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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 019
管理番号 1225037 
審判番号 取消2010-300004 
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-12-28 
確定日 2010-09-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第3371377号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第3371377号商標(以下「本件商標」という。)は、「エコフロアー」の文字を横書きしてなり、平成4年9月22日に登録出願、第19類「木製床板,合板製床板」を指定商品として、同12年8月25日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 乙各号証について
(ア)乙第2号証は、「倉庫内の長尺長方形の梱包体の写真であって、側面に『エコフロアー』の表示がある梱包体の写真」が平成19年9月5日に封筒に収められて封緘されていたことを示すものである。しかしながら、この梱包体が本件商標の指定商品を梱包したものであることと、この商標を使用しているのは誰であるのかについては、何ら証拠が示されていない。封緘された封筒に付された紙には「床材『エコフロアー』の梱包写真」との記載があるが、実際に床材が入っているかどうかの証拠はない。したがって、乙第2号証は、単に平成19年9月5日に梱包体の側面にエコフロアーの表示がされていたことを示しているにすぎず、本件商標の商標権者(以下「商標権者」という。)の使用事実を示すものではない。
(イ)乙第3号証の添附資料No.1は、本証明書の発行日である平成22年2月16日に住友林業株式会社(以下「住友林業」という。)の杉本浩文氏が作成したものと考えるのが妥当であり、添附資料No.2は、乙第2号証の写真と同じ写真である。添附資料No.3は、木の板を梱包したもの2種類の写真であって、写真1の梱包には、表側左上に、黄色の楕円内に緑色で「エコフロアー」と書されてその後に葉っぱのマークが付されている。右下側面側にも同じマークが付されており、裏面右下には住友林業との表示がある。写真2の梱包には表側左上に、黄色の楕円内に緑色で「環境配慮/エコフロアー」と2段で書されて「ー」の後に葉っぱのマークが付されている。裏面右下には住友林業との表示がある。
したがって、乙第3号証からわかることは、住友林業が、床材に「エコフロアー」+葉っぱのマーク、あるいは「環境配慮/エコフロアー」+葉っぱのマークを使用していることである。しかしながら、本件審判の請求の登録日である平成22年1月15日(審決注:「平成22年1月19日」の誤記と認める。)よりも前の使用であることと、商標権者が本件商標を使用していることは示されていない。住友林業が本件商標の使用権者であることは示されていない。このことは、乙第1号証の2においても明らかである。
また、添附資料No.2は、乙第2号証の写真と同じ写真であることから、乙第2号証は、住友林業の梱包体の写真であると考えるのが自然である。なお、乙第3号証において、添附資料No.2の梱包体の中身が添附資料No.3に示す物であることは文章で説明はされているが、写真等の証拠はなく、梱包体の中に何か入っていたかは証明されていないと考えられる。
さらに、写真1、2に示されているのは、「葉っぱマークのエコフロアー」との観念が生じる商標であり、外観も本件商標とは明らかに異なっているので、本件商標とは社会通念上同一とはいえない。
以上より、乙第3号証は、商標権者又は使用権者の使用事実を示すものではない。
(ウ)乙第4号証の1ないし4には、いずれも本件商標の表示はない。したがって、乙第4号証の1ないし4は、本件商標の使用事実を示すものではない。
被請求人は、乙第4号証の1ないし4に記載された品番と乙第3号証の添附資料No.1に記載の品番との照合により輸送物品が「エコフロアー」であることが明らかと述べるが、これらの受領書に「エコフロアー」の表示がなければ本件商標の使用事実を示す証拠とはなり得ない。また、乙第3号証の添附資料No.1は、上述のとおり、平成22年2月16日に住友林業の杉本浩文氏が作成したものと考えるのが妥当であって証拠能力はないものと考えられる。仮に商標の使用がこの書類から読み取れると仮定したとしても、これらはいずれも商標権者の使用を示しているものではなく、上述のように住友林業の使用を示しているものと考えられる。
