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審決分類 審判 全部無効 外観類似 無効としない X0305
審判 全部無効 観念類似 無効としない X0305
審判 全部無効 称呼類似 無効としない X0305
管理番号 1221422 
審判番号 無効2009-890102 
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-08-27 
確定日 2010-07-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第5176456号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5176456号商標(以下「本件商標」という。)は、「Jo-Ju」の文字を横書きしてなり、平成20年4月16日に登録出願され、第3類「せっけん類,化粧品,香料類」及び第5類「薬剤」を指定商品として同年10月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が引用する登録商標は、次の(1)ないし(14)に掲げるとおりである。
(1)登録第2379249号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:JAWS/上手 (二段書)
登録出願日:昭和63年7月8日
設定登録日:平成4年2月28日
書換登録日:平成14年9月11日
指定商品 :第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」
(2)登録第2430016号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:ジョーズ/JOWS (二段書)
登録出願日:平成1年1月12日
設定登録日:平成4年6月30日
書換登録日:平成14年2月20日
指定商品 :第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」
(3)登録第2430017号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:ジョーズ/JOES (二段書)
登録出願日:平成1年1月12日
設定登録日:平成4年6月30日
指定商品 :第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」
(4)登録第2430018号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:ジョーズ/JAWS (二段書)
登録出願日:平成1年1月12日
設定登録日:平成4年6月30日
指定商品 :第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」
(5)登録第1364669号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:JOJO/ジョジョ (二段書)
登録出願日:昭和49年7月26日
設定登録日:昭和53年12月22日
書換登録日:平成21年4月30日
指定商品 :第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」
(6)登録第408630号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:JUJU
登録出願日:昭和25年11月25日
設定登録日:昭和27年2月18日
書換登録日:平成14年12月25日
指定商品 :第3類「化粧品(紅・染毛剤・まゆ墨を除く。),植物性天然香料(芳香油を除く。),合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,におい袋,吸香」
(7)登録第1376242号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:JUJU/ジュジュ (二段書)
登録出願日:昭和50年6月24日
設定登録日:昭和54年3月23日
書換登録日:平成21年7月8日
指定商品 :第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」
(8)登録第2058865号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:ジュジュ/寿々 (二段書)
登録出願日:昭和60年5月9日
設定登録日:昭和63年6月24日
書換登録日:平成20年11月26日
指定商品 :第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」
(9)登録第2131905号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の構成:JUJU
登録出願日:昭和61年10月14日
