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審決分類 審判 一部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X03
管理番号 1221409 
審判番号 無効2009-890115 
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-10-26 
確定日 2010-07-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第5117374号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第5117374号に係る指定商品中の第3類「せっけん類,香料類,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり」についての登録を無効とする。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5117374号商標(以下「本件商標」という。)は,「デオアタック」の片仮名を標準文字により表してなり,平成19年8月9日に登録出願,第3類「せっけん類,香料類,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり」のほか,第1類,第5類,第30類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同20年3月7日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人の引用する登録商標は,以下の(1)ないし(3)である。
(1)登録第1929596号商標(以下「引用商標1」という。)は,「アタック」の片仮名を横書きしてなり,昭和59年2月1日に登録出願,第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同62年1月28日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新登録が2回なされ,さらに,平成19年6月20日に第3類「せつけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品とする書換登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4197016号商標(以下「引用商標2」という。)は,「アタック」の片仮名を標準文字により表してなり,平成9年6月26日に登録出願,第3類「せっけん類,香料類,薫料,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として,同10年10月9日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
(3)登録第5129012号商標(以下「引用商標3」という。)は,「アタック」の片仮名を横書きしてなり,平成19年9月12日に登録出願,第3類「せっけん類,薫料,化粧品,歯磨き,つや出し剤,研磨紙,研磨布,つや出し紙,つや出し布」を指定商品として,同20年4月18日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
上記の(1)ないし(3)の登録商標を一括していうときは,単に「引用各商標」という。

第3 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求めると申し立て,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第336号証を提出した。
1 無効事由
本件商標は,結論掲記の商品については,商標法第4条第1項第15号,第11号及び第19号に該当するものであるから,商標法第46条第1項第1号によって無効とされるべきである。
2 無効原因(要旨)
(1)請求人の使用する引用各商標の著名性
ア 請求人の衣料用洗剤「アタック」について
請求人は,1940(昭和15)年5月に設立され,化粧品,スキンケア・ボディケア製品,ヘアケア製品やヘアスタイリング剤,健康機能性食品・飲料,サニタリー製品,オーラルケア製品,入浴剤,衣料用洗剤や柔軟仕上げ剤などのファブリックケア製品,食器用洗剤などのホームケア製品を中心に扱う我が国で屈指の総合日用品メーカーであり,さらに,油脂関連製品をはじめ,それを原料とする油脂誘導体や界面活性剤など多岐にわたる工業用製品も扱い幅広い事業を展開する巨大企業である(甲第8号証)。
「アタック」は,「スプーン1杯で驚きの白さに」のキャッチコピーのもと,「世界初のコンパクト洗剤」として有名となった請求人が開発した衣料用洗剤であり,1987年の発売開始後,使いやすさと優れた洗浄力により,瞬く間に販売個数が1億個を超え,発売翌年にはシェア5割を超える大ヒット商品となった。これは,のちに請求人最大の売上げを誇るブランドに成長すると同時に,発売から20年以上が経過した今でも,洗剤のトップブランドとして輝き続けている(甲第8号証ないし甲第14号証)。