(エ)被請求人は、乙第5号証をカタログと称しているが、商品の具体的な仕様(例えば長さ、幅、重量など)、特徴説明(例えば、色、表面仕上げなど)、価格は記載されていない。すなわち、乙第5号証は、カタログではなく、このような製品を今後製造していく決意表明を表した冊子と考えられる。このことは、1頁右側の文章の最終段落の記載「環境配慮型床材『エコフロアー』を上市いたします。」から明白である。つまり、このカタログを配布した時点においては「上市」する予定であるということを表しており、裏を返せば、カタログ配布時には上市していない、すなわち、販売していないことが読み取れる。したがって、乙第5号証は、今後の販売予定を表明した冊子にすぎず、商標権者の使用事実を示すものではない。したがって、カタログの製作依頼を受けたこと及び納品したことを証明する乙第6号証も使用事実を示す証拠とはなり得ない。
(オ)乙第7号証は、乙第6号証と同様に、商標権者の使用事実を示すものではないことは明らかである。さらに上述のように、乙第5号証が商標権者の使用事実を示すものではない以上、カタログの製作依頼を受けたことも納品したことも使用事実を示す証拠とはなり得ない。
(カ)乙第8号証、乙第9号証も、上述のように、乙第5号証は商標権者の使用事実を示すものではないので、商標権者の使用事実を示すものではない。
(キ)以上のように、被請求人が本件審判の請求の登録時以前の本件商標の使用事実を示す証拠を提出したとは認められない。
イ 商標権者の別の商標出願からわかること
商標権者は、平成21年3月27日に、上下二段書きの商標「エコフロアー/ECOFLOOR」を第19類「木製床板,合板製床板」を指定商品として出願した(商願2009-26987:甲第1号証、以下「別件出願」という。)。
別件出願は、平成21年7月9日に、商標法第3条第1項第3号に該当するとの拒絶理由を受けて、同年8月24日に意見書が提出され、平成22年1月4日に刊行物等が第三者より提出され、同年3月5日に拒絶査定を受けた。意見書において出願人(商標権者)は、「当社は登録商標として『エコフロアー(登録3371377号)』を所有かつ使用しており、同業他社も使用していない状況にある。」旨述べた。しかし、上述のように、本件審判の請求の登録の時点で使用している事実は認められないし、意見書提出時にも使用事実を示す証拠は提示されていなかった。さらに、上記刊行物によれば、1996年の時点より「エコフロアー」が環境に配慮した床材を意味する言葉として使用されており、その他の刊行物等を参照すると拒絶査定が出された時点では、「エコフロアー」が床材の品質表示として非常に多く使用されていることが判明する。すなわち、同業他社も「エコフロアー」を使用していたことは明白であり、商標権者の意見書における記載は詭弁であると考えられる。
以上の状況を総合すると、商標権者は本件商標を使用していなかったが、平成21年3月には平成22年初頭ぐらいから使用を行うことを計画して、乙第5号証を製作することを決めたと考えられる。しかし、本件商標は、既に単なる品質表示と看取されるいわば慣用商標化していたので、二段書きの別件出願を行うことで慣用商標化された本件商標を補強しようと図ったものと考えられる。しかし、結局別件出願も品質表示であることに変わりないので、拒絶査定が出されたものである。
このように別件出願の出願から拒絶査定までの経緯は、商標権者が本件商標を使用していなかったことの傍証になるものと考える。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)使用の事実
ア 商品の販売による使用
以下のとおり、商標権者は、平成19年7月以降、本件商標を付した木製床材を一般需要者向けに広く販売をしてきた。
(ア)乙第2号証は、「確定日付の付された封書の開披及びその内容物の特定に関する事実実験公正証書」の謄本である。これにより、その確定日付である平成19年9月5日時点において、同公正証書に添付された5枚の写真が存在した事実が明らかである。
そして、その第1葉目の写真には、パッキングケースによるものと看取される長尺長方形の梱包体が、荷役用パレット上に3列10段に積載された荷姿が写されている。そして、2ないし5葉目の写真には、上記包装物の側面外観が拡大して示されており、そこには、商標「エコフロアー」の表示、及び品番の「GX-YA-CM」の文字が表されている。
なお、上記写真は、平成19年(2007年)7月に、商標権者の中央配送センター(大阪府泉北郡忠岡町新浜2-7-8)において、商標権者の商品部開発管理室室長大和雅之が、住友林業(東京都千代田区大手町一丁目3番2号)向けに配送される「エコフロアー」床材の荷姿を出荷直前に撮影したものであり、各梱包体には、12mm×303mm×1818mmの大きさの「エコフロアー」床材が、1坪分づつ梱包されているものである。この事実については、乙第3号証、乙第4号証によってさらに明らかにされる。
