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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 030
管理番号 1214601 
審判番号 取消2009-300819 
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-05-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-07-17 
確定日 2010-03-15 
事件の表示 上記当事者間の登録第4161576号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4161576号商標(以下「本件商標」という。)は、「情熱」の漢字を横書きしてなり、平成8年4月11日に登録出願、第30類「みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、同10年7月3日に設定登録され、その後、同20年7月15日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
また、本件の審判の請求の登録日は、同21年8月4日である。

第2 請求人の主張
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品の区分第30類中の『みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,米,脱穀済みの大麦,食用粉類』について登録を取り消す、審判請求費用は被請求人の負担とする。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中の「みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,米,脱穀済みの大麦,食用粉類」について、被請求人により継続して過去3年以上、日本国内において本件商標を使用した事実は認められない。
さらに、本件商標は、専用使用権通常使用権の設定、許諾の事実もない(甲第2号証)。また、本件商標は、前記不使用に係る指定商品に関し、これを使用しないことについての正当な理由もない。
したがって、本件商標はその指定商品中の「みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばっゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,米,脱穀済みの大麦,食用粉類」につき、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。

2 第1答弁に対する弁駁
(1)請求人が提出した乙第1号証によれば、「いわみざわ農業協同組合(以下「いわみざわ農協」という。)」が、「本件商標について、権利者である東京都中央区日本橋兜町18番6号所在の、ヱスビー食品株式会社の許諾を受け、平成10年9月以降、商品『米』(以下「使用商品」という。)に関して使用している」との記載があり、乙第2号証から乙第4号証において、いわみざわ農協が、使用商品につき、「情熱米」(以下「使用商標」という。)及び「大地のこだわり\情熱米」という名称を付した商品を販売している状況が、いわみざわ農協のインターネットホームページの両面印刷として提出されている。
(2)まず、乙第1号証については、これが作成されたのは、本件の審判の請求の登録日より後の「平成21年9月8日」であり、しかもこれは、いわみざわ農協が使用商品について、平成10年9月以降被請求人から本件商標の使用許諾を受けて使用していることを主張しているにすぎず、どのような根拠で、主張する日から使用しているといえるのか、全く不明である。この証明書によって、本件の審判の請求の登録前からの商標使用許諾及び使用事実が裏付けられるものではない。
(3)次に、前記乙第2号証ないし乙第4号証の各号証からは、現在において、いわみざわ農協が使用商標及び「大地のこだわり情熱米」などの名称の使用商品を販売していることが認められるだけである。
いわみざわ農協が、本件商標について被請求人から使用許諾を受け、これを本審判請求の登録前3年以内に商標として使用していた事実については、何ら立証されていない。
(4)特許庁のホームページで公開されている「審判制度に関するQ&A」中、「4.商標登録取消審判」(甲第3号証)33ページの「Q7」に対する「A7」には、「・・・、通常使用権者であることを証明するために商標権者と交わした『実施契約書』等による証明書の提出が必要となります。」と教示されているとおり、商標の使用許諾事実については、商標権者と使用者の相互の意思が明瞭に確認できる使用許諾契約書などの客観的書面による裏付けが必要なものである。
(5)乙第1号証は、単にいわみざわ農協が特許庁長官殿に宛てた「証明書」であり、かつ、本件の審判の請求の登録後に作成された書面であって、被請求人から商標使用に関する「許諾」が、何時、どのような形(口頭又は書面)で行われたかの記載もなく、さらに、その「使用許諾」の実施に関し、「使用期間」「使用の態様」「使用地域」「ライセンス料」「ライセンス料の支払方法」「契約期間」「契約更新」等についての何らの記載もない書面である。
(6)一般的に、商標権者が商標の通常使用権を許諾する場合は、通常使用権の設定登録申請を特許庁に対して行うか否かに係らず、少なくとも商標の使用に関する「契約書」等を取り交わし、商標の使用の範囲(使用の態様、使用許諾商品、使用許諾期間、使用許諾地域等)、使用の対価とその支払方法、契約期間等、しかるべき条件について具体的に定め、相互に契約を遵守することにより、商標価値の希釈化を防ぐとともに無用な紛争等を避け、取引の安全を図るのが企業法務で広く一般的に行われている実務である。
(7)被請求人は、食品業界において名の知れた大企業であり、優れて専門性に長けた商標管理を行っているはずである。また、一方のいわみざわ農協も、農業組合法の基に設立された公共性・公益性を有する農業協同組合であって、両者ともに商標価値の重要性を十分に認識し、法務コンプライアンスに則した知財管理を行っているはずである。
このような企業・組合間において、契約書等も作成せず、単なる口約束だけで商標使用の許諾を与えたとか、商標使用の態様、ライセンス料等の具体的使用条件を定めることもなく、また使用許諾期間を設定・更新することもなく商標を使用させているなどという事は、実際問題としてあり得ないことである。
(8)以上のとおり、本審判請求の登録前3年以内に使用権者によって商標が使用されたという被請求人の主張は、乙第1号証ないし乙第4号証によって証明されているものではない。