設定登録日:平成1年4月28日
指定商品 :第4類「化粧品、その他本類に属する商品」
(10)登録第2253800号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の構成:(別掲のとおり)
登録出願日:昭和60年6月13日
設定登録日:平成2年7月30日
指定商品 :第4類「化粧品、その他本類に属する商品」
(11)登録第4596935号商標(以下「引用商標11」という。)
商標の構成:姿姿/ジュジュ (二行縦書)
登録出願日:平成12年12月28日
設定登録日:平成14年8月23日
指定商品 :第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」
(12)登録第4819329号商標(以下「引用商標12」という。)
商標の構成:寿寿 (縦書)
登録出願日:平成16年4月9日
設定登録日:平成16年11月19日
指定商品 :第3類「石けん類,香料類,化粧品,歯磨き」
(13)登録第5123347号商標(以下「引用商標13」という。)
商標の構成:ジュジュ
登録出願日:平成19年10月2日
設定登録日:平成20年3月28日
指定商品 :第3類「石けん類,香料類,化粧品,歯磨き」
(14)登録第1990580号商標(以下「引用商標14」という。)
商標の構成:ジュジュ
登録出願日:昭和60年9月10日
設定登録日:昭和62年10月27日
書換登録日:平成20年7月30日
指定商品 :第5類「薬剤」
上記引用商標1ないし14は、いずれも現に有効に存続するものであり、以下、これらを総称するときは、単に「引用商標」という。

第3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第16号証(枝番を含む。)を提出している。
1 登録無効事由
本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違背してなされたものである。すなわち、本件商標は、その登録出願日である平成20年4月16日前の出願に係る登録商標と称呼上類似する商標であって、指定商品においても抵触するものであるから、その登録は無効とされるべきものである。
本件商標から生じる自然的称呼は、本件商標公報の【称呼(参考情報)】の項にも記載されているように、「ジョージュ」又は「ジョジュ」である。そこで、「ジョージュ」の称呼を採った場合について、以下、引用商標1ないし4との関係における登録無効事由を挙げ、次いで、「ジョジュ」の称呼を採った場合について、引用商標5ないし14との関係における登録無効事由を述べることとする。

2 引用商標1ないし4との関係における登録無効事由
本件商標から生じる称呼の1つに「ジョージュ」があり、この称呼においては、引用商標1ないし4と類似する。以下、商品の区分ごとに具体的に述べる。
(1)第3類「せっけん類、化粧品、香料類」関係
引用商標1から生じる称呼の1つに「ジョーズ」があり、これを本件商標から生じる称呼「ジョージュ」と対比すると、相違するのは最後の一音のみであり、その相違は拗音を伴なう「ジュ」であるか、濁音の「ズ」であるかという点のみである。今更述べるまでもなく、拗音とは、母音ア〔a〕、ウ〔u〕、オ〔o〕の何れかの音の前に半母音〔j〕を伴った子音が添っている音節を言い、上記「ジュ」の例では、母音〔u〕の前に半母音〔j〕を伴っているものであるから、「ズ」も「ジュ」も音節の最後の音はともに母音〔u〕である。このようなことから、聴者にとっては極めて近似した音として認識される。両者は、全体として互いに類似する商標というべきである。両者は指定商品においても抵触している。
なお、未だ言葉を正確に表現することのできない幼児が、ある動作ができたときに「オジョージュ」、「オジョージュ」と手を叩いて喜ぶ場面を見ることがあるが、これは「お上手」と「オジョージュ」が本来的に近似している音であることを示す一例である。
(2)第5類「薬剤」関係
引用商標2ないし4から生じる称呼は、何れも「ジョーズ」であって、上記(1)において述べたと同様に、本件商標から生じる称呼「ジョージュ」と類似し、指定商品においても抵触する。

3 引用商標5ないし14との関係における登録無効事由
本件商標から生じる称呼の1つに「ジョジュ」があることは、上述のとおりであるが、この称呼において、引用商標5ないし14と類似する。以下、商品の区分ごとに具体的に述べる。
(1)第3類「せっけん類、化粧品、香料類」関係
ア 先ず、引用商標5から生じる称呼は「ジョジョ」であるが、これを本件商標から生じる称呼「ジョジュ」と対比すると、両者ともに拗音を伴う2音節からなっているのみならず、第1音が同一であり、第2音は拗音が「ョ」であるか「ュ」であるかの相違のみであるから、音調が同一であることと相俟って、全体として極めて類似するものとなっており、いわゆる離隔的観察によった場合には、殆ど同一と認識されるのではないかと考える。
イ 次に、引用商標6ないし13との関係について述べる。