そして,請求人は,「アタック」の発売後もほぼ毎年,商品改良を重ね続け,様々な品質,機能を備えたシリーズ商品を販売している。かかる請求人の研究・開発努力によって,「アタック」ブランドは常に活性化され,その人気は,他社の追随を許さず不動である(甲第17号証ないし甲第21号証及び甲第25号証ないし甲第40号証)。
また,最近でも「アタック」シリーズの新商品として,「アタック/Neo」を平成21年8月29日から全国販売し,同商品のテレビCMなどの宣伝も行っている(甲第46号証及び甲第48号証ないし甲第60号証)。
このように,「アタック」は,洗浄力とコンパクトさを備えた画期的な衣料用洗剤として,発売当初から日本を含む世界の衣料用洗剤の市場の話題を獲得し,また,発売から20年が経過した現在においても,請求人の地道な商品改良の努力により,一般消費者のみならず業界関係者の間でも高い評価を受けている請求人の優れた衣料用洗剤である。
イ 広告宣伝活動
請求人は,「アタック」を1987年に発売して以降,20年以上もの間,多額の投資を惜しまず,主婦層を主なターゲットにした全国規模でのテレビCM,女性誌,一般新聞などに巨額の宣伝費用を投じてきた。その広告費用は,1987年度が16億円,2000年度が36億円超,2001年4月から2007年8月の間は,テレビCMが約47億円に及ぶ(甲第61号証ないし甲第67号証)。
ウ 「アタック」の著名性に関する事実
「アタック」の優れた技術力と請求人による大々的な宣伝活動などが功を奏し,以下に述べるように,「アタック」は,1987年の発売以降,現在まで,衣料用洗剤のトップブランドとして,周知・著名となっている(甲第8号証ないし甲第235号証)。
(ア)国内での市場シェア・人気ランキング(甲第9号証及び甲第236号証ないし甲第247号証)
(a)1987年の日本経済新聞の「1987年のヒット商品番付」では発売後直ちに西横綱に選ばれた。
(b)2000年第4四半期の新製品ランキング(日経産業消費研究所調べ)で,「アタックシートタイプ」が第3位にランク
(c)2001年第2四半期の新製品総合ランキングで,「newアタック/サッと溶けるマイクロ粒子」(2001年発売)が第2位にランク
(d)情報提供サイト「muffin-net」が実施した2002年1月18日付け「日用品ランキング」において,洗濯用洗剤で「アタックシリーズ」が,ライオン「トップ」に2倍近い差をつけて第1位となった。
(e)2002年7月末から9月末の一般衣料品用粉末市場シェアで「アタック」が1位と2位を独占
(f)2003年9月末から11月末の一般衣料品用粉末市場シェアで,請求人の「ニュービーズ」が一位となり,これに続いて「アタック」が2位と3位にランキング
(g)2004年2月末から4月末の一般衣料品用粉末市場シェアで,請求人の「アタック」が2位にランキング
(h)マイボイスコムが全国の男女1万8893人に行った調査で,「アタック」が現在利用している洗剤として30%で,2位の「トップ(ライオン)」の12%を大きく引き離した。
(i)2006年新製品売れ筋ランキングで「アタック」が1位を獲得
(j)2007年2月18日?2月24日の「新製品週間ランキング」で,「アタック」が1位を獲得
(k)2008年3月期における「アタック」のシェアは26.5%で首位を独占
(l)2008年度上半期新製品の売れ筋ランキングにおいて,家庭用品部門で2位獲得
(m)2008年度新製品の売れ筋ランキングにおいて,家庭用品部門で1位と3位を占める。
(イ)引用各商標のブランド評価(甲第248号証ないし甲第250号証)
(a)1997年(平成9年)度の日経流通新聞発行の「97年ブランドパワーランキング」では,食品,ビール,エアコン,乗用車などの19商品分野の有名ブランドの中から,「アタック」がブランドパワー(偏差値)83で,首位となり,調査レポートによると,消費者の満足度の高い商品であることが高く評価されている。
(b)2005年及び2006年に実際された日経流通新聞による「衣料洗剤」分野でのブランド力ランキングによると,「アタック」が首位となり,「洗浄力」と「ブランド力」で2位以下を大きく引き離して1位を獲得していると評価されている。
(ウ)引用各商標の防護標章登録例・日本有名商標集への掲載(甲第251号証ないし甲第253号証)
請求人は,引用商標1について,第3類に防護標章登録第1号を,また,第5類に防護標章登録第2号を有しており,さらに,引用商標1,2及び登録第4384251号商標は,「日本有名商標集(第3版)」にも掲載されている。
(エ)著名性を認めた過去の異議,審決例(甲第254号証)
登録商標「アタックリン」に対する無効2001-35407審決では,引用商標1について,「請求人の業務に係る商品『衣料用洗剤』を表示するものとして本件商標の登録出願時においては既に我が国の取引者,需要者の間に周知,著名な商標となっていた」と認定している。
(オ)「アタック」シリーズの登録例(甲第255号証ないし甲第268号証)。