第3 被請求人の主張
1 第1答弁
(1)被請求人は北海道岩見沢市に所在するいわみざわ農協に、本件商標の使用許諾を与え、いわみざわ農協は、使用商品に、本件商標を平成10年9月より10年以上にわたり使用している。
被請求人は、これらの事実を「いわみざわ農協」の商標使用証明書(乙第1号証)、「いわみざわ農協」のホームページ(乙第2号証ないし乙第4号証)により証明する。
(2)乙第1号証は、「いわみざわ農協」が特許庁審判長にあてた本件商標の使用証明書である。
乙第2号証ないし乙第4号証は「いわみざわ農協」のホームベージである。そこには使用商標の記事が記載されている。
本件商標は「情熱」の文字より成るものであるが、使用商標中の「米」の文字は商品を表示するものであり、商標としての要部は「情熱」の部分にある。
したがって、乙第2号証ないし乙第4号証により、本件商標使用の事実が判明する。
(3)以上述べたとおり、本件商標は、本件商標の使用許諾を認められた者により使用商品に関して平成10年9月以降使用されており、この点で本件審判請求は成り立たないものと思料する。

2 第2答弁
(1)請求人は、弁駁書において、乙第1号証は本件の審判の請求の登録日以後に作成されたものであり、しかも如何なる根拠によって、被請求人が主張する日より使用しているかが不明であると主張する。
また、乙第1号証からは、商標権者の使用許諾が何時どのような形で行われたかの記載や「使用期間」「使用の様態」「使用地域」等の記載がなく、使用許諾が与えられた証拠たり得ないものであると云う。
被請求人は、ここに乙第5号証として、本件商標の権利者(被請求人)と「いわみざわ農協」との間で平成10年9月1日に取り交わされた商標使用許諾契約書(写)を提出し、上記請求人の主張に答えるものである。
また、乙第6号証として、乙第5号証の商標使用許諾契約書の第3条(許諾に関する特約)に基づく「商標使用に係る許諾申請」に係る書面(写)を、乙第7号証として、当該書面に対する「承諾書」(写)を、それぞれ提出する。
(2)次に、本件商標が、使用商品について、本件の審判の請求の登録前3年以内に使用権者等により使用されていた事実を、乙第8号証ないし乙第14号証として提出する。
乙第8号証は、「いわみざわ農協」が作成した平成19年のパンフレットであり、使用商標の記載がある。
乙第9号証は、「岩見沢市」が2008年(平成20年)8月1日付で発行した広報誌「広報いわみざわ」であり、その第4頁に使用商標を付した包装袋に入った使用商品が掲載され、その下に「こだわりの情熱米」と説明書きが添えられている。
乙第10号証は、北海道岩見沢市9条東1-27に所在の「岩見沢新聞社」が発行する岩見沢新聞の2008年10月17日の新聞記事(一部)であり、乙第11号証は2008年10月29日の新聞記事(一部)である。
乙第12号証は、「いわみざわ農協」のホームページに2007年10月22日に載せられたブログであり、同じく乙第13号証は、2008年10月24日に載せられたブログである。
乙第14号証は、乙第6号証及び乙第7号証に基づき、札幌市中央区北4条西1丁目3番地に所在の「ホクレン農業協同組合連合会」が販売した使用商標を付した包装袋に入った使用商品であり、そこに記載された精米年月日は2009年7月16日である。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第4号証は、いわみざわ農協のホームページと認められるところ、使用商標及び「20年産」の文字が記載された包装袋に入った使用商品の写真が掲載されている。
(2)乙第5号証は、商標権者といわみざわ農協との間で結ばれた平成10年9月1日付けの商標使用許諾契約書と認められるところ、「エスビー食品株式会社(以下甲という)といわみざわ農協(以下乙という)とは、甲の所有する下記登録商標(以下甲商標という)を乙が下記態様(以下乙態様という)で使用するに関し、以下の通り契約を締結する。」と記載され、甲商標の表示として本件商標、登録番号及び指定商品が記載されており、乙態様の表示として「情熱米」の文字が記載されている。
また、商標使用許諾契約書(乙第5号証)の第1条(許諾内容)には、「甲は、乙に対して、以下の範囲で使用することを許諾する。
許諾地域:日本国内全域
許諾商品:精米および玄米
許諾期間:本契約締結の日より3年間」と記載されている。
商標使用許諾契約書(乙第5号証)の第3条(許諾に関する特約)には、「乙が事前に書面により甲に報告し、これを甲が書面により承諾した場合に限り、乙が次の各号に該当しても、甲はこれに異議を差し挟まない。
(1)乙が『空知中央地区米生産流通協議会』の会員農協が生産する許諾商品と同一銘柄の「精米および玄米」商品に、乙態様を使用させること
(2)乙が許諾商品または前号の商品を使用した第三者の「精米および玄米」商品に、乙態様を使用させること」と記載されている。
商標使用許諾契約書(乙第5号証)の第4条(有効期間)には、「本契約の有効期間は、平成10年9月1日より平成13年8月31日までの3年間とする。ただし、契約期間満了3ヶ月前までに甲乙いずれからも書面による契約終了の申出がない場合は、本契約は自動的に1年間更新されるものとし、以後も同様とする。」と記載されている。
(3)乙第6号証は、いわみざわ農協が、商標権者に宛てた「商標使用に係る許諾申請について」と題する書類であるところ、「標記の件につきまして、貴社と当組合が平成10年9月1日付けにて締結の商標使用許諾契約書第3条に定める許諾に関する特約条項について、下記の通り報告致しますので、承認下さる様よろしくお願い申し上げます。

