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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X43
管理番号 1224966 
審判番号 不服2009-14177 
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-07 
確定日 2010-09-24 
事件の表示 商願2008- 50747拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「こころをなでる静寂 みやこ」の文字を標準文字で表してなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年6月25日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同21年3月30日付けの手続補正書により、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は、次のとおりである。
(1)登録第3171360号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成4年9月29日に特例商標登録出願、第42類「宿泊施設の提供,日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,中華料理を主とする飲食物の提供,アルコ?ル飲料を主とする飲食物の提供,コ?ヒ?・清涼飲料を主とする飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,あん摩,マッサ?ジ及び指圧」を指定役務として、同8年6月28日に特例商標として設定登録、その後、同18年6月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4324639号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成10年6月23日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供」を指定役務として、同11年10月15日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
本願商標は、「こころをなでる静寂 みやこ」の文字よりなるところ、その構成文字は、全体としてやや冗長な構成からなること、及び「こころをなでる静寂」の文字と「みやこ」の文字との間には、一文字程度の空白(スペース)を有していることから、「こころをなでる静寂」の文字と「みやこ」の文字とは、視覚上分離して看取し得るものである。
また、本願商標の構成文字全体からは、直ちに特定の熟語的な意味合いを生ずるとはいい難く、これが常に一体不可分のものとしてのみ認識、把握されなければならない特段の事情を見いだせない。さらに、その構成文字全体より生ずる「ココロヲナデルセイジャクミヤコ」の称呼も冗長であることから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、比較的記憶しやすい平易な語である後半の「みやこ」の文字部分に着目し、これより生ずる「ミヤコ」の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成文字全体から生ずる「ココロヲナデルセイジャクミヤコ」の称呼のほか、「みやこ」の文字部分に相応した「ミヤコ」の称呼をも生ずるというのが相当であり、また該「みやこ」の文字部分から、「都」等の観念を生ずるということができる。
他方、引用商標1は、別掲1のとおり、「都」の文字を顕著に表し、それを囲うように円弧状に上部には「MIYAKO HOTELS」の文字を、下部には「KINTETSU GROUP」の文字を配した構成よりなるところ、その構成中の「都」の文字部分が顕著に大きく表されていることから、これに接する取引者、需要者は、該文字部分に着目し、これより生ずる「ミヤコ」の称呼をもって取引に資する場合も少なくないとみるのが相当である。
そうすると、引用商標1は、その構成中の「都」の文字部分に相応して、「ミヤコ」の称呼をも生ずるというのが相当であり、該文字部分から、「都」の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、外観において差異を有するとしても、「ミヤコ」の称呼及び「都」の観念を共通にするものであるから、両者は相紛れるおそれのある類似の商標であるというべきである。
また、本願商標の指定役務は、引用商標1の指定役務と同一又は類似の役務を含むものと認められる。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
なお、請求人は、「『みやこ』に何らかの文字を組み合わせた言葉は、旅館・ホテルの名称又は宣伝広告用表示として極めて多く使用されている。そうすると、旅館業界・ホテル業界においては、『みやこ』単体での識別力希釈化(又は消失)していると考えられる。よって、本願商標は、『ミヤコ』単体での称呼は生じないと判断すべきである。一方、引例1及び引例2の権利者である近畿日本鉄道株式会社は、全国的に知られた企業であり、同社が『都』について商標登録を受けていることは旅館業界・ホテル業界では了解されていると考えられる。にもかかわらず、現実の取引界で『みやこ』が多用されているということは、旅館業界・ホテル業界では少なくとも『みやこ』は、『都』とは十分に識別可能であり、商標の機能が損なわれず出所の混同を生じないものとの暗黙の了解がなされている。」旨主張しているが、その主張の事実は、証拠の提出もなく確認することができないものであるから、本願商標は、上記のとおり判断するのが相当である。また、「都」の文字を要部とする引用商標1が存在する以上、商標法第4条第1項第11号に該当するというべきであるから、かかる請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 引用商標1




別掲2 引用商標2





審理終結日 2010-03-12 
結審通知日 2010-03-15 
審決日 2010-03-29 
出願番号 商願2008-50747(T2008-50747) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 幸一 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 稲村 秀子
井出 英一郎
商標の称呼 ココロオナデルセージャクミヤコ、ミヤコ、ココロオナデルセージャク 
代理人 小林 かおる 
代理人 畠山 文夫 

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