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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X0941 審判 全部申立て 登録を維持 X0941 審判 全部申立て 登録を維持 X0941 審判 全部申立て 登録を維持 X0941 |
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管理番号 | 1228580 |
異議申立番号 | 異議2010-900118 |
総通号数 | 133 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-01-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-05-06 |
確定日 | 2010-11-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5297786号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5297786号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5297786号商標(以下「本件商標」という。)は、「バイオパシー」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成21年7月1日に登録出願、第29類「パパイヤを主原料とする錠剤状・カプセル状・顆粒状・固形状・液状・粉状・棒状・スティック状・ゲル状・ペースト状の加工食品」及び第41類「栄養及び健康に関する知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」を指定商品及び指定役務として、同22年1月14日に登録査定、同年1月29日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人「株式会社三旺インターナショナル」(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように申立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証を提出している。 (1)商標法第4条第1項第8号について 申立人の関連団体である「バイオパシー協会」は、1996年7月に、「社団法人国際バイオパシー協会」として設立され、その後「社団法人バイオパシー協会」、「バイオパシー協会」と名称変更をしている。「社団法人」は法人格を表すものであり、通常省略されることが多いものである。また、「国際」及び「協会」の語は、普通名称であり、一般的に用いられているものであるので、当該協会は「バイオパシー」として、需要者及び取引者間において広く知られている。そうすると、本件商標の「バイオパシー」と、申立人の関連団体である「バイオパシー協会」の名称とは、特に需要者及び取引者の注意を引き付ける造語「バイオパシー」の部分が全く同一であり、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標であると認められる。 (2)商標法第4条第1項第10号について 申立人及びこれらの団体による長年にわたる継続的な使用により、商標「バイオパシー」(以下「引用商標」という。)は、本件商標の出願時には、既に本件商標に係る指定商品及び指定役務について日本国内において需要者の間に相当程度知られており、本件商標の出願前には、既に周知であったと認められる。 また、本件商標である「バイオパシー」は、申立人及びその関連団体の使用する商標と全く同一であり、本件商標の指定商品及び指定役務は、申立人及びその関連団体の業務に係る商品及び役務と同一である。 (3)商標法第4条第1項第15号について 上記のとおり、本件商標「バイオパシー」は、本件商標の出願時には、申立人及びその関連団体の商標として、加工食品の分野及び栄養に関する知識の教授、セミナーの開催等の分野で日本国内において需要者の間に広く一般に知られている商標と同一の商標である。 そして、本件商標がその指定商品及び指定役務について使用された場合、販売ルートや需要者層を共通にするので、商品及び役務の提供の出所について混同を生ずるおそれがある。 (4)商標法第4条第1項第19号について 上記のとおり、引用商標「バイオパシー」は、既に上記指定商品及び指定役務について日本国内において需要者の間に相当程度知られており、本件商標の出願前に既に周知著名であったと認められる。 そして、本件商標の権利者は、かつて申立人の関連会社である「日本バイオ・ノーマライザー販売株式会社」(以下「日本バイオ・ノーマライザー社」という。)の代表取締役であった。また、申立人と該販売会社との間には、申立人が製造する「バイオ・ノーマライザー」の販売に関する契約が締結されており、当時の代表取締役であった商標権者が署名、捺印しているが、同氏は、契約違反が発覚し、平成21年に代表取締役を解任され同社を退職している。 してみると、本件商標は、代表取締役を解任された後に商標権者によってなされたものであり、同氏が当業界において周知著名な引用商標を利用し、不正の利益を得る目的で本件商標の出願を行ったことは明らかである。 (5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号、及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取消されるべきものである。 3 当審の判断 申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に該当する旨主張しているので、以下、これらについて判断する。 (1)商標法第4条第1項第8号該当について 申立人は、同人の関連団体である「バイオパシー協会」の名称の著名な略称である「バイオパシー」と本件商標とは、全く同一であるから、商標法第4条第1項第8号に該当する旨主張し、証拠方法として甲各号証を提出している。 しかしながら、申立人の提出した証拠には、いずれも「バイオパシー協会」の名称の略称として、「バイオパシー」の文字が使用されている事実は認められないものである。 してみれば、「バイオパシー」の文字が申立人の関連団体である「バイオパシー協会」の名称の略称として広く需要者間に知られていたということはできないものといわなければならない。 したがって、本件商標は、他人の著名な略称又はこれを含む商標ということはできないから、商標法第4条第1項第8号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当について 申立人は、同人及びこれらの団体による使用により、引用商標は日本国内において需要者の間に相当程度知られている旨の主張をしているので、これについて検討する。 甲第2号証ないし甲第4号証は、表題を「バイオパシー」とする「入門編」(第1刷 1998.3.)、表題を「バイオパシー(Part1)」とする「バイオ・ノーマライザー篇」(第4刷 1997.12.)及び表題を「バイオパシー(Part2)」とする「バイオ・ノーマライザー篇」(第2刷 1996.3.)