(1)空知中央地区米生産流通協議会々員農協
くりさわ町農業協同組合
峰延農業協同組合
美唄市農業協同組合
月形町農業協同組合
(2)許諾商品を使用する第三者
ホクレン農業協同組合連合会」と記載されている。
(4)乙第7号証は、いわみざわ農協が求めた乙第6号証の許諾申請に対する商標権者の「承諾書」であるところ、「当社は、貴組合との間で平成10年9月1日付締結した商標『情熱』に係わる使用許諾契約第3条に基づき、貴組合が平成10年9月1日付『商標使用に係わる許諾申請』にて、下記のものに商標『情熱米』を使用させることについてお申出をいただいた件に関し承諾いたしましたので、本書をもってご通知申し上げます。

1.第3条第1項に基づき
くりさわ町農業協同組合
峰延農業協同組合
美唄市農業協同組合
月形町農業協同組合
2.第3条第2項に基づき
ホクレン農業協同組合連合会」と記載されている。
(5)乙第8号証は、いわみざわ農協のパンフレットと認められるところ、表紙に「平成19年」の文字、めぐみ幼稚園稲刈り体験学習の写真の下に使用商標が記載されている。
(6)乙第9号証は、岩見沢市が2008年(平成20年)8月1日に発行した「広報いわみざわ」と認められるところ、4頁に使用商標を付した包装袋に入った使用商品の写真が掲載されている。
(7)乙第10号証は、岩見沢新聞社の「・東京の大山商店街で今年3回目の農産物フェア実施、秋の味覚盛況呼ぶ(08.10.17)」と題する記事と認められるところ、東京都板橋区内の大山商店街で今年3回目の『いわみざわ農産物フェア』が開かれ、情熱米ななつぼしの新米などが人気を集めた。・・・同フェアは8、9の2日間の日程で開催され・・・商店街の会場では、いわみざわ農協ブランドの『情熱米』ななつぼしの新米を袋詰めにした1キロ入り200袋と5キロ入り40袋の合計400キロを販売し、・・・」と記載されている。
(8)乙第11号証は、岩見沢新聞社の「・米俵を背に札幌まで力走し情熱米をPR・・・第14回情熱米直送便(08.10.29)」と題する記事と認められるところ、「『第14回情熱米直送便』が25日、実施された。」「青年部のメンバーら約50人が情熱米の入った米俵をバトン代わりにリレーし、・・・各所で農産物の販売会や試食などのPR活動が展開された。」と記載されている。
(9)乙第12号証ないし乙第13号証は、いわみざわ農協のホームページと認められるところ、乙第12号証には、「2007/10/22」「今年も届けます!情熱米直送便」「第13回情熱米直送便」「『情熱』?それは熱き青年の心?」「実施日 平成19年10月27日(土)」「情熱米直送便の状況は、STVラジオ『ウィークエンドバラエティ 日高吾郎ショー』でも紹介されています。」と記載されている。
乙第13号証には、「2008/10/24」「くどいようですが明日は!」「第14回情熱米直送便です!」と記載されている。
(10)乙第14号証は、ホクレン農業協同組合連合会販売の使用商品の包装袋と認められるところ、使用商標、「20年産」の文字、「精米年月日」の文字及び「09.07.16」の文字が記載されている。

