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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 025
管理番号 1230152 
審判番号 取消2009-300906 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-08-10 
確定日 2011-01-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第3314815号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第3314815号商標(以下「本件商標」という。)は、「D U B」の欧文字を横書きしてなり、平成6年6月21日に登録出願、第25類「ジーンズパンツ,ティーシャツ,ジャケット,帽子,その他の被服,履物」を指定商品として、平成9年5月30日に設定登録され、その後存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成21年8月24日である。

2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定商品中『履物』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品中の「履物」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)請求に対する答弁
ア 本件商標は、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において本件商標の通常使用権者であるダブディストリビューション社(住所:奈良県奈良市押熊町、以下「D社」という。)により「履物」について使用されている。
イ 乙第1号証は、実際に日本国内で販売されている「DUB」ブランドの「スニーカー、運動靴」のカタログ写であり、本件商標「DUB」と同一又は社会通念上同一の商標が「スニーカー、運動靴」に付されていることが示されている。特に、乙第1号証の第4頁ないし第21頁には「DUB」又は「DUB(○R記号)」、第22頁及び第23頁には「dub」等の標章が付されており、これらが本件商標「DUB」と同一又は社会通念上同一であることは明らかである。
ウ 乙第2号証ないし乙第4号証は、それぞれ2007年7月15日、2008年5月10日及び2009年3月20日に、本件商標の通常使用権者であるD社が上記「DUB」ブランドの「スニーカー、運動靴」を輸入した際のインボイス及び納品書写である。
(ア)乙第2号証-1、乙第3号証-1及び乙第4号証-1(インボイス写)及び乙第2号証-2、乙第3号証-2及び乙第4号証-2(納品書写)中の「FULL DESCRIPTION OF GOODS」「Description of goods」欄の「DUB BRAND MEN'S SKATE SHOES」の記載は上記「DUB」ブランドの「スニーカー、運動靴」を示している。
(イ)各書類には、「SHIPPER(船荷人)」として商標権者である「GORDO ENTERPRISES, INC.(ゴード・エンタープライジズ・インコーポレイテッド)」、「CONSIGNEE(荷受人)」として通常使用権者である「The Dub Distribution Corp」が記載されている。
(ウ)乙第3号証-2(納品書写)の「STYLE#」の欄には、「DBS-35」「DBS-37」「DBS-38」「DBS-66」「DBS-25」「DBS-27」「DBS-54」「DBS-55」「DBS-56」「DBS-59」「DBS-28」及び「DBS-29」の記載があるが、これは乙第1号証の第5頁、第6頁、第9頁、第10頁の各種製品の品番と対応している。
(エ)上記事実は、本件審判請求の登録前3年以内である2007年7月15日、2008年5月10日及び2009年3月20日にD社が商標権者から「DUB」ブランドの「スニーカー、運動靴」を輸入したことを示すものである。
エ 前記「スニーカー、運動靴」は、本件審判請求に係る指定商品「履物」の範疇に属することは明らかである。
オ 以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において本件商標の通常使用権者であるD社により「履物」について使用されているものである。
(2)審尋に対する回答
ア D社について
D社の正式名称は「有限会社ザダブディストリビューション」(英文名称;The DUB DISTRIBUTION corp.)であり、同社の履歴事項全部証明書写に見られるように、奈良県奈良市押熊町2365番地に実在している(乙第5号証)。
D社は、被請求人の「DUB」ブランドを日本に輸入し販売する会社であり,本件商標の通常使用権者と言えるものであり、D社との関係を示すために、乙第6号証ないし乙第8号証を提出する。
乙第6号証は、D社の社員の名刺写である。同名刺はD社が旧住所に存在していたときのものであるが、「DUB BRAND」の記載があり、「DUB」ブランドを取り扱っていた事実がうかがえる。乙第7号証は、D社に関連するウェブサイトプリントアウト写しであり、「dubを扱うthe dub distribution・・・」「the dub distribution corp..《DUBがメイン》」等の記載がある。乙第8号証の不使用取消審判(取消2004-31461)の審決で、「D社が通常使用権を許諾されたものとみて差し支えないものといえる」と判断されている。
上記に鑑みれば、D社は本件商標に通常使用権を許諾されたものであることは明らかである、提出した乙第1号証ないし乙第4号証にみられる「スニーカー,運動靴」は通常使用権に基づきD社が輸入・販売したものに相違ない。
イ 追加取引資料について
被請求人の取引銀行は業務停止となっており(乙第9号証)、入金記録を提出することが困難な状況であるが、提出した証拠及び説明によって、取引が推認できるものと思慮する。

4 当審における被請求人対する審尋の要旨
被請求人と、通常使用権者とするD社との関係についての説明及びその証明、D社の実態が確認できる証拠、並びにインボイス及び納品書中のD社に関する記載等の説明をすると共に、本件商標を使用した実際の取引(輸入)がされたことを確認できる取引書類を提出されたい。

