特定の称呼及び観念が生ずることを否定する手法が採用されるべきである旨を主張する。
しかしながら、前記認定のとおり、キューピーのキャラクターは、我が国において大正期以来長年にわたり各種の媒体で使用され、被請求人を含む複数の企業がこれを広告等で広く使用してきた結果、本件商標の出願日及び登録査定日当時、我が国で周知となっていたから、その特徴を備える図形を用いた本件商標、引用商標1及び引用商標2について、「キューピー」との称呼及び観念が生ずることはごく自然であり、類否判断に当たってこの点を等閑視することはできない。
よって、被請求人の上記主張は、採用できない。
(2)被請求人は、図形商標の類否判断に当たっては図形から生じる称呼及び観念をより特定すべきであり、引用商標1及び引用商標2で用いられている人形の図形について、ローズ・オニールらが創作した全てのイラスト及び人形を称する一般的な称呼及び観念である「キューピー」ではなく、「立ち姿のキューピー」又は「キューピー・マヨネーズのキューピー」との称呼及び観念が生ずる一方、本件商標からは、「顔のキューピー」又は「ローズ・オニール・キューピー」との称呼及び観念が生ずるし、現に、訴外会社が本件商標を使用して多数の商品を販売している旨を主張する。
しかしながら、前記認定のとおり、キューピーのキャラクターは、本件商標の出願日及び登録査定日当時、我が国で周知となっていたものの、本件の全証拠によっても、「キューピー」の外観の微妙な相違により出所を識別して取引が行われているなどの取引の実情を認めるには足りず、したがって、上記各引用商標で用いられている人形の図形について、前記の特徴を備えた「キューピー」とはことさらに異なった、特定のキューピーについての観念が生ずるとまでは認め難い。これに加えて、前記認定のとおり、ローズ・オニールが我が国においてキューピーの作者として広く知られているとはいえないこと、及び本件商標に接した極めて多数の者がこれを「キューピー」と回答し、本件商標から連想する商品として、多数の者が請求人の主たる商品であるマヨネーズを挙げていること(甲21ないし甲24)を併せ考えると、訴外会社が本件商標を使用していたとしても、本件商標についても、「顔のキューピー」又は「ローズ・オニール・キューピー」といった特定の称呼及び観念が生ずるとまでは認め難い。
よって、被請求人の上記主張は、採用できない。
(3)権利濫用(不使用取消制度の潜脱行為)について
被請求人は、請求人には引用商標の使用実績も使用意思もないのに、ほぼ同一の標章で、ほぼ同一の商品を指定した商標出願を繰り返すことで、不使用取消制度を潜脱しているから、このような引用商標に基づいて本件商標の無効審判を請求することが商標権の濫用に当たる旨を主張する。
しかしながら、請求人又はその関連会社は、一部とはいえ引用商標をその商品に使用しており(例えば、甲27、28、47ないし54、58ないし67など)、請求人に引用商標の使用意思がないと認めるに足らず、また、商標権者による出願については商標法第4条第1項第11号が適用されないことは、その文理から明らかであるから、請求人が同一又は類似の商標を同一又は類似の商品又は役務について登録しているからといって、直ちに引用商標に基づく無効審判請求が商標権の乱用になるものでもない(知財高裁平成22年(行ケ)第10093号及び平成22年(行ケ)第10103号同年9月15日判決参照)。
(4)権利濫用(公正な法秩序の阻害)
被請求人は、知的財産権法秩序を無視しキューピーの著名性を利用して商標登録を受けた請求人が、同秩序を尊重し著作権との抵触を解消して本件商標の登録を受けた被請求人に対してその無効審判の請求をすることが、権利濫用に当たる旨主張する。
しかしながら、我が国においては、キューピーのキャラクターが大正期以来長年にわたって高い人気を博してきた一方、他方において、その作者であるローズ・オニールの名前がキューピーの作者として広く知られているとは到底いえないばかりか、複数の企業や個人がキューピーのキャラクターを各種媒体で広く使用し続けてきたという実情があることに加えて、現時点では、既に被請求人の上記著作権の保護期間が満了していると解されることも併せ考えると、引用商標に基づく無効審判請求が商標権の濫用になるものではないというべきである(知財高裁平成22年(行ケ)第10093号及び平成22年(行ケ)第10103号同年9月15日判決参照)。
4 結論
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、請求人が主張するその余の無効事由について判断するまでもなく、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。


後掲「引用商標目録」
(1)引用商標1
商標登録第4278360号
出願日 平成10年2月20日
登録日 同11年5月28日
商標 別掲2のとおり
指定商品
第12類「船舶並びにその部品及び付属品,航空機並びにその部品及び付属品,鉄道車両並びにその部品及び付属品,自動車並びにその部品及び付属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び付属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報機,落下傘」