(イ)乙第3号証は、商標権者が床材を販売した住友林業の住宅本部資材物流部次長 杉本浩文氏の証明書である。同証明事項1によれば、添附資料No.1の参照のもと、住友林業が、商標権者から「エコフロアー」と称する木質床材を、2007年7月(平成19年)?2010年(平成22年)1月にかけて、総計232,495ケース(坪)を購入した事実が証明される。同証明事項3によれば、添付資料No.3の写真1、2により、品番「GA-YA-CM」及び「GC-YA-SK」の「エコフロアー」床材の額縁包装付き見本ピースが、2007年7月?2009年12月の間に、商標権者から、住友林業の全国約88の各営業所に頒布された事実が証明される。この見本ピースの配布は、上記2つの品番商品だけでなく、添附資料No.1に示す他の品番の商品についても行われたものであり、それぞれ、その額縁包装の表面上部及び周側面に商標「エコフロアー」の表示が付されているものである。
(ウ)乙第4号証の1ないし4は、商標権者から発送された「エコフロアー」床材についての荷受人の「受領書」ないし「受領票」である。これらにより、平成21年7月?12月にかけて、商標権者から住友林業の代理店・販売店に向けて、床材が配送された事実を見ることができる。
なお、乙第4号証の1ないし4による輸送物品が「エコフロアー」床材であることは、それぞれの「品名」欄に記載された品番と添附資料No.1に記載の品番との照合によって明らかである。
(エ)以上の次第で、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内の期間において、本件商標をその指定商品について当該商品の包装に付して広く販売(譲渡)することにより、商標法第2条第3項第1号及び第2号の「使用」実績を有するものである。
イ カタログの頒布による使用
商標権者は、本件審判の請求の登録前に本件商標を付したカタログを発行し、これを頒布した実績を有する。この事実を以下説明する。
(ア)乙第5号証は、商標権者の発行頒布に係る「エコフロアー」床材に関するカタログの原本である。その奥付頁には、「発行年月」として、「2009年12月」の記載があり、このカタログの発行日は、本件審判の請求の登録日前であることは明白である。さらに、同カタログは、乙第6号証ないし乙第9号証に示すとおり、本件審判の請求の登録日前に頒布されたものである。
(イ)乙第6号証は、商標権者がカタログ(乙第5号証)の製作を依頼した大日本印刷株式会社(以下「大日本印刷」という。)の担当者である第2営業本部松下隆司氏による証明書である。これによれば、カタログの製作依頼が、本件審判の請求日より約10ヶ月前の平成21年3月16日にされ、製作完成後の納品も、本件審判の請求日前の平成21年12月15日にされた事実が証明されている。
(ウ)乙第7号証の1は、商標権者からカタログの製作を依頼された大日本印刷の社内用の受注内容の「明細確認リスト」伝票である。これによれば、2009年3月31日付で、「『エコフロアー』ブランド戦略企画」に関するカタログ製作のための着手関連費用として1,700,000円が商標権者に対して請求された事実が記載されている。
乙第7号証の2は、大日本印刷から商標権者へのカタログの「納品書」であり、2009年(平成21年)12月15日付でカタログ4,550冊が商標権者指定のセンコー株式会社の南港PDセンターヘ納入された事実を示している。
乙第7号証の3は、大日本印刷の社内用の「明細確認リスト」であり、上記納入日である2009年(平成21年)12月15日付で商標権者にカタログ5,000部の製作費用が請求されたことが記載されている。
なお、乙第7号証の3に記載されたカタログの製作「受注No.」は「17-660161」であり、乙第7号証の2に記載された「受注No.」と一致し、同一のカタログを対象とするものであることがわかる。ただ、乙第7号証の3に記載の納入数量は5,000部であるのに対し、乙第7号証の2に記載の納入数量は4,550部であり、相互に一致しないが、この不一致分の450部は、正式の納品日に先立って、商標権者の要請により、その顧客への急ぎの頒布に供するため、先行納入されたことによるものである。
(エ)乙第8号証、乙第9号証は、本件審判の請求の登録日前にカタログが実際に頒布された事実を示すものである。
乙第8号証は、平成21年12月17日に、トヨタ自動車株式会社の住宅生産部調達室の社員が商標権者の商品技術開発センターを訪問して、カタログを直接受け取った事実が証明されている。
乙第9号証は、平成21年12月25日に、大和ハウスエ業株式会社北摂支店の社員が、商標権者の営業社員が持参したカタログを上記北摂支店の場所で直接受領したことが証明されている。