5 請求人の弁駁
請求人は、被請求人の上記3の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。

6 当審の判断
(1) 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は「スニーカー、運動靴」のカタログの写しとするものであるが、該カタログの第5頁には、「DBS-53」ないし「DBS-59」の品番と各スニーカー、運動靴の写真が掲載されており、該スニーカー、運動靴の側面にはやや図案化した「DUB」の標章が付されている。
同様に第6頁には、「DBS-28」及び「DBS-29」を含む5種類のスニーカー、運動靴の写真が品番と共に掲載されており、該スニーカー、運動靴の側面にはやや図案化した「DUB」の標章が付されていること、同様に第9頁には、「DBS-25」、「DBS-26」及び「DBS-34」を含む9種類のスニーカー、運動靴の写真が品番と共に掲載されており、該スニーカー、運動靴の側面にはやや図案化した「DUB」又は「dub」の標章が付されていること、同様に第10頁には、「DBS-35」、「DBS-37」、「DBS-38」及び「DBS-66」の4種類のスニーカー、運動靴の写真が品番と共に掲載されており、該スニーカー、運動靴の側面にはやや図案化した「DUB」又は「dub」の標章が付されていること、がそれぞれ認められる。
イ 乙第3号証-1は、インボイス写しとするものであるが、これには、「INVOICE NO.: DUB-10080」や「INVOICE DATE: May.10,2008」、「DEPARTURE DATE: May.10,2008」の記載、及び上部ないし「SHIPPER(船荷人)」の箇所に商標権者の英語表記といえる「GORDO ENTERPRISES, INC.」、「CONSIGNEE(荷受人)」の箇所に「The Dub Distribution Corp」と「…Oshikuma cho Nara city Nara 631-0011, Japan」の記載、並びに表中に「DUB BRAND MEN'S SKATE SHOES 6420」などの記載が認められる。
ウ 乙第3号証-2は、納品書写しとするものであるが、これには、「INVOICE NO.: DUB-10080」や「INVOICE DATE: May.10,2008」、「DEPARTURE DATE: May.10,2008」の記載、及び上部ないし「SHIPPER(船荷人)」の箇所に商標権者の英語表記といえる「GORDO ENTERPRISES, INC.」、「CONSIGNEE(荷受人)」の箇所に「The Dub Distribution Corp」と「…Oshikuma cho Nara city Nara 631-0011, Japan」の記載、並びに表中には「DUB BRAND MEN'S SKATE SHOES 6420」の記載などが認められ、これらはいずれも上記インボイスの記載と整合するものである。
また、表中の「STYLE#」の欄には、順次上から「DBS-35」、「DBS-37」、「DBS-38」、「DBS-66」、「DBS-25」、「DBS-26」、「DBS-27」、「DBS-54」、「DBS-55」、「DBS-56」「DBS-59」、「DBS-28」及び「DBS-29」の記載が認められ、これらはいずれも上記した「スニーカー、運動靴」に係るカタログの第5頁、第6頁、第9頁及び第10頁に記載された品番と整合するものである。
エ 乙第5号証は、「有限会社ザダブディストリビューション」の履歴事項全部証明書であるが、本店の住所を「奈良市押熊町2365番地」とし、平成17年に大阪市西区北堀江二丁目3番10号から移転した旨が記載が認められ、また、「取締役 河尻晋介」、「代表取締役 石川光生」の記載がある。
オ 乙第6号証は、前記河尻氏及び石川氏の名刺と認められるところ、該名刺には、「DUB BRAND」の文字及び社名の英文表記「THE DUB DISTRIBUTION corp.」並びに本店の旧住所である大阪の住所が記載され、また、上記カタログ中のスニーカーに付されているやや図案化された「dub」と同一の標章が表示されている。

(2)上記(1)の認定事実を総合してみれば、インボイス及び納品書に荷受人として記載された「The Dub Distribution Corp」は、「DUB BRAND」を取り扱う「有限会社ザダブディストリビューション」の英文表記と認められるところ、該社は本店の住所あるいは取締役等の名刺に記載された旧住所及び「dub」の標章からすれば、被請求人が通常使用権者であるとするD社を指すものと認められる。
そして、インボイス及び納品書は、上部及び「CONSIGNEE(荷受人)」欄の「GORDO ENTERPRISES, INC.」の記載から商標権者「ゴード・エンタープライジズ・インコーポレイテッド」と、通常使用権者と推認し得る奈良県奈良市押熊町在の「The Dub Distribution Corp(有限会社ザダブディストリビューション)」との間における「スニーカー、運動靴」についての輸出入に係る取引書類の一といえるものである。
また、該インボイス及び納品書にある「DEPARTURE DATE: May.10,2008」の記載からして、本件審判請求の登録前3年以内(平成18(2006)年8月24日ないし平成21(2009)年8月23日)である「2008(平成20)年5月10日」に前記品番に係る「スニーカー、運動靴」について、日本へ輸入されたことが推認できるものである。
そして、カタログの第5頁、第6頁、第9頁及び第10頁には、納品書と整合する品番などと共に、各スニーカー、運動靴の写真が掲載されおり、これらは、本件審判の取消し請求に係る商品「履物」に含まれる商品であると認められる。
さらに、該カタログに掲載されたスニーカー、運動靴の側面にはやや図案化した「DUB」又は「dub」の標章が付されており、これが本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

(3)請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。

(4)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により、本件の取消請求に係る指定商品に含まれる「スニーカー,運動靴」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたものとみるのが相当である。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-08-17 
結審通知日 2010-08-20 
審決日 2010-08-31 
出願番号 商願平6-62145 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (025)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土井 敬子 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
田中 亨子
登録日 1997-05-30 
登録番号 商標登録第3314815号(T3314815) 
商標の称呼 デイユウビイ、ダブ 
代理人 深見 久郎 
代理人 竹内 耕三 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 中村 稔 
代理人 藤倉 大作 
代理人 森田 俊雄 
代理人 松尾 和子 

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