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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X2425
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X2425
管理番号 1216411 
審判番号 不服2008-22602 
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-09-03 
確定日 2010-05-06 
事件の表示 商願2007- 94167拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「新小石丸結城」の文字を標準文字で表してなり、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,布製身の回り品」及び第25類「和服,その他の被服」を指定商品として、平成19年9月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『新小石丸結城』の文字を横書きしてなるところ、繊維業界では、これを構成する前半部の『新小石丸』の語を、『風合いや光沢がきわめて優れ、かつ細い糸を産出する蚕種名(蚕品種『小石丸』を交配により新しく開発した品種、繭)』として、また、後半部の『結城』の語を、『結城紬』を意味(略称)するものとしてそれぞれ使用しているところである。そうとすれば、本願商標を、第24類『織物』に使用した場合には、当該商品が『(風合いや光沢が極めて優れて、かつ細い糸を産出する)新小石丸(繭)の糸を使用してなる結城紬』であることを、また、第25類『着物』に使用した場合には、当該商品が『(風合いや光沢が極めて優れて、かつ細い糸を産出する)新小石丸(繭)の糸を使用した結城紬製の着物』であること、即ち、商品の原材料、品質を表示するにすぎず、また、これを上記商品以外の商品に使用した場合には、その商品の原材料、品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 証拠調べ通知
当審において、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、「新小石丸」及び「結城(紬)」の各文字が、本願指定商品との関係において、商品の原材料、品質等を表示する語として、普通に使用されている下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に通知(平成21年7月31日付け)し、意見を求めた。



(1)「繊研新聞」(2008年5月14日 9面)
「しなやかな風合い」の見出しの下、「フォーマルメーカーのカインドウェアは『粋承技伝』の08?09年秋冬物で、素材にこだわったネクタイを出す。・・・ネクタイは、皇居御養蚕場で飼育されている蚕『小石丸』から交配して開発された品種『新小石丸』の絹を使用して作った。極細で軽い絹のため、繊細でしなやかな風合いと高級感のある落ち着いた光沢が出る。」の記載がある。

(2)「読売新聞」(2007年1月1日 東京朝刊 31頁)
「[ぐんまシルクロード](1)生糸、未来へ紡ぐ(連載)=群馬」の見出しの下、「県などは、糸が細く高級呉服に適した『新小石丸』や、光沢のある山吹色の『ぐんま黄金』など、高い付加価値を持った独自の蚕を開発。これらの繭を使った製品に、県は『ぐんまシルク』認証シールを交付、差別化を推進している。」の記載がある。

(3)「繊研新聞」(2006年10月20日 4面)
「米沢産地 高級ゾーンで販売拡大 海外など新市場開拓 ジャカードで特徴発揮」の見出しの下、「国内市場向けでも、高付加価値型素材への関心が高まっている。ブランドシルク『新小石丸』使いの品番が『有力フォーマルメーカーや大手百貨店の催事向けに好調な販売』となっている。」の記載がある。

(4)「朝日新聞」(2005年4月4日 東京地方版/群馬 33頁)
「事業継続へ正念場 高級品志向に活路 国産繭製糸、国内最大の碓氷製糸 /群馬」の見出しの下、「『高品質な国産ブランドとしての差別化』にかける。実際、高級品種の繭でつくった生糸なら、取引価格も高い。県認定ブランド繭『ぐんま200』を使った生糸は6千円、『世紀二一』は1万円、『新小石丸』なら1万5千円で売れるから、採算性は高い。」の記載がある。

(5)「繊研新聞」(2004年8月27日 1面)
「『日本の絹マーク』アピール 初の和装、洋装合同展 日本絹業協会」の見出しの下、「碓氷製糸農業協同組合はニット製品に最適なネットローシルクや織物向けの群馬県オリジナル蚕品種『ぐんま200』、希少品種『新小石丸』を使った製品を提案。」の記載がある。

(6)「繊研新聞」(2003年6月10日 6面)
「03年秋冬ブラックフォーマル 高品質商品の訴求と単品打ち出し強まる コーディネート提案で汎用性に対応」の見出しの下、「イギンはセレモニーとしてのブラックを打ち出すため、和装用のシルク『新小石丸』を提案、より高級志向を進める。新小石丸100%とカシミヤ混の2型。」の記載がある。

(7)「繊研新聞」(2003年5月30日 8面)
「【メンズリポート】 ネクタイ メーカーの秋冬企画 シックな色とクラシックな柄 プリント物増える マフラーの提案も強化」の見出しの下、「フォーマルでは最高級生糸の『新小石丸』を使用している。」の記載がある。

