• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y09
管理番号 1228409 
審判番号 取消2010-300201 
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2010-02-22 
確定日 2010-11-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第5025630号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5025630号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5025630号商標(以下「本件商標」という。)は、「ベビードール」の片仮名と「BABY DOLL」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成18年4月3日に登録出願、第9類「写真機械器具,電気通信機械器具,レコード,電気通信機械器具の部品及び付属品,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同19年2月16日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
被請求人は、過去3年以上に亘り、本件商標をその指定商品について一度も使用していない。また、登録原簿を見るも、同登録に関し専用使用権者又は通常使用権者の登録がされていないことから、これらの使用権者による本件商標の使用を推認せしめる根拠もない。
さらに、本件商標の不使用について被請求人に正当な理由が存するとの根拠も見出せないことから、その登録は取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人によって、商標「ベビードール」又は「baby doll」が使用されたとする商品は、携帯電話機に貼り付けることが可能なぬいぐるみ(乙第1号証)、携帯電話機に貼り付けることが可能なぬいぐるみ・リボン・コサージュ・宝玉の模造品の組み合わせ(乙第2号証及び乙第3号証)、携帯用液晶画面ゲームおもちゃに貼り付けることが可能なぬいぐるみ・リボン・コサージュ・宝玉の模造品の組み合わせ(乙第2号証)、携帯電話機に貼り付けることが可能なコサージュ(乙第3号証)及び携帯電話機に貼り付けることが可能なリボン(乙第3号証ないし乙第5号証)である。
これらの商品は、いずれも、携帯電話機に貼り付けられることを意図して販売されているものの、実際には任意の物品(例えば、手鏡や化粧用具のような小物類、ティッシュケース等)に貼り付けることが可能な商品であるから、貼付する対象が携帯電話機等であるというのは、被請求人による例示にすぎないものであって、使用の際に携帯電話機と組み合わせることが必須の商品ですらないといえる。
なお、例示された貼付対象のうち「携帯用液晶画面ゲームおもちゃ」については、そもそも、本件商標の指定商品である「電気通信機械器具の部品及び付属品」や「家庭用テレビゲームおもちゃ」に該当するものではない。
(2)被請求人は、上記した商品が「電気通信機械器具の部品及び付属品」に該当すると考えているものと推測されるが、「電気通信機械器具の部品及び付属品」とは、電気通信機械器具の本質的な機能を発揮させ、又は補助し、あるいは電気通信機械器具に新たな機能を付加するための部品及び付属品を指すものと考えられる。特許電子図書館の商品・役務名リストによれば、「携帯電話機の画面に貼って使用するのぞき見防止用シート」、「携帯電話機用ネックストラップ」、「携帯電話機用ヘッドホン」等が「電気通信機械器具の部品及び付属品」(類似群コード11B01)に属するが(甲第2号証)、「携帯電話機の表面装飾用宝玉模造品粒」(第14類、類似群コード21D01)、「携帯電話機用装飾シール」(第16類、類似群コード25B01)のような装飾効果しかないものは、「電気通信機械器具の部品及び付属品」であるとは考えられていない(甲第3号証)。
本件の場合も、被請求人が提出している乙各号証の商品は、もともと装飾、鑑賞等を目的とした物品を携帯電話機への貼付用に小さくしたものにすぎず、携帯電話機に貼付した場合に装飾効果以外の何らの機能も発揮又は付加し得ないのであるから、第9類の「電気通信機械器具の部品及び付属品」に該当すると解される余地はない。
したがって、上記した商品は、いずれも、本件商標の指定商品である第9類「写真機械器具、電気通信機械器具、レコード、電気通信機械器具の部品及び付属品、電子応用機械器具及びその部品、家庭用テレビゲームおもちゃ」のいずれにも該当しないものである。
(3)以上のとおり、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品について使用したものということはできない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
本件商標については、登録された平成19年2月16日より本件審判が請求された平成22年2月22日に至るまでの期間において、証拠方法に示すとおり、広告及び販売を継続している事実がある。
