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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服2009650027 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない Y33
管理番号 1220002 
審判番号 不服2008-650098 
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-08-12 
確定日 2010-05-12 
事件の表示 国際登録第890913号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「RN13」の文字を横書きしてなり、第29類、第32類及び第33類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2006年(平成18年)6月20日に国際商標登録出願されたものである。
そして、指定商品については、原審における平成19年10月9日付け手続補正書により、第33類「Wine」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、欧文字2字と数字からなる『RN13』の文字を普通に用いられる態様で表示してなるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の種別、等級、規格等を表示するための極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、欧文字「RN」と数字「13」とを結合して「RN13」と書してなるものである。
ところで、各種商品の製造・販売又はこれを取り扱う業界においては、それぞれ自己の業務に係る商品を生産・管理し又は流通過程に置く場合、商品管理又は取引の便宜性等の事情から、欧文字1文字若しくは2文字と、数字とを、そのまま又はハイフンを用いて組み合わせた標章が、特定の商品の品番、型式又は規格等を表示するための記号、符号として、取引上普通に採択・使用されている実情がある。
そして、本願指定商品を取扱う分野においても、かかる標章が商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号として採択・使用されている実情を、例えば、次のようなインターネットのホームページ情報からも伺うことができる。
(ア)「アルガブランカ 日本の極上ワイン!勝沼醸造」のウェブページにおいて「アルガブランカ ブリリャンテ 2005(白)(品番 W-1)750ml 4,725円」「アルガブランカ クラレーザ 2008(白)(品番 W-2)750ml 1,680円 (品番 W-3) 375ml 924円」の表示がある他、品番として「W-4」「W-5」等の表示がある。(http://www.sake-arakawa.com/aruga/aruga.htm)
(イ)「赤ミディアムワイン 酒の末広」のウェブページにおいて「品番 M28 生産地域 スペイン アラゴン州 生産者 ボデガス ロマブランカ家」の表示がある他、品番として「M01」「M03」「M04」「M02」等の表示がある。
(http://sakesuehiro.com/suehiro/page/akam.html)
(ウ)「ワインの穴『ピエール・モレ』」のウェブページにおいて「品番 LC1696 Vt 2006 品名 バタール・モンラッシェ」「品番 LC1697 Vt 2006 品名 ブルゴーニュ アリゴテ」の表示の他、品番として「LC1698」「LC1699」等の表示がある。(http://www1.ttcn.ne.jp/kamasuya/0403ana-D-pierremorey.htm)
(エ)「源作印ワイン(株)秩父ワイン?彩の地酒どっとこむ」のウェブページにおいて「埼玉の地ワイン?源作印ワインギフト(有)秩父ワイン」の項目の下、「商品名 源作印 赤・白 商品番号 WG-01」「商品名 源作印 赤・白・ロゼ 商品番号 WG-02」「商品名 源作印GKT 赤・白 商品番号 WG-03」等の表示がある。
(http://www.sainojizake.com/gensaku.html)
(オ)「サンドブラスト価格表-ワイン&グラスセット」のウェブページにおいて、「カステッリ・デル・ドゥーカ・ロッソ赤 原産国:イタリア 種類:赤 品番 01-SB 種別 スタンダードBOX 品番 01-PB 種別 プレミアムBOX」の表示の他、品番として「02-SB」「02-PB」等の表示がある。
(http://www.labelya.com/sbs/goodslist_set.html)
そうしてみると、欧文字2文字と数字を組み合わせた「RN13」を書してなる本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者、取引者は、その商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号の一類型を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であって、当該商品の出所を示す識別標識とは認識しないといわざるを得ないから、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわなければならない。
