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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) X30
管理番号 1221595 
異議申立番号 異議2009-900060 
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-09-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-02-09 
確定日 2010-07-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第5178904号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5178904号商標の指定商品中「菓子及びパン」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5178904号商標(以下「本件商標」という。)は、「まろやか芳熟」の文字を標準文字で表してなり、平成20年4月1日に登録出願、第30類「茶,調味料,食用粉類,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,菓子及びパン」を指定商品として、同年10月21日に登録査定、同年11月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4886889号商標(以下「引用商標」という。)は、「芳熟」の文字を標準文字で表してなり、平成16年9月13日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同17年8月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)申立ての理由(要点)
ア 本件商標は、標準文字の平仮名文字と漢字で「まろやか芳熟」と横書きした構成であり、平仮名文字部分の「まろやか」は、「(1)形がまるいさま。(2)味などがおだやかなさま。」(甲第3号証の2)、「(1)形がまるいさま。まるみを帯びているさま。(2)穏やかなさま。円満なさま。」(甲第4号証の2)をいい、「菓子及びパン」についてはもとよりのこと食品一般についても「まろやかな味」、「まろやかな風味」等と品質表示として広く普通に用いられている。
これに対して、本件商標中の「芳熟」は、辞書に記載がされているものではなく、いわゆる熟語とはいえないものであり、一般的な用語ではない(甲第3号証の3ないし甲第4号証の3)。
この「芳熟」の漢字表記は、一種の当て字といえるもので、それぞれの漢字「芳」と「熟」が本来持っている意味、すなわち、「芳」は「かんばしいこと、良いかおり、良い評判」、「熟」は「よく煮ること」、「よく煮えること」、「よく実ること」、「うれること」の意から、それぞれに添った意味内容を暗示させることはあるが、両語相まって特定の完熟した観念を生じるものではないことから自他商品の識別機能を持つものである。
したがって、本件商標は、「まろやか」の部分が「芳熟」を形容する品質表示となり、「芳熟」が商標の要部となる。
これに対して、引用商標は、本件商標の漢字部分と重複する漢字の「芳熟」であり、その上、本件商標の中で品質表示にすぎない「まろやか」の部分は略称されて、いわゆる要部である「芳熟」から「ホウジュク」の称呼が生じることとなり、引用商標から生ずる「ホウジュク」の称呼と同一であるという両者相紛らわしい類似する商標となる。
また、本件商標と引用商標の指定商品も、「菓子及びパン」において重複している。
さらに、引用商標は、本件商標の先願、先登録に係るものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 引用商標は、申立人の100%出資の子会社である株式会社サンキムラヤ(以下「サンキムラヤ」という。)が、平成16年8月から商品「食パン、バターロール、レーズンバターロール」の商標として使用し、甲府地方を中心として当該商品を製造販売している(甲第13号証ないし甲第15号証)。
ウ 本件商標は、原審において、引用商標のほかに登録第1950953号商標、登録第4549587号の1商標及び登録第4549587号の2商標を引用した拒絶理由通知がされたが、出願人が提出した意見書によって、拒絶理由が覆されて登録が認められたものである。
出願人は、かかる意見書において、本件商標は、「まろやか」が品質表示として単独では識別力がない、あるいは識別力において弱まった語と認めた上で、「『芳熟』及び『豊熟』の語は、良好な風味を表現する語として多用されている傾向にあり(甲第1号証及び甲第2号証。決定注:以下、本件商標に係る審査において出願人の提出した証拠は、「原審甲第1号証」のように表す。)、相対的にそれらの語の識別力も弱まる傾向が見受けられる。そのような背景のもと、単独では識別力のない、あるいは弱った「まろやか」及び「芳熟」を結合することにより識別力を有するよう構成された本願商標は、全体として一体不可分であり、「まろやか芳熟」の一部分をもって「芳熟」・・と類似するとの判断は相当ではないと考える。」としている。
しかし、その意見書の主張内容については到底受け入れがたく、また、これに関して提出された証拠方法によっても、かかる主張内容が証明されているとはいえない。