引用商標6ないし13から生じる称呼は、いずれも「ジュジュ」である。これを本件商標から生じる称呼の一つ「ジョジュ」と対比すると、両者はともに拗音を伴う2音節からなっている点、及び第2音が同一である点で共通しており、僅かに第1音の拗音が「ョ」であるか、「ュ」であるかの点で相違するのみである。したがって、「ジュジュ」と「ジョジュ」とを称呼した場合、全体として音調が同一であることと相挨って極めて紛らわしいものとなっている。
のみならず、上記引用商標中の「ジュジュ」及び「JUJU」は、請求人の商号の略称であり、化粧品の分野のみならず日本国内における著名商標の一つに数えられているほどのものであるから、「ジョジュ」の聴者は上記に加えて、これを著名で聴き馴れている「ジュジュ」と誤って認識する公算が大である。現に請求人の「お客様相談室」には、次のような問い合わせが寄せられている事実がある(甲第16号証の1及び2参照)。
(ア)「展示会でJO-JUという育毛剤を見ましたが、そちらの商品ですか。」(7月28日9時18分、女性)
(イ)「アドバンジェンというのは、ジュジュの関連会社ですか。ジョージュという商品があったのですが。」(8月4日14時40分、女性)
(2)第5類「薬剤」関係
引用商標14と本件商標とが称呼上、互いに類似する理由は、第3類に属する商品に関して述べたところと同一である。

4 本件商標に関する事情
なお、事情として述べると、商標権者も、実際には本件商標「ジョジュ」を引用商標「ジュジュ」と類似すると考えていたようで、請求人に対して使用許諾を求めてきた事実がある。すなわち、本件登録出願がなされた日の80日後に「商標についての確認をせずに育毛剤の生産を開始し、現在、製品20,000個の在庫があるが、格別の配慮により製造してしまった在庫分について販売を認めてほしい。」との趣旨の申し出があった。この申し出に対し担当者は当初は拒絶したが、先方からの数度にわたる懇請を黙止し難く、最終的には条件を提示し、これを遵守するのであれば許諾しても良い旨答えた。しかし、これに対する回答がもたらされることなく、爾後、接触が途絶えたという経緯がある。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第14号証(枝番を含む。)を提出している。
1 商標の類否判断手法について
請求人の主張する無効理由は、いずれも本件商標が、商標法第4条第1項第11号の「他人の・・・又はこれに類似する商標」に該当することを理由とするものであると思われる。そこで、まず、類似性の判断手法について言及した上、請求人の主張に反論することとする。
請求人は、単に、称呼が類似しているというのみの理由で、本件商標と引用商標1ないし14とが「類似する商標」(商標法第第4条第1項第11号)に該当するかのように主張する。
しかし、「類似する商標」に該当するか否かは、以下のような基準で判断されることは、審決取消訴訟等における裁判所の判断で確立している(最判昭43.2.27民集22巻2号399頁)。
「商標の類否は、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。」
そこで、上記の最高裁判決をふまえ、被請求人は称呼が類似していないことに加え、外観や観念も類似していないことを主張する。

2 引用商標1ないし4との関係における登録無効事由
(1)称呼が類似しないこと
ア 請求人は、本件商標と引用商標1ないし4とが称呼において類似すると主張し、その根拠として、引用商標1ないし4の称呼を「ジョーズ」であるとしたうえ、これと本件商標の称呼である「ジョージュ」とは、「相違するのは最後の一音のみであり、その相違は拗音を伴う『ジュ』であるか、濁音の『ズ』であるかという点のみである。」と指摘する。
イ そこで、請求人が主張する「相違するのは最後のー音のみであり、その相違は拗音を伴う『ジュ』であるか、濁音の『ズ』であるかという点のみである。」、「『ズ』も『ジュ』も音節の最後の音はともに母音[u]である。」という条件を具備する商標が並存して登録されているか否かを確認したところ、以下の商標が並存して登録されていることが判明した。
(ア)「CAUSE/コーズ」と「KOJU」(乙第1号証の1及び2)
(イ)「BOSE」と「ボウジュ/VOSGES」(乙第3及び第4号証の1及び2)
上記(ア)における称呼は、それぞれ、「コーズ」と「ゴージュ」であり、引用商標1ないし4と本件商標の関係と同様、その相違は拗音を伴う「ジュ」であるか、濁音の「ズ」であるかという点のみである。しかし、いずれも第3類「せっけん類、歯磨き、化粧品」を指定商品として両者は並存して登録されている。
また、上記(イ)における称呼は、それぞれ、「ボーズ」と「ボージュ」であり、引用商標1ないし4と本件商標の関係と同様、その相違は拗音を伴う「ジュ」であるか、濁音の「ズ」であるかという点のみである。しかし、第20類「クッション、座布団、まくら、マットレス」、第24類「布製品の回り品、かや、敷布、布団、布団カバー、布団側、まくらカバー、毛布」、第25類「被服」を指定商品として両者は並存して登録されている。
