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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117
管理番号 1226598 
審判番号 取消2009-301359 
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-12-10 
確定日 2010-10-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第2227866号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2227866号商標の指定商品中「くつ下,たび,手袋(ゴム手袋,絶縁用ゴム手袋を含む)えりまき,マフラー,スカーフ,ネッカチーフ,ショール,ネクタイ,ゲートル,たびカバー,エプロン,おしめ」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2227866号商標(以下「本件商標」という。)は、「ロボ」の片仮名文字と「ROBO」の欧文字を二段に併記してなり、昭和61年9月27日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品」を指定商品として、平成2年5月31日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。
<請求の理由>
本件商標は、その指定商品中「くつ下,たび,手袋(ゴム手袋,絶縁用ゴム手袋を含む。)えりまき,マフラー,スカーフ,ネッカチーフ,ショール,ネクタイ,ゲートル,たびカバー,エプロン,おしめ」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号ないし第7号証を提出した。
(1)請求人は、本件商標が、その取消に係る指定商品について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張しているが、本件商標登録を取消す理由は全く存在しないものである。
(2)本件商標は、商標権者本人である「柿沼衣料品工業株式会社」が本件商標の登録日である平成2年5月31日以降、及び更新登録日である平成12年2月1日以降、現在に至るまで使用しているものである。
(3)本件商標の指定商品は、旧商品区分(昭和34年法)第17類「被服、布製身回品」である。これらの指定商品中「被服」に「パンツ」が含まれているものであり、この「パンツ」に「子供パンツ」が含まれている。
(4)本件商標の指定商品中「子供パンツ」については、乙第1号ないし第7号証に示す使用証明用写真、及び送り状、売上伝票、納品書より明らかな如く、商標権者が使用しているものである。
なお、商標権者の住所が「埼玉県羽生市北1丁目12-29」より「埼玉県羽生市中央1-17-1」に現在変更されているが、本件商標の更新登録時に合わせて、住所の表示変更登録申請をする予定である。
(5)乙第1号証に示す「使用証明書の写真」には、1つ目の「子供パンツ」が示されている。これらの「子供パンツ」は中国で製造したものを輸入している。この乙第1号証に示される「子供パンツ」には、左右の足の上下方向の中間位置に「ROBO★KIDS」の表示が示されている。
乙第2号証に示す商品タグには、表面側の「ROBO KIDS」の表示と、裏面側の商品コード「No.723600」とが記載されている。
乙第3号証には、商品コード「No.723600」に対応する「売上伝票」(コピー)が示されており、この乙第3号証の「売上伝票」には、09年10月5日の売上日付、及び請求日付が記載され、顧客である「株式会社北海道三喜」の名称が記載されている。
乙第4号証には、「送り状」が示されており、この「送り状」の荷主には、本商標権者である「柿沼衣料品工業株式会社」が示され、出荷先として「道の駅羽生」が示され、品名に「CHILDRENS KNITTING PANTS」(子供ニットパンツ)の表示がある。
(6)乙第5号証に示す「使用証明書の写真」には、2つ目の「子供パンツ」が示されている。これらの「子供パンツ」は中国で製造したものを輸入している。この乙第5号証に示される「子供パンツ」には、乙第6号証に示す商品タグが付せられ、この商品タグには、表面側の「ROBO」の表示と、裏面側の上部の商品コード「No.723710」、及び下部の「ROBO CLUB」の表示とが記載されている。
乙第7号証には、「納品書」が示されており、この「納品書」(伝票番号8770)には、取引先名として「埼玉県羽生市中央1-17-1柿沼衣料品工業株式会社」が示されている。また、商品コード「No.723710」に対応する品名「T/CウェザーBD(ウエストリブ・脇ライン)裏トリコット、数量「6」、売価金額合計「42352」が記載され、また、09年9月26日の納品日付が記載され、顧客である「株式会社三喜」(北茨城店)の名称が記載されている。
(7)乙第1号、第2号、第5号及び第6号証には、本件商標が記載されている。
(8)むすび
以上の理由により、本件商標は、商標権者本人が本件商標を現在使用しているものであり、商標登録の取消しの理由は全く存在しないものであり、商標法第50条第1項に該当しないことは明らかである。

4 請求の趣旨の補正
(1)審判長は、請求人に対し、平成22年7月30日付け審尋において、
「請求人は、審判請求書の『請求の趣旨』において、本件商標の指定商品中『くつ下,たび,・・・,及びこれらの類似商品』についての登録の取消しを求めている。しかしながら、上記指定商品中『及びこれらの類似商品』の表示は、一部取消しの審決が確定した場合、登録商標の効力の及ぶ指定商品の範囲が曖昧となることから、その請求の趣旨は不明確なものといわざるを得ない。したがって、当該『及びこれらの類似商品』の表示を要旨変更とならない範囲内で明確な表示に補正するか又は当該表示を削除する補正をされたい。」旨審尋をした。
(2)これに対し、請求人は、平成22年8月18日付け手続補正書をもって、「請求の趣旨」中、取消請求に係る指定商品を「くつ下,たび,手袋(ゴム手袋,絶縁用ゴム手袋を含む。)えりまき,マフラー,スカーフ,ネッカチーフ,ショール,ネクタイ,ゲートル,たびカバー,エプロン,おしめ」と補正した。

5 当審の判断
(1)請求の趣旨の補正について
前記4のとおり、不明確であった請求の趣旨は、補正により明確なものとなり、平成22年8月20日に本件商標の商標登録原簿に請求の趣旨の更正の登録がなされた。そして、請求人による当該補正は、請求の趣旨の内容を実質的に変更するものではないから、要旨を変更するものではない。
(2)商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録(本件の場合、平成22年1月8日)前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
(3)本件審判において、請求人が、その取消しを求めた指定商品(以下「取消請求に係る指定商品」という。)は、本件商標の指定商品中「くつ下,たび,手袋(ゴム手袋,絶縁用ゴム手袋を含む。)えりまき,マフラー,スカーフ,ネッカチーフ,ショール,ネクタイ,ゲートル,たびカバー,エプロン,おしめ」であることは、審判請求書の記載に照らし明らかである。
しかして、上記(2)のとおり、取消請求に係る指定商品について、本件商標の使用の事実を証明するか、あるいは不使用の場合には、正当な理由のあることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れないものである。
(4)被請求人の主張及び同人提出の証拠(乙第1号ないし第7号証)によれば、本件商標の使用を証明せんとする商品は「子供パンツ」である。
しかしながら、「子供パンツ」は、本件商標の指定商品に属する商品ではあるが、取消請求に係る指定商品には包含されない商品である。
そうすると、「子供パンツ」は、本件審判の取消請求に係る指定商品には包含されないものであるから、本件商標が、本件審判請求の登録前3年以内に、取消請求に係る指定商品のいずれかについて使用したことが明らかにされたと認めることはできない。
他に、取消請求に係る指定商品について、本件商標の使用を示す証左はなく、その不使用についての正当理由に係る主張及び立証もない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、結論掲記の指定商品について、商標法第50条に基づき、その登録の取消しを免れないものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-08-24 
結審通知日 2010-08-25 
審決日 2010-09-07 
出願番号 商願昭61-101699 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (117)
最終処分 成立  
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 田中 亨子
野口 美代子
登録日 1990-05-31 
登録番号 商標登録第2227866号(T2227866) 
商標の称呼 ロボ 
代理人 秋山 修 

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