請求人は,「アタック」シリーズの商品を販売しているが,これらシリーズ商標及び「ATTACK」についても商標登録を有し,「アタック」ブランドの保護に努めており,他の類においても「アタック」の登録商標を有し,様々な商品分野において幅広く保護を図っている。
(カ)小括
このように,「アタック」は発売当初から「世界初のコンパクト洗剤」として,日本内外から注目を受け,巨額の広告費用を投じた宣伝活動を実施し,そのブランド力は今や,一般業界誌でも高く評価され,市場シェアで常に首位を維持している。さらに,引用商標1が防護標章登録を受け,「日本有名商標集」に掲載されていることも併せて考えると,本件商標の登録出願時には,引用各商標は,請求人の「衣料用洗剤」などに使用される標章として,極めて高い著名性を有するものとなっていたことは明らかである。
(2)本件商標と引用各商標の類似性
ア 本件商標について
本件商標は,「デオアタック」の文字からなるところ,かかる文字は,請求人に係る著名な標章「アタック」と同一の文字であって,自他商品識別力が強い要部といえる後半部の「アタック」と,指定商品との関係で自他商品識別力の弱い前半部の「デオ」とが結合した結合商標である。
そして,かかる結合商標からなる本件商標からは,その全体から「デオアタック」との称呼が生じるほか,その要部である後半部の「アタック」の部分からも称呼を生ずる商標であるといえる。また,その「アタック」から「攻撃する」との意味,あるいは,請求人が商品「衣料用洗剤」などに使用して周知・著名な「アタック」との観念が生じる。
イ 引用各商標の称呼・観念・外観について
引用各商標は,その構成からいずれも「アタック」の称呼が生じ,「攻撃する」との意味,あるいは,請求人が商品「衣料用洗剤」などに使用して周知・著名な「アタック」との観念が生じる。
結合商標における類否判断について
本件商標は,「アタック」部分は,請求人が「衣料用洗剤」などに使用して著名な標章と同一の文字からなり,取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分であるので,その点だけからしても当該「アタック」を本件商標の要部として抽出し,引用各商標との類否判断を行うべきものと考えられる。さらに,「デオ」部分からは,出所識別標識としての称呼,観念が生じないというべきであるから,本件商標と引用各商標との類否判断においても,本件商標の構成部分の一部である著名な「アタック」部分を要部として抽出し,出所識別標識としての称呼,観念を生じない「デオ」部分を捨象して比較することは当然許されるというべきである。
エ 本件商標と引用各商標の類否について
両商標の類否について検討すると,引用各商標は,「アタック」の称呼が生じ,また「攻撃する」との意味あるいは,請求人の衣料用洗剤「アタック」との観念が生じる。他方,本件商標は,「アタック」が要部となるといえるから,「アタック」の称呼をも生じる。また,「アタック」の部分は,請求人が商品「衣料用洗剤」などに使用して周知・著名な引用各商標と同一の文字からなることから,需要者・取引者に請求人の衣料用洗剤「アタック」を強く連想させる部分でもある。
したがって,本件商標は,引用各商標と称呼・観念においても類似するというべきである。
かかる判断は,審判決例(甲第287号証ないし甲第319号証)からも明らかである。
また,本件商標に係る指定商品中,第3類「せっけん類,香料類,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり」は,引用各商標に係る指定商品と類似する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用各商標の著名性
上記のとおり,引用各商標は,遅くとも,本件商標の登録出願時である2007(平成19)年8月9日までには,我が国の取引者・需要者の間で周知・著名となっていた。
イ 本件商標と引用各商標との類似性の程度
本件商標は,上記のとおり,「アタック」の称呼が生じ,「攻撃する」との意味,あるいは,請求人に係る衣料用洗剤「アタック」との観念が生じるから,本件商標は,引用各商標と称呼・観念においても類似するというべきである。
ウ その他の取引実情
生活用品に関する取引実情として,洗浄・消臭・除菌といった複数の機能を併せ待った製品が人気であるところ,漂白や消臭効果も伴うことが,需要者の購買意欲を高めることになる。
かかる取引実情を考えると,本件商標に接する需要者は,「デオアタック」の文字から,衣類の消臭効果も奏する「アタック」の新シリーズが発売されたのかと考え,請求人に係る商品かのごとく誤認・混同するおそれも相当程度に存するというべきである。
エ 本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品との関連の程度など
前記のとおり,本件商標に係る指定商品中,第3類の指定商品は,引用商標各商標に係る指定商品と類似する。
そして,引用各商標は「衣料用洗剤」に使用され著名となっているものであるところ,第3類の各指定商品は,「衣料用洗剤」と同じく,一般生活用品として,スーパーや薬局などにおいては,同一の販売コーナーで販売されており,需要者・供給者・販売店舗を共通にするという点で,密接に関係がある商品といえる。