意見書で出願人が証拠として提出した原審甲第1号証中の「芳熟香 ナイアガラ 720ml」に関する「芳熟香」は、商標登録第350028号として大和葡萄酒株式会社が所有する登録商標で、商標権者の使用によるものである(甲第5号証)。また、「明治乳業、ファットスプレッド『芳熟』を発売-毎日jp(毎日新聞)」に関する「芳熟」は、商願2008-39769号として明治乳業株式会社が登録出願中である(甲第6号証。決定注:かかる登録出願は、平成21年2月6日に商標登録第5201847号として設定登録された。)。その他、原審甲第1号証中、「明治 芳熟 箱140gのクチコミ・もぐナビ(mognavi)」は、先の「明治乳業、ファットスプレッド『芳熟』を発売-毎日jp(毎日新聞)」と同じ内容のウェブサイトである。同じく、「梅酒『芳熟』白瀧梅本舗」と「『紀州秋津野』限定芳熟 樽出梅酒」の「芳熟」については、商標登録第5102015号として宝ホールディング株式会社が商品「梅酒」を含めて第33類について登録する登録商標であり、「Yahoo!オークション-レア?ヤマザキ 超芳熟特選 携帯ストラップ」は、申立人の商品「食パン」の登録商標「超芳醇」を誤って「超芳熟」と表示したものと思われる。
結局、「【楽天市場】備前岡山芳熟しょうゆ:晴豊」と同じく「『とことん逸品』こだわりの『撰』調味料 芳熟柚子 ゆずぽん酢-goo..」のウェブサイトの『芳熟』に関してのみが恐らく商標登録されずに使用がされているといえるものである。したがって、この2例のみをもって「芳熟」の使用が一般的であるとか、識別力が弱いとかは断定できるものではない。
それどころか、特許庁においても、例えば、食品に関して「芳熟」の商標登録を以下のとおり認めている。
(ア)登録第4549587号の1
商標:芳熟
指定商品:第30類「みそ、しょうゆ但し、しょうゆを除く」
商標権者:仙台味噌醤油株式会社
(イ)登録第4549587号の2
商標:芳熟
指定商品:第30類「しょうゆ」
商標権者:仙台味噌醤油株式会社
キッコーマン株式会社
(ウ)登録第4691475号
商標:芳熟
指定商品:第30類「コーヒー及びココア」
商標権者:明治製菓株式会社
(エ)登録第5031174号
商標:芳熟メロン
指定商品:第31類「メロン」
商標権者:はが野農業協同組合
以上のとおり、出願人が意見書で引用した「芳熟」の使用例のほとんどが登録商標によるものであるから、「芳熟」を一般的に使用がされているとした主張は不正確であり、根拠のない誤った主張といわなければならず、むしろ、「芳熟」に関する登録例をみれば、「芳熟」には識別力があることを認定して登録されているといわざるを得ない。

3 本件商標に対する取消理由(要旨)
本件商標は、前記1のとおり、「まろやか芳熟」の文字からなるところ、全体として親しまれた観念を有する一連の熟語として知られているものではなく、「まろやか」の文字部分と「芳熟」の文字部分とは、平仮名文字と漢字という文字種の相違により視覚上分離して看取されるものである。加えて、「まろやか」の文字は、「形がまるいさま。まろらか。味などが、おだやかなさま。」(岩波書店発行「広辞苑」第6版)の意味を有する語であって、別掲のとおり、本件商標の指定商品中「菓子及びパン」の分野においては、本件商標の登録査定日(平成20年10月21日)より前から、「まろやかな味わい」等として普通に使用され、広く親しまれている語であるのに対し、「芳熟」の文字は、一般の辞書に掲載されている例も見当たらず、既成の観念を有する成語として親しまれているものではない。
そうすると、本件商標は、その指定商品中「菓子及びパン」との関係では、その構成中の「まろやか」の文字部分は、商品の品質等を表示し、「芳熟」の文字を修飾するにすぎないものであって、自他商品の識別力を有しないか極めて弱いものであるから、「芳熟」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部というべきであり、これより単に「ホウジュク」の称呼をも生ずるものとみるのが相当である。
他方、引用商標は、前記2(1)のとおり、本件商標の要部である「芳熟」と同一の文字からなるものであるから、「ホウジュク」の称呼を生じるものであり、また、これよりは特定の観念を生じさせないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「ホウジュク」の称呼を共通にするところ、外観においても、取引者、需要者の注意をひく「芳熟」の文字が共通しており、また、いずれの商標からも特定の意味を生じないから、観念については比較することができないとしても、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、両者は互いに類似する商標というべきである。
そして、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品とは「菓子及びパン」が同一である。
したがって、本件商標は、その指定商品中「菓子及びパン」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものというべきである。

4 商標権者の意見
商標権者は、前記3の取消理由に対し、「本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。」として、要旨次のように述べた。
本件商標「まろやか芳熟」が引用商標と類似するか否かの判断は、本件商標の一体不可分性によると思量する。
以下、商標権者及び申立人の意見の一致点及び相違点を把握した上で明らかにする。
(1)「まろやか」の識別力について
「まろやか」の語、それ単独では識別力を有さないことについて、商標権者と申立人との間に争いはない。
(2)「芳熟」の識別力について