(2)請求人(出願人)の主張について
請求人は、本願商標は実際の使用において、請求人の業務に係る商品であるワインの銘柄を識別する標識として、取引者及び需要者の間において認知されており、自他商品の識別機能を十分に有するものである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし第7号証(枝番を含む)を提出している。
(ア)本願商標について
本願商標は、ビオゲットコム(bioghetto.com)の名称で活動しているベルギー人のアラン・クモン氏とフランス人のジル・バレリアニ氏によって生み出された自然派ワイン又はオーガニックワインの名称である。
ビオゲットコムは2006年5月までに24,240本のワインを日本市場に出荷しており、アラン・クモン氏自身も来日して宣伝活動等を行っており、かつ、日本の小売店のホームページにおいても「RN13」ワインが紹介され、販売もされている。
一般的なフランスワインが「ブルゴーニュ」「ボルドー」「シャトーマルゴー」等のように産地に由来した名称である一方、本願商標の「RN13」はワインの銘柄としては極めて独特のものであり、フランス国内で行われる自転車レース「ツール・ド・フランス」の一コースの国道13号線(Route Nationale 13)に由来し、ワインラベルには「テーブルを用意し、ゆったりのんびりとピクニックしながらレースを観戦する古い写真」が使用されていることから、本願商標の「RN13」からは「青空の下で飲むワイン」程の観念を連想するものである。
(イ)ワイン取引の実情について
ワインの特定に重要な要素は、ぶどうの品種、ワインの生産者又は生産所、産地、等級、年代等であり、ワインの製造・販売にかかわる事業者は、それらを自己の製造、販売に係る商品の販売に用いる取引書類に記載するものであり、欧文字1文字又は2文字と基数とを結合させたものを、商品の規格あるいは品番などを表すための商品の記号、符号として用いるような取引実情はない。また、小売店が注文書などに店独自の番号を用いることがあるが、それらは各小売店の便宜のために使用されるものでワインの自他商品の識別標識として用いられるものではない。
そこでまず、上記(ア)についてみるに、請求人は、本願商標はワインの銘柄として独特のものであり、請求人の業務に係る商品の識別標識として取引者及び需要者の間で認知されているものである旨主張しているところ、請求人の提出した甲各号証における本願商標の使用状況をみるに、該証拠において示されている本願商標の使用例は、「ヴァン・ド・ピクニック」又は「Vin de pique-nique」の文字とともに使用されているものであって、本願商標単独で使用されているものとは認められない。
したがって、これらの使用からは、本願商標のみが独立して自他商品の識別標識として認識されるものとはいえない。
さらに我が国において、本願商標を使用している商品の販売数量及び売上高、営業の規模(店舗数、営業地域)、商品の広告宣伝の方法、回数、内容等のわかる具体的かつ客観的な証拠は何ら提出されていない。
そうとすると、請求人の提出に係る各甲号証をもってしては、いまだ本願商標が使用された結果、自他商品識別力を獲得したものと認めることはできない。
次に上記(イ)についてみるに、請求人の述べる如く、たとえ商品「ワイン」を取り扱う分野において、ぶどうの品種、ワインの生産者又は生産所、産地、等級、年代等が取引上用いられるものであって、かつ、本願商標が請求人の業務に係る商品「ワイン」の銘柄で、ワインの銘柄として特異なものであるしても、前記(1)(ア)ないし(オ)に示したとおり、欧文字1文字若しくは2文字と数字とを、そのまま又はハイフンを用いて組み合わせた標章が、商品「ワイン」の品番等を表示するための記号、符号として取引上使用されている実情があること、及び本願商標が使用した結果、自他商品識別力を獲得しているともいえないこと前記のとおりであることからすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者、取引者は、商品の品番等を表示するための記号・符号の一類型を表示したものと理解するにとどまるとみるのが相当である。
以上のとおり、請求人の主張はいずれも採用できない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するとの原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2009-11-26 
結審通知日 2009-12-10 
審決日 2009-12-22 
国際登録番号 0890913 
審決分類 T 1 8・ 15- Z (Y33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 和彦松本 はるみ 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 佐藤 淳
岩崎 良子
商標の称呼 アアルエヌジューサン、アアルエヌイチサン 
代理人 安島 清 
代理人 木村 三朗 
代理人 大村 昇 
代理人 小林 久夫 
代理人 高梨 範夫 

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