(8)「繊研新聞」(2003年4月24日 11面)
「〈こだわりの一品〉『新小石丸』のネクタイ(CHOYA)日本の絹の源流くむ高品質」の見出しの下、「CHOYAは秋冬物から『新小石丸』の生糸を使ったネクタイを発売する。新小石丸は日本の蚕の原種である『小石丸』と中国品種を交配させて作った。日中二つの品種の交配によって、それぞれの糸が持つ欠点を取り除いた。群馬県のみで生産され、小石丸同様に年に1回しか採取できない。生糸としては世界最高品質で、通常の絹糸と比べてコシ、ハリ、光沢に優れる上に重量感がある。」の記載がある。

(9)「繊研新聞」(2002年8月30日 11面)
「『東京イギン』40万円の婦人ブラックフォーマル きもの用シルク使い」の見出しの下、「来春からは、さらにグレードの高い素材として『新小石丸』を使った商品を販売する。」の記載がある。

(10)「繊研新聞」(2000年9月16日 7面)
「高島屋『タカシマヤ・ベビーウエア』優しい肌触り、国産絹100%使い」の見出しの下、「・・・国産絹100%素材の『タカシマヤ・ベビーウエア』が登場した。同商品は碓氷製糸農協と共同で開発した高級繭“新小石丸”の絹を使用したベビー衣料・用品。従来の綿素材と比べて1.5倍の価格に抑えている。」の記載がある。

(11)「Yahoo!ショッピング」における「株式会社秋田」の「CRAVATTERIA AKITA」のウェブサイトにおいて、「■新小石丸とは・・・」の見出しの下、「新小石丸は皇室御用達の絹 『小石丸』 の血を引く、日本屈指のプレミアムシルクです。・・・『新小石丸』はその小石丸を現代の養蚕技術に合わせて改良し、欠点を克服した、まさに現代に甦った幻の絹です。本来は高級な和装小物や呉服にしようされることがほとんどで、希少価値が非常に高く、品質も日本最高峰。通常の絹糸が3デニールなのに対し、新小石丸は2デニール。・・・このネクタイにはその新小石丸を惜しみなくふんだんに使用しています。」の記載がある。
(http://store.shopping.yahoo.co.jp/cravatteria/ks03.html)

(12)「株式会社京都きもの市場」のウェブサイトにおいて、「袋帯」の項目の下、「糸には、皇居御養蚕所で飼育されている蚕品種「小石丸」と群馬県蚕業試験場が育成した上質な蚕種を交配して誕生した「新小石丸」が用いられております。」の記載がある。
(http://www.kimonoichiba.com/shop/goods/goods.asp?goods=423005)

(13)「きものサロン あかねや」のウェブサイトにおいて、「帯揚げ ピンク 新小石丸」の項目の下、「この帯揚げは新小石丸の生地を使用した帯揚げです。新小石丸とは『小石丸』と群馬県養蚕試験場で育成した中国種『二・一』交配した日中三元交雑種です。虫質強健で節が少なく繊度ムラのない生糸が生産されるため、高級呉服用として使用されています。」の記載がある。
(http://www.akaneyasan.jp/SHOP/22751036.html)

(14)「株式会社 矢代仁」のウェブサイトにおいて、「黒喪服」の項目の下、「・新小石丸糸使用『正藍下黒紋付』新小石丸は日本古来の極細糸『小石丸』に、新たな研究交配を重ね、和装に最適の素材として誕生しました。群馬県榛名山の麓、碓氷(うすい)で入念に養蚕、製糸された糸は、『柔らかな肌触り』『軽い』『美しい光沢』『しわの回復力が良い』『染上がりが美しい』などの優れた特性を備えた21中6A格の極細で繊度の高い生糸です。・・・?100%「新小石丸」を使用」の記載がある。
(http://www.yashironi.co.jp/topics/back_number/0207.html)

(15)「楽天市場」における「株式会社呉服の老舗きくや」のウェブサイトにおいて、「新小石丸使用正倉院文様袋帯」の項目の下、「軽くてしなやかな最高級の蚕と言われる新小石丸の糸を使った袋帯です。・・・最高級の糸と言われる新小石丸の糸が使われておりますので非常にしなやかで結びやすく緩みにくい帯です。」の記載がある。
(http://www.rakuten.co.jp/gofukunokikuya/561622/561626/561747/1807765/)