オ 引用各商標の独創性
「アタック」は,「攻撃する」という意味の既成語ではあるものの,高活性バイオ酵素により「力強い洗浄力」を表現する言葉として採択されたものであり,衣料用洗剤との関係では,独創性の程度は低いとはいえない。(甲第330号証)。
カ 出所の混同の有無
以上アないしオを踏まえると,引用各商標と称呼・観念において類似する本件商標を,その指定商品中第3類の指定商品について使用した場合には,これに接する需要者・取引者は,周知・著名な引用各商標と関連のある商品であるかのごとく,その商品の出所について混同するおそれが極めて高いと考える。よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,その構成中に請求人が商品「衣料用洗剤」などに使用して周知・著名な引用各商標を含むものである。また,本件商標は引用各商標が使用される「衣料用洗剤」と同一又は類似の商品について使用する商標である。よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は,請求人の引用各商標と類似する商標である。
また,本件商標は請求人が商品「衣料用洗剤」などに使用して周知・著名な引用各商標「アタック」を不正の目的をもって使用するものと推認され,周知・著名な引用各商標に化体した高い名声・信用・評判にフリーライドする目的で出願した商標というべきであり,周知・著名な引用各商標の出所表示機能を稀釈(きしゃく)化し,その名声を毀損させる商標というべきである。よって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 答弁に対する弁ばく(要旨)
(1)「衣料用洗剤」に関する引用各商標の周知・著名性について
被請求人も,答弁書において,片仮名文字の「アタック」が「衣料用洗剤」について周知性を有することを認めている。
(2)引用各商標と本件商標との類似性の程度について
「アタック」の文字を商標中に有する他人の登録商標があるとしても,請求人は,次々と全国規模の宣伝活動を行い現在まで著名性を高めてきた。当該商標の登録日後に引用商標1に防護標章登録第1号が認められているように,当該商標の登録日後においても引用各商標の周知・著名性の程度は向上していることは疑うべくもない。
(3)被請求人の「DEOATAK」の使用について
被請求人は登録第4580093号商標「DEOATAK」を使用しており,本件商標はその発音を片仮名で表記したにすぎないから,本件商標にも当該「DEOATAK」と同じ顧客吸引力が生じているとして,本願商標は引用各商標と誤認・混同のおそれはないと主張するが,請求人が調査した限りでは,「DEOATAK」は,消臭効果を有する植物由来の天然素材の名称として使用されているようであるが,「衣料用洗剤」を含む第3類の指定商品の名称について使用されている事実は確認されなかった。
また,当該天然素材は,他社が製造・販売する防臭・消臭効果を有する商品に配合されており,他社のこれらの製品などの広告・宣伝において「DEOATAK」は,商品の材料名として表示されているにすぎない。かかる限定的な使用において,「DEOATAK」が顧客吸引力を具備しているとは到底考えられない。したがって,「DEOATAK」が第3類の指定商品について,被請求人の業務に係る商品の出所標識として顧客吸引力を有しているという主張は,根拠のない主張といわざるを得ない。
以上の点を総合して考えると,「DEOATAK」が実際に使用されていることを根拠に,その顧客吸引力が本件商標にも同時に発生し,本件商標が引用各商標と誤認・混同されるおそれはないと考えるのは暴論である。

第4 被請求人の答弁
被請求人は,本件請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求める,と答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第23号証(枝番を含む。)を提出した。
1 請求人の使用する引用各商標の周知性,著名性に対する反論
(1)請求人は,自社製品について商標を使用する際に,企業ブランドである「花王」又は「kao」と月の図形の組合せからなる登録商標と,個別の商品ブランドである商品ごとの登録商標を組み合わせて使用することを常態としている。
したがって,企業ブランドとしての「花王/kao」と商品ブランドとしての「アタック」とが常に関連づけられて顧客吸引力を蓄積している点に特徴があり,需要者間において「花王/kao」と「アタック」とは強い関連性を持ち,「花王の提供するアタック」として認識されている。
(2)「アタック」は,「衣料用洗剤」にのみ使用されており,他の商品のブランドとは明確に棲み分けされて使用されている(乙第1号証)。