したがって、請求人の上記指摘に反して、商標が登録査定を受けていることは明らかであり、請求人の指摘は誤りである。
ウ 本件商標は、わずか2音節のみから構成されるものであるから、そのうちの1音節が異なる場合には、全体としての印象も大きく異なるものであり、称呼も類似していないと判断されるべきである。
(2)外観が類似しないこと
本件商標は、「Jo」と「Ju」をハイフンで接続したものであるが、引用商標1ないし4は、いずれものアルファベット部分にハイフンはない。また、本件商標は、引用商標1及び4とはアルファベットの2文字目以降がすべて異なり、引用商標2及び3とはアルファベットの3文字目及び4文字目が異なる。
したがって、本件商標の外観は、引用商標1ないし4の外観のいずれとも類似しない。
(3)観念が類似しないこと
「ジョーズ」から連想されるのは、引用商標1で表記されている「上手」や著名な映画の「ジョーズ」である。他方で、「ジョージュ」という言葉も特定の意味を持たない言葉であるから、「ジョーズ」と「ジョージュ」の観念は類似しない。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標1ないし4とは、称呼、外観、観念のいずれも類似しておらず、誤認混同のおそれはない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号で規定されている「他人の・・・又はこれに類似する商標」に該当せず、本件審判の請求は成り立たない。

3 引用商標5ないし14との関係における登録無効事由
(1)称呼が類似しないこと
ア 本件商標と引用商標5の称呼が類似しないこと
請求人は、「引用商標5から生じる称呼は『ジョジョ』であるが、これを本件商標から生じる称呼『ジュジュ』と対比すると両者ともに拗音を伴う2音節からなっているのみならず、第1音が同一であり、第2音は拗音が『ョ』であるか『ュ』であるかの相違のみであるから、音調が同一であることと相俟って全体として極めて類似する。」と指摘する。
そこで、請求人が主張する「2音節からなっているのみならず、第1音が同一であり、第2音は拗音が『ョ』であるか『ュ』であるかの相違のみである」という条件を具備する商標が並存して登録されているか否かを確認したところ、以下の商標が並存して登録されていることが判明した。
(ア)「MoJo」と「modu」(乙第5及び第6号証の1及び2)
(イ)「魔女」と「maju」(乙第7及び第8号証の1及び2)
上記(ア)における称呼は、それぞれ、「モジョ」と「モジュ」であり、本件商標と引用商標6ないし13との関係と同様、その相違は第2音節の拗音が「ョ」であるか「ュ」であるかという点のみである。しかし、いずれも第9類「電子応用機械器具」を指定商品として両者は並存して登録されている。
また、上記(イ)における称呼は、それぞれ、「マジョ」と「マジュ」であり、本件商標と引用商標6ないし13との関係と同様、その相違は第2音節の拗音が「ョ」であるか「ュ」であるかという点のみである。しかし、いずれも第3類「せっけん類、化粧品、香料類」を指定商品として両者は並存して登録されている。
したがって、請求人の上記指摘に反して、商標が登録査定を受けていることは明らかであり、請求人の指摘は誤りである。
本件商標は、わずか2音節のみから構成されるものであるから、そのうちの1音節が異なる場合には、全体としての印象も大きく異なるものであり、称呼も類似していないと判断されるべきである。
イ 本件商標と引用商標6ないし14の称呼が類似しないこと
請求人は、本件商標と引用商標6ないし14の称呼が類似していることの根拠として、「引用商標6ないし14から生じる称呼は、いずれも『ジュジュ』である。これを本件商標から生じる称呼のーつ『ジョジュ』と対比すると、両者はともに拗音を伴う2音節からなっている点、及び第2音が同一である点で共通しており、僅かに第1音の拗音が『ョ』であるか、『ュ』であるかの点で相違するのみである。したがって、『ジュジュ』と『ジョジュ』とを称呼した場合、全体として音調が同一であることと相俟って極めて紛らわしいものとなっている」と指摘する。
そこで、請求人が主張する「両者はともに拗音を伴う2音節からなっている点、及び第2音が同一である点で共通しており、僅かに第1音の拗音が『ョ』であるか、『ュ』であるかの点で相違する」という条件を具備する商標が並存して登録されているか否かを確認したところ、以下の商標が並存して登録されていることが判明した。
(ア)「ジュゼ/JUZE」と「ジョゼ/JOSET」(乙第9及び10号証の1及び2)
(イ)「JUDY」と「JODDY/ジョディ」(乙第11及び第12号証の1及び2)
(ウ)「JUM」と「ジョム/JOMME」(乙第13及び第14号証の1及び2)
上記(ア)における称呼は、それぞれ「ジュゼ」と「ジョゼ」であり、本件商標と引用商標6ないし14との関係と同様、その相違は、第1音の拗音が「ョ」であるか、「ュ」であるかという点のみである。しかし、いずれも第24類「織物製テーブルナプキン、ふきん、シャワーカーテン、のぼり及び旗(紙製のものを除く。)、織物製トイレットシートカバー」を指定商品として両者は並存して登録されている。
