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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X43
管理番号 1230201 
審判番号 不服2009-21326 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-11-04 
確定日 2011-01-07 
事件の表示 商願2008-102705拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ホームクッキング」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第43類「飲食物のレシピに関する情報の提供,インターネットによる飲食物のレシピに関する情報の提供」を指定役務として、平成20年12月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ホームクッキング』の文字よりなるところ、該文字は、『家庭料理、あるいは家庭で作る料理法』等の意味を有するものであるから、これをその指定役務に使用した場合、それに接する取引者・需要者は、『家庭で作る料理のレシピ(料理の材料や調理法。また、それを記したもの)についての情報の提供』と認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を有するものとは認めることができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ホームクッキング」の文字を書してなるところ、該文字は、「[home cooking]家庭料理、手料理」(三省堂「コンサイスカタカナ語辞典 第3版」)の意味を有する外来語として、「家庭料理」(小学館「ランダムハウス英和大辞典」)を意味する英語の「home cooking」の読みであることから、「ホームクッキング」の文字よりは、「家庭料理」の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、「ホームクッキング」の文字が、「家庭料理」を指称するものとして一般的に使用されている実情や本願指定役務を取り扱う業界において、家庭料理のレシピに関する情報の提供が一般的に行われている実情が認められる。
前記実情については、例えば、以下の新聞記事やインターネットのホームページ情報からも裏付けられるところである。
ア 「ホームクッキング」の文字が、「家庭料理」を指称するものとして使用されている実情について
(ア)「ニューヨーク通信 外食ビジネスの新発想(28)『ミス・マミーズ・スプーンブレッド・トゥー』」の見出しのもと「ノーマさんも、『うちで出すのは家庭料理。人々は、ホームクッキングを楽しむためにわたしどもの店に来るのです』と言っている。」の記載。(2009.4.6 外食レストラン新聞)
(イ)「土佐の『おきゃく』2007の全36イベント/高知県」の見出しのもと「●なるほど・ザ・ホームクッキング」(4日午前11時、ひろめ市場前のよさこい広場) 県内在住の海外6?8カ国の人たちがそれぞれの家庭料理を披露。」の記載。(2007.3.2 朝日新聞 大阪地方版/高知 29頁)
(ウ)「日本画など丁寧指導 大垣中日文化センター平野学園教室 来月の会員募集」の見出しのもと「【すぐ役立つホームクッキング】家庭の味、栄養の知識を取り入れ、食を通して料理の心を求め、健康増進を図る。」の記載。(2002.8.17 中日新聞 朝刊 15頁)
(エ)「海外の注目新商品 ラグー『ビーフ・トゥナイト』」の見出しのもと「この背景にはやはり家庭料理へのUターンがあげられる。手軽に短時間で仕上がる、しかもホームクッキングの要素の高い商品へのニーズが高まっている結果と言える。」の記載。(1993.4.5 日本食糧新聞)
(オ)「プロの春巻き 程一彦(家庭で作る簡単薬膳:51)【大阪】」の見出しのもと「アメリカの審査員が『英米にはおふくろの味という言葉がない。ホームクッキングは単に家で作ることで、我が家に伝わるといったニュアンスはありません』と述べました。」の記載。(1996.10.23朝日新聞 大阪夕刊 3頁)
(カ)「古川クッキングスクール」のウェブサイトにおいて、「ホームクッキングコース」の見出しのもと「ホームクッキングは、毎日作って食べる家庭料理のクラスです。」の記載。(http://furukawa-cooking.com/03/index.html)
(キ)「Science@Sugar」のウェブサイトにおいて、「あんかけトロ?リ、ねぎがシャキ!!フワフワれんこん団子 ホームクッキング特集」の見出しのもと「【先生からの一言】・・・ぜひご家庭の定番メニューの一品に加えてください。」の記載。(http://www.sugar.or.jp/sp/200701/01.shtml)
(ク)「NAVER まとめ」のウェブサイトにおいて、「おいしい“ピエトロ風ドレッシング”をホームクッキング!!」の見出しのもと「料理レシピやサイトで万能調味料として人気のピエトロドレッシングが自宅で簡単に作れると話題に!!」の記載。(http://matome.naver.jp/odai/2127536115595189401)
(ケ)「講談社インターナショナル」のウェブサイトにおいて、「小林カツ代のホームクッキング」の見出しのもと「オムライス、和風ハンバーグ、煮物、餃子など、簡単でおいしい小林カツ代流家庭料理の作り方を紹介。」の記載。(http://www.kodansha-intl.com/ja/books/9784770025043/)