請求人は,商標を商品ごとに分けて使用しており,例えば「柔軟仕上げ剤」には主に「ハミング」(乙第2号証),「衣料用漂白剤」には「ハイター」(乙第3号証),「(洗濯用)のり剤」には「キーピング」(乙第4号証),「衣料用スタイリング剤」には「スタイルケア」(乙第5号証),「衣類・布製品・空間用消臭剤」には「リセッシュ」(乙第6号証)の各登録商標が使用され,かつ,前述のように企業ブランドである「花王」(又は「kao」)と「月の図形」とを組み合わせた状態で広く,かつ,活発的に使用されており,それらの各商品において前記登録商標もそれぞれ周知性を有しているといえる。すなわち,請求人は,これらの「柔軟仕上げ剤」,「衣料用漂白剤」の商品には,「衣料用洗剤」に用いられる「アタック」は決して使用しておらず,厳格にすみ分けして使用されている。
この商標の使用方法は,「アタック」が「衣料用洗剤」に使用されてから20年以上にわたって守られていることは,「衣料用洗剤の代名詞」といわれているという請求人の主張からも明らかである。
(3)「アタック」は,「衣料用洗剤」の範囲内で関連商品にも使用されているが,「アタック」の文字は常に他の語とは分離し独立した形態で使用されている。換言すると,「アタック」は,「衣料用洗剤」の範囲内で種々展開される派生商品であっても「アタック」の文字の前後に同書同大の文字を一連に結合して使用したことはない。
(4)以上のように,片仮名文字の「アタック」は「衣料用洗剤」について周知性を有することは認めるが,請求人における一貫した「アタック」商標の使用法により,需要者が受ける認識には以下の点に特徴がある。
(a)請求人の前記企業ブランドと組み合わせて使用されており,企業ブランドの商標と「アタック」とが関連づけあい,協働して周知性を高めており「花王の提供するアタック」として需要者間に広く認識されている。
(b)使用商品は「衣料用洗剤」に限られ,洗剤関連の「柔軟仕上げ剤」,「衣料用漂白剤」などの請求人が所有する別の周知商標が使用されていることから,需要者間において「アタック」は「衣料用洗剤」についてのみ使用される商標であるとして広く認識されている。
(c)「アタック」の文字は常に他の語と分離独立した態様で使用されており,その前後に他の語と同書同大に結合して使用したことは今までに存在していない。
したがって,請求人における上記「アタック」の長年にわたる商標の使用の実態及び請求人の長年にわたる一貫したブランド戦略から,需要者間では,「アタック」が,「アタック」に他の語を同書同大で一体不可分に結合して使用されることは想定していないし,「衣料用洗剤」以外の商品について使用されることも想定していないと考えるのが自然である。
2 本件商標と引用各商標の類否について
(1)被請求人は,指定商品に第3類「せっけん類」外を含む「DEOATAK」を平成14年6月28日に商標登録第4580093号として登録し,現在も有効に存続している。そして,これと同じつづりの登録第4580093号商標に対して,請求人は,登録第1929596号商標を引用とする商標法第4条第1項第11号及び「アタック」の周知著名性に基づく商標法第4条第1項第15号を理由とする異議申立て及び無効2001-35424に係る無効審判を請求したが,審決では,商標法第4条第1項第11号については,「デオアタック」と「アタック」の称呼は,それぞれ一連に称呼するとしても,互いに識別しうるものであり,また,本件商標は造語よりなるものであるから,観念においては比較することができないし,その外観においても区別しうるものであり非類似の商標と認定された。また,商標法第4条第1項第15号については,「DEOATAK」は,これから生ずる「デオアタック」全体の称呼からは「アタック」が強く印象づけられることはなく,出所混同を生じないと認定され,その審決は確定した。
このように「DEOATAK」と「アタック」とは,ほぼ9年にわたって,第3類「せっけん類」外の指定商品において共存して商標登録されている事実がある。
(2)「DEOATAK」と「デオアタック」とは外観のみ異にするが,「デオアタック」は「DEOATAK」の発音を片仮名文字で表記したにすぎないので,需要者がこれらの商標から受ける顧客吸引力は同じものということができる。
(3)請求人は結合商標類否判断について,最高裁判決の基準を用いてこれに該当すると主張しているが,その適用を誤っている。
ア 請求人は,「アタック」部分が著名な標章と同一の文字からなり取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分であると主張しており,「アタック」の周知・著名性のみをもってその根拠としているが誤っている。
イ 「アタック」は,我が国でも日常的に使用される英語「attack」の発音を片仮名表記したものであって,我が国においても日常的に使用される既成語である。
ウ せっけん類を指定商品とし,「アタック」を商標中に有する登録商標の登録例(乙第11号証ないし乙第13号証(枝番を含む。))がある。
エ 「デオ」は,自他商品識別力が認められ,登録商標として20年以上も存在している登録商標であり(乙第15号証),また,語頭に結合される「デオ」は,他人の商標登録された既成語と結合しても非類似の商標として商標登録され共存している。
さらに,これらの登録商標において「デオ」が「消臭効果を有する」という品質表示として認定された例はなく,乙第16号証ないし乙第23号証(枝番を含む。)における登録商標においても,指定商品が「消臭効果を有する」商品に限定しなければ登録されなかった例などない。