(2)引用商標2
商標登録第4782081号
出願日 平成15年12月17日
登録日 同16年6月25日
商標 別掲3のとおり
指定商品
第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,落下傘,乗物用盗難警報器,車いす,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び付属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」

(3)引用商標3
商標登録第4443696号
出願日 平成12年1月27日
登録日 同13年1月5日
商標権の登録の抹消(登録日)
同18年9月6日
商標 別掲4のとおり
指定商品
第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び付属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報機,落下傘」

(4)引用商標4
商標登録第4621657号
出願日 平成13年12月4日
登録日 同14年11月15日
商標権の登録の抹消(登録日)
同20年7月16日
商標 別掲5のとおり
指定商品
第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び付属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器,落下傘」

(5)引用商標5
商標登録第4564585号
出願日 平成13年7月18日
登録日 同14年4月26日
商標 別掲6のとおり
指定商品
第5類「歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,防虫紙,乳児の離乳育児用菓子,乳児の離乳育児用清涼飲料,乳児の離乳育児用果実飲料,乳児の離乳育児用飲料用野菜ジュース,乳児の離乳育児用乳清飲料,その他の乳児の離乳育児用加工食品,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,調味付けしたゾル又はゲル中に食肉を主材とする小片具材を含んでなる咀嚼嚥下障害者用食品,調味付けしたゾル又はゲル中に食用水産物を主材とする小片具材を含んでなる咀嚼嚥下障害者用食品,調味付けしたゾル又はゲル中に野菜を主材とする小片具材を含んでなる咀嚼嚥下障害者用食品,その他の咀嚼嚥下障害者用食品」
第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,ハムサラダ,ポテトサラダ,マカロニサラダ,その他のサラダ,その他の加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,乾燥卵,液卵,冷凍卵,茹で卵,卵焼き,スクランブルエッグ,その他の加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,ミートソース,その他のパスタソース,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,卵どうふ,食用たんぱく,食用卵殻粉を主材とする粉状・液状又はタブレット」
第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,茶わん蒸し,オムレツ,スコッチエッグ,粥,ぞうすい,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,酒かす」
第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,果実,野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪,飼料用たんぱく」
第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」
第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」

(6)引用商標6
商標登録第4647804号
出願日 平成14年5月2日
登録日 同15年2月21日
商標 別掲6のとおり
指定商品
第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,農業用機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),風水力機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),芝刈機,電動式カーテン引き装置,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,電機ブラシ」

(7)引用商標7
商標登録第1521488号
出願日 昭和50年6月20日
登録日 同57年6月29日
商標権の登録の抹消(登録日)
同20年3月26日
商標 別掲7のとおり
指定商品
第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,ミシン,農業用機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,風水力機械器具,業務用電気洗濯機,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,業務用攪はん混合機,業務用皮むき機,業務用食器洗浄機,業務用切さい機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),芝刈機,電動式カーテン引き装置,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置」

(8)引用商標8
商標登録第4455273号
出願日 平成11年5月10日
登録日 同13年2月23日
商標 別掲6のとおり
指定商品
第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フイルム,スライドフイルム,スライドフイルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」

(9)引用商標9
商標登録第4422984号
出願日 平成11年5月10日
登録日 同12年10月6日
商標 別掲6のとおり
指定商品
第10類「医療用機械器具,医療用手袋,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器,耳かき」

(10)引用商標10
商標登録第1544380号
出願日 昭和53年3月8日
登録日 同57年10月27日
商標権の登録の抹消(登録日)
同20年7月16日
商標 別掲8のとおり
指定商品
第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品」

(11)引用商標11
商標登録第4590321号
出願日 平成13年9月18日
登録日 同14年7月26日
商標 別掲9のとおり
指定商品
第5類「歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,防虫紙,乳児の離乳育児用菓子,乳児の離乳育児用清涼飲料,乳児の離乳育児用果実飲料,乳児の離乳育児用飲料用野菜ジュース,乳児の離乳育児用乳清飲料,その他の乳児の離乳育児用加工食品,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,調味付けしたゾル又はゲル中に食肉を主材とする小片具材を含んでなる咀嚼嚥下障害者用食品,調味付けしたゾル又はゲル中に食用水産物を主材とする小片具材を含んでなる咀嚼嚥下障害者用食品,調味付けしたゾル又はゲル中に野菜を主材とする小片具材を含んでなる咀嚼嚥下障害者用食品,その他の咀嚼嚥下障害者用食品」

