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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z09
管理番号 1225110 
審判番号 取消2009-301392 
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-12-22 
確定日 2010-10-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4412339号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4412339号商標の指定商品又は指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,火災報知器,ガス漏れ警報器,盗難警報器」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4412339号商標(以下「本件商標」という。)は、「イツモ」及び「いつも」の文字を二段に併記してなり、平成10年9月7日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,ロケット,遊園地用機械器具,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,回転変流機,調相機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,自動販売機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,録画済みCD-ROM」、第35類「広告,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,輸出入に関する事務の代理又は代行,書類の複製,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,図書及び記録の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその付属品の貸与,映写フィルムの貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,科学技術に関するセミナー又はシンポジウムの企画及び運営,ゴルフの興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,その他のスポーツの興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,図書の供覧に関する情報の提供,教育に関する情報の提供,映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,動植物の供覧に関する情報の提供,美術品の展示に関する情報の提供,運動施設・遊園地その他の娯楽施設に関する情報の提供,競馬・競輪・競艇又は小型自動車競走に関する情報の提供」及び第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,医療情報の提供,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,計測器の貸与,暖冷房装置の貸与,超音波診断装置の貸与,加熱器の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与,コンピュータデータベースヘのアクセスタイムの賃貸,オンラインによる情報処理,科学技術に関する情報の提供,知的財産権に関する情報の提供,新聞・雑誌に掲載された記事に関する情報の提供,保育所における乳幼児の保育に関する情報の提供,老人の養護に関する情報の提供,身体障害者の擁護に関する情報の提供,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究に関する情報の提供,農業・畜産又は水産の試験・検査又は研究に関する情報の提供,翻訳,電子計算機及び電子計算機用プログラムの遠隔監視」を指定商品又は指定役務として、平成12年8月25日に設定登録されたものである。
なお、上記指定役務中、第42類「飲食物の提供」については、平成16年5月26日に商標権の一部放棄による抹消の登録がされている。

2 請求人の主張
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品(役務)中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,火災報知器,ガス漏れ警報器,盗難警報器」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 被請求人は、「itsmo」の文字がややロゴ的に表記された乙第1号証を示し、これが「電子計算機用プログラム」に該当し、商標権者であるNECモバイリング株式会社が、CD-ROMの媒体を介して市場に提供していることをもって、使用が証明されている旨主張している。
一方、本件商標は、「イツモ」と「いつも」を2段に分けて表記してなるものである。これらをローマ字表記すると「itsumo」あるいは「itumo」となるのが通常であり、CD-ROMの盤面に表記されているのは「u」の文字がない「itsmo」であるから、単にひらがなやカタカナの表記をローマ字の表記に変更したものとは言えない。「itsmo」から生じる称呼は、「いつも」もあり得るが、「いっつも」などもあり得るから、称呼が同一であるとも言えない。したがって、CD-ROMの盤面に表記されているものは、本件商標と社会通念上同一ではなく、本件商標が使用されていたという証明にはならない。
また、請求人が調査した限りにおいて、乙第1号証に示される販売損益管理システムが、被請求人により実際に販売等されている商品であるという客観的な形跡は見られなかった。そして、乙第1号証は、CD-ROMの盤面の写しにすぎず、「イツモ/いつも」について商標法上の使用がなされたことの立証はされていない。特に、乙第1号証を見ると、CD-ROMのケースや盤面の状況からして、市販のCD-Rの盤面にプリンター等で印刷がなされたもののように見受けられ、被請求人がこれを商品として販売等しているとは、俄に信じがたく、「イツモ/いつも」について商標法上の使用がなされていないことが推認される。
イ また、被請求人は、CD-ROMの盤面に表記されている「itsmoSales」についても、本件商標と社会通念上同一である旨主張しているので、これについても反論する。
「Sales」は「セールス」と称呼され、「販売する」などの観念を生じるものと認められる。「Sales」の語を含む商標を、電子計算機用プログラムに使用しても、「Sales」の観念は電子計算機用プログラムとは直接的には結びつかないから、プログラムの内容が直ちに示されているとは言えない。また、本件商標において「Sales」は「itsmo」と間を開けず一連?体に表記されている。したがって、「itsmoSales」は、全体が一体として称呼される商標であり、「Sales」が除外されて需要者に認識されるわけではないから、「イツモ/いつも」と社会通念上同一とは言えない。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号及び第2号証を提出した。
(1)本件商標の使用について
被請求人が使用している商標(以下「使用商標」という。)は、乙第1号証から明らかなように、「itsmo」とローマ字で構成されているところ、本件商標「イツモ」及び「いつも」とは称呼を同一にし、社会通念上同一の商標である。また、同じく乙第1号証において使用商標が使用されているアプリケーションプログラム「販売損益管理システム」(以下「使用商品」という。)の名称「itsmoSales」については、その構成中で唯一、ローマ字の大文字で表される「S」で始まる「Sales」の部分が、前半の「itsmo」と分離・分断される。使用商品が「販売損益管理システム」であることに鑑みれば、「Sales」の文字に自他商品の識別力は無く、これを発揮する要部として看取されるのは「itsmo」である。してみれば、「itsmoSales」についても、本件商標と社会通念上同一であることは言うまでもない。
(2)使用商品及び要証期間内の使用について
次に、使用商品は、乙第1号証から明らかなようにアプリケーションプログラム「販売損益管理システム」であり、第9類の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれている「電子計算機用プログラム」に該当する。使用商品は、商標権者であるNECモバイリング株式会社が、CD-ROMという媒体を介して市場に提供しているものである。使用商品の内容を示すWindowsエクスプローラ画面の写し(乙第2号証)によれば、更新日時のタイムスタンプとして2009年12月の日付が記載されている。このことは、使用商品は少なくともそれ以前には作成され幾度かのバージョンアップを経て現在に至っていることが明らかであり、使用商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において継続して使用されている証左に他ならない。
(3)結語
以上に示した証拠から、本件商標と社会通念上同一の商標が、継続して3年以上日本国内において「電子応用機械器具」に含まれる「電子計算機用プログラム」について使用されていることは明白である。