(4)請求人は,「デオドラント」の語が「防臭効果・消臭効果」の意味を理解させるにすぎず,自他商品識別機能を発揮しないと主張しているが,本件商標では「デオドラント」の語は使用されていないので,「デオ」とは関係ない主張である。
本件商標は,一連に表記された標準文字商標であって,促音を含めてもわずか6音構成,6文字構成のまとまりの良い語であって,発音上も一気に流れるように発音される商標であり,「デオ」と「アタック」とを分離して観察しなければならない特別の理由は存在せず,一連の「デオアタック」としてのみ認識されるものである。
特に,「DEOATAK」は,「デオアタック」と発音される造語商標であり,「デオアタック」も「デオアタック」と発音される造語商標であり,「デオアタック」は,「DEOATAK」の発音を片仮名文字で表記した商標にすぎない。
したがって,「DEOATAK」に蓄積される顧客吸引力と「デオアタック」に蓄積される顧客吸引力は同じである。
前述のように「DEOATAK」は,引用商標と共存する登録商標であり,両者は取引界において誤認,混同が生じていないし,請求人も「DEOATAK」に対する無効審判の棄却審決を受け入れた事実がある。
そのような状況のもとで,「DEOATAK」と同じ顧客吸引力を有する「デオアタック」が,「アタック」の有する顧客吸引力と誤認,混同されることは決してありえない。
3 商標法第4条第1項第15号について
(1)被請求人は,被請求人の所有に係る前記の登録商標「DEOATAK」を一貫して「デオアタック」とのみ発音して取引界で長年にわたり使用してきており,除斥期間も過ぎて法的安定性が確立した登録商標となっており,これが需要者間において今までに「アタック」と誤認,混同が生じた事実も一切ない。被請求人は,「DEOATAK」の使用により需要者の信用(顧客吸引力)を蓄積している。
したがって,「DEOATAK」の発音を片仮名文字で表記したにすぎない本件商標の使用は,「DEOATAK」の顧客吸引力と実質的に同じものであり,「アタック」の顧客吸引力にフリーライドすることもあり得ないし,「アタック」の顧客吸引力がダイリュージョンされることもない。
(2)アタックの使用の実態は,衣料用洗剤に限られている。請求人は消臭分野での研究に定評があると主張しているが,「衣料用消臭剤」は,第5類の「薬剤」に属し,第3類の問題ではない。
また,請求人は「アタックシリーズ」(乙第7号証)として販売した各商品がヒットとなっていると主張してるが,いずれも「アタック」の文字部分が大きく表示されて,他の文字とは分離・独立された態様でしか使用していない。
一方,本件商標は,「DEOATAK」の発音を片仮名文字で表記しただけの一体不可分の「デオアタック」であるから,需要者が衣類の消臭効果も奏する「アタック」の新シリーズが発売されたのではないかと誤認するとは到底考えられない。
(3)本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品との関連の程度に対して
「アタック」が周知性を有するのは,前述のとおり「衣料用洗剤」だけであり,他の商品については全く使用されていない。
請求人は,「アタック」の周知性を基に,「デオアタック」と類似すると主張しているにもかかわらず,「衣料用洗剤」以外の商品については,登録された指定商品に含まれると主張しており,「衣料用洗剤」以外の商品について何故に「アタック」部分が分離されるのか全く説明していない。
また「衣料用洗剤」以外の指定商品についても,「アタック」と「デオアタック」とを需要者が誤認混同することはないし,また「アタック」が「衣料用洗剤」以外の商品に使用されることも請求人の20年以上にわたる一貫したブランド戦略から考えられない。
(4)引用各商標の独創性について
請求人は,「アタック」という名称は「衣料用洗剤」との関係では,独創性の程度は低いとはいえないと主張しているが,既成語から採択されたにすぎない「アタック」には独創性はなく,請求人の主張は自他商品識別力と混同しており,誤っている。
(5)出所の混同の有無について
「アタック」は,前述のとおり,一定の基準に基づいて企業ブランドとともに「衣料用洗剤」にすみ分けされた商品に対する個別の商標として長年使用され続けているものである。
一方,本件商標は,過去に異議及び無効審判で「アタック」とは非類似として認められた「DEOATAK」の発音をそのまま一連に表記した標準文字商標であって,「DEOATAK」と共に同一の顧客吸引力を蓄積する商標であり,需要者が「アタック」と誤認混同することは全くない。
また,乙第11号証ないし乙第13号証(枝番を含む。)の登録商標の審査,審決例でも「アタック」を商標の一部に有する商標について,需要者が「アタック」と誤認混同することはないと認定されて,「アタック」と共存して商標登録されている。
したがって,「DEOATAK」の発音を片仮名文字で表記したにすぎない本件商標が商標法第4条第1項第15号に違反することはない。
4 商標法第4条第1項第11号について