(オ)以上の次第で、商標権者が本件商標を付したカタログを、本件審判の請求の登録前3年以内に製作し、そして現に頒布した事実が存することにより、本件商標は商標法第2条第3項第8号の「使用」実績を有するものである。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されてきたものであるから、商標法第50条第1項に規定される不使用取消事由を有しない。

4 当審の判断
(1)乙第3号証ないし乙第9号証によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 乙第3号証は、住友林業住宅本部資材物流部次長の証明に係る平成22年2月16日付け「商標『エコフロアー』の使用に関する証明書」である。
(ア)「添付資料No.1」は、「住友林業『エコフロアー』販売実績」の一覧表であるところ、以下の内容が認められる。
住友林業は、平成19年7月から平成22年1月まで商標権者から商標「エコフロアー」を付した木質床材を購入し、そのうち、後記イの受領書に記載された「GB-YA-LO」の商品(乙第4号証の1)は、平成19年7月から平成20年3月まで(以下「56期」という。)に19,578ケース、平成20年4月から平成21年3月まで(以下「57期」という。)に28,721ケース、平成21年4月から平成22年1月まで(以下「58期」という。)に9,470ケースを、品番「GA-YA-CM/F」の商品(乙第4号証の1及び2)は、56期に11,898ケース、57期に12,155ケース、58期に23ケースを、品番「GC-YA-CM」の商品(乙第4号証の1)は、57期に3,801ケース、58期に5,079ケースを、また、品番「GC-YA-SK/N」の商品(乙第4号証の3)は、58期に175ケースを購入した。
(イ)「添付資料No.3」によれば、商標権者から住友林業の全国の営業所に配布された品番「GA-YA-CM」(写真1)及び同「GC-YA-SK」(写真2)の商品の見本ピースの包装箱の表側には、黄色地の楕円形内に、「エコフロアー」の文字及びこれらの文字の末尾に葉と思しき図形を配しこれらを緑色で表した商標(なお、品番「GC-YA-SK」の商品に表示された商標中、「環境配慮」の文字部分は、商品の品質を表示する語であるから、自他商品の識別機能を有しない部分である。)、「オリジナル木質フロア」などの文字が表示され、同裏側には、「品番」、「材質」、「サイズ」を記載した文字のほか、「住友林業株式会社 住宅本部」、「製造 朝日ウッドテック株式会社」などの文字が表示されている。また、写真2の品番「GC-YA-SK」の商品の裏側には、「2009年10月から『FSC認証材』を使用します。」と記載され、FSCのロゴが表示されている。
イ 乙第4号証の1ないし3は、出荷日を平成21年7月3日(売上日:同年7月6日)、同年8月27日(売上日:同年8月28日)、同年12月7日(売上日:同年12月7日)とする、商標権者から荷受人に発送された「受領書」であるところ、「品名」欄には、「住友林業床暖房用床材」の文字と共に、品番として、「GB-YA-LO」、「GA-YA-CM/F」、「GC-YA-CM」(以上、乙第4号証の1)、「GA-YA-CM/F」(乙第4号証の2)、「GC-YA-SK/N」(乙第4号証の3)がそれぞれ記載され、いずれの受領書の「特約店」欄には、「住友林業株式会社」または「住友林業(株)住宅本部」が記載され、その他、納入先や代理店が記載されている。
なお、乙第4号証の4は、荷送人を商標権者、荷受人を「南陽(株)富山店 住友林業住宅」とし、出荷日を2009年8月27日とする「配達受領票」であるところ、その「品名」欄には、何も記載されておらず、空欄である。
ウ 乙第5号証は、表紙に、「WOODTEC」(「OO」は「O」が重なる図案化がされている。)、「ECOFLOOR」、「エコフロアー」、「朝日ウッドテック株式会社」の文字などが表示された印刷物と認められるところ、1頁の「contents」によれば、当該印刷物は、「エコフロアーへの思い」、「エコフロアーコンセプト」、「持続可能な木質部材の由来」、「認証林とエコフロアー」、「アグロフォレストリーとエコフロアー」、「産業植林とエコフロアー」、「社会的に責任ある立場の林業専門家様のご意見」、「早生植林木を基材として活用するための複合技術」、「研究現場から見た早生樹の可能性」、「硬質パワーシート」、「表面意匠材」、「エコフロアーの安全性について」などの項目から構成されている。そして、同頁の「朝日ウッドテックのエコフロアーへの思い」には、「・・森を守り、社会に配慮し、経済的に共生しつつ意匠性・安定性・強さを兼ね備えた快適環境の創造を目指す環境配慮型床材『エコフロアー』を上市いたします。『自然の森を守り都市の森を創る』にはまだまだ不十分で道半ばではありますが、私たちの思い、取り組みの第一歩を紹介させていただきます。