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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X30
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X30
管理番号 1222951 
審判番号 不服2009-6464 
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-03-26 
確定日 2010-08-20 
事件の表示 商願2007-125630拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「讃岐庵」の文字を標準文字で表してなり、第30類「穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,調味料」を指定商品として、平成19年12月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『讃岐庵』の文字を標準文字により書してなるところ、その構成中、『讃岐』の文字部分は、香川県の旧国名を表し、『庵』の文字部分は、飲食店や食品を販売する店の屋号として一般に使用されている語であるから、全体として『香川県産の商品を販売する店』程の意味合いを認識するにすぎず、これをその指定商品中、例えば『香川県産の穀物の加工品,香川県に由来する穀物の加工品』等に使用しても、これに接する需要者等は、単に『香川県産の穀物の加工品等を販売、提供する店,香川県に由来する穀物の加工品等を販売、提供する店』等として認識するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないと判断するのが相当であるから、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり「讃岐庵」の文字を標準文字で表してなり、その構成中「讃岐」の文字(語)が、「旧国名。今の香川県。」(岩波書店 広辞苑 第六版)の意味を有する語である。
また、「讃岐」の文字(語)は、指定商品中に含まれる「うどんのめん」との関係において、「讃岐うどん」を容易に想起させる語である。
このことは、別掲1のとおり、原査定において示した【参考情報】中の(1)、(2)及び(4)からも明らかである。
そして、「庵」の語は飲食店の屋号として一般的に使用されていることが、原査定において示した同(5)から明らかである。
さらに、職権による調査によれば、本願指定商品中「穀物の加工品」との関係において、例えば別掲2のとおり、「うどん店」等の店舗において、自宅でも同じ味を楽しめるように「麺及びスープのセット」又は「麺」の商品として、店頭販売が広く行われている取引きの事実がある。
これらの事実からすれば、うどんの産地として有名な香川県の旧国名として認識される「讃岐」の文字と飲食店等の屋号として容易に認識される「庵」の文字を結合した本願商標は、これを、その指定商品中、「うどんのめん」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は「讃岐うどんを販売している店」と認識するものであり、また、これをその指定商品中、「穀物の加工品」に使用しても、「香川県産の穀物の加工品を販売する店」程の意味を表わしたにすぎず、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと判断するのが相当であり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
ところで、請求人は、「『旧国名』+『庵、屋、亭』等の旧国名屋号は、多種多様の業種の屋号に適応しているため、これに接する需要者が、直ちに『○○(旧国名)県産の商品を販売する店』として認識するようなことはない。旧国名屋号であっても、『○○(旧国名)庵』は、基本的にはありふれた名称ではない。使用例も少ない。」旨主張する。
しかしながら、本願商標が、全体として「香川県産の穀物の加工品を販売する店」程の意味を表したものと理解されるにとどまるものであることは前記のとおりである。
また、商標法第3条第1項各号は、当該商標が、自他商品の識別標識として機能する部分を有していない場合は、登録できない旨を定めたものであるところ、その判断に当たっては、「取引者、需要者に認識される表示態様の商標につき、そのことのゆえに商標登録を受けることができないとしたものであって、適用する時点において、当該表示態様が、現実に使用されていることは必ずしも必要でないものと解すべきである。」(平成13年12月26日 東京高等裁判所 平成13年(行ケ)第207号)と判示していることから、本願商標「讃岐庵」と同一の使用例が少ないからといって、商標登録を受けることはできない。
さらに、請求人があげた過去の登録例については、商標の構成及び使用されている語と指定商品との関連性や結びつきの強さが異なるなど、事案を異にするものであり、また、ある商標が識別力を有するか否かの判断は、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから、本願の判断に影響を与えるものとは認められない。
よって、請求人の前記主張はいずれも採用できない。
したがって、原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 原査定において教示した【参考情報】
(1)「<読者の声>県民一丸でPR 意欲高い香川県」の見出しのもと、「香川県は讃岐(さぬき)うどんの名産地として全国にその名をとどろかせています。」との記事。
(2003.11.22,北海道新聞,6頁)
(2)「香川・愛媛 せとうち旬彩館」のウェブサイトにおいて、「店舗のご案内 特産品ショップ」の見出しのもと、「香川特産 讃岐うどん うどんといえば讃岐。良質の小麦と独自の塩加減、この絶妙なバランスが麺のコシと艶を作り出しています。やっぱり本場の『さぬきうどん』は一味違います。」との記載。
(http://www.setouchi-shunsaikan.com/contents/shop.html)
(3)(省略)
(4)「さぬき庵 つる鶴」のウェブサイトにおいて、「会社概要」の見出しのもと、「こしのあるつややかな讃岐うどん。本場の味を『讃岐庵つる鶴』からお届けします。・・・弊社は、香川県の名物である『讃岐うどん』を全国の皆様に通信販売しております。手軽に本場の味を安心して楽しんで頂く事を目標として頑張っております。半生うどんは水・粉・製造工程にこだわった、地元でもご好評の一品です。」との記載。
(http://www.sanuki-udon.to/kaisya.htm)
(5)「小豆島うどん処 さぬき庵」のウェブサイトにおいて、「『讃岐うどん』と『小豆島ソーメン』について」の見出しのもと、「讃岐には2種類のうどんがあり、長いはしで1本1本手延べしてソーメン技法でつくる小豆島の『手延べうどん』と包丁切りの『手打ちうどん』です。『さぬき庵』では手打ちうどんを召し上がって頂いておりますが、通販ショッピングでは『島の力』と言う『手延べうどん』になります。手延べならではのしっかりとした独特のコシはくせになります。」との記載。
(http://sanukian.com/)。

別掲2 「うどんを主とする飲食店」等で商品として「さぬきうどん」が販売されている例
(1)「さぬきうどんを極める『本格手打ちうどん おか泉』」と称するホームページの「お店情報」の「営業時間」の項に「※お土産うどんは営業日の9時からお買い求めいただけます。ご遠慮なくご来店下さい。また、お土産うどんのみをお求めのお客様は、列に並ばす直接店内にお入り下さい。」との記載。
(http://www.okasen.com/honten/info/)
(2)「小縣家へようこそいらっしゃいました。」と称するホームページの「小縣家ってどんな店?」の「ご案内」の項に「入ってすぐの<お土産コーナー>」の写真が掲載。
(http://www.ganso-ogataya.com/annai1.html)
(3)「善之屋」と称するホームページの最初のページに「こだわり その4持ち帰りメニュー」の記載と写真の掲載。
(http://www.toko.or.jp/yosinoya/index.html)
(4)「ホットペッパーFooMoo」と称するホームページの「藤屋本店」の項に「明治時代に開業した老舗のうどん屋。・・・/干しうどん(持ち帰り用)=450円/・・・」との記載。
(http://www.hotpepper.jp/strJ000102474/)
(5)「食べログ」と称するホームページの「ながのうどん店」の項に写真とともに「持ち帰りうどん買って帰りました。」との記載。
(http://r.tabelog.com/miyazaki/A4504/A450402/45000247/)

審理終結日 2010-02-04 
結審通知日 2010-02-12 
審決日 2010-02-23 
出願番号 商願2007-125630(T2007-125630) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X30)
T 1 8・ 16- Z (X30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤澤 聡美早川 真規子 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 瀧本 佐代子
馬場 秀敏
商標の称呼 サヌキアン 
代理人 三宅 始 

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