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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X1237
審判 一部申立て  登録を維持 X1237
審判 一部申立て  登録を維持 X1237
審判 一部申立て  登録を維持 X1237
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管理番号 1223165 
異議申立番号 異議2010-900023 
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-10-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-01-22 
確定日 2010-08-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第5275555号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5275555号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5275555号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成20年12月16日に登録出願、第12類「カーダンパー,カープッシャー,カープラー,乗物用盗難警報器,自動車並びにその部品及び附属品,自動車用アルミニウムホイール,自動車用エアロパーツ,タイヤ」、第35類「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,輸出入に関する事務の代理又は代行,文書又は磁気テープのファイリング」及び第37類「自動車の修理又は整備,自動車用バッテリー・自動車搭載用のオーディオ機器・自動車用アルミニウムホイール・自動車用エアロパーツ・タイヤ並びにそれらの部品及び附属品の取付け及び調整」を指定商品及び指定役務として、同21年9月28日に登録査定され、同年10月23日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第835233号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、2003年(平成15年)9月8日に国際商標登録出願、第7類、第12類及び第37類に属する別掲3のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年12月22日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由(要点)
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標及び引用商標は、「B」の欧文字を円枠で囲んだ構成を共通にし、その構成に相応する「マルビー」との共通の称呼が生じる。そして、両者はともに丸で囲まれた「B」マーク、「マルビーマーク」といった程の観念が生じる。加えて、引用商標の周知著名性から「ブラバスのマルビー」との観念も生じ得る。よって、両商標は、外観、称呼、観念において類似する。
さらに、引用商標は、我が国及び世界中の自動車愛好者や自動車関連業界において極めて著名である取引の実情を考慮すれば、時と処をかえて本件商標に接する需要者は、「B」を丸で囲んでなるという共通の要素から、引用商標を連想・想起し、商品の出所を誤認するおそれがあるから、本件商標と引用商標とは類似する。
また、本件商標と引用商標は、商品・役務において同一又は類似する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、ややデザイン化された「B」の欧文字を丸で囲んでなるという、引用商標と同一の構成をことさらに採用するものであり、類似性の程度は高いといえる。
引用商標は、申立人によりメルセデス・ベンツのチューニングカーに使用され、チューニング内容は多岐にわたっている(甲第3号証及び甲第4号証)。
申立人の商品は、我が国にも輸入されており、引用商標は常に社名ロゴと一体的に使用されている(甲第5号証及び甲第6号証)。
インターネットの検索結果からみて、「BRABUS」という申立人の社名ないしブランド名は、我が国において極めて著名であるといえ、当該ブランド名とともに使用されている引用商標についても周知著名であるといるもので、「B」の欧文字を丸で囲んだマーク、「マルビー」マークといえば、需要者は申立人の商標を容易に連想・想起するといえる。
また、引用商標は、申立人のチューニングカーに係る商標として著名であり、一般の自動車需要者層にとってもあこがれのブランドとなっている。
そして、本件指定商品中の「乗物用盗難警報器」は、盗難の対象となりやすいチューニングカーと極めて密接な関連性を有するものであり、一般需要者は、このようなブランドにあこがれを抱くのが通常であり、混同を生ずるおそれは高いといえる。
以上の事情に照らせば、本件商標を「自動車並びにその部品及び附属品」に使用するときは、その取引者及び需要者において、申立人の商標と見誤るおそれがあるほか、右商品が申立人と何らかの関係にあるものと広義の混同を生ずるおそれがあるということができる。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
引用商標は、申立人のチューニングカーに係る商標として我が国において極めて著名である。
そして、本件商標は、(ア)チューニングカーと密接に関連する商品・役務(第12類「自動車用アルミニウムホイール、自動車用エアロパーツ、タイヤ」、第37類「自動車用バッテリー・自動車搭載用のオーディオ機器・自動車用アルミニウムホイール・自動車用エアロパーツ・タイヤ並びにそれらの部品及び附属品の取付け及び調整」)を具体的かつ詳細に指定していること、(イ)出願人とは全く脈絡のない「B」の欧文字を丸で囲んだ構成をことさらに採用していること、(ウ)チューニングカーにおいて引用商標が極めて高い周知著名性を有すること、(エ)引用商標がマニアや富裕層といった先進的なユーザ一層を顧客とし、一般需要者は、このようなブランドにあこがれを抱くのが通常であることからすれば、本件商標は引用商標の高い周知著名性やこれに対する一般需要者のあこがれにあやかろうとする意図が容易に推認できるのであり、このような意図は正に商標法第4条第1項第19号が規制しようとする不正の目的をもって使用するものといえる。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲1のとおり、緑色に着色された太さの異なる二重円内に、欧文字「B」をモチーフとしたと思しき図形を配してなるところ、その構成中、縦線部分の上から三分の一程度の箇所には、両先端がやや細くなっている短い線を斜め上に跳ね上げるように交差させるという特異な態様からなる一種の円形図形と判断するのが相当である。
一方、引用商標は、別掲2のとおり、細線からなる円内に、陰影をつけた欧文字「B」の文字を表し、その「B」の文字が二重に重なっているかのように陰影を重ねて表した一種の円形図形からなるものと判断するのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標の類否について検討するに、両者はいずれも欧文字の「B」をモチーフにしたと思しき円形図形である点においては共通するとしても、本件商標は前記したとおり、全体として太い線もって創作された特異な態様からなるものであるのに対し、引用商標は、細線からなる円内に、同じく細線で欧文字「B」をモチーフとしたものと認識される図形を配してなるものであるから、両者はその構成態様が明らかに異なり、時と所を異にして観察しても、互いに相紛れるおそれのない外観上、明らかに非類似の商標というべきである。
また、本件商標と引用商標とは、特定の称呼、観念を生ずるとはいえないものであるから、称呼及び観念については比較することができないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、甲第3号証、甲第5号証及び甲第6号証に「BRABUS」の文字とともに引用商標が表示されているが、いずれもウェブサイトの写しで、単に自動車及びその附属品等の写真が掲載されているにすぎないといえるものであり、また、甲第4号証のウィキペディアも「ブラバス(Brabus)」の単なる紹介記事であり、さらに、甲第7号証のインターネット検索エンジンGoog1eの「brabus」の検索結果に約3,690,000件のページが発見されたとされているが、引用商標との関係は不明である。
そうすると、引用商標は、上記甲各号証によっては、我が国において、「自動車並びにその部品及び附属品」に関する商標として、本件商標の登録出願日である平成20年12月16日及びその登録査定日である平成21年9月28日において、上記商品の需要者の間で広く認識されていたとは認められない。
加えて、上記のとおり、本件商標と引用商標とは、明確に区別し得る別異の商標である。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品「自動車並びにその部品及び附属品」に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、上記(1)及び(2)のとおり、引用商標と類似しない別異の商標であり、また、日本国又は外国において、引用商標が需要者の間で広く認識されるに至ったものと認めることができないものであるから、引用商標等の出所表示機能を希釈化させ、又は、その名声を毀損させるなど不正の利益を得る目的をもって登録出願されたということはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1(本件商標) (色彩については原本参照のこと。)