また、上記(イ)における称呼は、それぞれ、「ジョディ」と「ジュディ」であり、本件商標と引用商標6ないし14との関係と同様、その相違は、第1音の拗音が「ョ」であるか、「ュ」であるかという点のみである。しかし、いずれも第25類「寝巻き類、耳覆い」を指定商品として両者は並存して登録されている。
さらに、上記(ウ)における称呼は、それぞれ、「ジュム」と「ジョム」であり、本件商標と引用商標6ないし14との関係と同様、その相違は、第1音の拗音が「ョ」であるか、「ュ」であるかという点のみである。しかし、いずれも指定商品が抵触するにも拘わらず両者は並存して登録されている。
したがって、請求人の上記指摘に反して、商標が登録査定を受けていることは明らかであり、請求人の指摘は誤りである。
本件商標は、わずか2音節のみから構成されるものであるから、そのうちの1音節が異なる場合には、全体としての印象も大きく異なるものであり、称呼も類似していないと判断されるべきである。
(2)外観が類似しないこと
以下のとおり、本件商標の外観は、引用商標5ないし13の外観のいずれとも類似しない。
ア 本件商標は「Jo」と「Ju」をハイフンで接続したものであるが、引用商標5及び7のアルファベット部分並びに引用商標6及び9には、ハイフンがない。本件商標は子音の部分がいずれも小文字であるのに対し、引用商標5ないし7及び9は大文字である。また、本件商標は4文字目が「u」であるのに対し、引用商標5は「O」である。さらに、本件商標の2文字目は「o」であるのに対し、引用商標6、7及び9は「U」でありアルファベットも異なる。
イ 本件商標はアルファベットで表記されるのに対し、引用商標8及び11ないし13はカタカナ又は漢字で表記されるものである。
ウ 本件商標の2文字目と4文字目はそれぞれ「o」と「u」であるのに対し、引用商標10の2文字目と4文字目はいずれも「E」であり、いずれも異なる。
(3)観念が類似しないこと
引用商標5から連想される意味はなく、本件商標から連想される意味もないから、引用商標5と本件商票は観念においても類似しない。
また、引用商標6ないし13から連想される意味は「姿」又は「寿」であり、本件商標から連想される意味がないことは前述したとおりであるから、引用商標6ないし13と本件商票は観念においても類似しない。
(4)小括
以上のとおり、引用商標5ないし13と本件商標は、称呼、外観、観念のいずれも類似しておらず、誤認混同のおそれはない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号で規定されている「他人の・・・又はこれに類似する商標」に該当せず、本件審判の請求は成り立たない。

4 本件商標に関する事情について
請求人が述べる事情については、請求人と被請求人との間で、使用許諾の交渉が行われたという範囲で認める。しかし、本件商標と引用商標「ジュジュ」が法的に類似すると判断していたわけではない。交渉を開始した時点では、本件商標が登録されていなかったため、万が一、拒絶査定を受けた場合に備えて使用許諾の交渉を行ったに過ぎず、登録査定となり非類似であることが明らかとなったため、交渉の必要がないものと判断して本件商標を使用するに至ったものである。なお、交渉の中で、請求人は、被請求人に対し、繰り返し、本件商標の出願を取り下げるように要求しており、これは本件商標が登録される可能性が高いと請求人が考えて行ったことであると考えられるから、請求人も、本件商標と引用商標が非類似であると考えていたことが窺える。
また、引用商標6ないし14は、請求人により情報提供され、本件商標の登録査定は、これらの引用商標の存在を前提として判断されたものであることを付言しておく。

第5 当審の判断
1 本件商標と引用商標との類否について
(1)本件商標は、「Jo-Ju」の文字からなるところ、これは既成の親しまれた成語を表したものとは認められないから、その文字に相応して、「ジョージュ」又は「ジョジュ」の称呼を生ずるものといえる。
他方、引用商標についてみると、それぞれの構成に照らし、引用商標1ないし4は「ジョーズ」の、引用商標5は「ジョジョ」の、引用商標6ないし14は「ジュジュ」の各称呼を生じ、さらに引用商標10からは「ジェジェ」の称呼も生ずるものといえる。
(2)そこで、まず本件商標から生ずる「ジョージュ」の称呼と引用商標から生ずる上記「ジョーズ」、「ジョジョ」、「ジュジュ」又は「ジェジェ」の各称呼とを対比するに、「ジョージュ」と「ジョーズ」とでは、いずれも長音を含む3音からなり、第1音とその長音を共通にするものではあるが、最後の音が「ジュ」と「ズ」と異なる。
しかも相違する「ジュ」は、半母音(j)と母音(u)を組み合わせた「ju」(日本式)、あるいは子音(z)と半母音(y)に母音(u)を組み合わせた「zyu」(へボン式)で発音表記がされる、いわゆる拗音であって、やや調音し難い音であるのに対し、「ズ」は、直音「ス」の濁音であり、明確に発音され、「ジュ」とは調音方法が異なることから、かかる差異が短い音構成の全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が異なり、互いに紛れることなく区別することができるものである。
