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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2011300983 審決 商標
取消200631260 審決 商標
取消2011300734 審決 商標

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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 025
管理番号 1225104 
審判番号 取消2010-300120 
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2010-01-28 
確定日 2010-10-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4149457号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4149547号商標(以下「本件商標」という。)は、「ALLURE」の欧文字と「アリュール」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成8年12月20日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同10年5月29日に設定登録、その後、商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、商標権の一部取消し審判があった結果、「洋服,コート」については、その登録を取り消す旨の審決がなされ、その確定登録が同18年9月19日になされているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成22年2月15日にされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,但し,「スパッツ」を除く。」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
請求人が本件商標の使用状況につき精査をしたところ、本件商標は、本件審判請求に係る「スパッツ」を除く指定商品について、継続して3年以上、日本国内において使用している事実がない。すなわち、商標権者自身による使用はもとより、商標登録原簿を見ても専用使用権の設定登録はなく、また、許諾を受けた通常使用権者による使用の事実も確認できないとともに、その不使用について正当な理由があるとも認められない。
よって,本件商標の指定商品中、本件審判請求に係る「スパッツ」を除く指定商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
1 審判請求に係る指定商品について
請求人は、本件指定商品中の「スパッツ」を除く「セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、和服、アイマスク、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、バンダナ、保温用サポーター、マフラー、耳覆い、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、帽子、防暑用ヘルメット」について不使用取消審判を求めている。
しかしながら、「スパッツ(運動用特殊衣服を除く。)」は、上記の商品群に属する商品である。
そうだとすれば、商品「スパッツ」が不使用取消しの対象から除かれていれば、上記の商品群は、商品「スパッツ」に関する本件商標権の禁止権の範囲に属するものであり、同一又は類似の商標は、登録を受けることができず、また、本件商標権者の許諾を受けずに上記の商品群について、同一又は類似の商標を使用すれば、本件商標権の侵害に該当するものである。
換言すれば、「スパッツ」を除きながらも上記の商品群を含む指定商品について請求している本件不使用取消審判は、それ自体意味のないものであり、このような審判請求によって商標権者に答弁書提出の負担を課すのは、正に被請求人を害することを目的としているといわざるを得ず、権利の乱用といわざるを得ないものである。
したがって、本件審判請求は、商標法第56条において準用する特許法第135条の規定に基づき却下されるべきものである。
2 本件商標の使用状況
(1)本件商標は、本件指定商品中の「下着」について使用されている。
ア 乙第1号証 商品販売用カタログ誌「09 Spring & Summmer Ladies’Inner」
同誌は、被請求人会社の営業員が得意先に提示する2009年春、夏用の商品販売用カタログ誌で、商品紹介ページ、第17ページにおいて本件商標の片仮名表示の「アリュール」を使用したショーツが掲載されている。
イ 乙第2号証 商品販売用カタログ誌「09 Autumn & Winter Ladies’Inner」
同誌は、被請求人会社の営業員が得意先に提示する2009年秋、冬用の商品販売用カタログ誌で、商品紹介ページ、第21ページにおいて本件商標の片仮名表示の「アリュール」を使用したショーツが掲載されている。
また、裏表紙において本件商標の欧文字表示「ALLURE」並びに片仮名表示「アリュール」を使用した婦人用シャツ(ストッキングインナー)商品番号84V8815が掲載されている。
ウ 乙第3号証 商品写真
上記イの婦人用シャツ(ストッキングインナー)商品番号84V8815に対応する商品写真で、商品情報を印刷した中紙の表裏において本件商標の欧文字表示「ALLURE」が使用されている。
(2)本件商標は、上段に欧文字で「ALLURE」と表し、下段に片仮名で「アリュール」とやや小さく表してなる商標であるのに対し、乙第1号証では、片仮名の「アリュール」が使用され、乙第2号証では、片仮名の「アリュール」を使用した商品紹介と、欧文字の「ALLURE」を大きく表示し、その下に「アリュール」と「ストッキングインナー」を並べてやや小さく表示している。
すなわち、登録商標そのものの態様で使用されているとはいえないところであるが、登録商標における片仮名の「アリュール」は、欧文字の「ALLURE」から生じる自然的称呼を表音表記したものであり、このような場合においては、欧文字「ALLURE」の単独使用、片仮名「アリュール」の単独使用いずれの場合であっても社会通念上において登録商標と同一性の範囲内における使用と認められるものである。

第4 当審の判断
1 審判請求に係る指定商品について
被請求人は、「請求人は、審判請求に係る指定商品について、『スパッツ』を除いているが、『スパッツ』は、審判請求に係る指定商品中、同じ類似群コード(17A04)が付される商品群に属する商品であるから、そもそも『スパッツ』の商品群を含む指定商品について請求している本件不使用取消審判は、それ自体意味のないものであって、このような審判請求によって商標権者に負担を課すのは、被請求人を害することを目的としているものであって、権利の乱用にあたり却下すべきものである。」旨、述べているので、まず、この点について判断する。
商標法第50条第1項は、審判請求に係る指定商品又は指定役務について、いかなる制限も加えているものではないから、取消に係る指定商品又は指定役務が登録商標の指定商品又は指定役務に含まれれば足りるものである。
したがって、本件の場合、不適法であるということはできず、本件の審判請求を却下しなければならないとする理由はない。
2 被請求人の提出に係る証拠により、以下のことが認められる。
(1)乙第1号証は、商品販売用カタログ誌「Ladies’Inner 09 Spring & Summer」とするものであるが、これは、被請求人の2009年春、夏用の商品販売用カタログ誌であると認められ、商品紹介の第17ページにおいて「アリュール」の片仮名を使用したショーツが掲載されている。
(2)乙第2号証は、商品販売用カタログ誌「09 Autumn & Winter Ladies’Inner」とするものであるが、これは、被請求人の2009年秋、冬用の商品販売用カタログ誌であると認められ、商品紹介の第21ページにおいて「アリュール」の片仮名を使用したショーツが掲載されている。
また、その裏表紙において本件商標の欧文字表示「ALLURE」並びに片仮名表示「アリュール」を使用した婦人用シャツ(ストッキングインナー)商品番号84V8815が掲載されている。
(3)乙第3号証は、商品写真であるが、そこには、上記(2)の婦人用シャツ(ストッキングインナー)の商品番号84V8815に対応する商品であることが認められ、商品の包装中紙の表裏において「ALLURE」の欧文字が使用されている。
(4)以上のことからすると、被請求人は、2009年から2010年にかけて、「下着」に含まれるショーツ及び婦人用シャツ(ストッキングインナー)に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと推認される。
(5)請求人は、前記第3の本件商標の使用を証明する答弁に対し、なんら弁駁していない。
3 してみれば、本件商標は、請求に係る指定商品中の「下着」について、本件審判の請求の登録前3年以内に、被請求人によって使用されたものということができる。
4 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-07-27 
結審通知日 2010-07-29 
審決日 2010-08-23 
出願番号 商願平8-144139 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (025)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村上 照美 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小川 きみえ
小林 由美子
登録日 1998-05-29 
登録番号 商標登録第4149457号(T4149457) 
商標の称呼 アリュール 
代理人 大島 泰甫 
代理人 稗苗 秀三 
代理人 後藤 誠司 

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