また、被請求人の会社ホームページ(http://www.suncrest.co.jp)においても継続的に広告を実施し販売促進している。
したがって、本件審判請求は棄却されるべきである。

第4 当審の判断
(1)被請求人は、本件商標についての広告及び販売を継続して行っている旨主張して、乙第1号証ないし乙第5号証を提出しているので、以下、被請求人の提出に係る乙各号証について検討する。
ア 乙第1号証は、平成20年1月15日発行の雑誌「KANSAI 1週間」であり、その12頁の広告には、「キラキラの“デコ携帯”が進化していた!!/“姫電”に大注目!!」の見出しのもとに、「今や女子にとって、携帯電話はアクセサリーの一つ。自分好みにカスタマイズして、オリジナリティを表現するアイテムでもあるのだ。なかでもラインストーンでキラキラ派手に仕上げた“デコ電”は、すっかり定番化。・・・それがこの、レースやリボンなどのファブリックでドレスアップしたお姫様系スタイル。・・・」の記載があり、左側には3種類の商品が掲載されており、そのうちの「クマちゃんミックス」なる商品の包装に「baby doll」の商標が表示されていることが認められる。そして、左下の欄には、「ストラップヤ」の名称とともにメールアドレスが掲載されている。
イ 乙第2号証は、「リュリュ2008盛夏号」の通販マガジンであり、その200頁には、「セレブる!デコる!/ミーハーガール」の見出しのもとに、「プリンセスベアがめっちゃスウィート!」「たっぷりのフリルとレースに囲まれてクマちゃんも大満足!?DSも携帯も簡単カワいくデコレーション!」、「携帯もくまちゃん」、「DSもくまちゃん」の記載とともにフリル、レース及びクマの人形で装飾された携帯電話等の写真、その下に、「プリンセスベビードールDS・携帯セット」として商品番号や価格等が掲載されている。
ウ 乙第3号証は、「ストラップヤ」と称するホームページの写しであり、2枚目は「[ベビードール]の検索結果-携帯ストラップの専門店ストラップヤ!本店」を見出しとするウェブページの写しであり、いずれも、2010年3月30日にプリントアウトされたものである。そのウェブページには「デコ電を越えた!姫電携帯ドレスアップベビードール(リボン/ピンク3個)BD-PI1P 価格158円」なる商品が写真とともに掲載されており、その他にも、「デコ電を越えた!姫電携帯ドレスアップベビードール」等の記載とともに4種類の商品の写真が掲載されている。
エ 乙第4号証は、株式会社StrapyaNextから被請求人(商標権者)である株式会社サンクレストへの2010年3月17日付けの発注書の写しであり、一覧表のNo.3の欄に、商品名として「デコ電を越えた!姫電携帯ドレスアップベビードール(リボン/ピンク3個)BD-RI1P」とあり、発注数として「5」と記載されている。
オ 乙第5号証は、株式会社サンクレストから(株)ストラップヤ物流センターへ宛てた平成22年3月18日付けの納品書及び請求書の各写しであり、そのいずれにも「商品コード/商品名」の3段目に「BD-RI1P リボン1/ピンク」とあり、単位として「5個」と記載されている。
(2)上記において認定した事実によれば、被請求人は、平成22年3月17日に株式会社StrapyaNextから「デコ電を越えた!姫電携帯ドレスアップベビードール(リボン/ピンク3個)BD-RI1P」の注文を受け、同月18日に該商品を株式会社ストラップヤ物流センターに対して納品したことを認めることができる。
そして、ストラップヤは、雑誌「KANSAI 1週間(平成20年1月15日発行)」(乙第1号証)において、「baby doll」の商標を表示した「クマちゃんミックス」なる商品の広告を掲載しており、また、「ストラップヤ」のホームページ(乙第3号証)において、「デコ電を超えた!姫電携帯ドレスアップベビードール(リボン/ピンク3個)BD-PI1P」なる商品を掲載していたことを認めることができる。
(3)しかしながら、次の理由から、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標をその指定商品について使用していたものとは認められない。
ア 被請求人が本件商標を使用しているとする商品(以下「使用商品」という。)について
被請求人は、使用商品が「電気通信機械器具の部品及び付属品」に該当するとの前提のもとに乙各号証を提出しているものと推測される。
ところで、「電気通信機械器具の部品及び付属品」とは、商標法施行規則別表の第9類に「電気通信機械器具の部品及び付属品」として例示されている「アンテナ キャビネット コイル 磁気テープイレーザー ・・・」などの商品から明らかように、電気通信機械器具の本質的な機能を発揮させたり、あるいは、これを補助・補完するための部品及び付属品を指称しているものである。
そうとすると、例えば、携帯電話機の画面に貼って使用するのぞき見防止用シートや携帯電話機用のハンズフリー装置は「電気通信機械器具(携帯電話機)の部品及び付属品」に属するものということができるものの、使用商品は、上記において認定した乙各号証の「レースやリボンなどのファブリックでドレスアップしたお姫様系スタイル。・・・」、「プリンセスベアがめっちゃスウィート/たっぷりのフリルとレースに囲まれてクマちゃんも大満足!」、「デコ電を越えた!ドレスアップベビードール(リボン/ピンク3個)」の記載(乙第1号証ないし乙第3号証)や乙各号証に記載されている商品の用途や材質、使用方法等からみれば、使用商品は、携帯電話機を装飾するためのレースやリボン等の飾り物と認められるものである。
