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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 |
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管理番号 | 1230250 |
異議申立番号 | 異議2010-900129 |
総通号数 | 134 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-02-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-05-14 |
確定日 | 2010-12-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5301755号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5301755号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5301755号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年5月26日に登録出願、第14類「ブレスレット用の貴金属合金,ブレスレット用の未加工又は半加工の貴金属,ブレスレット用の貴金属」を指定商品として、同22年1月20日に登録査定、同年2月12日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人ザ ミュージアム オブ モダン アート(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第1966188号商標(以下「引用商標」という。)は、「MOMA」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年4月27日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年7月23日に設定登録されたものであり、その後、平成9年5月20日及び同19年7月31日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 そして、指定商品については、平成20年3月12日に第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」、第14類「身飾品,宝玉及びその模造品」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がなされたものである。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 申立人は、1929年に設立されたアメリカ合衆国ニューヨーク市に存在する近現代美術専門の美術館であり、「Museum of Modern Art」の頭文字をとって「MOMA(モマ)」と略称されて著名である。同博物館及びその略称「MOMA」は、我が国でも、各種辞書、辞典類、各種旅行会社の案内にも紹介されており、フジテレビの後援で我が国でも同美術館の展示会が開催されている。また、同美術館には、観覧者のために、MOMAの展示品にちなんだデザイングッズやお土産物を販売するショップが併設されており、我が国においても、「MoMA/Design store(渋谷区神宮前)」が2007年11月にオープンしており、MOMAオンラインストアも開設されている(甲9号証、甲10号証)。 このように、「MOMA」は、ニューヨーク近代美術館の略称として、また、その商標として、本件商標の出願のはるか以前より、米国はもとより、我が国においても広く知られているものである。 本件商標は、引用商標と同一の「MOMA」の文字をその中央に大きく表示し、その上部には、「MOMA BRACELET」の英文字を含むものであるから、「モマ」製ないし「モマ」の販売する「ブレスレット」であると容易に認識、観念できるものである。 したがって、本件商標がその指定商品について使用された場合には、取引者、需要者をして商品の出所について誤認、混同を与えるおそれがある。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同第15号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第8号について 申立人は、「MOMA(モマ)」と略称されて著名であるところ、本件商標は、上記著名な略称を含むものであって、かつ、申立人の承諾を得ていない。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について 上記した状況にあって、商標権者は、申立人の承諾を受けることなく、その著名商標・著名略称と同一商標を含む本件商標の出願を行い、商標登録を受けたものであって、これは、申立人のブランド及び築き上げた信用を無断で盗用し不当に利用しようとするものであることは明らかである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当する。 (5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)本件商標と申立人の業務に係る標章(略称)との類否について 本件商標は、別掲に示したとおり、図形部分と文字部分からなるところ、図形部分は、大中小の円の各一部を重なり合せたかの如き形状の図形を縦長の状態で表し、その外周部分を太い幅で黒塗りに表し、更に、その外縁部分に多数の細かな点を配した構成からなるものであり、文字部分は、該図形の中央部分に「MOMA」の欧文字を、各文字が上から下へ次第に大きくなるように縦書きに表し、また、該図形の黒塗り部分の上端部に「MOMABRACELET」の欧文字を白抜きで小さく配した構成からなるものであって、図形部分と文字部分とが一体的に表されているものということができる。 一方、申立人は、前記したとおり、引用商標として「MOMA」の欧文字を横書きしてなる商標を引用しているが(本件商標と引用商標との間に商品の抵触関係は存しない。)、申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人である美術館の略称あるいは該美術館に併設されているショップやオンラインストアの名称を表すものとして実際に表示されている標章は、申立人を表す各語の頭文字をとって表した「MoMA」の態様からなるものであることが認められる。 そこで、本件商標と申立人の業務に係る標章(略称)とを比較するに、両者は、全体の外観において明らかな差異があるばかりでなく、本件商標構成中の「MOMA」あるいは「MOMABRACELET」の欧文字と申立人を表す「MoMA」の標章(略称)とを比較してみても、本件商標における「MOMA」の欧文字は縦書きにして、その文字の大きさが上から下へ次第に大きくなるように表されており、また、「MOMABRACELET」の欧文字は全体をもって一連一体に表されているのに対して、申立人の業務に係る標章(略称)は、2文字目のみを小文字で表した特徴のある構成態様からなるものである。 そうとすれば、本件商標と申立人の業務に係る標章(略称)とは、欧文字の綴り字自体に共通にするところがあるとしても、その表現方法において顕著な差異があるものであって、両者から受ける印象においても明らかな差異があるから、両者は、互いに混同を起こすことのない別異の標章とみるのが相当である。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 申立人の提出に係る甲各号証によれば、「MoMA」の態様からなる標章が、アメリカ合衆国ニューヨーク市に存在する近現代美術専門の美術館の名称(略称)として、あるいは該美術館における美術品の展示の役務を表す商標として知られていることは認められるとしても(なお、使用されている標章の中には、通常の態様で表されているものも見受けられるが、この態様をもって知られているものとは認められない。)、上記したとおり、本件商標と申立人の業務に係る標章(略称)とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、しかも、本件商標の指定商品は、前述したとおり「ブレスレット用の地金」であって、申立人の業務に係る美術品の展示の役務やショップで扱っているお土産品との関連性は決して強いものとはいえないから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして申立人を表す標章(略称)である「MoMA」の標章を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものとはいえない。 (3)商標法第4条第1項第8号について 本件商標は、上記のとおりに認定・判断されるものであって、本件商標がその構成中に「MOMA」の文字を含むとしても、申立人を表す標章(略称)である「MoMA」の標章ではなく、前記した表記方法からみれば、該表記方法をもって申立人の略称を含む商標ということはできない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号に違反してされたものとはいえない。 (4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について 上記したとおり、本件商標と申立人の業務に係る標章(略称)とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、本件商標が申立人を表す標章(略称)を盗用したり、不正の目的をもって使用をするために出願したものということはできない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反してされたものとはいえない。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(本件商標) |
異議決定日 | 2010-11-29 |
出願番号 | 商願2009-38976(T2009-38976) |
審決分類 |
T
1
651・
253-
Y
(X14)
T 1 651・ 222- Y (X14) T 1 651・ 271- Y (X14) T 1 651・ 23- Y (X14) T 1 651・ 252- Y (X14) T 1 651・ 22- Y (X14) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大渕 敏雄、高橋 厚子、石井 恵美子 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 渡邉 健司 |
登録日 | 2010-02-12 |
登録番号 | 商標登録第5301755号(T5301755) |
権利者 | 何 秀群 |
商標の称呼 | モマブレスレット、モマ |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 小原 英一 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 東谷 幸浩 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 中村 稔 |