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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X093842
審判 全部申立て  登録を維持 X093842
審判 全部申立て  登録を維持 X093842
管理番号 1216497 
異議申立番号 異議2009-900372 
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-06-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-10-05 
確定日 2010-04-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第5243707号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5243707号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5243707号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成20年11月27日に登録出願、第9類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年4月28日に登録査定、同年7月3日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4591287号商標(以下「引用商標」という。)は、「XINET」の文字を標準文字で書してなり、平成13年8月31日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年8月2日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と外観及び「エックスアイネット」又は「ザイネット」の称呼において類似し、かつ、引用商標の指定商品に類似する商品について使用をするものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、1991年の創業以来、その業務に係る商品及び役務「資産管理用のコンピュータソフトウェア等の販売・メンテナンス・トレーニング」について引用商標を使用している。その結果、引用商標は、日本を含む世界各国の需要者に広く認識されている。
したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている引用商標に類似する商標である。商標権者は、メタバース上のビジネス環境の構築及びこれに関連するサービスを提供する企業であり、申立人の業務とは、提供するサービスの内容、需要者が極めて近い事業者同士であるから、商標権者が著名な引用商標を知らなかったとは考えにくいというべきであり、また、商標権者は、申立人の社名である「ザイネット」と同一の称呼が審査において付与されることを回避する目的で本件商標に「エックスアイネット」を付加したことにかんがみれば、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものというべきである。
(5)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲のとおり、ローマ字の「X」と「N」とをモノグラム風にした図形を顕著に表し、その下に「Xi-net」の文字と「エックスアイネット」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の図形部分は、特定の称呼、観念を生ずるものではないから、本件商標に接する需要者は、称呼しやすい文字部分を捉えて商品又は役務の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。そうすると、本件商標中の文字部分は、独立して自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を有するものということができる。そして、本件商標中の文字部分は、ローマ字「Xi-net」の下に、該ローマ字の読みを特定したとみることに何ら不自然なものとはいえない「エックスアイネット」の片仮名文字が併記されていることからすると、「Xi」の文字部分は、下段の片仮名文字のとおりに「エックスアイ」とのみ称呼され、本件商標中の文字部分全体としては、「エックスアイネット」と称呼されるとみるのが自然というべきである。してみると、本件商標は、その構成中の文字部分に相応して、「エックスアイネット」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
これに対して、引用商標は、前記2(1)のとおり、「XINET」のローマ字を標準文字で書してなるものであるところ、甲第3号証ないし甲第5号証によれば、「xi」は、「zai(ザイ)」と発音され、「ギリシャ語アルファベットの第14文字」の意味を有する英語と認めることができ、引用商標には、ローマ字の称呼を特定する文字が併記されていないところからすると、構成全体を英語風に読んだ場合の「ザイネット」の称呼が生ずるとみるのが相当である。してみると、引用商標は、その構成文字に相応して、「ザイネット」の称呼を生ずるものということができる。
そうすると、本件商標より生ずる「エックスアイネット」の称呼と引用商標より生ずる「ザイネット」の称呼は、構成する音数において大きく異なるばかりでなく、前半部において、「エックスアイ」と「ザイ」の音の顕著な差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、その語調、語感が著しく相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないものである。
また、本件商標の文字部分は、「Xi-net」の文字及び記号と、その読みを特定する「エックスアイネット」の文字とを併記してなるものであるのに対し、引用商標は、「XINET」の文字を標準文字で書してなるものであるから、これらの外観上の差異は、看者に与える印象において異なり、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、通常の注意力をもってすれば、互いに見誤るおそれはないというべきである。
してみると、本件商標と引用商標は、称呼及び外観において類似するものではない。他に、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見出せない。
以上によれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
申立人は、引用商標の著名性を立証する趣旨の証拠として、甲第6号証ないし甲第17号証を提出するところ、これらを総合すると、申立人は、1991年に創業され、資産管理用のコンピュータソフトウェアに関連する商品の販売ないし役務の提供を行う米国の企業であること、及び、引用商標は、申立人の社名の略称として、また、その業務に係る商品等に使用されていることを窺うことができ、さらに、申立人は、米国、欧州、カナダにおいて、「XINET」の文字よりなる登録商標を有していることを認めることができる。
しかしながら、提出された証拠のうち、甲第14号証(2007年11月2日付け日経速報アーカイブ)は、本件商標の登録出願前に我が国で発行され、申立人に関する記事が掲載されたことが認められるものの、これを除く証拠のほとんどのもの(米国、欧州、カナダにおいて商標登録がされた事実を示す甲8?甲10を除く。)は、インターネットに掲載された日付が不明なもの(プリントアウトされた日付は、ほとんどのものが本件商標の設定登録後の2009年10月1日のものである。)か、本件商標の登録出願後のものであり、しかも、我が国の需要者向けにインターネット上に掲載されたものであるか否か不明なもの(甲13、甲15)も存在する。
そうすると、上記証拠をもってしては、引用商標が、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、本件商標の登録出願及びその査定の時点において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは到底認めることができない。
また、引用商標が、本件商標の登録出願及びその査定の時点において、外国の需要者の間に広く認識されていたと認めるに足る的確な証拠の提出もない。
さらに、前記(1)認定のとおり、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相違し、全体として類似しない商標である。
してみると、引用商標の著名性及び本件商標と引用商標との類似性を前提にして、本件商標が商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当するとする申立人の主張は、前提において誤りがあり、失当というべきものである。
以上によれば、本件商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、該商品及び役務が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
また、本件商標は、不正の目的をもって使用をする商標ということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 (色彩については原本参照)


異議決定日 2010-03-30 
出願番号 商願2008-99182(T2008-99182) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X093842)
T 1 651・ 222- Y (X093842)
T 1 651・ 271- Y (X093842)
最終処分 維持  
前審関与審査官 今田 尊恵 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 内山 進
岩崎 良子
登録日 2009-07-03 
登録番号 商標登録第5243707号(T5243707) 
権利者 株式会社I.D.R
商標の称呼 エックスアイネット 
代理人 向口 浩二 
代理人 森田 俊雄 
代理人 深見 久郎 
代理人 竹内 耕三 

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