商標権者は、指定商品「しょうゆ」について商標「芳熟」を登録している。しかし、インターネットに公開された情報から、「芳熟」の語を有する多数の商品の情報が見られること、食品を指定商品として以下の多数の商標が登録されていることから、食品を指定商品として「芳熟」の語を用いた場合、それ単独では相対的に識別力が弱まったと判断し、単独では識別力のない語である「まろやか」の語と、単独では識別力が弱い「芳熟」の語を一体的に構成させた「まろやか芳熟」の語は、「芳熟」と外観、称呼及び観念のいずれにおいても相違すると判断して、本件商標の登録出願をした。
ア 登録第4549587号の1
商標:芳熟
指定商品:みそ
イ 登録第4549587号の2
商標:芳熟
指定商品:しょうゆ
ウ 登録第4691475号
商標:芳熟
指定商品:第30類「コーヒー及びココア」
エ 登録第4886889号(引用商標1)
オ 登録第5102015号
商標:芳熟
指定商品:日本酒、他
カ 登録第5201847号
商標:芳熟
指定商品:食用油脂
したがって、商標権者と申立人との間に「芳熟」の識別力の程度において判断の相違があるものの、商標権者も自他商品識別力が失われているとは考えておらず、識別力を有するか否かにおいて争いはない。
なお、申立人は、引用商標の「菓子及びパン」における使用実績として、申立人の100%出資の子会社であるサンキムラヤが平成16年8月から甲府地方を中心として製造販売した旨挙げているが、当該使用は、あくまで一地方におけるものであり、インターネットに公開された情報においてその使用実績が確認できないことから、一般消費者の「芳熟」に対する識別力は、決して高くないといえる。
(3)本件商標の一体不可分性について
前記(1)及び(2)によれば、本件商標と引用商標との類否判断は、「まろやか」の語と「芳熟」の語の一体不可分性によると考えられる。
識別力を有さない「まろやか」の語に識別力を有する「工房」の語を一体的に結合させた登録商標「まろやか工房」(登録第4433346号)ですら、登録商標「工房」(登録第2028397号)と類似することは適当でないと判断されているのに、単独では、識別力のない「まろやか」の語と、単独では識別力の弱まった「芳熟」を結合することにより識別力を有するように構成された本件商標は、全体として一体不可分の商標であるとの判断がなされるべきと思量する。
また、本件商標は、平仮名文字及び漢字を外観上まとまりよく一体的に表示するものであり、これより自然に生ずる「マロヤカホウジュク」の称呼も何ら冗長ではなく、よどみなく一連に称呼できるものであり、本件商標は、その構成文字に相応して、「マロヤカホウジュク」の称呼のみが生ずるものというのが相当であると思量する。本件商標に係る商標公報において付された称呼においても同様の判断がなされている。

5 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標についてした前記3の取消理由は妥当なものであり、これに対する商標権者の意見は、以下の理由により採用することができない。
ア 商標権者は、インターネットにおいて「芳熟」の語を有する多数の商品の情報が見られ、食品を指定商品とする登録商標「芳熟」が多数商標登録されていることから、食品を指定商品として「芳熟」の語を用いた場合、相対的に識別力が弱くなり、識別力のない「まろやか」の語と該「芳熟」の語を外観上まとまりよく一体的に表示した本件商標は、引用商標とは類似しない旨主張する。
ところで、商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかも、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。
しかるところ、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合において、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されない。他方、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるものである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
これを本件についてみるに、前記3のとおり、本件商標は、全体として親しまれた観念を有する一連の熟語として知られているものではなく、「まろやか」の文字部分と「芳熟」の文字部分とは、平仮名文字と漢字という文字種の相違により視覚上容易に分離して看取されるものであり、「まろやか」の語は、「形がまるいさま。まろらか。味などが、おだやかなさま。」(岩波書店発行「広辞苑」第6版)の意味を有するものであって、引用商標の指定商品と同一である本件商標の指定商品中「菓子及びパン」との関係においては、これを取り扱う業界において普通に使用され、広く親しまれているものというべきものであり、この点については、商標権者に争いがない。
一方、「芳熟」の文字については、商標権者は、「芳熟」の語を有する多数の商品の情報が見られ、食品を指定商品として多数の商標登録がされていることから、自他商品の識別標識としての機能がないとはいえないまでも弱いと主張するが、商標権者の挙げた登録例は、「みそ」(登録第4549587号の1)、「しょうゆ」(登録第4549587号の2)、「コーヒー及びココア」(登録第4691475号)、「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」(登録第5102015号)及び「食用油脂」(登録第5201847号)を指定商品とするものであり、これらの指定商品と「菓子及びパン」とは、いずれも商品の原材料、商品の用途、需要者の範囲等が相違する非類似の商品であるから、かかる商標登録をもって、本件商標の指定商品中「菓子及びパン」において、「芳熟」の文字が自他商品の識別標識としての機能が弱いということはできず、ほかに、該「芳熟」の文字が「菓子及びパン」を取り扱う業界において、取引上普通に使用されているとみるべき特段の事情は見いだせない。