(16)「アラ商事株式会社」のウェブサイトにおいて、「ALESSANDRO FORMAL (アレサンドロ・フォーマル」の項目の下、「シルバーのパネル柄はアレサンドロのこだわりある物創りをする為に、最高級生糸である『新小石丸』を使用。新小石丸は皇居御養蚕所で飼育している品種である『小石丸』を品種改良により欠点を取り除いた群馬県オリジナル蚕品種です。」の記載がある。
(http://www.aranet.co.jp/nb/alessandro_lineup.html)

(17)「趣味のきもの竹うち」のウェブサイトにおいて、「帯揚げ」の項目の下、「新小石丸の帯揚 生地に「新小石丸」を使用していますので、節が少なく、太さにムラがなく、柔らかくてコシがあり、シワの回復力に優れ、染め上がりが美しい帯揚げになっています。」の記載がある。
(http://kituke.kagazome.com/obijime-obiage.html)

(18)「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)
「結城」の語について、「1.茨城県西部の市。もと水野氏1万8000石の城下町。機業地。人口5万2千。2.結城紬の略。3.結城木綿の略。」の記載がある。

(19)「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)
「結城紬」の語について、「結城付近から産出する絹織物。木藍で染めた細い紬糸で織り地質堅牢。絣かすりまたは縞織。結城。」の記載がある。

(20)「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」のウェブサイトにおいて、「結城(ゆうき)」の語について、「・茨城県西部の都市。結城市を参照。・その結城市にある、JR東日本水戸線の鉄道駅。結城駅を参照。・結城市を集散地とする絹織物、結城紬の略称。」の記載がある。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E5%9F%8E)

(21)「装いの道株式会社」のウェブサイトにおいて、「装道礼法きもの学院監修のきもの用語大辞典」の紹介に、「しろゆうき 白結城 白紬の一つ。小紋、友禅・・などに用いるための、文様、色彩のない白のままの結城織物。白結城のほかにも宮.・・・」の記載がある。
(http://3010.jp/glossary/entry/10506.php)

(22)「銀座 かわの屋」のウェブサイトにおいて、「本場夏結城紬・80亀甲 野村半平」の項目の下、「『本場夏結城・・・この商品は重要無形文化財の技術を全て駆使し、結城紬の持つ良さに、夏物としての涼感を加味した結城で唯一の手作りの夏物の紬です。一般の結城紬より細く平らな最高の手紬糸を使用している為に、非常に軽く、又さらっとした感じを出すために約10%の細い麻糸を使用しております。』このように、夏結城は最高技術保持者の方々の手による、最高の単衣のお着物と言えます。」の記載がある。
(http://www.kawanoya.co.jp/goods_info/rare/r0326.html)

(23)「繊研新聞」(2002年6月22日 5面)
「小石丸絲の会 幻の繭『小石丸』の繊細な魅力を披露、東京で展覧会」の見出しの下、「小石丸は糸量が極端に少なく、経糸も7700本が必要という繊細かつ柔らかい光沢を持つ糸。同展では、世界の繭の展示や繭で製作したトンネルなど幻想的な世界を演出しているほか、小石丸で創作した結城紬や古代染色の一つであるつかみ絞りを施した訪問着、植物染料の重ね染めで古代の色目を表現した無地きものなどを発表している。」の記載がある。

(24)「有限会社江島屋」のウェブサイトにおいて、「[商品名]本場結城紬(無形文化財)[商品説明]絹100% 手引き、手織りの逸品です。」の記載がある。
(http://shop.yumetenpo.jp/goods/d/ejimaya.com/g/c001/index.shtml)

(25)「創作着物と帯の専門店マルトヤ」のウェブサイトにおいて、「重要無形文化財指定絹織物 本場結城紬」の記載がある。
(http://www.kimono-shop.co.jp/kougei/yuuki/index.html)

(26)「ゆめ工房」のウェブサイトにおいて、「本場真綿・結城紬(絹100%)・・・・・九寸名古屋帯をお仕立て致します。」の記載がある。
(http://www.yume-kouboh.jp/page042.html)

(27)「株式会社クリエイティブクリック」の「着物通販SHOPきもの美人」のウェブサイトにおいて、「本場 結城紬80・・・生地 絹100% 結城」の記載がある。
(http://www.kimonobijin.com/products/detail/4937)