お客様に安心・安全・感動を与える『最高の商品』を目指して、さらに懸命の努力を重ねていきます。」と記載され、また、「認証林とエコフロアー」の項目(12頁)には、「FM(森林管理)認証(森林管理認証)」、「CoC(Chain of Custody)認証(加工・流通工程の管理の認証)」の説明や「FSC(森林管理協議会)」、「PEFC(PEFC森林認証プログラム)」の2つの国際的な森林認証制度についての説明が記載され、「私たちは、2008年8月に業界に先駆けてFSC-CoCとPEFC-CoCの二つの認証を取得しました。」(13、23頁)と記載され、FSCのロゴが付された商品、FSC認証フロアーを製造する、WOODTECのロゴマークが付いた工場が掲載されている(23頁)。さらに、「早生植林木を基材として活用するための複合技術」の項目(33頁)には、「・・ハイブリッド基材と硬質パワーシートを組み合わせたエコフロアーを2006年から発売しており、すでに多くの実績を積み上げています。」と記載されている。また、奥付には、「発行年月日・・2009年12月」、「発行・・朝日ウッドテック株式会」などの文字が記載されている。
エ 乙第6号証は、商標権者から印刷物(乙第5号証)の製作依頼を受けた大日本印刷が、該印刷物を平成21年12月15日に商標権者に4,550部を納品したことを内容とする大日本印刷の社員による平成22年2月26日付けの証明書である。
オ 乙第7号証の1及び3は、印刷物(乙第5号証)の製作依頼を商標権者から受けた大日本印刷の社内用の「明細確認リスト」(前者は請求書日付を2009年3月31日とし、後者は請求書日付を2009年12月28日とする。)であり、前者には「『エコフロアー』ブランド戦略企画」と、後者には「エコフロアー カタログ」とそれぞれ記載されている。また、乙第7号証の2は、大日本印刷が商標権者に宛てた2009年12月15日付けの「エコフロアー カタログ」の納品書である。
カ 乙第8号証は、平成21年12月17日に、印刷物(乙第5号証)を商標権者の社員から受け取ったことを内容とするトヨタ自動車株式会社の社員による平成22年2月22日付けの証明書であり、また、乙第9号証は、平成21年12月25日に、印刷物(乙第5号証)を商標権者の社員から受け取ったことを内容とする大和ハウス工業株式会社の社員による平成22年2月19日付けの証明書である。
(2)前記(1)で認定した事実によれば、商標権者は、その業務に係る商品「木質床材の品番「GA-YA-CM」(乙第3号証の添付資料No.3の写真1)及び同「GC-YA-SK」(乙第3号証の添付資料No.3の写真2)について、黄色地の楕円形内に、「エコフロアー」の文字及びこれらの文字の末尾に葉と思しき図形を配しこれらを緑色で表した商標(以下「使用商標1」という。)を表示して、本件審判の請求の登録(平成22年1月19日)前3年以内の、少なくとも平成21年7月6日、同年8月28日、同年12月7日に、住友林業を特約店としてその代理店等を介して販売したこと(なお、乙第4号証の1ないし3に記載された品番には、添付資料No.3に示す写真の商品の品番にはない「/F」、「/N」が付加されているが、実質的には同一の商品とみて差し支えないものといえる。)、及び、商標権者は、その業務に係る商品「木質床材」について、木材の生産地の環境を配慮しつつ、優良な床材を生産していることをアピールするための、いわば広告用のカタログといえる印刷物(乙第5号証)に、本件商標と実質的に同一の商標といえる「エコフロアー」の文字よりなる商標(以下「使用商標2」という。)を表示して、本件審判の請求の登録前3年以内の、少なくとも2009年(平成21年)12月17日及び同25日に頒布したことを、それぞれ推認することができる。
(3)使用商標について
使用商標1は、前記認定のとおり、黄色地の楕円形内に、「エコフロアー」の文字及びこれらの文字の末尾に葉と思しき図形を配し、これらを緑色で表した構成よりなるものであるところ、その構成中の「エコフロアー」の文字部分と、葉と思しき図形部分とは、観念上密接な関係を有するものではなく、使用商標1に接する取引者、需要者は、読みやすい「エコフロアー」の文字部分を捉えて、これより生ずる称呼のみをもって商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当といえるから、使用商標1における要部は、「エコフロアー」の文字部分ということができる。したがって、使用商標1は、本件商標とは、「エコフロアー」の称呼を同じくし、かつ、外観上同視できる商標であるから、社会通念上同一と認められる商標というべきである。
また、使用商標2は、本件商標と実質的に同一の商標といえる。