4 当審の判断
(1)乙第1号及び第2号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は、透明なケースに入った「CD-ROM」の写真であるところ、該CD-ROMの盤面上段には「販売損益管理システム」の文字と「itsmoSales」の文字が二段に併記され、また、同中段左側には使用商標「itsmo」が表示され、その反対の右側には「NECモバイリング」の文字が四角枠内に表示されている。
イ 乙第2号証は、被請求人によれば、使用商品の内容を示す「Windowsエクスプローラ画面の写し」であるが、名前欄には、上から順に「現在CDにあるファイル」「itsmoSales_DB_EnviromentSettingManualpdf」「mysqi-connector-odbc-5.1.1-win32.msi」「SUP31_H.mdb」の各表示が、また、更新日時欄には、上から順に「2009/12/11 14:35」「2009/12/04 16:28」「2009/12/10 11:07」の各表示がある。
(2)社会通念上の同一性について
ア 本件商標は、前記1のとおり、「イツモ」及び「いつも」の文字からなるところ、その構成各文字に相応して「イツモ」の称呼を生じ、「何時も」の観念を生ずるものというのが相当である。そして、本件商標をローマ字表記した場合、「itsumo」と表記されるのが通常であるから、CD-ROMの盤面に表記されている使用商標「itsmo」とは、「u」の文字の有無に相違があり、単に平仮名や片仮名の表記をローマ字表記に変更したものとは言えない。
したがって、本件商標については、平仮名及び片仮名とローマ字の相互間の使用とは認められないものである。
そして、使用商標「itsmo」の文字に相応して「イツモ」の称呼を生ずる場合があるとしても、該文字は特定の観念を生じさせない造語からなるものと認められるから、観念上、比較し得ない別異の商標といわざるを得ない。
そうすると、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認めることはできない。
イ なお、被請求人は、CD-ROMの盤面上段に表示された「itsmoSales」の文字について、本件商標と社会通念上同一の商標である旨主張している。
しかし、「itsmoSales」の文字は、同書体で等間隔に纏まりよく表されていることから、その構成文字に相応して「イツモセールス」とのみ称呼され、一連一体の語として理解、認識されるというべきであり、二段併記された本件商標とは、視覚上、顕著な差異を有するものであるから、観念上、比較し得ないとしても、称呼及び外観において同一性を有しないものといわざるを得ず、よって、本件商標と「itsmoSales」の文字とは、社会通念上同一の商標と認めることはできない。
(3)使用商品について
乙第1号証には、該写真を撮影した撮影日やCD-ROMの作成年月日等の日付の表示はなく、かつ、被請求人は、使用商品が何時、誰に対して、どのような方法で販売されたか等、具体的な使用商品の販売事実を証明する証拠(商品カタログ、定価表、納品書、領収書等)について、何ら明らかにしていない。
また、日付について、被請求人は、乙第2号証で示す更新日時の2009年12月の日付をもって、使用商品が、それ以前に作成されていたことを主張するのみである。
そうすると、被請求人提出の乙各号証を総合勘案しても、本件商標が本件審判の登録前3年以内に、日本国内において請求に係る指定商品について使用されていたものと認めることはできない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人が、本件商標を請求に係る指定商品について、使用していないことについて正当な理由があることを証明したとも認められない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品又は指定役務中「結論掲記の指定商品」について、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (使用商標)




審理終結日 2010-08-04 
結審通知日 2010-08-10 
審決日 2010-08-24 
出願番号 商願平10-76424 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z09)
最終処分 成立  
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
田中 亨子
登録日 2000-08-25 
登録番号 商標登録第4412339号(T4412339) 
商標の称呼 イツモ 
代理人 広川 浩司 
代理人 木村 明隆 

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