請求人の主張の根拠は,「アタック」が「衣料用洗剤」について周知,著名であることを根拠とするものであり,前記商標法第4条第1項第15号について述べたところと同じであり,請求人の主張には理由がない。
5 商標法第4条第1項第19号について
請求人は,本件商標に対して「アタック」を不正の目的をもって使用するものと推認され,周知・署名な引用各商標に化体した高い名声・信用・評判にフリーライドする目的で出願した商標というべき,と主張している。
既に繰り返し述べたように,本件商標は過去に異議及び無効審判で「アタック」とは非類似として認められた登録商標である「DEOATAK」の発音をそのまま横一連に結合した標準文字商標であって,「DEOATAK」と実質的に同一の顧客吸引力を生する商標であり,不正の目的など考えられない。
したがって,本件商標は「アタック」の顧客吸引力にただ乗りしたり希釈化するものでないことは明らかであり,本件商標が商標法第4条第1項第19号に違反することはない。
6 むすび
以上のことから,本件商標は,商標法第4条第1項第15号,同第11号及び同第19号に該当するものではない。

第5 当審の判断
1 引用各商標の著名性について
請求人の提出に係る甲各号証によれば,次の事実が認められる。
(1)請求人及び衣料用洗剤「アタック」について
請求人は,1940(昭和15)年5月に設立され,化粧品,スキンケア・ボディケア製品,ヘアケア製品やヘアスタイリング剤,健康機能性食品・飲料,サニタリー製品,オーラルケア製品,入浴剤,衣料用洗剤や柔軟仕上げ剤などのファブリックケア製品,食器用洗剤,住居用洗剤などのホームケア製品を中心に扱う総合日用品メーカーであるところ,請求人は,使用量を従来の1/4に抑えたコンパクト洗剤の開発に成功し,当該商品に引用各商標と同一の綴りからなる「アタック」の標章を付し,1987年に発売を開始した(以下,「アタック」の標章を付した衣料用洗剤をいう場合には「使用商品」という。)。使用商品は,発売翌年にはシェア5割を越える大ヒット商品になった(甲第8号証,甲第9号証及び甲第12号証ないし甲第14号証)。
また,請求人は,その後,使用商品に関し,洗剤に気泡を入れ込み溶解スピードを向上させたもの,液体状のもの,シートタイプのもの,漂白剤を備えたものなどの改良品を,例えば,「NEWアタック/マイクロ」,「液体アタック」「アタック漂白剤in」のように,いずれの商品にも「アタック」の文字を表示して販売している(甲第17号証ないし甲第36号証)。
そして,請求人は,2009年の8月29日から,新商品として「アタック/Neo」を全国販売したが,当該商品は,発売の前後において,複数のテレビの情報番組や日刊工業新聞,読売新聞などのオンライン記事などにおいて,その優れた技術力に関する紹介がされている(甲第46号証ないし甲第60号証)。
(2)広告宣伝活動について
請求人は,使用商品について,1987年の発売以降20年以上全国規模のテレビCM,女性誌,一般新聞などに宣伝広告を行っており,その広告費用は,1987年度と2000年度が,テレビ,新聞,雑誌の合計で,それぞれ16億円と36億円超,2001年4月から2007年8月の間が,テレビCMのみで約47億円であった(甲第62号証ないし甲第235号証)。
(3)市場シェア・人気ランキングについて
日経テレコン・POS情報又は日経POS情報サービスによれば,使用商品は,一般衣料品用粉末洗剤の商品別シェアにおいて2002年8月中旬から9月末及び2003年9月末から11月中旬の間に首位(甲第239号証及び甲第240号証),一般衣料品用液体洗剤の商品別シェアにおいて2004年2月末から4月中旬の間に首位(甲第241号証),衣料用洗剤のシェアにおいて2008年3月期に首位となっており(甲第245号証),また,同じく,日経POS情報サービスによれば,使用商品は,2006年新製品売れ筋ランキングの家庭用品において首位(甲第243号証),新製品週間ランキング(2007年2/18?2/24)の家庭用品において首位になっている(甲第244号証)ほか,2002年から2008年の間の市場シェアや売れ筋ランキングにおいて常に上位に占めている(甲第236号証ないし甲第247号証)。
また,日経産業新聞の市場占有率に関する調査によれば,使用商品を含む請求人の販売する衣料用洗剤は,1995年度,1999年度及び2001年度ないし2007年度において当該分野における市場シェアの首位を独占している。そして,その各年次の解説には使用商品が請求人の販売する衣料用洗剤の主力商品であることが記載されている(甲第37号証ないし甲第45号証)。
(4)ブランド評価
日経産業消費研究所が行った調査「97年ブランドパワー・ランキング」によれば,使用商品は,食品,日用雑貨,耐久財など19商品分野の計170ブランドの中で首位となっている(甲第248号証)。また,日本経済新聞社が行った小売業者を対象とするブランド力調査によれば,使用商品は,衣料用洗剤において,2005年及び2006年に首位となっている(甲第249号証及び甲第250号証)。
(5)防護標章登録例・日本有名商標集への掲載