そうすると、本件商標の構成中の「芳熟」の文字部分は、既成の観念を有する成語として親しまれているものではなく、「菓子及びパン」との関係においても、その構成中の「まろやか」の文字部分と比べてみると出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから、本件商標のうち「芳熟」の文字部分だけを、引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるものというべきである。
してみると、本件商標は、その指定商品中「菓子及びパン」との関係では、その構成中の「芳熟」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部というべきであり、本件商標から生じる称呼の1つである「ホウジュク」と引用商標から生ずる称呼が同じくするものである以上、本件商標は、引用商標と類似するものである。
ほかに、本件商標と引用商標は、その商品の出所について混同を生ずるおそれがないとみるべき特段の取引の実情も見当たらない。
したがって、本件商標が引用商標と類似しないとする商標権者の上記主張は、採用することができない。
イ 商標権者は、指定商品を同じくする「まろやか工房」(登録第4433346号)と「工房」(登録第2028397号)が併存して登録されていることからも、本件商標は、全体として一体不可分の商標と判断すべきである旨主張する。
しかし、商標権者の挙げた登録例は、商標の構成等において本件商標とは事案を異にするものであって、登録商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、この点についての商標権者の上記主張は、採用することができない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、結論掲記の指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
しかし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由が認められないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 2008年5月2日付けの日本食糧新聞には、「『ポテトチップス わさびマヨ』発売(カルビー)」の見出しの下、「◆商品特徴=スナック菓子。パリパリバリエーションシリーズ新アイテム。マイルドなマヨネーズに、ワサビの風味を効かせた和風の味わい。まろやかな味わいと程よい刺激がマッチして、飽きのこないおいしさ。」との記載がある。
2 2008年3月1日付けの読売新聞(東京朝刊)には、「女子高生のレシピ、商品に ハチミツたっぷりロールケーキ=千葉」の見出しの下、「千産千消に賛同する山崎製パン千葉工場が、2人のレシピを参考に商品化した。…『菜の花ハチミツロール』(消費税込み137円)として、今年元日から売り出された。パッケージには、『千葉県産牛乳を生地に練り込み、菜の花ハチミツのクリームを巻き込んだ、まろやかな味わいのロールケーキです』などのメッセージが記載されている。」との記載がある。
3 2006年11月24日付けの読売新聞(東京朝刊)には、「[いい味見つけた]横井商店 優しいまろやかな飴=石川」の見出しの下、「炊き上がりは『季節や温度によって違うので難しい』(智子さん)が、長年培ってきた勘を頼りに見極め、口に含むと優しいまろやかな味わいが広がる飴に仕上げる。」との記載がある。
4 2006年6月16日付けの日本食糧新聞には、「山崎製パン、ハウス食品の人気カレー使用したカレーパン3品発売」の見出しの下、「新製品3品には、ハウス食品が『バーモントカレー』『ジャワカレー』『こくまろカレー』をベースに、そのおいしさや特徴を生かし開発したカレーフィリングを使用している。『マイルドカレーパン』は、“リンゴとはちみつ”でなじみの『バーモントカレー』を使用し、子どもでも食べやすい、まろやかな味わいに仕上げた。」との記載がある。
5 2005年4月8日付けの日本食糧新聞には、「木村屋總本店、『あんぱん』など定番のパンをリニューアル」の見出しの下、「『あんぱん』は、中身の餡に北海道襟裳小豆を使用しており、健康志向を考え、今まで通り北海道の砂糖大根と呼ばれる甜菜から採られたグラニュー糖を使用して煮上げた。酒種生地とのバランスを考え、餡の甘さは控え目にしまろやかな味に仕上げた。105円税込み。」との記載がある。
6 2005年2月23日付けの日本食糧新聞には、「アイスクリーム『チャイ』発売(ハーゲンダッツジャパン)」の見出しの下、「ミルクティーのまろやかな味わいに、ほのかなスパイスの香りがアクセントとなったアイスクリーム。」との記載がある。

異議決定日 2010-05-18 
出願番号 商願2008-24845(T2008-24845) 
審決分類 T 1 651・ 262- ZC (X30)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
酒井 福造
登録日 2008-11-07 
登録番号 商標登録第5178904号(T5178904) 
権利者 キッコーマン株式会社
商標の称呼 マロヤカホージュク、ホージュク 
代理人 梅村 莞爾 
代理人 鈴木 英之 

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