イ 本願指定役務を取り扱う業界において、家庭料理のレシピに関する情報の提供が一般的に行われている実情について
(ア)「TEPORE」のウェブサイトにおいて、「家庭料理レシピ-ホームシェフ」の見出しのもと「東京電力teporeの料理レシピ集です。和食や洋食、中華料理レシピなど家庭料理レシピが満載。」の記載。(http://www.tepore.com/homechef/main/main_b.htm)
(イ)「家庭料理の簡単レシピ集」の見出しのもと「家庭料理のレシピ(作り方)」の記載。(http://www.k2.dion.ne.jp/~aikiku/)
(ウ)「ぐるなびレシピ」のウェブサイトにおいて、「簡単家庭料理をシェフがレッスン!」の見出しのもと「『ぐるなびレシピ』は、シェフから教わる簡単家庭料理を検索できるサイトです。」の記載。(http://recipe.gnavi.co.jp/)
(エ)「EMI‘S Kitchien」のウェブサイトにおいて、「初心者向けの家庭料理レシピサイトです。」の見出しのもと「『おふくろの味』をテーマに家族の健康を考えた家庭料理や素材を無駄にしない節約料理など手軽に作れる料理を我が家の食卓風景とともにご紹介します。」の記載。(http://homepage3.nifty.com/emimama/)
(オ)「田舎鶏」のウェブサイトにおいて、「家庭料理を簡単に美味しく! 鶏肉料理レシピ集☆作り方をご紹介します。」の記載。(http://www.inakadori.com/recipe/)
(カ)「COOK JOY」のウェブサイトにおいて、「千趣会のお料理レシピサイト」の見出しのもと「鉄人に教わるひと味違う家庭料理レシピ 登場するプロの先生はTV番組や雑誌でもおなじみの一流料理人たち。 その道何十年というプロならではのユニークな工夫いっぱいの家庭料理のレシピ。」の記載。(http://www.cook-joy.com/recipe/html/tettp.htm)
(キ)「家庭料理レシピメールマガジン」のウェブサイトにおいて、「『外食が多くて食費を減らしたい・・・』『今日の夕食何にしよう・・・』などなど そんなあなたに家庭料理レシピをお届けします」の記載。(http://www.e-shufu.com/mag/recipe.html)

以上よりすれば、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に、その役務が「家庭料理のためのレシピに関するもの」であることを認識し、役務の内容(質)を表示したものと理解するに止まるものであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「『ホームクッキング』の語を含む記事はその大部分が請求人の提供するウェブサイトに関するものであり、他の記事は「料理に関する教授」を提供するための記事であり、本願商標の指定役務『飲食物のレシピに関する情報の提供』等との関係で、『家庭で作る料理のレシピについての情報を提供するもの』の意味を具体的に認識させるものではない。」旨主張しているが、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、同号列挙のものは通常、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから一私人に独占を認めるのは妥当でなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないものと解されるところ、本願商標の構成全体からは、容易に「家庭料理」の意味合いを看取させるものであり、かつ、「ホームクッキング」の文字は、「家庭料理」を指称するものとして一般的に使用されていること、さらに、本願指定役務を取り扱う業界において、家庭料理のレシピに関する情報の提供が一般的に行われている実情にあることは、前記したとおりである。
そうとすると、本願商標「ホームクッキング」については、その指定役務との関係において、これに接する取引者、需要者は、その役務が「家庭料理のレシピに関するもの」であることを認識し、役務の内容(質)を表示したものと理解するにとどまると判断するのが相当であり、仮に同様の表示を他人が使用していないとしても、前記の趣旨からして特定人に独占させることは適切ではないものであるから、請求人の該主張を採用することはできない。
イ 請求人は、「ホーム」や「クッキング」の文字を有している登録例を挙げ、「本願商標も登録されるべきである。」旨主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであり、それらの既登録例に拘束される理由はないから、請求人の該主張を採用することはできない。
ウ 請求人は、「本願商標は、1997年以来、『インターネットによる飲食物のレシピに関する情報の提供』を目的とし、継続使用している商標である。」旨主張しているが、提出された資料を徴するも、本願商標が、請求人に係るレシピ情報を提供するサイトの名称として使用されていることは認められるものの、本願商標が継続して使用されたことにより、識別力を獲得したとまでは認め難いものであるから、請求人の該主張を採用することはできない。

(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-11-12 
結審通知日 2010-11-15 
審決日 2010-11-26 
出願番号 商願2008-102705(T2008-102705) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 小田 昌子
田中 亨子
商標の称呼 ホームクッキング 
代理人 鈴木 英之 

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