(28)「株式会社 鴻巣」のウェブサイトにおいて、「結城紬」の項目に、「茨城県結城市や栃木県小山市など鬼怒川沿いの地域で生産される伝統的な絹織物です。」の記載がある。
(http://www.kurofunedo.com/servis/sitate/oosima-sitate.htm)

(29)「楽天市場」における「創作きもの池田」のウェブサイトにおいて、「真綿絢結城紬 色無地 お仕立上」の項目の下、「【生地について】表地 真綿絢結城紬 絹100% 八掛 絹100% 胴裏 絹100% の新品 仕立上りですので、このまま直ぐにお召しいただけます。」の記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/auc-yumeki/10000474/)

(30)「小田織物株式会社」のウェブサイトにおいて、「生紬 結城紬 白生地 絹100%」の記載がある。
(http://odaorimono.shop-pro.jp/?pid=7161522)

4 審判請求の理由及び証拠調べ通知に対する意見等の要旨
請求人は、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第24号証を提出している。

本願商標は、全体として一連一体不可分で格別の意味を有しない造語であり、自己の既存の「結城玉紬」印の結城紬および一般の結城紬と区別して認識してもらうために、新開発の商品に与えられた名称、即ち自他商品の識別標識として用いられているものであるから、本願指定商品との関係において、商品の原材料、品質等を表示する語として、普通に使用されているものではない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号の規定に該当するものではない。

5 当審の判断
本願商標は、「新小石丸結城」の文字よりなるところ、本願指定商品との関係においては、その構成中の「新小石丸」の文字は、上記3の(1)、(11)ないし(13)、(16)によれば、「日本の蚕の原種である小石丸を改良した高級品種、またはその品種の生糸」等を意味する語であって、「結城」の文字は、同じく上記3の(18)ないし(20)によれば、「結城付近から産出される絹織物である結城紬」の略称を意味する語として理解されるものであるから、全体として「新小石丸の生糸を使用した結城紬」程の意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そして、上記3の証拠調べ通知で示した事実によれば、「新小石丸」及び「結城」の各文字は、本願指定商品中、「織物,被服」に関する商品を取り扱う業界において、それぞれ上記意味合いとして、ともに広く使用されていることが認められる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中、「織物,被服」等に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「新小石丸の生糸を使用した結城紬、新小石丸の生糸を使用した結城紬で作られた被服」であることを理解、認識するものであって、商品の品質、原材料を表示したものとして認識するにとどまるものであるから、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当であり、また、本願商標を上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質、原材料について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人は、「本願商標は、全体として一連一体不可分で格別の意味を有しない造語であり、自己の既存商品の結城紬および一般の結城紬と区別して認識してもらうために、新開発の商品に与えられた名称、即ち自他商品の識別標識として用いられているものであるから、本願指定商品との関係において、商品の原材料、品質等を表示する語として、普通に使用されているものではない。」旨、主張する。
しかしながら、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日判決言渡)旨判示されており、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、その指定商品の取引者、需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され用いられているかによって判断されなければならないところ、本願商標は、本願指定商品の分野では、「新小石丸の生糸」と理解される「新小石丸」の文字と、商品「結城紬」の略称として理解され、これを表す文字として、一般に使用されている「結城」の文字との結合からなるものと容易に認識されることから、「新小石丸の生糸を使用した結城紬、新小石丸の生糸を使用した結城紬で作られた被服」などの商品と理解され、商品の品質等を表示したものと認識されることは、前記認定のとおりであり、本願商標は、たとえ請求人が自己の既存商品の結城紬と一般の結城紬とを区別して認識してもらうために採択した名称であるとしても、上記理解を妨げる特段の事情になるとは認められない。
そして、商標法第3条第1項第3号の適用において、現実に使用されている等の事実は、必ずしも要求されないと判示されていることからすれば、現時点において、本願指定商品を取り扱う業界において「新小石丸結城」の文字が、請求人以外に使用されていないとしても、それを理由に同号の適用を免れるということにはならないというべきである。
そうとすれば、本願商標は、指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示の商標といわざるを得ず、このような商標を特定人に独占させることは適切ではないといわなければならない。
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-03-04 
結審通知日 2010-03-05 
審決日 2010-03-23 
出願番号 商願2007-94167(T2007-94167) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X2425)
T 1 8・ 13- Z (X2425)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久我 敬史山田 正樹 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 井出 英一郎
稲村 秀子
商標の称呼 シンコイシマルユーキ、シンコイシマル、コイシマル、コイシマルユーキ 
代理人 鈴木 秀雄 

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