(12)引用商標12
商標登録第4600642号
出願日 平成14年1月7日
登録日 同年8月30日
商標 別掲9のとおり
指定商品
第5類「歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,防虫紙,乳児の離乳育児用菓子,乳児の離乳育児用清涼飲料,乳児の離乳育児用果実飲料,乳児の離乳育児用飲料用野菜ジュース,乳児の離乳育児用乳清飲料,その他の乳児の離乳育児用加工食品,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,調味付けしたゾル又はゲル中に食肉を主材とする小片具材を含んでなる咀嚼嚥下障害者用食品,調味付けしたゾル又はゲル中に食用水産物を主材とする小片具材を含んでなる咀嚼嚥下障害者用食品,調味付けしたゾル又はゲル中に野菜を主材とする小片具材を含んでなる咀嚼嚥下障害者用食品,その他の咀嚼嚥下障害者用食品 」
第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,ハムサラダ,ポテトサラダ,マカロニサラダ,その他のサラダ,その他の加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,乾燥卵,液卵,冷凍卵,茹で卵,卵焼き,スクランブルエッグ,その他の加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,ミートソース,その他のパスタソース,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,卵どうふ,食用たんぱく,食用卵殻粉を主材とする粉状・液状又はタブレット状の加工食品」
第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,茶わん蒸し,オムレツ,スコッチエッグ,粥,ぞうすい,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,酒かす」
第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,果実,野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪,飼料用たんぱく」
第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」
第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」

(13)引用商標13
商標登録第4647805号
出願日 平成14年5月2日
登録日 同15年2月21日
商標 別掲9のとおり
指定商品
第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,農業用機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),風水力機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),芝刈機,電動式カーテン引き装置,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,電機ブラシ」

(14)引用商標14
商標登録第4445316号
出願日 平成11年5月13日
登録日 同13年1月12日
商標 別掲9のとおり
指定商品
第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」
第10類「医療用機械器具,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓,医療用手袋,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器,耳かき」

(15)引用商標15
商標登録第4240000号
出願日 平成9年4月1日
登録日 同11年2月12日
商標 別掲10のとおり(立体商標)
指定商品
第5類「医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,防虫紙,乳児の離乳育児用菓子,乳児の離乳育児用清涼飲料,乳児の離乳育児用果実飲料,乳児の離乳育児用飲料用野菜ジュース,乳児の離乳育児用乳清飲料,その他の乳児の離乳育児用加工食品,食餌療法用食品」

(16)引用商標16
商標登録第4343326号
出願日 平成9年4月1日
登録日 同11年12月10日
商標 別掲10のとおり(立体商標)
指定商品
第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,陸上の乗物用の動力機械の部品,その他の動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,機械式駐車装置,芝刈機,修繕用機械器具,食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」

(17)引用商標17
商標登録第4211212号
出願日 平成9年4月1日
登録日 同10年11月13日
商標 別掲10のとおり(立体商標)
指定商品
第20類「家具,貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,葬祭用具,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,クッション,座布団,まくら,マットレス,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,うちわ,せんす,買物かご,額縁,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),工具箱(金属製のものを除く。),ししゅう用枠,植物の茎支持具,食品見本模型,人工池,すだれ,装飾用ビーズカーテン,ストロー,盆(金属製のものを除く。),スリーピングバッグ,タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),つい立て,びょうぶ,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),旗ざお,ハンガーボード,ベンチ,帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),マネキン人形,洋服飾り型類,麦わらさなだ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),揺りかご,幼児用歩行器,美容院用いす,理髪用いす,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご,海泡石,こはく」

(18)引用商標18
商標登録第595694号
出願日 昭和35年5月31日
登録日 同37年8月24日
商標 別掲9のとおり
指定商品
第30類「調味料,香辛料」

(19)引用商標19
商標登録第832283号
出願日 昭和41年8月11日
登録日 同44年9月24日
商標 別掲6のとおり
指定商品
第30類「調味料,香辛料」
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2)


別掲4(引用商標3)


別掲5(引用商標4)


別掲6(引用商標5、引用商標6、引用商標8、引用商標9、引用商標19)


別掲7(引用商標7)


別掲8(引用商標10)


別掲9(引用商標11ないし引用商標14、引用商標18)


別掲10(引用商標15ないし引用商標17・立体商標)
1/3図

2/3図

3/3図




審理終結日 2010-11-19 
結審通知日 2010-11-26 
審決日 2010-12-09 
出願番号 商願2004-84373(T2004-84373) 
審決分類 T 1 11・ 262- Z (Y12)
T 1 11・ 263- Z (Y12)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木住野 勝也 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
井出 英一郎
登録日 2005-05-13 
登録番号 商標登録第4861901号(T4861901) 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 宇梶 暁貴 
代理人 井奈波 朋子 
代理人 勝沼 宏仁 
代理人 宮城 和浩 
代理人 永田 玲子 
代理人 宮嶋 学 
代理人 黒瀬 雅志 
代理人 山本 隆司 
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