引用商標1について,指定商品以外のかつら装着用接着剤など第3類の商品に防護標章登録第1号が,薬剤など第5類の商品に防護標章登録第2号が設定されている(甲第251号証)。そして,防護標章登録第1号に係る商品は,引用各商標の指定商品に含まれる。
さらに,「アタック」及び「Attack」は,AIPPI・JAPAN作成の「日本有名商標集」にも掲載されている(甲第253号証)。
(6)まとめ
以上(1)ないし(5)において認定した事実を総合考慮すれば,「アタック」の文字からなる標章,すなわち引用各商標は,本件商標の登録出願時以前から,請求人が製造販売する「衣料用洗剤」に使用する著名な標章として,「衣料用洗剤」の取引者及び一般需要者のみならず,少なくとも引用各商標の指定商品全般にわたる需要者の間に広く認識されていたものと認められ,そして,その状況は,現在においても引き続いていると認めることができる。
したがって,引用各商標は,「アタック」の称呼を生じ,また,請求人の製造販売に係る商品「衣料用洗剤」を観念されるものとなっていると解するのが相当である。
2 本件商標と引用各商標の類否について
本件商標は,「デオアタック」の片仮名を標準文字で表してなるところ,これは全体をもって特定の意味を有する既成語を表したものではない。
そして,本件商標の審判請求に係る商品は,引用各商標の指定商品に含まれる。
これを前提に,本件商標と引用各商標の類否についてみると,前記1で認定したとおり,本件商標の構成中の「アタック」の部分は,請求人の業務に係る商品「衣料用洗剤」に使用する著名な標章として,「衣料用洗剤」を含む引用各商標に係る指定商品の需要者の間に広く認識されているものと認められるから,本件商標が,審判請求に係る商品に使用された場合には,「アタック」の部分が,出所表示標識として強く支配的な印象を与えるものであって,当該「アタック」の部分だけを引用各商標と比較して商標の類否判断をすることも少なくないものということができる。
そうすると,本件商標からは,「デオアタック」の全体のみならず,「アタック」の部分からも称呼,観念を生ずるといえる。また,当該文字は,引用各商標の「アタック」と同一の片仮名からなるものである。
したがって,本件商標は,その要部において,引用各商標と同一の称呼及び観念を含んでおり,外観(文字構成)においても類似しているといえるから,引用各商標と商標において類似するものであり,その指定商品も同一又は類似するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 被請求人の主張について
被請求人は,本件商標と同じ称呼を生ずる「DEOATAK」の文字からなる商標を所有しており,これが本件商標と同じ引用により商標法第4条第1項第11号及び同第15号該当を主張する異議申立て及び無効審判において,いずれも理由なしとされたこと,「アタック」は,請求人の企業ブランドである「花王/kao」の文字と共に衣料用洗剤のみに使用され,需要者の間に「花王の提供するアタック」と認識されていること,他に「アタック」の文字を有する登録が存在することなどを理由とし,本件商標は,「DEOATAK」と外観のみ異にし,その発音を片仮名で表記したにすぎず,需要者がこれらの商標から受ける顧客吸引力は同じものであるから,本件商標も「DEOATAK」と同様に無効とすべきではない旨主張する。
しかし,本件商標は,欧文字ではなく片仮名の「デオアタック」であり,その構成中に「アタック」の文字列を含むものである。
そして,前記1及び2で認定したとおり,「アタック」の著名性及び本件商標と「アタック」との外観における類似性などを総合考慮すれば,本件商標は,引用各商標と類似するものと判断するのが相当である。
したがって,被請求人の前記主張は採用できない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標は,その指定商品中,本件審判請求に係る第3類「せっけん類,香料類,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり」について,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,請求人の主張するその余の無効理由について判断するまでもなく,同法第46条第1項の規定により,その登録を無効とすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-05-18 
結審通知日 2010-05-20 
審決日 2010-06-04 
出願番号 商願2007-87890(T2007-87890) 
審決分類 T 1 12・ 26- Z (X03)
最終処分 成立 
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小川 きみえ
小林 由美子
登録日 2008-03-07 
登録番号 商標登録第5117374号(T5117374) 
商標の称呼 デオアタック、デオア 
代理人 中村 勝彦 
代理人 佐藤 俊司 
復代理人 田中 景子 
代理人 田中 克郎 
代理人 西 良久 
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