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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z25
管理番号 1223113 
審判番号 取消2009-301299 
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-10-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-11-26 
確定日 2010-08-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第4311534号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第4311534号商標に係る指定商品中の第25類「履物」については,その登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4311534号商標(以下「本件商標」という。)は,「PAW」と「パウ」の文字を上下二段に横書きしてなり,平成10年9月9日に登録出願,第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同11年9月3日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品中第25類「履物」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。また,被請求人会社のインターネット上のホームページを参照しても,本件商標を「履物」に使用している形跡が見あたらない。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人が主張する使用事実
被請求人は,商品「ミュール」に関し「ハイパーパウミュール」と「HYPER PAW MULE」を上下2段に配した構成よりなる商標(以下,「使用商標」という。)を使用している。
(2)本件商標と使用商標との社会通念上の同一性の有無
使用商標は,本件商標の「PAW/パウ」の単独使用ではなく,それに他の文字を結合した構成よりなる。なるほど,「ミュール/MULE」部分は,商品「ミュール」を表すものとして出所表示の用を果たさない部分と考える余地はある。
さて,「ハイパー/HYPER」部分であるが,確かに辞書を引けば「超越した,非常な」の意味がある。しかしながら,だからといって取引上,極めてごく普通に使用されている「SUPER」同様,出所表示の用を果たさない部分と考えることは,例えば甲第2号証の審決例に照らしても早計である。
特に本件は,独占適応性が問われている3条での議論でも,混同の危険があるかの4条の議論でもなく,全体として一体性があるかないかを問われている社会通念上の同一性の議論であり,慎重に判断されなければならない。
ところで,本件において「ハイパーパウミュール/HYPER PAW MULE」と「PAW/パウ」に社会通念上の同一性があるか否かは,要は,本件商標に接した需要者,取引者がそこから「PAW/パウ」部分を独立した商標として認識できるかにかかっている。
まず,外観であるが,使用商標は,上段の「ハイパーパウミュール」も下段の「HYPER PAW MULE」部分も,「PAW/パウ」部分と他の部分は,等大,等書体,等色で記されており,全体に軽重はなく,商品「ミュール」を表す「ミュール/MULE」部分はともかくも,「ハイパーパウ/HYPER PAW」部分には,それを「ハイパー/HYPER」部分と「PAW/パウ」部分に殊更分離して観察すべき特段の理由はない。
また,「ハイパーパウミュール」あるいは「ハイパーパウ」の称呼もよどみなく,一気一連に称呼し得るものである。また,観念も「ハイパーパウミュール/HYPER PAW MULE」は,一つの造語として認識される蓋然性が極めて高いものである。
以上の状況から,使用商標は,「ハイパーパウミュール/HYPER PAW MULE」あるいは「ハイパーパウ/HYPER PAW」全体として識別の用に供されるものであり,「PAW/パウ」とは,別個の識別作用を果たすものである。
よって,本件商標と使用商標とは社会通念上の同一性はない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求める,と答弁し,その理由を以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証を提出した。
答弁の理由
本件商標の指定商品中の「履物」について使用している事実を証明するものとしてその実例を記載する。2008年5月株式会社アシックス発行にかかる「‘09 Sportstyle Collection」カタログ3ページ所載の品番TQA144,商品名「HYPER PAW MULE」,「ハイパー パウ ミュール」として,本件商標が明確に表示されている。

第4 当審の判断
1 商標法第50条は,その第1項において,3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標,平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標,外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。以下この条において同じ。)の使用をしていないときは,何人も,その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるとし,その第2項において,その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り,使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて,商標権者は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
2 被請求人は,本件商標を履物に使用していた旨主張し乙第1号証を提出した。これは,被請求人である株式会社アシックスの2008年5月発行にかかる「‘09 Spring & Summer Sportstyle Collection」と題するカタログであるところ,その3ページに「陸上スパイクベースの薄底ミュール・スニーカー。ユニセックスで提案」との説明書きの下,品番「TQA144」と共に,使用商標,すなわち,「ハイパーパウミュール」と「HYPER PAW MULE」との二段書きからなる記載及び三足の商品「ミュール(つっかけ靴)」が示されている。
3 そこで,使用商標が本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるか否かについて,以下検討する。
本件商標は,「PAW」と「パウ」の文字を二段に表してなるものである。これに対し,使用商標は,その構成中の欧文字部分が「HYPER」,「PAW」及び「MULE」の各語の間に半角程度の間隔を有するものの,その構成各文字は同書・同大に表され,また,その上段の「ハイパーパウミュール」の片仮名も,下段と同じ幅内に下段文字よりも小さい文字で同書・同大・等間隔に表されていることから,使用商標は,その構成全体が視覚上一体的に把握・認識されるものといえる。また,「ハイパーパウミュール」の片仮名は,下段の欧文字の読みを特定したものとみるのが自然であり,その称呼も格別冗長でなく一連に称呼し得るものである。
そうすると,このような構成の使用商標にあっては,「ミュール(MULE)」が履き物の一種である「つっかけ靴」を意味することから,これに接する需要者が「ハイパーパウ」及び「HYPER PAW」の部分を商品の識別標識として認識することはあるとしても,ことさら中間部に位置する「パウ」及び「PAW」のみに着目し,その部分のみをとらえ取引に当たるとはいい難く,また,自然ではない。
してみれば,使用商標は,「ハイパーパウミュール」と「HYPER PAW MULE」の構成全体又は「ハイパーパウ」と「HYPER PAW」の部分が商標として認識されるものといえるから,これが「PAW」と「パウ」の文字を二段に表した本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。
そして,被請求人からは,乙第1号証のほかに,本件商標について,使用に係る証拠の提出はなく,また,不使用についての正当理由に係る主張及び立証もない。
4 したがって,本件商標は,商標法第50条第1項の規定により,請求に係る「結論掲記の指定商品」についてその登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-06-16 
結審通知日 2010-06-18 
審決日 2010-07-20 
出願番号 商願平10-77688 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z25)
最終処分 成立 
前審関与審査官 梶原 良子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小川 きみえ
小林 由美子
登録日 1999-09-03 
登録番号 商標登録第4311534号(T4311534) 
商標の称呼 パウ、ポー 
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