の著作物であって、大里研究所が発行し、社団法人国際バイオパシー協会日本部会が発売元となっている。 そして、その著作物の内容において、「バイオパシー」については、その定義を、おおよそ、医療における療法と位置づけており、機能性食品(商品名:バイオ・ノーマライザー)を利用した治療法であるとしている。 甲第5号証は、各種印刷物である。ア 表題を「バイオパシー協会会報」(2008年9月から2010年2月までのもの。Vol.1、Vol.2、Vol.4、Vol.5、Vol.7及びVol.9)とする会報がバイオパシー協会によって発行されている。イ 表題を「BIO NET JAPAN(バイオネットジャパン)」(Vol.3 1996.1.31発行、Vol.4 1999.1.1発行、別冊 1998.11.8発行)とする著作物がバイオパシー協会もしくは社団法人国際バイオパシー協会によって発行されている。ウ 表題を「バイオパシーレポート」(2001年4月から2006年7月までのもの。Vol.7ないしVol.23)とする冊子が社団法人国際バイオパシー協会によって発行されている。 甲第6号証は、日本バイオ・ノーマライザー社の主催によるセミナーについての表であって、平成21年の開催日、場所などが94回分記載されている。 甲第7号証は、平成10年4月3日及び5日の「社団法人国際バイオパシー協会日本部会定期講習会」の会場の写真とされるものである。 甲第13号証は、雑誌「月刊 ほんとうの時代」1996年11月号(PHP研究所発行)である。1枚目には、「パパイヤを利用して難病治療に立ち向かう」のタイトルのもと、「・・・この着想から生まれた健康食品『バイオ・ノーマライザー』がいま、世界中から注目されている。開発者の大里章博士は、・・・」の記載がある。 甲第10号証は、1999年9月14日付け読売新聞、甲第11号証は、2003年7月26日付け岐阜新聞、甲第14号証は、1998年11月8日付け岐阜新聞、甲第15号証は、1999年9月21日付け読売新聞、甲第16号証は、2000年7月10日付け「あなたの街の新聞 鎌倉生活」の記事である。 以上の証拠によれば、申立人の関連団体である「社団法人国際バイオパシー協会(バイオパシー協会)」及び「大里研究所」によって、その著作物等において「バイオパシー」の文字が使用されていることは認め得るものである。 しかしながら、「バイオパシー」の語は、大里章博士によって開発された機能性食品「バイオ・ノーマライザー」を使用した治療法の意味合いの言葉であるというのが相当であって、商品である機能性食品やセミナー及び講習会等において、その商標として使用されているものということができない。 さらに、社団法人国際バイオパシー協会等によって発行された「バイオパシー」の語を使用している著作物、印刷物、冊子などは、同協会等の会員、セミナー参加者並びに機能性食品の購入者等によって入手されているものと考えられるところ、その発行数、販売数等は明らかでない。 また、平成21年1月から12月にかけてセミナーを開催したことは認められるとしても、その参加人数は不明であるし、平成21年以前にセミナーを開催したこと、及びセミナーの企画等に係る役務の商標として本件商標を使用したことを示す具体的な証拠の提出はない。 さらに、新聞による報道も、大里博士の肩書き、紹介に前述の協会名が記載されているものや前記バイオ・ノーマライザーの紹介中に「バイオパシー理論」などと記載されているにすぎず、その掲載回数もわずかである。 そうとすれば、「バイオパシー」の文字よりなる引用商標は、いわゆる健康食品などの商品の分野、及び栄養及び健康に関する知識の教授、セミナーの企画・運営又は開催などの役務の分野において、その取引者、需要者に広く認識されているとまではいうことができないものとみるのが相当であるから、その周知性を認めることはできない。 してみれば、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものということはできない。 また、引用商標は、取引者、需要者に広く認識されているということができないから、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これが申立人又は申立人と何等かの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ず、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。 (3)商標法第4条第1項第19号該当について 申立人は、本件商標が不正の目的をもって使用をするものである旨主張し、証拠方法として甲第20号証及び甲第21号証を提出している。 甲第20号証は、日本バイオ・ノーマライザー社についての平成22年6月2日付けの「閉鎖事項全部証明書」である 甲第21号証は、申立人(株式会社三旺インターナショナル)と日本バイオ・ノーマライザー社との平成20年7月25日付け「基本契約書」である。 しかしながら、上記証拠からは、商標権者が日本バイオ・ノーマライザー社の代表取締役であったこと、申立人と同社が平成20年7月25日に商品「バイオ・ノーマライザー原料」の取引に関し、商品名「BIO-NORMALIZER」の商標を許諾され、その購入、販売に係る基本契約を締結したことは認められるものの、これらの証拠によっては、本件商標権者が不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的等)をもって本件商標を使用するものであるとまでは言い切れないというべきであり、加えて、前述(2)のとおり、引用商標は、需要者の間に広く認識されているとはいえないものであるから、結局、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するということはできない。 (4)結語 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも該当しないから、同法第43条の2第4項にもとづき、その登録は維持するものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2010-11-01 |
出願番号 | 商願2009-49676(T2009-49676) |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(X0941)
T 1 651・ 23- Y (X0941) T 1 651・ 271- Y (X0941) T 1 651・ 222- Y (X0941) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大渕 敏雄 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
内山 進 井出 英一郎 |
登録日 | 2010-01-29 |
登録番号 | 商標登録第5297786号(T5297786) |
権利者 | 高橋 政樹 |
商標の称呼 | バイオパシー |
代理人 | 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 |
代理人 | 富樫 竜一 |