(4)以上によれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標1を本件請求に係る指定商品中の「木質床材」(使用に係る商品「木質床材」が本件請求に係る指定商品に含まれる商品であることは、当事者間に争いのない事実。)に表示し、市場において取引をしたこと、及び、「木質床材」を掲載したカタログに、本件商標と実質的に同一と認められる使用商標2を表示して、頒布したものと認めることができる。そして、商標権者の上記行為は、「商品又は商品の包装に標章を付する行為」、「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、又は輸入する行為」及び「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」(商標法第2条第3項第1号、同第2号、同第8号)に該当するものである。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、乙第4号証の1ないし3に関し、これらには、いずれも本件商標の表示はないから、本件商標の使用事実を示すものではない旨主張する。
しかし、前記(2)及び(3)認定のとおり、添付資料No.3に示す写真の商品には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されており、これらの写真の商品の品番と同一の品番の商品が荷受人に受領されたことが乙第4号証の1ないし3により推認することができるから、受領書に本件商標ないしこれと社会通念上同一と認められる商標が表示されていないとしても、これをもって直ちに本件商標が使用されていないとすることはできない。したがって、請求人の上記主張は理由がない。
イ 請求人は、乙第5号証に関し、1頁に記載された「環境配慮型床材『エコフロアー』を上市いたします。」の文言を捉え、今後の販売予定を表明した冊子にすぎず、カタログとはいえず、また、商標権者の使用事実を示すものでもない旨主張し、さらに、カタログの製作依頼を受けたこと及び納品したことを証明する乙第6号証も使用事実を示す証拠とはなり得ない旨主張する。
しかし、前記認定のとおり、乙第5号証は、「私たちは、2008年8月に業界に先駆けてFSC-CoCとPEFC-CoCの二つの認証を取得しました。」と記載されているように、商標権者は、その業務に係る商品「木質床材」等の原材料となる木材の生産・加工等に関し、2008年8月に、森林管理協議会等の認証を受け、それに基づいて商品の生産・加工等を行っていること、すなわち、商標権者は、その業務に係る商品を生産するにあたり、地球環境を配慮しながら、安全な商品を生産していることをアピールするために、上記認証を取得した後に、その旨を記載したカタログの製作を行ったとみることができ(このことは、33頁に「・・ハイブリッド基材と硬質パワーシートを組み合わせたエコフロアーを2006年から発売しており、すでに多くの実績を積み上げています。」と記載されていることからも窺うことができる。)、該カタログは、いわば商標権者の業務に係る商品の広告をするものといえる。そして、該カタログには、本件商標と実質的に同一の商標といえる使用商標2が表示されているものである。また、カタログの奥付に記載された発行年月日、乙第6号証、乙第7号証の1ないし3を総合すれば、当該カタログは、本件審判の請求の登録前3年以内に発行されたものと認め得るところである。したがって、請求人の上記主張は、いずれも理由がない。
ウ その他、乙各号証に関する請求人の主張は、いずれも理由がなく、採用することができない。
(4)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件請求に係る指定商品中の「木質床材」について、本件商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-07-22 
結審通知日 2010-07-26 
審決日 2010-08-19 
出願番号 商願平4-208151 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (019)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 小畑 恵一 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 内山 進
井出 英一郎
登録日 2000-08-25 
登録番号 商標登録第3371377号(T3371377) 
商標の称呼 エコフロアー、エコ 
代理人 清水 義仁 
代理人 清水 久義 
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