2 前記1で認定した事実によれば、以下のとおり判断するのが相当である。
(1)通常使用権者について
商標使用許諾契約書(乙第5号証)によれば、商標権者(甲)といわみざわ農協(乙)は、平成10年9月1日に本件商標の使用許諾契約を締結していること、第4条(有効期間)については甲乙いずれからも書面による契約終了の申出がないこと、本契約は自動的に1年間更新されること、以後も同様とすることから、現在においても本契約は有効に存続しているものと推認することができる。また、これに反する証拠の提出はない。
したがって、いわみざわ農協は、通常使用権者と認めることができる。
また、「商標使用許諾契約書」(乙第5号証)、「商標使用に係る許諾申請について」(乙第6号証)及び「承諾書」(乙第7号証)によれば、商標権者は、ホクレン農業協同組合連合会に、平成10年9月1日付締結した商標「情熱」に係わる使用許諾契約第3条に基づき、使用商標を使用させることについて許諾しているから、ホクレン農業協同組合連合会も通常使用権者と認めることができる。
(2)使用時期について
いわみざわ農協のホームページ(乙第4号証)及び使用商品の包装袋(乙第14号証)に記載されている「20年産」の米は、平成20年に生産された米と認めることができる。
岩見沢新聞社の記事(乙第10号証及び乙第11号証)に記載されている(08.10.17)及び(08.10.29)の文字は、それぞれ2008年(平成20年)10月17日及び2008年(平成20年)10月29日に発行されたものと認めることができる。それぞれの記事から、いわみざわ農協が使用商標を付した使用商品を販売し、宣伝したことが認められる。
使用商品の包装袋(乙第14号証)に記載されている「精米年月日」及び「09.07.16」の文字は、2009年(平成21年)7月16日に精米したものと認めることができる。
これらの日付並びにいわみざわ農協のパンフレット(乙第8号証)に記載されている「平成19年」及び広報いわみざわ(乙第9号証)に記載されている「2008年(平成20年)8月1日」は、本件の審判の請求の登録前3年以内の日付と認めることができる。
(3)本件商標と使用商標の同一性について
本件商標は、「情熱」の漢字を横書きしてなるから、「ジョウネツ」の称呼及び「はげしく燃えたつ感情。熱した感情。熱情。」の観念を生ずる。
一方、いわみざわ農協のホームページ(乙第4号証)、いわみざわ農協のパンフレット(乙第8号証)、広報いわみざわ(乙第9号証)、岩見沢新聞社の記事(乙第10号証及び乙第11号証)及び使用商品の包装袋(乙第14号証)には、使用商標が付されている。
ここで、使用商標中の「米」の文字は、使用商品「米」の普通名称を表したものにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たさない文字部分であるから、使用商品について自他商品の識別標識としての機能を果たす文字部分は、「情熱」の文字部分にあるということができる。そして、「情熱」の文字部分からは、「ジョウネツ」の称呼及び「はげしく燃えたつ感情。熱した感情。熱情。」の観念を生ずる。
したがって、本件商標と使用商標とは、同一の称呼及び観念を生ずる社会通念上同一の商標と認めることができる。

3 まとめ
被請求人が提出した証拠を総合勘案すれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定商品中の「米」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-01-14 
結審通知日 2010-01-19 
審決日 2010-02-01 
出願番号 商願平8-39303 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (030)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長澤 祥子 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 瀧本 佐代子
鈴木 修
登録日 1998-07-03 
登録番号 商標登録第4161576号(T4161576) 
商標の称呼 ジョーネツ 
代理人 秋元 輝雄 
代理人 弁護士法人 衞藤法律特許事務所 

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