別掲2(引用商標)


別掲3(引用商標の指定商品及び指定役務)
第7類「Exhausts, essentially consisting of fan-bends, centerpieces and mufflers.」
第12類「Automobiles and their components; accessories for automobiles, namely, car tires and rims; springs; shock absorbers and spring struts for chassis of automobiles; gearshift levers and gearboxes for automobiles; steering wheels; seats and head restrains for motor vehicles; spoilers; side coverings for automobiles; tail aprons for automobiles.」
第37類「Tuning of motor vehicles and carrying out modifications of the engine, body wheels and/or interior trim of mass-produced motor vehicles or parts thereof; painting of motor vehicles or parts thereof; installation of interior trim for motor vehicles, all said services only included in this class, such modifications not implying a change in their essential properties.」

異議決定日 2010-08-05 
出願番号 商願2008-101215(T2008-101215) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (X1237)
T 1 652・ 263- Y (X1237)
T 1 652・ 261- Y (X1237)
T 1 652・ 222- Y (X1237)
T 1 652・ 262- Y (X1237)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大島 康浩 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
田中 亨子
登録日 2009-10-23 
登録番号 商標登録第5275555号(T5275555) 
権利者 川村 和宏
商標の称呼 ビイ 
代理人 恩田 博宣 
代理人 特許業務法人エム・アイ・ピー 
代理人 恩田 誠 

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