そうとすれば、使用商品は、携帯電話機の装飾に用いられる商品であって、携帯電話機の本質的な機能を発揮させたり、あるいは、これを補助・補完するための商品とはいえないものであり、「電気通信機械器具(携帯電話機)の部品あるいは附属品」とは認められないものである。
イ 使用商標について
被請求人が本件商標を使用しているとして提出している乙各号証に表示されている商標をみると、乙第1号証の「クマちゃんミックス」なる商品の包装袋上に表示されている「baby doll」の商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものであるが、乙第2号証に表示されている商標は「プリンセスベビードール」、乙第3号証及び乙第4号証に表示されている商品に表示されている商標は「ドレスアップベビードール」というべきであって、これらは、いずれも全体として一連一体に構成されているものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められないものである。
ウ 加えて、被請求人の提出に係る乙各号証は、本件商標についての使用の事実を証明する証拠として適切なものとはいえない。
まず、乙第4号証及び乙第5号証によれば、被請求人が株式会社ストラップヤから「デコ電を越えた!姫電携帯ドレスアップベビードール(リボン/ピンク3個)BD-RI1P」の注文を受け、該商品を株式会社ストラップヤに納品したのは平成22年3月18日と認められるところ、これは、本件審判の請求の登録(平成22年3月9日)前3年以内における使用の事実を証明したものではない。
また、乙第2号証によれば、「プリンセスベビードールDS・携帯セット」なる商品の広告が「リュリュ2008盛夏号」の通販マガジンに掲載された事実は認められるが、該広告の広告主等の記載がなく、該商品の取扱者は明らかでない。
さらに、株式会社ストラップヤが「baby doll」の商標を表示した「クマちゃんミックス」なる商品の広告を雑誌「KANSAI 1週間(平成20年1月15日発行)」に掲載していた事実(乙第1号証)あるいは「ドレスアップベビードール(リボン/ピンク3個)BD-PI1P」なる商品をホームページに掲載していた事実(乙第3号証)は認められるとしても、被請求人は、株式会社ストラップヤとの関係について何ら主張・立証していないから、株式会社ストラップヤが本件商標に係る通常使用権者として、雑誌やホームページに広告を掲載していたものとは認められない。
エ なお、被請求人は、証拠としては提出していないが、答弁書の中で、自社のホームページ(http://www.suncrest.co.jp)においても継続的に広告を実施し販売促進している旨述べているので、職権により、当該ホームページを閲覧したが、本件商標の使用は見いだせなかった。
また、「こまもの本舗」と称するウェブページ(http://www.komamono-honpo.com/keitai/dress_up/babydoll/suncrest/000008083.html)を閲覧したところ、「サンクレスト SUNCREST ケイタイベビードール【メール便可】【最終在庫】リボンコサージュタイプ」の項に、「サンクレスト SUNCREST ケイタイベビードール リボンコサージュタイプ 商品番号:BD-CO2W」、「サンクレスト SUNCREST ケイタイベビードール くまちゃん柄タイプ 品番:BD-BE1G」等の商品が紹介されており、その商品説明として「ぴたっと貼るだけで、携帯電話を可愛く飾れ貼り直しもOK!カワイイマスコットやコサージュを自分の好みに合わせて貼付けることができます。携帯電話はもちろん身の回りの小物に貼付けても可愛いよ。」と記載されていることが認められる。
これらの記載からみれば、これらの商品についても、前記アと同様の理由から、携帯電話機等を装飾するためのレースやリボン等の飾り物と認められるものであって、本件商標の指定商品中の「電気通信機械器具(携帯電話機)の部品あるいは附属品」とは認められないものである。
オ そして、他に、本件商標が取消請求に係る本件商標の指定商品について使用されていたことを認めるに足る証拠は提出されていない。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-10-04 
結審通知日 2010-10-06 
審決日 2010-10-19 
出願番号 商願2006-34031(T2006-34031) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (Y09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 熊谷 道夫 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
瀧本 佐代子
登録日 2007-02-16 
登録番号 商標登録第5025630号(T5025630) 
商標の称呼 ベビードール、ベビー、ドール 
代理人 瀬戸 一宏 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