また、「ジョージュ」と「ジョジョ」とでは、3音対2音という構成音数の相違及び長音の有無という差異を有し、最後の音が母音を異にする「ジュ」と「ジョ」と相違しており、さらに、「ジョージュ」と「ジュジュ」とでは、やはり3音対2音という構成音数の相違及び長音の有無という差異に加え、第1音が母音を異にする「ジョ」と「ジュ」と相違しており、いずれも、これらの差異が3音又は2音という短い音構成の全体に及ぼす影響が大きく、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が異なり、互いに紛れることなく区別することができるものである。
さらに、「ジョージュ」と「ジェジェ」とでは、3音対2音という構成音数の相違及び長音の有無という差異に加え、いずれの音も母音を異にする「ジョ」と「ジェ」あるいは「ジュ」と「ジェ」と相違しており、これらの差異が3音又は2音という短い音構成の全体に及ぼす影響は極めて大きく、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が全く異なり、互いに紛れることなく区別することができるものである。
次に、本件商標から生ずる「ジョジュ」の称呼と引用商標から生ずる上記「ジョーズ」、「ジョジョ」、「ジュジュ」又は「ジェジェ」の各称呼とを対比するに、「ジョジュ」と「ジョーズ」とでは、2音対3音という構成音数の相違及び長音の有無という差異を有し、最後の音が拗音「ジュ」と直音「ズ」と相違していることから、これらの差異が3音又は2音という短い音構成の全体に及ぼす影響が大きいものである。
また、「ジョジュ」と「ジョジョ」、「ジョジュ」と「ジュジュ」とでは、いずれもわずか2音という音構成において1音を異にするものであり、第2音における「ジュ」と「ジョ」の差異、あるいは第1音における「ジョ」と「ジュ」の差異が全体に及ぼす影響が大きいものである。
さらに、「ジョジュ」と「ジェジェ」とでは、わずか2音という音構成において、いずれの音も母音を異にするものであり、これらの差異が全体に及ぼす影響は極めて大きいものである。
したがって、これら各称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の音感・音調が異なり、互いに紛れることなく区別することができるものである。
(3)さらに、本件商標と引用商標とを外観上対比すると、本件商標は欧文字の「Jo」と「Ju」とをハイフンで結合してなるのに対し、引用商標は次のような差異を有している。
すなわち、引用商標1ないし5及び7は、欧文字と片仮名文字又は漢字と
を並記した構成からなり、しかも欧文字部分は本件商標とは綴りが異なりハイフンも存在しない。
引用商標6及び9は、欧文字のみで構成されているものの、本件商標とは綴りが異なりハイフンも存在しない。
引用商標8及び11は、片仮名文字と漢字とを並記した構成からなる。
引用商標10は、別掲のとおり、「j」を図案化した如き図形と片仮名文字及び欧文字3段を並記した構成からなる。
引用商標12は漢字のみからなり、引用商標13及び14は片仮名文字のみからなる。
したがって、これらの差異を有することにより、本件商標と引用商標とは外観上判然と区別し得るものである。
また、本件商標は、前示のとおり、既成の親しまれた観念を有する成語を表したものとは認められないから、観念上、引用商標と比較すべくもない。
(4)以上のとおりであるから、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

2 むすび
以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできず、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標10)


審理終結日 2010-01-12 
結審通知日 2010-01-14 
審決日 2010-01-26 
出願番号 商願2008-29788(T2008-29788) 
審決分類 T 1 11・ 262- Y (X0305)
T 1 11・ 263- Y (X0305)
T 1 11・ 261- Y (X0305)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 高橋 謙司 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
小川 きみえ
登録日 2008-10-24 
登録番号 商標登録第5176456号(T5176456) 
商標の称呼 ジョージュ、ジョジュ 
代理人 鮫島 正洋 
代理人 高見 憲 
代理人 新垣 盛克 
代理人 松島 淳也 
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